第45回(H22) 作業療法士国家試験 解説【午前問題1~5】

 

※問題の引用:第45回理学療法士国家試験、第45回作業療法士国家試験の問題および正答について

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。コメント欄にて誤字・脱字等、ご指摘お待ちしています。よろしくお願いいたします。

 

1 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.肩関節
2.肘関節
3.手関節
4.股関節
5.膝関節

解答2・3

解説
1.× 肩関節内・外旋の【起始】肘を通る前額面への垂直線、【停止】尺骨である。ちなみに、【測定部位及び注意点】①上腕を体幹に接して、肘関節を前方90°に屈曲した肢位で行う、②前腕は中間位とする。設問の図は、前腕回外位となっている。
2.〇 正しい。肘関節屈曲の【起始】上腕骨、【停止】橈骨である。ちなみに、【測定部位及び注意点】前腕は回外位とする。
3.〇 正しい。手関節橈・尺屈の【起始】前腕の中央線、【停止】第三中手骨である。ちなみに、【測定部位及び注意点】前腕を回内位で行う。
4.× 股関節伸展の【起始】体幹と平行な線、【停止】大腿骨(大転子と大腿骨外果の中心を結ぶ線)である。ちなみに、【測定部位及び注意点】骨盤と脊柱を十分に固定する。屈曲は背臥位(膝屈曲位で行う)、伸展は腹臥位(膝伸展位で行う)。設問の図は、膝関節屈曲位である。
5.× 膝関節屈曲の【起始】大腿骨、【停止】腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)である。ちなみに、【測定部位及び注意点】屈曲は股関節を屈曲位で行う。設問の図は股関節伸展位である。

 

 

 

 

 

 

2 Danielsらの徒手筋力テストで抵抗をかけ際、検査者の手の位置で正しいのはどれか。
 ただし、矢印は検査者の加える力の方向を示す。

1.肩関節伸展
2.肩関節外転
3.肩関節屈曲
4.肩甲骨挙上
5.肩甲骨内転

解答

解説
1~3.× 肩関節伸展/肩関節外転/肩関節屈曲の抵抗の位置は、「上腕遠位」である。設問の図は「前腕近位」で行っている。
4.× 肩甲骨挙上の抵抗の位置は、「両肩」で下方に行う。設問の図は、「上腕遠位」で行っている。
5.〇 正しい。肩甲骨内転の抵抗の位置は、「上腕遠位」である。肩関節を90°外転位で外旋させ、肘関節は90°屈曲位で行う。

 

 

 

 

 

 

3 検査方法で正しいのはどれか。

1.数字だけを小さい数から順に線で結ばせる。
2.すべての動物を見に行くための道順をたどらせる。
3.模様図の図形を作るのに必要な積み木を選ばせる。
4.図形を模写させ、その直後と30分後に同じ図形を描かせる。
5.円盤を3回動かして最大の円盤と最小の円盤を1本の棒に重ねさせる。

解答

解説
1.× 図はTMT(Trail Making Test)のPart Bである。数字だけを小さい数から順に線で結ばせるのではなく「1→あ→2→い→3→う…」と交互に結んでいく。一方、Test Aの場合は、数字のみが書かれているため「1→2→3…」と数字だけを小さい数から順に線で結ばせる。ちなみに、TMT(Trail Making Test)は、一般的な注意障害の評価である。注意の維持と選択、また視覚探索・視覚運動協調性を測定する。
2.× 図はBADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)の動物園地図検査である。すべての動物を見に行くための道順をたどらせるのではなく「動物園の地図上にある一連の決められた場所を訪れて目的地(広場)まで到達する」ように示すことが求められる。ちなみに、BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)は、カードや道具を用いた6種類の下位検査と1つの質問紙で構成されている。質問紙には合計20の質問があり、①感情・人格、②動機付け、③行動、④認知の4カテゴリーが5段階で評価される。検査項目は、【6種類の下位検査】①規則変換カード検査、②行為計画検査、③鍵探し検査、④時間判断検査、⑤動物園地図検査、⑥修正6要素検査である。下位検査は0~4点の5段階で点数化し24点満点で評価する。合計点数が88点以上で車の運転が可能となる。
3.× 図はコース立方体組み合わせテストである。模様図の図形を作るのに必要な積み木を選ばせるのではなく「実際に積み木を組み立てる」。ちなみに、Kohs立方体組み合せテスト(コース立方体組み合せテスト)は、軽度認知機能障害(MCI)のスクリーニング検査である。各面が塗り分けられた立方体のブロックを使って、見本と同じ立体を作るという構成課題からなる知能検査である。
4.〇 正しい。図はReyの複雑図形検査(Rey-Osterrieth Complex Figure Test:ROCF)である。図形を模写させ、その直後と30分後に同じ図形を描かせる。視覚性の即時記憶と近時記憶をみる。
5.× 図はハノイの塔である。「円盤を3回動かして」といった回数制限はない。開始時に3枚の円盤が左端の杭に小さいものが上になるように積み重ねられている。円盤を1回に1枚ずつどれかの杭に移動させることができるが、小さな円盤の上により大きな円板を乗せてはならない。このようなルールで3枚の円盤を右端の杭に開始の時と同様な形に積み重ねられれば完成である。移動回数の制限はなく、所要時間が測定される。遂行機能(問題解決能力)障害をみることができる。

 

 


 

 

 

 

4 生後6か月の健常乳児。お座りで遊んでいときに図のような姿勢となった。
 観察された反射・反応で適切なのはどれか。

1.Moro反射
2.陽性支持反応
3.保護伸展反応
4.頭部の立ち直り反応
5.非対称性緊張性頸反射

解答

解説
1.× Moro反射とは、原始反射の一つであり、頭を落下すると、手指を開き上肢を広げ、その後、上肢屈曲位に戻る反射のこと。4~6か月前後に消失する。
2.× 陽性支持反応とは、新生児の腋窩を支えて抱き上げて足底を床につけると下肢、体幹が伸展し、起立する反応である。胎児期後期から、生後3~8か月まで消失する。ちなみに、これに対し新生児を同姿勢で空中に抱き上げると下肢を逆に屈曲する反応を陰性支持反射という。
3.× 保護伸展反応(パラシュート反応)とは、防御的に四肢を伸展して頭部を保護したり、支持して姿勢を安定させようと働く反応である。抱き上げた子どもの体を支えて下方に落下させる、もしくは座位で前方・側方・後方に倒すと、両手を伸ばし、手を開いて体を支える。下方:6か月、前方:6~7か月、側方:7~8か月、後方:9~10か月で発現し、生涯継続する。
4.〇 正しい。頭部の立ち直り反応が観察された反射・反応である。頭部の立ち直り反応は、体幹が傾斜した際に頭部を正中位に保持しようとする反射である。通常3~4ヵ月頃からみられ、終生残る。図では体幹が左に傾いているが、頭部が垂直に保たれていることから、立ち直り反応と判断できる。
5.× 非対称性緊張性頸反射(ATNR)とは、背臥位にした子どもの顔を他動的に一方に回すと、頸部筋の固有感覚受容器の反応により、顔面側の上下肢が伸展し、後頭側の上下肢が屈曲する。生後から出現し、生後4~6か月までに消失する。

 

 

 

 

 

 

5 上腕義手の適合検査の結果、肘90°屈曲位で手先具を完全に開くことができなかった。
 対応として適切なのはどれか。

1.①の黒塗り部分を短縮
2.②の黒塗り部分を削除
3.③を矢印の方向へ移動
4.④を矢印の方向へ移動
5.⑤の黒塗り部分を延長

解答

解説

屈曲位で手先具が完全に開閉することができない原因

①ケーブルシステムの不良(走行不良、またはハウジングが長すぎる場合が多い)。
②ハーネスの調整不良。
③力源となる肩甲帯の問題。

1.〇 正しい。①の黒塗り部分(ハーネス)を短縮する。ハーネスの調整不良であるため長すぎる場合に短縮させる。
2.× ②の黒塗り部分(ソケット)を削除すると、上肢長が短くなり操作効率が悪くなるため逆効果である。
3~5.× ③(クロスバー)を矢印の方向へ移動/④(リテーナー)を矢印の方向へ移動/⑤の黒塗り部分(ケーブルハウジングおよびワイヤー)を延長することで、ケーブルが緩み肩甲帯からのケーブル操作のための力が弱くなり逆効果である。

 

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