第50回(H27) 作業療法士国家試験 解説【午後問題21~25】

 

21 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で運動方向と基本軸の組合せで正しいのはどれか。

1.肩甲帯挙上:両側の肩峰を結ぶ線
2.肩内旋:肘を通る矢状面への垂直線
3.手伸展:尺骨
4.股外旋:両側の上前腸骨棘を結ぶ線
5.足屈曲(底屈):脛骨への垂直線

解答1

解説
1.〇 正しい。肩甲帯挙上は、【基本軸】両側の肩峰を結ぶ線である。ちなみに、【移動軸】肩峰と胸骨上縁を結ぶ線、【測定部位及び注意点】背面から測定するである。
2.× 肩内旋は、【基本軸】肘を通る矢状面への垂直線ではなく、肘を通る前額面への垂直線である。ちなみに、【移動軸】尺骨、【測定部位及び注意点】上腕を体幹に接して、肘関節を前方90°に屈曲した肢位で行う。前腕は中間位とする。
3.× 手伸展は、【基本軸】尺骨ではなく、前腕の中央線である。ちなみに、【移動軸】第三中手骨、【測定部位及び注意点】前腕を回内位で行う。
4.× 股外旋は、【基本軸】両側の上前腸骨棘を結ぶ線ではなく、膝蓋骨より下した垂直線である。ちなみに、【移動軸】下腿中央線(膝蓋骨中心より足関節内外果中央線)、【測定部位及び注意点】背臥位で、股関節と膝関節を90°屈曲位にして行う。骨盤の代償を少なくする。
5.× 足屈曲(底屈)は、【基本軸】脛骨への垂直線ではなく、腓骨への垂直線である。ちなみに、【移動軸】第5中足骨、【測定部位及び注意点】膝関節を屈曲位で行う。

 

 

 

 

 

 

22 バランス能力を評価できるのはどれか。2つ選べ。

1.Repetition maximum
2.Functional reach test
3.Modified Ashworth scale
4.Timed up and go test
5.Functional assessment staging

解答2/4

解説
1.× Repetition maximum(RM:最大反復回数)とは、ある負荷(重量)を何回繰り返し行うことができるかを示すものである。ウエイトリフティングなど筋力トレーニングなどにおいて主に使用される。
2.〇 正しい。Functional reach test(ファンクショナルリーチテスト:FRT)は、バランスの評価に用いられる。前方への重心移動域を上肢の移動距離として測定する。立位で、足が前に出たり浮いたりしないようにしながら、水平方向に上肢をできるだけ伸ばす。
3.× Modified Ashworth scale(MAS)は、筋緊張(痙縮)の程度を6段階に分類し評価するものである。
4.〇 正しい。Timed up and go test(TUG)は、運動器不安定症の指標となっている。椅子から3m離れたところにコーンなどを置き、被験者が椅子から立ち上がりコーンを回って戻って再び椅子に座るまでの時間を測定する。
5.× Functional assessment staging(FAST)は、Alzheimer型認知症の認知機能障害を1(正常)~7(高度)の7段階で評価する。

 

 

 

 

 

 

23 簡易上肢機能検査(STEF)について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.標準化された検査である。
2.左右それぞれ50点満点である。
3.8種類のサブテストから構成されている。
4.サブテストの所要時間から得点を算出する。
5.脳卒中患者の上肢機能評価として開発された。

解答1/4

解説

STEF (Simple Test for Evaluating Hand Function:簡易上肢機能検査)とは?

 STEF (Simple Test for Evaluating Hand Function:簡易上肢機能検査)とは、上肢の動作能力(特に動きの速さ)を客観的に、しかも簡単かつ短時間(20~30分)に把握するための評価法である。10種類のテストからなり、それぞれ大きさや形の異なる物品を把持して移動させ、一連の動作に要した時間を計測し、所要時間を決められた点数(1~10点)に当てはめて、右手と左手との差を左右別に合計点数を算出する。また参考値との比較も可能である。

1.〇 正しい。標準化された検査である。健常者の値・参考値との比較などが可能である。
2.× 左右それぞれ50点満点ではなく、100点満点である。各項目それぞれ10点満点で10種類、左右それぞれ100点満点である。
3.× 8種類ではなく、10種類のサブテストから構成されている。
4.〇 正しい。サブテストの所要時間から得点を算出する。
5.× 脳卒中患者ではなく、上肢機能が低下している者(例:脳血管疾患・頚髄症・関節リウマチなど)すべて対象の上肢機能評価として開発された。ちなみに、脳卒中患者に特化、開発された上肢機能検査は、MFT(Manual Function Test)がある。MET(Manual Function Test:脳卒中上肢機能検査)とは、「上肢の前方挙上」、「上肢の側方挙上」、「手掌を後頭部へ」、「手掌を背部へ」、「握る」、「つまむ」ができるか否か、および「立方体運び」と「ペグボード」の規定時間内の達成数を得点化し(32点満点)、これを100点満点に換算する。

 

 

 

 

 

 

24 BADSの下位項目にないのはどれか。

1.鍵探し検査
2.上中下検査
3.時間判断検査
4.行為計画検査
5.動物園地図検査

解答2

解説

BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)とは?

BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)は、カードや道具を用いた6種類の下位検査と1つの質問紙で構成されている。質問紙には合計20の質問があり、①感情・人格、②動機付け、③行動、④認知の4カテゴリーが5段階で評価される。検査項目は、【6種類の下位検査】①規則変換カード検査、②行為計画検査、③鍵探し検査、④時間判断検査、⑤動物園地図検査、⑥修正6要素検査である。

1.〇 鍵探し検査は、6種類の下位検査に含まれている。鍵探し検査とは、なくした鍵を探し出すための効率的な道筋を紙に書き込む検査である。
2.× 上中下検査(Position Stroop Test)は、標準注意検査法(CAT)の下位項目である。上中下検査(Position Stroop Test)とは、検査用紙の上段・中段・下段に、「上・中・下」という漢字がランダムに1文字ずつ配置されていて、その漢字の意味に惑わされずに、漢字の位置を言わせる検査である。
3.〇 時間判断検査は、6種類の下位検査に含まれている。時間判断検査とは、4つの日常的なことに対して要する時間の長さを答えるもので、常識的な推察力を調べる検査である。
4.〇 行為計画検査は、6種類の下位検査に含まれている。行為計画検査とは、試験管内にあるコルクをいろいろな道具を用いて取り出す検査で作業遂行能力を調べる。
5.〇 動物園地図検査は、6種類の下位検査に含まれている。動物園地図検査とは、動物園の地図上にある一連の決められた場所を訪れて、目的地まで到達することが求められる検査である。

 

 

 

 

 

 

25 GATB(厚生労働省編一般職業適性検査)で測定できないのはどれか。

1.運動共応
2.言語能力
3.数理能力
4.対人関係
5.知的能力

解答4

解説

 GATE(厚生労働省編一般職業適性検査)で評価される能力は、①知的能力、②言語能力、③数理能力、④書記的知覚、⑤空間的判断、⑥形態知覚、⑦運動共応、⑧指先の器用さ、⑨手腕の器用さの9つである。多くの職業で必要とされる9つの能力(適性能)を評価することにより、望ましい職業選択を行うための情報を提供することを目的として作成されたものである。したがって、選択肢4.対人関係は、GATB(厚生労働省編一般職業適性検査)で測定できない。

 

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