第51回(H28) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題86~90】

 

86 食道静脈瘤について正しいのはどれか。

1. 食道の中下部に好発する。
2. 吐血はコーヒー残渣様である。
3. 門脈圧の低下が原因で形成される。
4. 治療は食道離断術が第一選択である。
5. 初期のものは内視鏡で観察すると赤色にみえる。

解答1

解説

 食道静脈癌とは、肝硬変等を背景疾患に門脈圧が亢進することにより、側副血行路として食道粘膜下層の静脈血管に血流がうっ滞し、怒張した状態を指す。

1.〇 正しい。食道の中下部に好発する。
2.× 吐血はコーヒー残渣様ではなく、鮮血色である。コーヒー残渣様の吐血は、胃内での出血の場合である。なぜなら、血液が胃酸に触れることで成分が変化するため。
3.× 門脈圧の低下ではなく、亢進が原因で形成される。
4.× 治療は、食道離断術ではなく、内視鏡が第一選択である。
5.× 食道静脈瘤の有無を確認するために。内視鏡検査を行う。食道静脈瘤が認められたら、瘤の形態、色調、瘤の上の発赤などについて詳細な観察を行い、治療方針を決定する。赤色になっている状態は、血管と食道粘膜の境が非常に薄くなった状態であるため、初期の所見ではない。

 

 

 

 

 

87 アルコール性肝障害について正しいのはどれか。

1. アルコール性肝炎は自覚症状に乏しい。
2. アルコール性脂肪肝では腹痛がみられる。
3. アルコール積算飲酒量と肝障害の発症率は無関係である。
4. アルコール性肝硬変では断酒を続けても組織病変は正常化しない。
5. アルコール性肝硬変では肝細胞癌の発症率が健常者の3倍以上である。

解答4

解説

1.× アルコール性肝炎は、自覚症状に乏しいのではなく、一般的に自覚症状(嘔気・食欲低下・倦怠感など)がみられる。なぜなら、顆状飲酒によって急性の肝障害を呈している状態であるため。
2.× アルコール性脂肪肝で腹痛はみられない
3.× アルコール積算飲酒量と肝障害の発症率は無関係ではなく、関係がある。アルコール積算飲酒量が多ければ多いほど、肝障害の発症率は高くなる
4.〇 正しい。アルコール性肝硬変では断酒を続けても組織病変は正常化しない。肝硬変まで進行すると、禁酒により肝臓の組織学的変化は一部改善するものの「正常化」までは至らない。
5.× アルコール性肝硬変では、肝細胞癌の発症率が健常者の3倍以上ではない。アルコール性肝硬変患者では、肝硬変診断から5年間の肝細胞癌の累積罹患率は1.0%である。

 

 

 

 

 

88 心不全に特徴的な呼吸はどれか。

1. 下顎呼吸
2. 陥没呼吸
3. 奇異呼吸
4. 起座呼吸
5. 鼻翼呼吸

解答4

解説

1.× 下顎呼吸は、呼吸に際して特徴的な下顎の動きを伴うものである。死の直前に出現する。
2.× 陥没呼吸は、吸気時に胸の一部が陥没するものである。肺炎・気道閉塞などで出現する。
3.× 奇異呼吸とは、胸郭運動が一部において連動していない様子。一側性の気道閉塞や気胸などが要因となる。4.〇 正しい。起座呼吸である。起座呼吸とは、上半身を起こした状態で呼吸をする様子を指す。背臥位では呼吸困難を呈するため起座呼吸を行う。心不全において特徴的な所見である。
5.× 鼻翼呼吸は、呼気時に鼻翼が膨らむ動きを伴うものである。呼吸困難の兆しであり、急性喘息・気道閉塞・細気管支炎・急性肺炎・心疾患などが原因となる。

 

 

 

 

 

89 6〜12歳におけるGMFCSレベルと動作能力の組合せで正しいのはどれか。

1.Ⅰ — 階段で手すり使用
2.Ⅱ — 装具なしで歩行
3.Ⅲ — 不整地の歩行
4.Ⅳ — 通常の椅子で座位保持
5.Ⅴ — 寝返り可能

解答2

解説

1.× Ⅰは、制限なしに歩くレベルである。階段で手すり使用はである。
2.〇 正しい。Ⅱ は、装具なしで歩行である。
3.× Ⅲは、手に持つ移動器具を使用して歩くレベルである。不整地の歩行はである。
4.× Ⅳは、制限を伴って自力移動(電動の移動手段を使用しても良い)である。通常の椅子で座位保持はである。
5.× Ⅴは、手動車椅子で移送されるレベルである。寝返り可能はである。

GMFCSのそれぞれレベルの大きな見出し

レベルⅠ:制限なしに歩く
レベルⅡ:制限を伴って歩く
レベルⅢ:手に持つ移動器具を使用して歩く
レベルⅣ:制限を伴って自力移動(電動の移動手段を使用しても良い)
レベルⅤ:手動車椅子で移送される

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

理学療法士国家試験 GMFCSについての問題4選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

90 福山型筋ジストロフィーについて正しいのはどれか。

1. 男児のみに発症する。
2. 初発症状は3歳前後でみられる。
3. 精神遅滞はDuchenne型に比べて少ない。
4. 発症頻度はDuchenne型に比べて少ない。
5. 15歳以降も歩行が可能であることが多い。

解答4

解説

 福山型筋ジストロフィーは先天性筋ジストロフィーのーつであり、常染色体劣性遺伝の遺伝型を示す。生下時からフロッピーインファント(体が柔らかく、ぐにゃぐにゃした赤ちゃんのこと)であるか、生後間もなく発症する。多小脳回(小さくて均等ではない脳回が多数みられる)など脳皮質の奇形と、重度の精神発達遅滞(知的障害)やてんかんを伴う。多くの患者は2歳前後で座位まで獲得できるが、歩行を獲得するものはきわめてまれである。

1.× 男児のみではない。なぜなら、常染色体劣性遺伝であるため。
2.× 初発症状は、3歳前後ではなく、生下時または生後間もなく発症する。
3.× 精神遅滞は、Duchenne型より著しい。なぜなら、脳回などの脳皮質の奇形がみられるため。
4.〇 正しい。発症頻度はDuchenne型に比べて少ない。福山型筋ジストロフィーの有病率は、10万人に3人程度である。Duchenne型の有病率は10万人に17~20人程度である。
5.× 15歳以降も歩行が不可能であることが多い。

 

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