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91 加齢による身体構成成分の変化において若年時と比べて体重比が増加するのはどれか。
1. 骨塩
2. 脂肪
3. 細胞外液
4. 細胞内液
5. 細胞性固形物
解答2
解説
1.× 骨塩は減少する。それに伴い、骨粗鬆症を発症しやすくなる。
2.〇 正しい。脂肪は上昇する。筋肉量・基礎代謝ともに低下し、それに伴い体脂肪は増加する。
3~4.× 細胞外液は一定、細胞内液は減少する。体水分の約2/3が細胞内液(筋などに貯留)、1/3が細胞外液(血液などの体液)に存在する。主に加齢に伴う細胞数の減少により細胞内液は減少するが、細胞外液は成人期以降ではほぼ一定である。
5.× 細胞性固形物の重量は低下する。細胞性固形物とは、タンパク質のほかに細胞膜の成分の脂質、エネルギー源の炭水化物、代謝に必要な無機イオン、遺伝にかかわる核酸などである。
92 認知症をきたす疾患で脳外科的手術によって認知機能が改善する可能性があるのはどれか。2つ選べ。
1. Lewy小体型認知症
2. 進行性核上性麻痺
3. 慢性硬膜下血腫
4. Wernicke脳症
5. 正常圧水頭症
解答3/5
解説
脳外科的な介入により症状の改善を見込めるのは、血腫や膿瘍、腫瘍など病変部位が限局している場合や、水頭症を発症してから時間があまり経っていない場合などに限られる。
1.× Lewy小体型認知症は、Lewy小体が大脳皮質に出現することにより症状が出現する。侵される範囲も広範囲であるため、根本的な治療はない。Lewy小体型認知症とは、Lewy小体が広範な大脳皮質領域で出現することによって、①進行性認知症と②パーキンソニズムを呈する病態である。認知機能の変動・動揺、反復する幻視(人、小動物、虫)、パーキンソニズム、精神症状、REM睡眠型行動障害、自律神経障害などが特徴である。
2.× 進行性核上性麻痺は、大脳基底核や脳幹の変性疾患である。根本的な治療はない。
3.〇 正しい。慢性硬膜下血腫は、頭部を打撲し数週間かかってじわじわと血腫が脳の表面に貯まる病気である。穿頭ドレナージ・血腫洗浄術などの脳外科的手術の施行により症状の改善を見込める。
4.× Wernicke脳症の原因は、ビタミンB1の不足である。ビタミンB1の投与により症状の改善を見込める。脳外科的介入はない。
5.〇 正しい。正常圧水頭症は、発症より数週間以内にシャント手術などを行うことで、症状の回復が期待できる。
93 頸椎後縦靱帯骨化症の症候で正しいのはどれか。
1. 鉛管様固縮
2. 間欠性跛行
3. 膀胱直腸障害
4. 下肢腱反射消失
5. Wrightテスト陽性
解答3
解説
後縦靱帯骨化症(OPLL)とは、椎体骨の後縁を上下に連結し、背骨の中を縦に走る後縦靭帯が骨になった結果、脊髄の入っている脊柱管が狭くなり、脊髄や脊髄から分枝する神経根が押されて、感覚障害や運動障害等の神経症状を引き起こす病気である。症状が進行すると、頚髄損傷のように、四肢の麻痺や、上下肢の腱反射異常、病的反射、膀胱直腸障害が出現するようになる。よって、選択肢3.膀胱直腸障害である。
1.× 鉛管様固縮は、パーキンソニズムの症状の一つである。四肢の動きが硬くなる症状である。
2.× 間欠性跛行は、閉塞性動脈硬化症・腰部脊柱管狭窄症などの症状である。疼痛のため歩行の継続が困難となる症状である。下肢での血流障害や馬尾の圧迫などが原因となる。
4.× 下肢腱反射「消失」ではなく亢進する。なぜなら、上位運動ニューロンが障害されるため。
5.× Wright テスト(ライトテスト)陽性は、胸郭出口症候群において陽性となる。座位で両側上肢を挙上(肩関節を外転90°、外旋90°、肘関節90°屈曲)させると、橈骨動脈の脈拍が減弱する。
94 突然の左不全片麻痺を呈して搬送された患者の発症後3時間の頭部MRI の拡散強調像(下図)に別に示す。
最も考えられるのはどれか。
1. 脳出血
2. 脳梗塞
3. 脳腫瘍
4. 脳動静脈瘻
5. くも膜下出血
解答2
解説
拡散強調画像(DWI:Deffusion Weighted Imaging)とは、水分子のブラウン運動を可視化するものである。超急性期脳梗塞に有用であり、梗塞部位が高信号で描出される。脳の虚血領域を見るのに優れている特徴をもつ。よって、選択肢2.脳梗塞が正しい。ちなみに、問題の画像は、右内包後脚の梗塞と推測できる。
1.× 脳出血は、CTが望ましい。
3.× 脳腫瘍は、MRIのT2強調が望ましい。
4.× 脳動静脈瘻は、MRAが望ましい。脳動静脈瘻とは、動脈と静脈が毛細血管を介さず直接吻合している。
5.× くも膜下出血は、MRIのFLAIRが望ましい。
95 病態とその治療薬の組合せで正しいのはどれか。
1. 関節リウマチ — メトトレキサート
2. ジスキネジア — L-dopa
3. 重症筋無力症 — 抗コリン薬
4. 前立腺肥大症 — 男性ホルモン
5. 消化管出血 — アスピリン
解答1
解説
1.〇 正しい。関節リウマチは、自己免疫疾患である。メトトレキサートは、免疫抑制薬であるため正しい。
2.× ジスキネジアは、ドパイン作用亢進症状である。L-dopaは、ドパインを亢進させる薬である。
3.× 重症筋無力症は、神経筋接合部における抗アセチルコリン受容体抗体によって引き起こされる神経筋疾患である。つまり、抗コリン薬(アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合するのを阻害する薬物)を使用することにより症状を悪化させる。そのため、重症筋無力症には抗コリンエステラーゼ薬が治療に用いられる。抗コリンエステラーゼ薬とは、アセチルコリンの分解酵素を阻害しアセチルコリンの作用を増強することで、重症筋無力症における目や口、全身の筋力低下などを改善する薬である。
4.× 前立腺肥大症は、男性ホルモンの作用亢進が関与している。病態改善には、男性ホルモン作用を抑制することが重要である。そのため、治療にはα1阻害薬や、抗アンドロゲン薬も用いられる。
5.× 消化管出血は、 アスピリンに代表される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が原因となる場合も多い。つまり、消化管出血を助長させるため不適切である。
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