第45回(H22) 理学療法士国家試験 解説【午前問題1~5】

 

※問題の引用:第45回理学療法士国家試験、第45回作業療法士国家試験の問題および正答について

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。コメント欄にて誤字・脱字等、ご指摘お待ちしています。よろしくお願いいたします。

 

1.Danielsらの徒手筋力テストで筋力5の測定法として正しいのはどれか。
 ただし、関節拘縮はないものとし、矢印は検査者の抑止方向を示す。

1.肩関節外転
2.肩関節水平外転
3.肩関節内旋
4.肘関節屈曲
5.肘関節伸展

解答4

解説
1.× 肩関節外転の抵抗位置は、前腕ではなく上腕の遠位部(肘の直上)である。
2.× 肩関節水平外転は、座位ではなく腹臥位で行う。設問の図は、筋力2の測定方法である。
3.× 肩関節内旋は、90°外旋位から抵抗をかけるのではなく、内・外旋0°(前腕を下垂させた状態)から抵抗を加える。
4.〇 正しい。設問の肘関節屈曲の図は、筋力5の測定法として正しい。
5.× 肘関節伸展は、肘関節90°屈曲位ではなく、ロックしない程度の肘関節軽度屈曲位から抵抗を加える。

 

 

 

 

 

2.心電図を下図に示す。
 不整脈として考えられるのはどれか。

1.二段脈
2.房室ブロック
3.右脚ブロック
4.上室性期外収縮
5.多源性心室期外収縮

解答5

解説

本症例のポイント

①P波(−)、幅広いQRS波を認める。
②通常のQRS波よりも早期に出現を認める。
③波形の異なるQRSが複数見られる。
→多源性心室期外収縮を疑う。

1.× 二段脈とは、心室性期外収縮が1つおきに出現する場合(洞調律や上室性調律と心室性期外収縮が交互に出現すること)をいう。ちなみに、2つおきに出現する場合を三段脈と呼ぶ。原因として、狭心症や心筋梗塞、弁膜症、心筋症などの心疾患や心不全をはじめとして、ストレスや疲労、カフェイン・アルコールの摂取、加齢など様々なものがある。ジギタリス中毒に伴う。
2.× 房室ブロックは、心房から心室への伝導障害をいう。第1度〜第3度に分類される。
3.× 右脚ブロックは、右室の興奮開始と終了は、左室より遅れ QRS波は幅広く変形する。
4.× 上室性期外収縮は、洞結節の興奮よりも早期に心房から興奮が出現する不整脈である。つまり、先行するP波と本来より早いQRS波が特徴である。
5.〇 正しい。多源性心室期外収縮が起こっている。心電図より、P波が欠落し、通常のQRS波よりも早期に出現し幅広く、かつ変形したQRS波を認める。これより、心室性期外収縮であると考えられる。多源性とは複数の異所中枢から出た期外収縮のことであり心室性期外収縮の形が2種類以上認められた場合にこのように呼ぶ。Lownの分類(心室性期外収縮の重症度評価)において、Grade3:多源性(期外収縮波形の種類が複数あるもの)以上の場合は、直ちに医師に連絡し、適切な指示を受ける必要がある。なぜなら、突然死の原因となる可能性が高いため。

房室ブロックとは?

房室ブロックは、心房から心室への伝導障害をいう。第1度〜第3度に分類される。

・1度房室ブロック:心房から心室への伝導時間が延長するが、P波とQRS波の数や形は変わらない。

・2度房室ブロック

①ウェンケンバッハ型(モビッツⅠ型):PR間隔が徐々に延長してQRSが脱落する。

②モビッツⅡ型:心房から心室への伝導が突然途絶える。P波の後のQRSが突然脱落する。

・3度房室ブロック:心房からの刺激が途絶え、P波とQRSが無関係に生じるようになる。

Lownの分類(心室性期外収縮の重症度評価)

Grade0:心室性期外収縮なし
Grade1:散発性(1個/分または30個/時間未満)
Grade2:散発性(1個/分または30個/時間以上)
Grade3:多源性(期外収縮波形の種類が複数あるもの)
Grad4a:2連発
Grade4b:3連発以上
Grade5:短い連結期(R on T現象)

 

 

 

 

 

3.図の肺気量分画で機能的残気量はどれか。

1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤

解答4

解説

(※図引用:「呼吸機能検査 フロー・ボリューム曲線」医學事始様HPより)

1.× ①は、予備吸気量である。
2.× ②は、1回換気量である。
3.× ③は、最大吸気量である。
4.〇 正しい。④は、機能的残気量である。機能的残気量は、安静時呼気位の後に残っている空気量のことをいう。
5.× ⑤は、残気量である。

 

 


 

 

 

次の文により4、5の問いに答えよ。
 被検者を左側臥位にして、図に示す肢位から検者が右手を離しても右下肢は外転位のままとどまっている。

4.この検査法はどれか。

1.Apleyテスト
2.Elyテスト
3.Oberテスト
4.Patrickテスト
5.Thomasテスト

解答3

解説
1.× Apleyテスト(アプレーテスト)は、半月板損傷のテストである。腹臥位、検査肢の膝関節を90°屈曲位で、圧迫を加えながら下腿を内外旋するテストである。
2.× Elyテスト(エリーテスト)は、大腿直筋の短縮のテストである。短縮していた場合、腹臥位で膝関節を最大屈曲した際に、股関節が屈曲し、殿部が持ち上がる(尻上がり現象)。
3.〇 正しい。Oberテスト(オーバーテスト)は設問の図のように検査する。〇〇の短縮のテスト(次の問題に支障が出るため伏せ字にしておく)である。側臥位で股関節中間位、膝関節屈曲位で股関節内転方向に自重にて下垂してもらう。陽性であれば、下垂せず股関節が屈曲する。
4.× Patrickテスト(パトリックテスト)は、股関節の炎症や痛みのテストである。背臥位で評価側の足背を反対側の膝蓋骨に載せ、評価側の膝を床へ押さえる。鼠径部に痛みが出れば陽性である。
5.× Thomasテスト(トーマステスト)は、股関節屈曲拘縮のテストである。背臥位で股関節・膝関節を屈曲する。反対側の膝が持ち上がると陽性である。

 

 

 

 

 

次の文により4、5の問いに答えよ。
 被検者を左側臥位にして、図に示す肢位から検者が右手を離しても右下肢は外転位のままとどまっている。

5.図に示す検査法で評価しているのはどれか。

1.腸腰筋拘縮
2.腸脛靱帯拘縮
3.仙腸関節病変
4.大腿四頭筋拘縮
5.腰椎神経根圧迫

解答2

解説

Oberテストとは?

Oberテスト(オーバーテスト)は、大腿筋膜張筋(腸脛靭帯)の短縮のテストである。側臥位で股関節中間位、膝関節屈曲位で股関節内転方向に自重にて下垂してもらう。陽性であれば、下垂せず股関節が屈曲する。

1.× 腸腰筋拘縮は、主にThomasテスト(トーマステスト)を用いる。
2.〇 正しい。腸脛靱帯拘縮を設問の図で評価している。
3.× 仙腸関節病変は、主にPatrickテスト(パトリックテスト)を用いる。
4.× 大腿四頭筋拘縮は、主にElyテスト(エリーテスト)を用いる。
5.× 腰椎神経根圧迫は、主に下肢伸展挙上テスト(SLR)などを用いる。

 

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