第49回(H26) 作業療法士国家試験 解説【午後問題26~30】

 

26 認知症患者への作業療法で適切なのはどれか。

1.徘徊するため、着席を求めた。
2.食べ物がわかりやすいよう、模様のある皿を使用した。
3.患者の趣味開発のために体験のない生け花を取り入れた。
4.日付の見当識障害に対し、文字の大きなカレンダーに変えた。
5.ガスの消し忘れでボヤを起こしたので、介助者とともに調理させた。

解答5

解説

1.× 徘徊するため、着席を求める必要はない。なぜなら、行動を制止されたころによる不安や不満を助長させることとなるため。
2.× 食べ物がわかりやすいよう、模様のある皿を使用する必要はない。なぜなら、模様のある皿を使用すると、食べ物が判断しにくくなるため。食べ物と皿の区別がはっきりするように工夫する。
3.× 患者の趣味開発のために体験のない生け花を取り入れる必要はない。なぜなら、認知症の高齢者は、体験のない新しい作業を覚えることは難しいため。よって、なじみのある活動を取り入れることが望ましい。
4.× 日付の見当識障害に対し、文字の大きなカレンダーに変える必要はない。なぜなら、大きなカレンダーに変えても日付の見当識障害は改善しないため。視力が低下した高齢に対し、大きい文字のカレンダーは有効である。
5.〇 正しい。ガスの消し忘れでボヤを起こしたので、介助者とともに調理する。なぜなら、介助者とともに調理を行うことで、安全な環境のもとで得意な作業をできるため。

 

 

 

 

 

 

27 小脳梗塞の患者にみられる徴候で正しいのはどれか。

1.指鼻試験陰性
2.踵膝試験陰性
3.筋トーヌス亢進
4.Babinski反射陽性
5.Romberg試験陰性

解答5

解説

1.× 指鼻試験は、陰性ではなく陽性となる。小脳の運動失調により指鼻試験は陽性となり、企図振戦がみられる。
2.× 踵膝試験は、陰性ではなく陽性となる。小脳の運動失調により運動が拙劣になり、踵膝試験陽性となる。
3.× 筋トーヌス(筋緊張)は、亢進せず、むしろ低下する。
4.× Babinski反射(バビンスキー反射)は、陽性ではなく陰性となる。錐体路障害で陽性となる。
5.〇 正しい。Romberg試験(ロンベルグ試験)は、陰性ではなく陽性となる。Romberg試験は閉眼した状態で体幹の動揺が生じ転倒した時に陽性となる。深部感覚(脊髄後索)末梢神経前庭神経の障害でRomberg徴候陽性となる。

 

 

 

 

 

 

28 骨粗鬆症のある高齢者で起こりやすい骨折はどれか。

1.橈骨骨幹部骨折
2.上腕骨顆上骨折
3.骨盤骨折
4.大腿骨頸部骨折
5.脛骨骨幹部骨折

解答4

解説

 

高齢者の4大骨折

 骨粗鬆症は閉経後の女性に多く、骨の変形や痛み、易骨折性の原因となる。高齢者に多い骨折は①大腿骨頸部骨折、②脊椎圧迫骨折、③橈骨遠位端骨折、④上腕骨頸部骨折などがあり、これらは「高齢者の4大骨折」と呼ばれている。

1.× 橈骨骨幹部骨折ではなく、橈骨遠位端骨折は、骨粗鬆症のある高齢者で起こりやすい骨折である。
2.× 上腕骨顆上骨折ではなく、上腕骨頸部骨折は、骨粗鬆症のある高齢者で起こりやすい骨折である。
3.× 骨盤骨折ではなく、脊椎圧迫骨折は外傷やスポーツの疲労骨折として見られる。外傷性のものは出血性ショックをきたすことがある。
4.〇 正しい。大腿骨頸部骨折は、骨粗鬆症のある高齢者で起こりやすい骨折である。
5.× 脛骨骨幹部骨折ではなく、下肢は大腿骨頸部骨折が骨粗鬆症のある高齢者で起こりやすい骨折である。

 

 

 

 

 

 

29 槌指(mallet finger)で自動運動が困難なのはどれか。

1.DIP関節屈曲
2.DIP関節伸展
3.PIP関節伸展
4.PIP関節屈曲
5.MP関節屈曲

解答2

解説

槌指とは?

槌指は、DIP関節の過屈曲によりDIP関節の伸筋腱の断裂で起こる。DIP関節が曲がったままで痛みや腫れがあり、自動伸展は不能で、自分で伸ばそうと思っても伸びない。しかし、他動伸展は可能である。

1.× DIP関節での屈曲は障害されていないので、槌指では屈曲したままとなる。
2.〇 正しい。DIP関節伸展は、槌指(mallet finger)で自動運動が困難である。DIP関節での指伸展機構の損傷である。
3~5.× PIP関節伸展・屈曲、MP関節屈曲は関係ない。

 

 

 

 

 

 

30 Guillain-Barré症候群について誤っているのはどれか。

1.自己免疫機序による。
2.髄液の異常所見がみられる。
3.筋力低下は体幹から始まる。
4.自覚的感覚異常がみられる。
5.神経原性の針筋電図所見を認める。

解答3

解説

Guillain-Barré症候群とは?

 Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。下位運動ニューロンが主に侵され、四肢末梢優位の筋力低下から自覚することが多い。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。

1.〇 自己免疫機序による末梢神経の髄鞘の障害が原因の一つと考えられている。
2.〇 髄液所見では細胞数の増加はみられないが、蛋白の上昇が認められる。
3.× 筋力低下は、体幹からではなく、下肢遠位筋から始まる。
4.〇 四肢末梢優位の自覚的感覚異常がある。
5.〇 Guillain-Barré症候群では末梢神経伝導検査で、運動神経伝導速度の低下、あるいは伝導ブロックがみられる。神経原性の針筋電図所見を認めものには、筋萎縮性側索硬化症などがある。

 

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