第51回(H28) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題61~65】

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61 破骨細胞について正しいのはどれか。

1. 骨小腔に存在する。
2. 骨芽細胞を破壊する。
3. 不動で活性が低下する。
4. 巨大な多核細胞である。
5. プロテオグリカンを合成する。

解答4

解説

 破骨細胞とは、造血幹細胞から分化した細胞が融合して多核巨細胞になったもの。骨再構築の際の骨吸収の役割を担っている。

1.× 「骨小腔」ではなく、骨髄腔内に存在する。
2.× 「骨芽細胞」ではなく、骨基質を破壊(再吸収)する。
3.× 不動で活性が、「低下」ではなく亢進する。これにより骨吸収が進み、骨粗鬆症へと発展する。
4.〇 正しい。巨大な多核細胞である。
5.× プロテオグリカンを合成するのは、「破骨細胞」ではなく骨芽細胞である。プロテオグリカンは、骨芽細胞により分泌され、骨基質のもととなる。破骨細胞では、カテプシンKというプロテアーゼを産生している。

 

 

 

 

 

 

62 骨格筋の収縮について誤っているのはどれか。

1. 電気刺激を与えた場合に筋活動電位が収縮に先行して生じる。
2. 支配神経に単一刺激を加えて起こる収縮を単収縮という。
3. 単収縮が連続して起こると階段現象がみられる。
4. 刺激頻度を5〜6Hz に上げると強縮が起こる。
5. 速筋は遅筋に比べ強縮を起こす刺激頻度の閾値が高い。

解答4

解説

1.〇 正しい。電気刺激を与えた場合に筋活動電位が収縮に先行して生じる。
2.〇 正しい。支配神経に単一刺激を加えて起こる収縮を単収縮という。
3.〇 正しい。単収縮が連続して起こると階段現象がみられる。階段現象とは、連続した単収縮が起こる時、最初の数回、少しずつ収縮高が大きくなっていく現象のことである。
4.× 刺激頻度を、「5〜6Hz」ではなく25Hzに上げると強縮が起こる。
5.〇 正しい。速筋は遅筋に比べ強縮を起こす刺激頻度の閾値が高い。

 

 

 

 

 

63 神経筋接合部の神経伝達物質はどれか。

1. ドパミン
2. セロトニン
3. アドレナリン
4. γアミノ酪酸
5. アセチルコリン

解答5

解説

1.× ドパミンは、中枢神経系に存在する神経伝達物質で、アドレナリン・ノルアドレナリンの前駆体でもある。黒質変性によるドパミン減少によりParkinson病を来す。
2.× セロトニンは、中枢神経系の縫線核群において産生される神経伝達物質である。脳内で働く神経伝達物質のひとつで、感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わっている。また、消化管では腸蠕動運動の促進に作用する。
3.× アドレナリンは、副腎髄質によってのみ産生・分泌されるホルモンである。アドレナリンやノルアドレナリンなどを総称してカテコールアミンと呼ぶ。 アドレナリンは、昇圧薬として利用されるホルモンで、交感神経系の作用を増強して心拍数増加、心収縮力増加、末梢血管収縮などを引き起こす。
4.× γアミノ酪酸は、GABAともよばれ、抑制性の神経伝達物質として作用する。
5.〇 正しい。アセチルコリン神経筋接合部の神経伝達物質はアセチルコリンである。

 

 

 

 

 

 

64 運動時の変化について正しいのはどれか。

1. 脳の血流量が増加する。
2. 皮膚血流量が減少する。
3. 内臓血管の拡張が起こる。
4. 骨格筋の血管収縮が起こる。
5. 心臓への静脈還流量が増加する。

解答5

解説

1.× 脳の血流量が増加せず、一定に保たれる。血流の再分配によって配分率は低下する。
2.× 皮膚血流量が、「減少」ではなく増加する。なぜなら、運動時には体温の上昇に伴う発汗を促す必要があるため。
3.× 内臓血管の「拡張」ではなく縮小が起こる。なぜなら、運動時には消化の優先度は下がるため。
4.× 骨格筋の血管「収縮」ではなく拡張が起こる。なぜなら、運動時には筋を動かす必要があるため。それに伴い、血液量は増加する。
5.〇 正しい。心臓への静脈還流量が増加する。静脈還流量(心臓の前負荷)が増大することで、心拍出量も増加し、筋などの運動器への血流量の増加に貢献する。

 

 

 

 

 

 

65 強制呼気時に働く筋はどれか。

1. 胸鎖乳突筋
2. 外肋間筋
3. 大胸筋
4. 横隔膜
5. 腹斜筋

解答5

解説

1.× 胸鎖乳突筋は、強制吸気に作用する。
2.× 外肋間筋は、安静吸気に作用する。
3.× 大胸筋は、強制吸気に作用する。
4.× 横隔膜は、安静吸気に作用する。
5.〇 正しい。腹斜筋は、強制呼気に作用する。他に、強制呼気に作用する筋は、内肋間筋、腹直筋、外・内腹斜筋、腹横筋などである。

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【暗記用】咀嚼筋、頚部筋の起始・停止・作用・神経を完璧に覚えよう!

 

2 COMMENTS

匿名

>階段現象とは、筋に対し同じ強さの刺激を一定頻度以上で与えると、単収縮が連続して重なり合うように起こり、筋収縮が階段状に強くなる現象のことである。

こは加重の説明と勘違いしやすいと思います。
階段現象とは、連続した単収縮が起こる時、最初の数回、少しずつ収縮高が大きくなっていく現象です。単収縮が重なるわけではないです。

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大川 純一

コメントありがとうございます。
ご指摘どおり解答と解説で差異が生じておりました。
修正いたしましたのでご確認ください。
今後とも宜しくお願いいたします。

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