第48回(H25) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題91~95】

 

91 慢性閉塞性肺疾患で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.喫煙は危険因子である。
2.片肺に発症することが多い。
3.静肺コンプライアンスが低下する。
4.肺気腫は肺胞壁の破壊を特徴とする。
5.肺の換気時の気道抵抗が低下している。

解答1/4

解説

1.〇 正しい。喫煙は、危険因子である。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の危険因子として、①患者側の内因性(喫煙)と、②外因性(環境汚染粉じん)がある。
2.× 片肺ではなく、両側性に発症することが多い。
3.× 静肺コンプライアンスは低下ではなく、増加する。コンプライアンスとは、肺の膨らみやすさの指標である。構築変化により弾性が低下するため、コンプライアンスは増加する。。
4.〇 正しい。肺気腫は、肺胞壁の破壊を特徴とする。肺気腫とは、終末気管支より末梢の気腔が異常に拡大し、肺胞壁の破壊を伴うが、明らかな線維化は認められない状態のことである。
5.× 肺の換気時の気道抵抗は、低下ではなく増加している。なぜなら、呼吸補助筋に健常者よりも負荷がかかるため(代償作用や肺の過膨張によりビア樽様の体形になる)。

 

 

 

 

 

92 運動中に突然死するリスクが高い病態はどれか。

1.肺動脈弁閉鎖不全症
2.心房中隔欠損症
3.大動脈弁狭窄症
4.慢性心膜炎
5.肺線維症

解答3

解説

突然死の原因には急性心筋梗塞、狭心症、不整脈、心筋疾患、弁膜症など心疾患によるものが6割で、心臓突然死は年間6万人といわれている。突然死に直結する肥大型心筋症大動脈弁狭窄症などは特に運動時に注意が必要である。

 

1.× 肺動脈弁閉鎖不全症は、拡張期に肺動脈から右室への血液の流入を引き起こす肺動脈弁の機能不全である。
2.× 心房中隔欠損症は、左心房と右心房を仕切る心房中隔に欠損孔と呼ばれる穴が開いている疾患である。
3.〇 正しい。大動脈弁狭窄症は、心臓弁膜症の中で最も突然死をきたす疾患である。狭窄が高度な場合は突然死することがある。
4.× 慢性心膜炎は、慢性である疾患であるため突然死は起こりにくい。
5.× 肺線維症は、緩徐に病態が進行する。

突然死を来たしやすい主な心疾患

①虚血性心疾患

②不整脈:心室細動、持続性心室頻拍、QT延長症候群など。

③心筋疾患:肥大型心筋症、拡張型心筋症

④弁膜症:大動脈弁狭窄症

 

 

 

 

 

93 絞扼性イレウスの特徴はどれか。

1.保存療法で治癒することが多い。
2.腸管の血流障害を伴う。
3.腹痛は軽度である。
4.下血がみられる。
5.結腸に好発する。

解答2

解説

イレウス(腸閉塞)とは、何らかの原因により、腸管の通貨が障害された状態である。主に、①機械的イレウス(腸内腔が機械的に閉塞されて起こる)、②機能的イレウス(腸管に分布する神経の障害により腸内容が停滞する)に大別される。絞扼性(複雑性)イレウスは、①機械的イレウスに分類され、腸間膜血行の停止により腸管壊死を伴うイレウスであり、急激に病状が悪化するため緊急に手術を要する。

 

1.× 保存療法ではなく、大半は手術が必要である。保存療法を主体とするのは、機械的イレウスの単純性(閉塞性)イレウスである。
2.〇 正しい。腸管の血流障害を伴う。組織が壊死し、急激に症状が悪化する。
3.× 腹痛は、軽度ではなく、重度である。急激な嘔吐も伴い、筋性防御やblumberg徴候(ブルンベルグ徴候:患者の腹壁を手で垂直に圧迫し、その手を急に離すと鋭い痛みを感じる症状)、腹壁緊張などの腹膜刺激症状を認める。
4.× 下血が必ずしもみられることはない。
5.× 結腸ではなく、回盲部に好発する。

 

 

 

 

 

94 呼吸状態と病態の組合せで誤っているのはどれか。

1.Cheyne-Stokes(チェイン・ストークス)呼吸:気管支喘息
2.Kussmaul(クスマウル)呼吸:糖尿病性ケトアシドーシス
3.Biot(ビオー)呼吸:髄膜炎
4.下顎呼吸:脳幹障害
5.起坐呼吸:心不全

解答1

解説

1.× Cheyne-Stokes呼吸(チェイン・ストークス呼吸、交代制無呼吸)は、気管支喘息ではなく、脳出血・脳梗塞・尿毒症・薬物中毒等でみられる。浅い呼吸から徐々に深い呼吸になり、再び浅い呼吸となって無呼吸状態となる呼吸終期を繰り返す。
2.〇 正しい。Kussmaul(クスマウル)呼吸は、糖尿病性ケトアシドーシス(糖尿病、尿毒症)でみられる。ゆっくりとした深く大きな呼吸である。
3.〇 正しい。Biot(ビオー)呼吸は、髄膜炎でみられる。不規則に早く深い呼吸が突然中断され、無呼吸となり、また早く深い呼吸に戻る呼吸である。
4.〇 正しい。下顎呼吸は、脳幹障害(呼吸中枢抑制)でみられる。呼吸に科学の動きを伴うもので、死の直前に出現する。
5.〇 正しい。起坐呼吸は、心不全や肺水腫、ぜんそくの大発作などで行う。起座呼吸をすることで、①肺血流量が減少、②横隔膜が下降することで、呼吸の仕事量が減少し楽になる。

 

 

 

 

 

95 老年症候群について誤っているのはどれか。

1.虚弱な老人に特有の症候である。
2.ADLの阻害要因となる。
3.活動性が低下しやすい。
4.単一の原因で起こる。
5.悪循環に陥る。

解答4

解説

 老年症候群とは、老化現象に伴い肉体的・精神的な機能が低下して、高齢者に特有の症状・病態、さらに心身の障害に陥り、治療に加えて介護・看護を要する症状・徴候の総称である。

 

1.〇 正しい。老年症候群は、虚弱な老人に特有の症候(加齢を伴う①生活機能低下、②うつ状態、③転倒、④失禁、⑤低栄養)である。虚弱や寝たきりに深くかかわっている。
2.〇 正しい。老年症候群は、ADLの阻害要因となる。
3.〇 正しい。老年症候群は、活動性が低下しやすい。
4.× 単一の原因ではなく、あらゆる原因から起こる。加齢を伴う①生活機能低下、②うつ状態、③転倒、④失禁、⑤低栄養などからそれぞれ関わっている。
5.〇 正しい。老年症候群は、悪循環に陥る。

老年症候群の徴候

①生活機能低下
②うつ状態
③転倒
④失禁
⑤低栄養

 

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