第49回(H26) 作業療法士国家試験 解説【午前問題21~25】

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21 改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST-R)で「つかまって立ち上がれる」の通過率75%が含まれる時期はどれか。

1. 7か月以上9か月未満
2. 9か月以上11か月未満
3. 11か月以上13か月未満
4. 13か月以上15か月未満
5. 15か月以上17か月未満

解答2

解説


1. × 7か月以上9か月未満は、①玩具をとろうとする、②寝返るなどの時期である。
2. 〇 正しい。9か月以上11か月未満は、「つかまって立ち上がれる」の通過率75%が含まれる時期である。
3. × 11か月以上13か月未満は、①伝い歩き、②バイバイ、③両手の積み木を打ち合わすなどの時期である。
4. × 13か月以上15か月未満は、①対立つまみ、②1人で上手立っていられるなどの時期である。
5. × 15か月以上17か月未満は、①上手に歩く、②家事をまねる、③コップを自分で持ちあまりこぼさず飲む、④ボールで遊ぶなどの時期である。

 

 

 

 

 

 

22 急性期における脳卒中の意識障害の評価で正しいのはどれか。

1.GCS(Glasgow coma scale)では、異常屈曲は1点である。
2.GCS(Glasgow coma scale)で、7点以下は重度の意識障害を示す。
3.GCS(Glasgow coma scale)は、痛み、言語および運動の要素に分けられる。
4.JCS(Japan coma scale)では、普通の呼びかけで容易に開眼すると2である。
5.JCS(Japan coma scale)では、痛み刺激に対し払いのけるような動作をすると30である。

解答2

解説
1.× GCS(Glasgow coma scale)で、四肢異常屈曲は、「M1点」ではなく、3点である。
2.〇 正しい。GCS(Glasgow coma scale)で、7点以下は重度の意識障害を示す。ちなみに、7点以下は重度の意識障害で予後不良とされ、点数が高いほど意識清明である。
3.× GCS(Glasgow coma scale)では、①開眼機能(E)、②言語機能(V)、③運動機能(M)の三要素に分けて意識状態を指標化し、合計得点により評価する。
4.× JCS(Japan coma scale)で、普通の呼びかけで容易に開眼すると、「2」ではなく10である。ちなみに、2は見当識障害があるである。
5.× JCS(Japan coma scale)では、痛み刺激に対し払いのけるような動作をすると、「30」ではなく、100である。ちなみに、30は痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと、辛うじて開眼するである。

詳しく勉強したい方はこちら↓

【暗記用】意識障害の評価(JCS・GCS)を完璧に覚えよう!

 

 

 

 

 

 

23 Danielsらの徒手筋力テストの肘関節屈曲の段階5の検査において、患者が座位で上肢を体側につけ、前腕中間位で測定することが望ましいとされている筋はどれか。

1.長橈側手根伸筋
2.上腕二頭筋
3.腕橈骨筋
4.円回内筋
5.上腕筋

解答3

解説
1.× 長橈側手根伸筋(手関節背屈)は、前腕回内位で測定する。
2.× 上腕二頭筋(肘関節屈曲)は、前腕回外位で測定する。
3.〇 正しい。腕橈骨筋(肘関節屈曲)は、Danielsらの徒手筋力テストの肘関節屈曲の段階5の検査において、患者が座位で上肢を体側につけ、前腕中間位で測定することが望ましいとされている筋である。
4.× 円回内筋(主に前腕回内)は、前腕回外位で測定する。ちなみに、肘屈曲にも補助的な働きも持つ。
5.× 上腕筋は、前腕回内位で測定する。

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24 小児を対象とした評価法とその説明の組合せで正しいのはどれか。

1.GMFM:学習障害を評価する。
2.K-ABC:日常活動の自立度を測定する。
3.PEDI:機能的スキルを評価する。
4.WeeFIM:生命維持機能を評価する。
5.WISC-Ⅲ:粗大運動能力を測定する。

解答3

解説
1.× GMFM(Gross Motor Function Measure)は脳性まひ児の粗大運動の尺度であり、治療効果の評価などに用いる。
2.× K-ABC(Kaufman Assessment Battery for Children)とは、子供の知的能力を認知処理過程と知識・技能の習得度の両面から評価するもので、適応年齢は、2歳6ヶ月から12歳11か月までである。学習障害のスクリーニングは可能である。
3.〇 正しい。PEDI(Pediatric Evaluation of Disability Inventory;リハビリテーションのための子どもの能力低下評価法)はセルフケア・移動・社会的機能の3つの領域の機能的スキルを評価するもので、生後6ヶ月から7歳6ヶ月までの子どもが対象である。
4.× WeeFIMは7歳未満を対象としたFIMの小児版である。
5.× WISC-Ⅲ(Wechsler Intelligence Scale for Children-Third Edition)は5~16歳11ヶ月までに適応可能な知能検査であり、学習障害の評価にも用いられる。

 

 

 

 

 

 

25 記憶に関連する説明で正しいのはどれか。

1.再生は再認より容易である。
2.展望記憶は陳述記憶に含まれる。
3.手続き記憶は潜在記憶の一つに位置付けられる。
4.作動記憶(ワーキングメモリー)は出来事に関する記憶である。
5.逆向健忘は発症以後にあった出来事を覚えていられないことをいう。

解答3

解説
1.× 逆である。再認再生より容易である。再生とは、記憶した情報を思い起こすことである。再認とは、自身が知っている情報であるか否かを判断する事である。つまり、再認のほうが容易である。
2.× 展望記憶は、陳述記憶に含まれない。陳述記憶は、言葉、社会常識、専門知識などの「意味記憶」と、個人の生活史、思い出などの「エピソード記憶」がある。展望記憶は、将来実行予定の出来事についての記憶であるが、実生活上は予定された時刻よりも先に思い出す必要はある。そのため、単に行うべき内容の記憶(陳述記憶)以外に、いつ思い出すかという何らかの認知機能が働く必要があるので、展望記憶は陳述記憶の中には含まれない。
3.〇 正しい。手続き記憶は、潜在記憶の一つに位置付けられる。手続き記憶は、動作・行為における技能など、繰り返しによって「体で覚えた」記憶の事である。
4.× 作動記憶(ワーキングメモリー)は出来事に関する記憶ではない。作動記憶(ワーキングメモリー)とは、物事を思考・実行する際に情報を一時的に(数秒程度)保持し、意識的に操作することができる記憶をいう。
5.× 逆向健忘は、「発症以後」ではなく発症以前にあった出来事を覚えていられないことをいう。逆向健忘とは、意識障害中の期間だけでなく、それ以前の期間のことも想起できないことである。

 

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