第47回(H24) 理学療法士国家試験 解説【午後問題16~20】

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16 3歳の男児。痙直型右片麻痺。
 図に示す右上下肢の肢位に影響しているのはどれか。2つ選べ。

1.逃避反射
2.陽性支持反応
3.交叉性伸展反射
4.緊張性迷路反射
5.非対称性緊張性頸反射

解答2/5

解説

本症例のポイント

①頸部左回旋に伴い右肘関節屈曲位()。
②立位時に右足関節伸展位(陽性支持反応)。

1.× 逃避反射(屈曲反射)は、背臥位の新生児の足底を刺激すると下肢を屈曲させて足をひっこめる反射である。
2.〇 正しい。陽性支持反応は、足底が床に触れると下肢筋の同時収縮が起こり、下肢全体が伸展パターンとなる反応である。正常であれば3〜8ヶ月で消失する。
3.× 交叉性伸展反射は、背臥位で一側の下肢を屈曲し他側を伸展させ、伸展側の下肢を他動的に屈曲すると非刺激側下肢が屈曲位から伸展する反射である。正常であれば、2ヶ月で消失する。
4.× 緊張性迷路反射は、背臥位では伸展緊張が促通され、腹臥位では屈曲緊張が促通される反射である。胎児期後期から、5~6ヵ月まで。
5.〇 正しい。非対称性緊張性頸反射(ATNR)は、背臥位にした子どもの顔を一方に回すと、頸部筋の固有感覚受容器の反応により、顔面側の上下肢が伸展し、後頭側の上下肢が屈曲する。

 

覚え直したい方はこちら↓

【暗記用】姿勢反射を完璧に覚えよう!

 

 

 

 

 

 

17 4歳10か月の男児。脳性麻痺。現在、割り座であれば床上で座位保持が可能であり、椅子上での座位は自立している。立位は、物につかまれば保持できる。歩行には車輪付きの歩行器を利用しており、介助があれば階段を昇ることができる。
 Gross Motor Function Classification System(GMFCS)によるレベルはどれか。

1.レベルⅠ
2.レベルⅡ
3.レベルⅢ
4.レベルⅣ
5.レベルⅤ

解答3

解説

本症例のポイント

①歩行:車輪付きの歩行器。
②階段昇降:介助があれば可能。

したがって、選択肢3.レベルⅢである。ちなみに、レベルⅢは、手に持つ移動器具を使用して歩ける。

GMFCSのそれぞれレベルの大きな見出し

レベルⅠ:制限なしに歩く
レベルⅡ:制限を伴って歩く
レベルⅢ:手に持つ移動器具を使用して歩く
レベルⅣ:制限を伴って自力移動(電動の移動手段を使用しても良い)
レベルⅤ:手動車椅子で移送される

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

理学療法士国家試験 GMFCSについての問題4選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

18 56歳の男性。体重70kg。2型糖尿病と診断され教育入院した。自転車エルゴメーター運動負荷試験を実施したところ、症候限界による最大酸素摂取量は1,225ml/minであった。医師から最大酸素摂取量の60 %強度での運動を実施するように運動処方があった。
 この患者へ指導する運動量として正しいのはどれか。
 ただし、1METは3.5 mlO2/min/kgとする。

1.2METs
2.3METs
3.4METs
4.5METs
5.6METs

解答2

解説

①最大酸素摂取量(ml/min)から、MET(3.5 mlO2/min/kg)へ変換する。

1.225ml/min ÷3.5 ÷ 70kg
=5METs

 

②60%強度での運動に変換する。

5METs × 0.6(60%)
=3METs 

したがって選択肢2.3METsが正しい。

 

 

 

 

 

 

19 背面からみた肺区域の模式図を示す。
 斜線で示す肺区域に痰が貯留している場合の排痰体位として正しいのはどれか。

1.背臥位
2.腹臥位
3.右側臥位
4.45度前方へ傾けた右側臥位
5.45度後方へ傾けた右側臥位

解答3

解説

本症例のポイント

左外側肺底区(S9)に痰が貯留している。

1.× 背臥位は、S1(肺尖区)、S3(前上葉区)、S8(前肺底区)の排痰を促すことができる。
2.× 腹臥位は、S6、S10(上・下葉区)の排痰を促すことができる。
3.〇 正しい。右側臥位することで、S9(左外側肺底区)が上方となり排痰を促すことができる。
4.× 45度前方へ傾けた右側臥位は、S2(後上葉区)の排痰を促すことができる。
5.× 45度後方へ傾けた右側臥位は、S4、S5(中葉、舌区)の排痰を促すことができる。

 

 

 

 

 

 

20 要介護認定の手続きを図に示す。
 図のA〜C に入る語句の組合せで正しいのはどれか。

1.A:訪問面接評価、B:介護認定審査会、C:主治医の意見書
2.A:訪問面接評価、B:主治医の意見書、C:介護認定審査会
3.A:主治医の意見書、B:訪問面接評価、C:介護認定審査会
4.A:主治医の意見書、B:介護認定審査会、C:訪問面接評価
5.A:介護認定審査会、B:主治医の意見書、C:訪問面接評価

解答2

解説

(※画像引用:「要介護認定の流れ」厚生労働省様HPより)

したがって選択肢2.A:訪問面接評価、B:主治医の意見書、C:介護認定審査会が正しい。介護保険の決定には、C介護認定審査会で、A訪問面接(その内容をコンピューターにより一次判定)と、B主治医の意見書を照らし合わせる。

 

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