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36 偽関節を生じやすい骨折はどれか。2つ選べ。
1. 脛骨中下1/3骨折
2. 大腿骨骨幹部骨折
3. 大腿骨転子部骨折
4. 大腿骨頸部骨折
5. 鎖骨骨折
解答1/4
解説
偽関節とは、骨折部の癒合機転が止まって異常可動性を示す状態である。
偽関節が生じやすい部位は、上腕骨解剖頸、手の舟状骨、大腿骨頸部骨折、脛骨中下1/3、距骨である。
よって、選択肢1.4.脛骨中下1/3骨折・大腿骨頸部骨折が正しい。
37 温熱を目的とした超音波療法で正しいのはどれか。
1. 0.1W/cm2未満の強度が推奨される。
2. 3MHzでは1MHzより深部まで加熱できる。
3. 圧電効果によるエネルギー変換を用いている。
4. 超音波プローブは対象部位に固定して照射する。
5. 超音波振動による摩擦熱によって温熱作用が生じる。
解答5
解説
1.× 「0.1W/cm2未満」ではなく0.1W/cm2以上の強度が推奨される。温熱効果(連続波)は、1.0~2.5W/cm2、非温熱効果(間欠波)は、0.5~1.0W/cm2の強度が推奨される。
2.× 3MHzより、1MHzの方が深部まで加熱できる。
3.× 圧電効果(水晶や特定の種類のセラミックなどに圧力を加えることで生じるひずみに応じて、電圧が発生する現象)によるエネルギー変換を用いている身近なものとしては、ライターの着火剤などである。超音波の発生原理は、「圧電効果」ではなく、逆圧電効果(逆ピエゾ効果)である。逆圧電効果(逆ピエゾ効果)とは、高周波電流が結晶体の形態的変化を起こし、連続的な振動により超音波を発生させることである。
4.× 超音波プローブは対象部位に固定せず、移動して照射する。ストローク法や回転法にて行う。
5.〇 正しい。超音波による振動が生体に伝播され、その振動により生体内で摩擦熱が生じて温熱効果を得る。
38 関節運動時に関節包内で生じる副運動はどれか。2つ選べ。
1. 滑り
2. 外転
3. 軸回旋
4. らせん運動
5. 振り子運動
解答1/3
解説
副運動とは、対象者自身が随意的には行うことができない関節包内の運動をいう。副運動には、①関節の遊び、②構成運動に分けられる。①関節の遊びとは、関節のゆるみの肢位で他動的に生じる関節包内運動である。滑り、軸回旋、離開、圧迫がある。②構成運動は、自動運動時に生じる関節包内運動をいう。滑り、軸回旋、転がりがある。したがって、選択肢1/3.滑り・軸回旋が正しい。
2~5.× 外転/らせん運動/振り子運動は、随意的に起こせる運動で、副運動には含まれないため不適切である。
39 大腿切断患者の異常歩行と原因の組合せで正しいのはどれか。
1. 外転歩行 ― 義足の長さが短すぎる。
2. 内側ホイップ ― トウブレークが進行方向に対して直角である。
3. 過度の腰椎前弯 ― ソケットの初期屈曲角が大きすぎる。
4. 踵接地期の足部の回旋 ― ヒールバンパーが軟らかすぎる。
5. 膝の伸展衝撃(インパクト) ― 膝継手の摩擦が不十分である。
解答5
解説
1.× 外転歩行は義足の長さが、「短すぎる」のではなく長すぎた場合に生じる。義足の長さが短すぎた場合、義足側立脚中期に義足側への体幹側屈がみられる
2.× 内側ホイップ(外側ホイップ)は、トウブレークが進行方向に対して直角でない場合に生じる。
3.× 過度の腰椎前弯は、ソケットの初期屈曲角が不足していた場合に生じる。また、他の要因は、股関節伸展筋力が弱い場合、ソケット前壁の支持力が不足している場合などでも生じる。ソケットの初期屈曲角が大きすぎた場合、義足が前に出にくい現象が生じる。
4.× 踵接地期の足部の回旋は、ヒールバンパーや足部の後方バンパーが硬すぎた場合に生じる。ヒールバンパーが軟らかすぎると、踵接地期に足底が床にたたきつけるフットスラップがみられる。
5.〇 正しい。膝の伸展衝撃(インパクト)は、膝継手の摩擦が不十分であると生じる。インパクトとは、義足側遊脚相後期に下腿部が勢いよく伸展し不自然な音を発する。
40 体幹装具について正しいのはどれか。
1. ダーメンコルセットの下端は骨盤にかからないように装着する。
2. Jewett型装具は体幹後屈の制限を目的とする。
3. Knight型装具は腰椎後屈の制限を目的とする。
4. Williams型装具は体幹前屈の制限を目的とする。
5. Taylor型装具は頸椎から仙椎までの可動域を制限する。
解答3
解説
1.× ダーメンコルセットの下端は、肋骨(肋骨弓)と骨盤(腸骨稜)にかかるように装着する。
2.× Jewett型装具(ジュエット型装具:胸腰仙椎装具)は、体幹後屈は可能であり、体幹前屈の制限を目的とする。
3.〇 正しい。Knight型装具(ナイト型装具:腰仙椎装具)は、腰椎後屈の制限を目的とする。ちなみに、前屈も制限される。後方に胸椎バンドと骨盤帯があり、後方・側方支柱と腹部のパッドで固定している。
4.× Williams型装具(ウィリアムス型装具:腰仙椎装具)は、「体幹前屈」ではなく、腰仙部の後屈および側屈の制限を目的とする。Knight型装具と同様に、後方に胸椎バンドと骨盤帯があり、後方・側方支柱と腹部のパッドで固定している。
5.× Taylor型装具(タイラー型装具:胸腰仙椎装具)は、「頸椎から」ではなく、胸部から仙椎までの可動域を制限する。