第47回(H24) 理学療法士国家試験 解説【午前問題36~40】

 

36 下肢切断術後における断端浮腫の管理で適切なのはどれか。

1.断端の複数箇所で周径を計測する。
2.弾性包帯は抜糸後に巻く。
3.弾性包帯は近位側ほどきつく巻く。
4.シリコンライナーを適用する際は、断端周径よりも1cm 太いものを用いる。
5.浮腫の日内変動がある場合は、断端の運動を行わない。

解答1

解説
1.〇 正しい。断端の複数箇所で周径を計測する。例えば、大腿切断の場合の周径計測は、坐骨結節より5cm間隔(複数箇所)で行う。なぜなら、そうすることでソケット内径との比較が行えるため。
2.× 弾性包帯は、抜糸後ではなく、術後早期に巻く。なぜなら、断端の浮腫予防、過度の脂肪組織の防止、断端の安定を図り成熟を促進させることができるため。
3.× 弾性包帯は、近位側ではなく、遠位側ほどきつく巻く。なぜなら、断端の浮腫予防のため。
4.× シリコンライナー(全面接触ソケット)を適用する際は、断端周径よりも1cm 太いものではなく、細いものを用いる。なぜなら、周径より太いと吸着が得られないため。陰圧を加え、断端末の浮腫やうっ血の発生を防ぐ。ただし、十分な吸着が得られること、圧迫が強すぎないことを基準に選択する。
5.× 浮腫の日内変動がある場合でも、断端の運動を行う。なぜなら、断端の運動を行う方が浮腫予防になるため。

 

 

 

 

 

 

37 特発性側弯症に対するアンダーアームブレースで誤っているのはどれか。

1.上位胸椎の側弯に適応がある。
2.胸椎パッドは肋骨の隆起部に当てる。
3.腰椎パッドは腰椎の隆起部に当てる。
4.アップライトバーは骨盤ガードルに垂直に設置する。
5.骨盤ガードル下端は上前腸骨棘を覆うようにする。

解答1

解説

側弯症の装具

①TLSO装具:胸椎・腰椎の変形を制御する。①アンダーアームプレース、②ボストンプレースがある。

②CTLSO装具:頸椎・胸椎・腰椎の変形を制御する。ミルウォーキープレースがある。

(※図引用:大阪発達総合療育センター 南大阪小児リハビリテーション病院様HPより)

1.× 上位胸椎ではなく、胸椎7レベル以下の側弯に適応がある。
2.〇 正しい。胸椎パッドは、肋骨の隆起部に当てる。
3.〇 正しい。腰椎パッドは、腰椎の隆起部に当てる。
4.〇 正しい。アップライトバーは、骨盤ガードルに垂直に設置する。
5.〇 正しい。骨盤ガードル下端は、上前腸骨棘を覆うようにする。なぜなら、装具の3点固定による矯正力を働 かせるため。

 

 

 

 

 

38 装具の足継手の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.前方制動式は底屈を抑制する。
2.たわみ式は底背屈の両方に抵抗を生じる。
3.遊動式は底背屈の可動範囲を設定することができる。
4.クレンザックはバネの反発力によって底屈を補助する。
5.ダブルクレンザックは制動範囲の再調節が困難である。

解答2/3

解説

1.× 前方制動式は、底屈ではなく背屈を抑制する。
2.〇 正しい。たわみ式(プラスティック製装具の足継手)は、底背屈の両方に抵抗を生じる。
3.〇 正しい。遊動式は、底背屈の可動範囲を設定することができる。遊動式は可動性があり、装具作製時に可動範囲を設定できる。
4.× クレンザックはバネの反発力によって、底屈ではなく背屈を補助する。ちなみに、バネをロッド(棒)に変えることにより底屈制限することもできる。
5.× ダブルクレンザックは、制動範囲の再調節が、困難ではなく容易である。なぜなら、ネジを回すことでバネの強さを調節できるため。ロッド(棒)を利用することにより足関節の角度調節も可能である。

 

 

 

 

 

39 頸髄完全損傷患者(第5頸髄節まで機能残存)で自立可能なのはどれか。2つ選べ。

1.自助具を用いた歯磨き
2.自助具を用いた自己導尿
3.ベッド柵を用いた起き上がり
4.トランスファーボードを用いた横移乗
5.ジョイスティックによる電動車椅子操作

解答1/5

解説

第5頸髄節まで機能残存

肘関節の屈曲・回外は可能である。
したがって、自助具を用いた食事動作やスリング使用により体位変換が可能である。

1.5.〇 正しい。自助具を用いた歯磨き/ジョイスティックによる電動車椅子操作は可能である。
2.× 自助具を用いた自己導尿は、男性の場合C6レベル、 女性の場合C8レベルで可能である。
3.× ベッド柵を用いた起き上がりは、C6レベルで可能である。
4.× トランスファーボードを用いた横移乗は、C7レベルで可能である。プッシュアップ動作が必要となる。

 

 

 

 

 

 

40 脊髄損傷患者にみられる自律神経過反射について正しいのはどれか。

1.第5胸髄よりも高位の損傷に発生する。
2.下肢挙上で症状は軽減する。
3.起立負荷で生じる。
4.低血圧を呈する。
5.頻脈を呈する。

解答1

解説

自律神経過反射とは?

 自律神経過反射は、T5~6以上の脊髄損傷患者において、損傷部以下の臓器からの刺激によって起こる自律神経の異常反射である。内臓神経の抑制が解除されるため、主に骨盤内臓器が緊張する促通刺激が原因となり誘発される。原因は①膀胱刺激、②直腸刺激、③内臓刺激、④皮膚刺激などが挙げられる。生命の危険を伴い合併症を伴う。自律神経過反射の症状は、高血圧、ガンガンする頭痛、顔面紅潮、損傷レベルより上部での発汗、鼻詰まり、吐き気、脈拍60以下の徐脈、損傷レベルより下部の鳥肌である。

1.〇 正しい。第5胸髄よりも高位の損傷に発生する。自律神経過反射は、T5~6以上の脊髄損傷患者において、損傷部以下の臓器からの刺激によって起こる自律神経の異常反射である。
2.× 下肢挙上で症状は軽減するのは、起立性低血圧である。ちなみに、自律神経過反射の症状に高血圧がみられるため、下肢挙上するとより高血圧の悪化の恐れがある。
3.× 起立負荷で生じるのは、起立性低血圧である。ちなみに、自律神経過反射の原因は①膀胱刺激、②直腸刺激、③内臓刺激、④皮膚刺激などが挙げられる。
4.× 低血圧ではなく、高血圧を呈する。なぜなら、内臓神経の抑制が解除されるため、主に骨盤内臓器が緊張する促通刺激が原因となり誘発されるため。
5.× 頻脈ではなく、徐脈を呈する。血圧が上昇する結果、脈拍60以下の徐脈になることが多い。

 

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