第49回(H26) 作業療法士国家試験 解説【午前問題31~35】

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31 CRPS(複合性局所疼痛症候群)に関連するのはどれか。

1.Dupuytren拘縮
2.Volkmann拘縮
3.Sudeck骨萎縮
4.無腐性壊死
5.異所性骨化

解答3

解説

複合性局所疼痛症候群(CRPS)とは?

 複合性局所疼痛症候群(CRPS)とは、「外傷等による組織損傷後に、疼痛がその原因の程度とは不釣り合いに強く長期に渡って持続し、さらに原因と直接因果関係のない浮腫・皮膚血流変化や発汗異常を伴う慢性疼痛症候群」のことをいう。従来、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD: Reflex Sympathetic Dystrophy)、カウザルギー(Causalgia)と呼んでいた病態も含まれる。

1.× Dupuytren拘縮(デュプイトラン拘縮)とは、手掌腱膜の線維腫症で、指の屈曲拘縮をきたすものである。発症の原因は不明である。
2.× Volkmann拘縮(フォルクマン拘縮)とは、上腕や上腕の外傷(上腕骨顆上骨折など)や外傷から圧迫により血行障害を生じ、前腕屈筋群や神経の虚血性壊死による特有の拘縮や麻痺を呈するものである。
3.〇 正しい。Sudeck骨萎縮(ズデック骨萎縮)は、CRPS(複合性局所疼痛症候群に関連する。Sudeck骨萎縮とは、骨折などの外傷、または、その手術の後に、急速な自発痛、運動痛、浮腫とともに著明な骨萎縮をきたす場合の骨変化のことである。
4.× 無腐性壊死とは、非感染性壊死のことであり、血流条件の悪い大腿骨頸部、手舟状骨、距骨、上腕骨解剖頸の骨折によって栄養血管が損傷を受け、血流が遮断されることで骨折片が壊死に陥ることをいう。
5.× 異所性骨化とは、筋や筋膜、関節包、靭帯などの骨・関節周囲の軟部組織に起こる異常骨化であり、メカニズムは不明確な部分が多い。CRPS(複合性局所疼痛症候群では骨萎縮が起こる。好発部位は股関節(最も多い)・膝関節(2位)・肩関節(4位)・肘関節(3位)などである。脊髄損傷受傷後1~6か月くらいに発症することが多い。

 

 

 

 

 

 

32 多発性硬化症について正しいのはどれか。

1.高齢者に多い。
2.脱髄が主病変である。
3.症状に日内変動がみられる。
4.初発症状として眼瞼下垂が多い。
5.脳神経系では聴覚が障害されやすい。

解答2

解説

多発性硬化症とは?

 多発性硬化症は、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴である。病変部位によって症状は様々であるが、視覚障害(視神経炎)を合併することが多く、寛解・増悪を繰り返す。視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等であり、病変部位によって異なる。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)の他にも、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。若年成人を侵し再発寛解を繰り返して経過が長期に渡る。視神経や脊髄、小脳に比較的強い障害 が残り ADL が著しく低下する症例が少なからず存在する長期的な経過をたどるためリハビリテーションが重要な意義を持つ。

(参考:「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」厚生労働省様HPより)

1.× 「高齢者」ではなく、若年~中年女性に多い。
2.〇 正しい。中枢神経系の白質に炎症性の脱髄性病変が多発する疾患である。
3.× 日内変動はみられない。ちなみに、日内変動がみられるのは重症筋無力症である。
4.× 急激な視力の低下が初発症状であることが多い。ちなみに、眼瞼下垂がみられるのは重症筋無力症である。
5.× 球後視神経炎、核間性眼筋麻痺(MFL症候群)のため視覚が障害されやすい。

 

重症筋無力症とは?

 重症筋無力症とは、末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患のこと。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状をおこしやすいことが特徴(眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型と呼ぶ)。嚥下が上手く出来なくなる場合もある。重症化すると呼吸筋の麻痺をおこし、呼吸困難を来すこともある。日内変動が特徴で、午後に症状が悪化する。クリーゼとは、感染や過労、禁忌薬の投与、手術ストレスなどが誘因となって、急性増悪し急激な筋力低下、呼吸困難を呈する状態のことである。
【診断】テンシロンテスト、反復誘発検査、抗ACh受容体抗体測定などが有用である。
【治療】眼筋型と全身型にわかれ、眼筋型はコリンエステラーゼ阻害 薬で経過を見る場合もあるが、非有効例にはステロイド療法が選択される。胸腺腫の合併は確認し、胸腺腫合併例は、原則、拡大胸腺摘除術を施行する。難治例や急性増悪時には、血液浄化療法や免疫グロブリン大量療法、ステロイド・パルス療法が併用 される。

(※参考「11 重症筋無力症」厚生労働省HPより)

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33 骨量の低下を認めるのはどれか。

1.痛風
2.骨軟化症
3.骨粗鬆症
4.サルコペニア
5.甲状腺機能低下症

解答3

解説
1.× 痛風は、血中尿酸値の上昇がみられ、非常に激しい関節痛が第1中足指節関節にあるのが特徴である。
2.× 骨軟化症は、骨量は正常であるが、石灰化が障害された状態である。
3.〇 正しい。骨粗鬆症は、骨形成低下または骨吸収の促進により骨量の低下がみられる。
4.× サルコペニアは、筋量の減少のことである。
5.× 甲状腺機能低下症は、主にコレステロール上昇LD(LDH)の上昇がみられる。副甲状腺機能亢進症や甲状腺機能亢進症は、続発性骨粗鬆症の原因となる。

痛風とは?

 痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。

 

 

 

 

 

 

34 切断と義肢のソケットの組合せで誤っているのはどれか。

1.上腕切断:オープンショルダー式
2.前腕切断:ミュンスター式
3.下腿切断:PTB式
4.Syme切断:KBM式
5.股関節離断:カナダ式

解答4

解説
1.〇 正しい。上腕切断における標準断端かつ断端の状態がいい場合にオープンショルダー式ソケットが適応になる。
2.〇 正しい。ミュンスター式は前腕切断における「極短断端~短断端」に適応する。
3.〇 正しい。PTB式(patellar tendon bearing式)は、下腿切断のソケットで懸垂のためのカフベルトが必要である。
4.× KBM式ソケット(Kondylen Bettung Munster式)は、下腿切断のソケットで、大腿骨顆の上方を両側からソケットで包むようにして義足を懸垂している。ちなみにSyme切断とは足関節部での切断である。
5.〇 正しい。カナダ式は股関節離断のソケットである。骨盤を十分に覆うため、固定性が良いのが特徴である。

 

 

 

 

 

 

35 関節リウマチ患者の日常生活の評価に用いられるのはどれか。

1.Larsen分類
2.Lansbury指数
3.Steinbrockerのclass分類
4.DAS28(disease activity score 28)
5.AIMS(arthritic impact measurement scale)

解答3

解説
1.× Larsen(ラーセン)分類は関節破壊に対するX線を用いたgrade分類であり、日常生活とは関係ない。
2.× Lansbury(ランスバリー)指数は関節リウマチの活動性の指標である。
3.〇 正しい。Steinbrocker(スタインブロッカー)のclass分類は日常生活における機能障害度分類であり、stage分類は病期の分類である。
4.× DAS28(disease activity score 28)は、ヨーロッパのリウマチ学会が作った疾患活動性の指標である。観察対象関節は、肩関節2、肘関節2、手関節2、手指(DIP除く)20、膝関節2で合計28関節を評価する。
5.× AIMS(arthritic impact measurement scale:関節炎影響測定尺度)は患者自身による運動機能評価をすることで健康状態の指標にしている。関節リウマチ患者のQOL評価法として国際的に用いられている。

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