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91 広汎性発達障害で認めにくいのはどれか。
1.姿勢異常
2.精神遅滞
3.限局した反復行動
4.コミュニケーション障害
5.相互的な社会的関係の異常
解答1
解説
広汎性発達障害とは、相互的な社会関係とコミュニケーションのパターンにおける質的障害、および限局した常同的で反復的な関心と活動の幅によって特徴づけられる一群をいう。現在の分類では「自閉スペクトラム症/自閉スペクトラム障害」に含まれている。
広汎性発達障害、およびその下位分類である自閉症、アスペルガー症候群、高機能自閉症は、「自閉スペクトラム症」とまとめられた。
【診断基準の要点】
①「社会及び感情の相互性の障害」「社会的相互作用で用いられる非言語的コミュニケーションの障害」「発達レベル相応の関係を築き維持することの障害」の3つがすべて込められること。
②行動、興味活動の、限局的で反復的な様式が認められること。
1.× 姿勢異常は、広汎性発達障害で認めにくい。姿勢異常が主な小児の疾患として、脳性麻痺があげられる。広汎性発達障害とは、相互的な社会関係とコミュニケーションのパターンにおける質的障害、および限局した常同的で反復的な関心と活動の幅によって特徴づけられる一群のをいう。
2.〇 精神遅滞は、広汎性発達障害の代表である小児自閉症の約80%に伴う。
3.〇 限局した反復行動や常同行動がみられる。特定の遊びや道順などにこだわりがみられる。
4.〇 コミュニケーション障害がみられる。なぜなら、話し言葉の遅れや欠如、反復あるいは独特な言葉の使用などのため。
5.〇 相互的な社会的関係の異常がみられる。相手と視線を合わせたり、身振りや手振りを用いるなどの、非言語的な社会的な相互反応が苦手である。
92 感染症について誤っているのはどれか。
1.帯状疱疹は水痘と同じウイルスが原因で発症する。
2.疥癬はネズミによって媒介される。
3.ニューモシスチス・カリニ肺炎は日和見感染症である。
4.黄色ブドウ球菌による食中毒は毒素性である。
5.レジオネラ症は空調設備が感染源となる。
解答2
解説
1.〇 正しい。帯状疱疹は、水痘と同じウイルスが原因で発症する。水痘とは、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる発疹性の病気である。子供の頃にかかった水痘ウイルスが数十年の潜伏期間を経て、免疫力が低下した時などに再活性化(回帰感染)して起こる。
2.× 疥癬は、「ネズミ」ではなくヒゼンダニによって媒介される。疥癬はヒゼンダニの寄生により起きる皮膚疾患であり、夜間に増強する強い痒みを伴う。衣類や寝具等を介して感染するため院内感染がしばしば問題となる。
3.〇 正しい。ニューモシスチス・カリニ肺炎は、日和見感染症である。エイズ患者や免疫不全状態の患者に感染する。
4.〇 正しい。黄色ブドウ球菌による食中毒は、毒素性である。したがって、細菌性の食中毒と異なり、食品の加熱によっても毒素が分解されないために毒素が産生されてしまうと食中毒を防ぐことが難しい。
5.〇 正しい。レジオネラ症は、空調設備(他にも加湿器、給湯設備、循環式浴槽、人工の滝や噴水など)が感染源となる。
93 低血糖症状でないのはどれか。
1.頻脈
2.生あくび
3.意識消失
4.激しい口渇
5.計算能力の低下
解答4
解説
血糖値が低下するとカテコラミン(インスリン拮抗ホルモン)の分泌が上昇し、交感神経刺激症状が出現する。さらに血糖値が低下すると脳・神経細胞の代謝が低下し、中枢神経症状が出現する。頭痛や空腹感などの比較的軽度な症状から始まるが血糖値が低下し続けると昏睡に至る。低血糖症状は、①自律神経症状と②中枢神経症状に分けられる。①自律神経症状は、冷感・顔面蒼白・頻脈・動悸・発汗・手の震え・空腹感などである。②中枢神経症状は、頭痛・集中力低下・視力低下・痙攣・昏睡などである。予防法として、飴や角砂糖などを携帯してもらう。
1~3.5.〇 頻脈/生あくび/意識消失/計算能力の低下/は、低血糖症状である。ちなみに、頻脈はカテコラミン分泌増加による交感神経緊張状態で起こる。
4.× 激しい口渇は、高血糖の症状である。高血糖や血漿浸透圧の上昇など未治療ないしコントロール不良の糖尿病にみられる。
94 呼吸器疾患で正しいのはどれか。
1.肺線維症は閉塞性肺疾患である。
2.気管支拡張症では乾性咳嗽がみられる。
3.気管支喘息の発作時は1秒率が低下する。
4.過換気症候群では呼吸性アシドーシスになる。
5.CO2ナルコーシスは低CO2血症によって生じる。
解答3
解説
閉塞性肺疾患(閉塞で呼気が障害されている)ので、1秒率が低下する。
拘束性肺疾患(肺の動きが悪くなっている)の1秒率は正常であるが、肺活量が減少する。
過換気症候群は、血中炭酸ガスが減少する結果、血液はアルカリ性となる。低Ca血症のため、四肢の硬直、痙攣、手足の先のしびれ、意識消失がみられることがあるが、通常は生命維持に影響がみられることはない。
1.× 肺線維症は、「閉塞性肺疾患」ではなく拘束性肺疾患である。肺線維症は、肺の線維化により肺は広がりにくくなる状態である。
2.× 気管支拡張症では、「乾性咳嗽」ではなく湿性咳嗽がみられる。気管支拡張症は、気管支が炎症などにより非可逆的に拡張した状態である。咳嗽(湿性咳嗽)と喀痰が主症状である。
3.〇 正しい。気管支喘息の発作時は1秒率が低下する。なぜなら、気管支喘息は、気道の慢性炎症による気道狭窄を示す閉塞性換気障害であるため。
4.× 過換気症候群は、「呼吸性アシドーシス」ではなく、呼吸性アルカローシスになる。なぜなら、過換気症候群は、発作的に肺胞過換気状態と呼吸困難を生じるため。
5.× CO2ナルコーシスは、「低CO2血症」ではなく、CO2の蓄積によりPaCO2が上昇し生じる。
慢性閉塞性肺疾患の患者は、慢性的に血中CO2濃度が上昇しており、体内のCO2濃度を感知する中枢化学受容体での感受性が鈍くなっている。したがって、普段の呼吸運動は低酸素を感知している酸素の受容体(末梢化学受容体)からの刺激によって起こっている。しかし、高濃度の酸素を投与されると酸素の受容体は体内に酸素が十分にあると判断し、呼吸中枢を抑制して呼吸運動が減弱する。その結果、体内に高度のCO2蓄積が起こり、意識障害などの中枢神経症状が起こる。
(※図引用:「呼吸機能検査 フロー・ボリューム曲線」医學事始様HPより)
混合性換気障害:肺気腫など
拘束性換気障害:肺結核、肺線維症など
閉塞性換気障害:気管支喘息、気管支拡張症など
95 高齢者にみられる加齢に伴う変化で誤っているのはどれか。
1.関節軟骨の変性
2.高音域の聴力低下
3.収縮期血圧の上昇
4.唾液分泌量の増加
5.食塊の消化管通過時間の延長
解答4
解説
1.〇 関節軟骨の変性は、高齢者にみられる加齢に伴う変化である。なぜなら、加齢に伴い、関節が変形したり軟骨が摩耗したりするため。
2.〇 高音域の聴力低下は、高齢者にみられる加齢に伴う変化である。したがって、低い声で話すと聞き取りやすい。
3.〇 収縮期血圧の上昇は、高齢者にみられる加齢に伴う変化である。なぜなら、動脈硬化によって血管抵抗が増大するため。
4.× 唾液分泌量は加齢に伴い、「増加」ではなく低下する。その結果、細菌が増殖しやすくなり口臭が目立つようになる。
5.〇 食塊の消化管通過時間の延長は、高齢者にみられる加齢に伴う変化である。なぜなら、消化管の蠕動運動が低下するため。