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46 成人の静止立位で正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 体重心線は膝関節軸の前方を通る。
2. 体重心は床から身長の45%の高さにある。
3. 頭部の重心線は環椎後頭関節の後方を通る。
4. 身長に対する体重心の相対的位置は小児より低い。
5. 足関節にかかる重力のモーメントは底屈モーメントである。
解答1/4
解説
1.〇 正しい。体重心線は、膝関節軸の前方を通る。重心線は、①耳垂のやや後方→②肩峰→③大転子→④膝関節前部(膝蓋骨後面)→⑤外果前方を通る。
2.× 体重心は、床から身長の「45%」ではなく、55%の高さ(男性で56%、女性で55%)にある。
3.× 頭部の重心線は、「環椎後頭関節の後方」ではなく、環軸関節の前方を通る。
4.〇 正しい。成人の身長に対する体重心の相対的位置は、小児より低い。成人の体重心は、55%の高さ(男性で56%、女性で55%)である。一方、4歳時の重心位置は、頭部が大きい分、重心位置が高くなり、床面からおよそ57%の位置にある。
5.× 足関節にかかる重力のモーメントは、「底屈」ではなく背屈モーメントである。なぜなら、外果前方(足関節の前方)を重心線が通るため。
47 PEDI(pediatric evaluation of disability inventory)で誤っているのはどれか。
1. 4か月児から評価の対象になる。
2. 補助具の使用状況を評価できる。
3. 正常発達からの偏差を評価できる。
4. 特定のことができる能力を評価する。
5. 介護者による援助の状態を評価できる。
解答1
解説
対象:6か月から7歳半の子ども。
方法:児の能力を経時的に記録して行う能力評価法である。
評価項目:①機能的スキル197項目、②複合活動20項目に分けられる。①機能的スキルは、さらにセルフケア、移動、社会的機能の3つの領域に分類される。
1.× 「4か月児から」ではなく、6か月児から評価の対象になる。
2.〇 正しい。補助具の使用状況を評価できる。補助具の使用を考慮した調整尺度がある。
3.〇 正しい。正常発達からの偏差を評価できる。正常発達児のデータをもとにした基準値標準スコア、尺度化スコアがあり、偏差を評価することができる。
4.〇 正しい。特定のことができる能力を評価する。評価は日常生活における機能的スキルの197項目と複合活動の20項目からなり、一つーつの項目ではある特定の動作能力について評価する。
5.〇 正しい。介護者による援助の状態を評価できる。評価には介護者の援助の度合いを考慮した援助尺度がある。
48 値が大きい場合に機能が良好であると判断できるのはどれか。2つ選べ。
1. Trail making test(TMT)
2. Cross testによる軌跡長
3. 立ち上がり動作の所要時間
4. 静止立位時の身体動揺面積
5. Functional balance scale
解答2/5
解説
1.× Trail making test(TMT)は、注意の集中性や選択性などを評価するものである。方法は、数字や文字を順に結んでいく。所要時間が短いほど機能が良好である。
2.〇 正しい。Cross testによる軌跡長は、文字通り軌跡長を計測し、長いほどバランス機能が良好である。方法は、床反力計上で身体を随意的に前後左右に動かし、この時の両足の作用点軌跡を計測する。
3.× 立ち上がり動作の所要時間は、所要時間が短いほどバランス機能が良好である。
4.× 静止立位時の身体動揺面積は、動揺面積が小さいほどバランス機能が良好である。
5.〇 正しい。Functional balance scale(ファンクショナル バランス スケール)は、14項目の検査からなるバランス機能のスクリーニングテストである。点数が高いほどバランス機能が良好である
49 2つのバランス練習の効果を比較するため、オッズ比の95%信頼区間を計算したところ、以下の値が得られた。
効果が有意であるのはどれか。2つ選べ。
1. 0.65~0.89
2. 0.89~1.39
3. 0.65~1.39
4. 1.39~5.67
5. 0.65~5.67
解答1/4
解説
オッズ:ある事象が起こる確率を起こらない確率で割ったもの。
オッズ比:集団Aのオッズと集団Bのオッズを比較したもの。オッズ比は、症例対照研究の結果から求められ、疾病発生の相対的危険度の数値となる。オッズ比が1のとき、両集団には差がないということになり、1から離れると何らかの差異が存在することになる。
95%信頼区間:母平均が95%の確率でその範囲にあるということ。
オッズ比の信頼区間が、1を挟んでしまうと、母集団でのオッズ比は、2つの練習に差がない・2つのいずれかが優れている(2パターン)という3種類のオッズ比になる可能性を示す。つまり、研究結果は信用できないという結果になる。したがって、オッズ比の信頼区間が1を挟まない選択肢を選ぶ。よって、選択肢1.4 0.65~0.89/1.39~5.67が正しい。
2~3.5.× 0.89~1.39/0.65~1.39/0.65~5.67は、1を挟んでいるため不適切である。
50 理学療法士及び作業療法士法で正しいのはどれか。
1. 理学療法士でなくなった後には守秘義務も解除される。
2. 理学療法士名簿への登録者に理学療法士免許が与えられる。
3. 交通事故の加害者になっても理学療法士免許取得への影響はない。
4. 理学療法士国家試験合格者は自動的に理学療法士名簿に登録される。
5. 一旦、理学療法士免許が取り消されると再交付を受けることができない。
解答2
解説
1.× 理学療法士でなくなった後にも守秘義務は適応される(第16条)。
2.〇 正しい。理学療法士名簿への登録者に理学療法士免許が与えられる(第6条)。
3.× 交通事故の加害者になった場合(罰金刑以上の刑)、理学療法士免許取得への影響がある。第4条の欠格事由に「罰金刑以上の刑に処せられた者」という記載があり、交通事故の加害者となり罰金刑以上の刑が処せられた場合、免許が取得できないことがある。
4.× 理学療法士国家試験合格者は、自動的には理学療法士名簿に登録されない。試験合格者は、住所地の保健所に申請することによって理学療法士名簿に登録される(第6条)。
5.× 一旦、理学療法士免許が取り消されても、取消理由に当てはまらなくなった場合などに再交付は可能である(第7条)。
①罰金以上の刑に処せられた者
②作業療法士(理学療法士)の業務に関し犯罪もしくは不正の行為があった者
③心身に障害があって業務を適正に行うことができない者
④麻薬、大麻又はあへんの中毒者
※問題の引用:第49回理学療法士国家試験、第49回作業療法士国家試験の問題および正答について
※注意:著者は理学療法士で、解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。