第49回(H26) 作業療法士国家試験 解説【午前問題6~10】

 

6 70歳の男性。急性心筋梗塞を発症した。心電図を下図に示す。
 所見として考えられるのはどれか。2つ選べ。

1.PQ延長
2.ST上昇
3.冠性T波
4.異常Q波
5.心室期外収縮

解答2/4

解説
 心筋梗塞では、T波の増高が最も早くみられ、時間の経過と共にST上昇→異常Q波→陰性T波が見られるようになる。この特徴的な心電図所見を記憶しておくと良い。
V₁~V₃に異常Q波、V₁からV₄に著名なST上昇が見られるため、発症後2~6時間後の前壁中隔の急性心筋梗塞であり、左前下行枝の購読が疑われる。

1.× PQ延長間隔は、一定である。
2.〇 正しい。V₁~V₄でST上昇が見られる。ST上昇は心筋梗塞の発症直後にみられる。
3.× 冠性T波は、発症後1~4週間以降にみられる。この心電図では見られない。
4.〇 正しい。異常Q波は、心筋梗塞発症後2~6時間後からみられ、通常、半永久的に残る。
5.× 心室期外収縮はみられない。

苦手な人向けにまとめました。参考にしてください↓

理学療法士国家試験 心電図について~ステップ③異常な波形を覚える~「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

7 42歳の女性。右利き。生来健康。悪性黒色腫による左上腕切断。標準断端。今後化学療法が施行される予定である。
 この患者に対する上腕義手として適切なのはどれか。

1.ソケットは差し込み式
2.コントロールケーブルは単式
3.肘完全屈曲に要する肩屈曲角は50°
4.口元での手先具は40%開大
5.操作効率は40%

解答1

解説
1.〇 正しい。上腕切断の標準断端では、差し込み式ソケットを用いることが多い。
2.× コントロールケーブルシステムは、前腕義手に用いる。上腕切断では、手先具の開閉操作と肘の屈曲運動操作の機能が必要となるため、複式コントロールケーブルシステムを用いる。
3.× 肘完全屈曲に要する肩屈曲角は45°以下で適合となる。
4.× 口元での手先具は、最大開閉幅の50%以上で適合となる。
5.× 操作効率は50%以上で適合となる。

 

 

 

 

 

 

8 48歳の女性。上肢の麻痺を訴え受診した。患者が、手関節と手指を、軽度屈曲位にした状態から伸展しようとしたときの手の写真を下図に示す。
 この病態の原因はどれか。

1.橈骨神経上位麻痺
2.Guyon管症候群
3.前骨間神経麻痺
4.後骨間神経麻痺
5.肘部管症候群

解答4

解説

 写真から、手関節背屈動作は可能であるが、MP関節が伸展不可能であることがわかる。よって、橈骨神経麻痺低位型である。

1.× 橈骨神経上位麻痺では、手関節の背屈が困難になり、下垂手なる。
2.× Guyon管症候群は、尺骨神経低位麻痺が起こり、鉤爪変形(鷲手)を呈する。
3.× 前骨間神経麻痺では、母指IP関節示指DIP関節の屈曲が困難となる。
4.〇 正しい。後骨間神経麻痺では、手指MP関節・母指伸展・外転が不能になり、下垂指となる。
5.× 肘部管症候群は、尺骨神経麻痺が起こり、鉤爪変形(鷲手)を呈する。

 

 

 

 

 

 

次の文により9、10の問いに答えよ。
 25歳の男性。転落による頸髄損傷。受傷後2年経過。筋力はMMTで、三角筋4、大胸筋鎖骨部2、上腕二頭筋5、上腕三頭筋0、回内筋0、腕橈骨筋4、長橈側手根伸筋3、橈側手根屈筋0、手指屈筋0で左右差はない。

9 自動車運転の際に用いる旋回装置の写真を下図に示す。
 この患者に適しているのはどれか。

1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤

解答5

解説
 MMTの結果から、上腕三頭筋が機能残存しておらず、長橈骨手根伸筋は機能しているが弱いため、残存機能レベルはZancolliの分類のC6Aであると考えられる。C6Aは手関節背屈が弱く、肘伸展や手関節掌屈、手指の動作が困難なレベルである。

1.× ①は、スティック型旋回装置である。手で握ることができる場合に適応となる。
2.× ②は、リング型旋回装置である。義手の爪をリングの中に差し込んで操作する義手用の旋回装置である。
3.× ③は、標準型旋回装置である。手で握ることができる場合に適応となる。
4.× ④は、Y字型ないしU字型旋回装置である。ステアリング操作の軽い自動車であれば、握力が弱くても手で握ることができれば適応となる。C6Aではテノデーシスで手背屈を持続し続けるのが困難であるため、手が抜けてしまう可能性がある。
5.〇 正しい。⑤は、横型旋回装置であり、手掌型の一種である。手掌型には横型と縦型があり、臨床的には、縦型はC6A・B1、横型はC6B2~適応とされる。

 

 

 

 

 

 

次の文により9、10の問いに答えよ。
 25歳の男性。転落による頸髄損傷。受傷後2年経過。筋力はMMTで、三角筋4、大胸筋鎖骨部2、上腕二頭筋5、上腕三頭筋0、回内筋0、腕橈骨筋4、長橈側手根伸筋3、橈側手根屈筋0、手指屈筋0で左右差はない。

10 旋回装置を右ハンドル乗用車のハンドルに取り付ける位置として正しいのはどれか。

1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤

解答1※
※備考:当時採点除外など取り扱いをすることが望ましいと意見された。

解説
 旋回装置は、ハンドルの保持や操作ができない者に使用する装置である。上肢の残存する機能レベルに応じて形状が変わる。頸髄損傷者の運転時には、姿勢保持のための体幹サポートが重要であり、さらに、ドア内部の肘掛部分で肘を安定させることもある。C6Aでは残存する機能も限られており、本来ならば肩関節屈曲の力をどの位置からなら出しやすいか実車にて評価し、取り付け位置の検討が必要となる。

1.〇 正しい。①のようにハンドルの右下方に取り付けることが多い。運転で最も力が必要な時は、停車時からのすえ切りであり、その際、ハンドルを押し上げる必要がある。
2.△ ②のように、ハンドルの右上方に取り付けることもあるが、最も優先度が高いのは①となる。ちなみに、「脊髄損傷のリハビリテーション改訂第2版p204」には②の位置が正しい位置として示されている。
3.× ③は不適切である。なぜなら、最上方に設置されており、上肢を空間で保持しなければならなく、正中位を超えたリーチとなることもあるため。
4~5.× ④~⑤は、操作困難となる。なぜなら、正中位を超えたリーチが必要になり、座位が不安定となるため。

 

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