【OT専門のみ】パーキンソン病についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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【共通問題のみ】パーキンソン病についての問題「まとめ・解説」

【PT専門のみ】パーキンソン病についての問題「まとめ・解説」

45回 午前32

32 Yahrの重症度分類ステージⅢのParkinson病に対する作業療法で正しいのはどれか。

1.日中もポータブルトイレを使わせる。
2.道具使用の手順に関する記憶は良好である。
3.構音では流涎が問題となることはまれである。
4.歩行訓練では歩幅を制限して姿勢の動揺を減らす。
5.起き上がりは視覚的手がかりによって体幹回旋を導く。

解答

解説

Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

1.× 日中もポータブルトイレを使わせる優先度は低い。なぜなら、できるだけ現在の機能を維持するため。ステージⅢは、歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる状態であるが、廃用症候群の予防などのため、可能な限りトイレにて排泄が行えるよう、環境調整や動作の工夫を指導する。
2.× 道具使用の手順に関する記憶は良好であるとはいいがたい。なぜなら、パーキンソン病は健常者と比較すると、4~6倍認知症になりやすいという報告があるため。認知機能の障害は高率に合併するため、道具使用に関する記憶には問題が起こる可能性は高い。
3.× 構音では流涎が問題となることは、「まれ」ではなく「みられやすい」。なぜなら、無動による顔面筋の動かしにくさ、仮面様顔貌などを伴うため。
4.× 歩行訓練では歩幅を制限して姿勢の動揺を減らす必要はない。むしろ、歩幅を制限するとより小刻み歩行やすくみ足歩行の助長が考えられる。下肢を高く持ち上げ、歩幅を大きく取るよう指導する。ちなみに、歩幅とは、一側の踵が接地してから他側の踵が接地するまでの距離を示す。
5.〇 正しい。起き上がりは視覚的手がかりによって体幹回旋を導く。パーキンソン病の歩行練習として、聴覚刺激(かけ声や、メトロノームを用いたリズム音)や視覚刺激(床の上の横棒を踏み越える)を用いることが多い。起き上がりも同様に外部刺激を手がかりとした訓練は有効である。

 

 

 

46回 午後32

32 Parkinson病患者のADL指導で適切なのはどれか。

1.階段よりも傾斜路を利用する。
2.食事には手関節固定装具を用いる。
3.下衣の更衣はできるだけゆっくり行う。
4.浴槽のへりの高さは洗い場の高さに合わせる。
5.起き上がり動作の開始には視覚的外部刺激を利用する。

解答

解説
1.× 階段よりも傾斜路を利用する必要はない。なぜなら、階段の方が平地や傾斜路より歩きやすい場合があるため。Parkinson病には、矛盾性運動(逆説的運動)が特徴である。矛盾性運動(逆説的運動)とは、本来難易度が高いはずであるが、スムーズに足が出るといった現象である。すくみ足の症状があっても、床の上の横棒をまたぐことができること、リズムをとったり、視覚的な目標物を踏み越えてもらうと、本来難易度が高いはずであるが、スムーズに足が出るといった現象である。ちなみに、階段昇降もこれに含まれ、平地歩行に比べて障害されにくい。
2.× 食事には手関節固定装具を用いる必要ない。なぜなら、手関節固定装具(コックアップスプリント)の適応疾患は、関節炎・疼痛回避・橈骨神経麻痺の下垂手に用いるため。Parkinson病の場合、自助食器や自助スプーンを用いることが多い。
3.× あえて下衣の更衣はできるだけゆっくり行う必要ない。Parkinson病は、固縮や無動、姿勢反射障害といった症状があるため、そもそも動作緩慢で転倒の危険性もある。下衣は座って行うように指導する。
4.× あえて浴槽のへり(縁)の高さを洗い場の高さに合わせる必要ない。またいだ時の高低差を減らすため、「浴槽内の底」と「洗い場の高さ」を合わせる。
5.〇 正しい。起き上がり動作の開始には視覚的外部刺激を利用する。Parkinson病の起き上がりも歩行と同様に、外部刺激が大切である。起き上がりの際に用いる手すりを目標物としてリーチする。

 

 

 

47回 午前10

10 53歳の女性。Parkinson病。Hoehn&Yahr の重症度分類Stage Ⅲ。薬物コントロールができ次第退院の予定である。
 作業療法で適切でないのはどれか。

解答

解説

本症例のポイント

・53歳の女性(Parkinson病)
・Hoehn&Yahrの重症度分類StageⅢ
StageⅢ(歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる)
・薬物コントロールができ次第、退院の予定。

1.〇 正しい。治療用粘土で広く伸ばす動作は、両肩関節外転により、胸郭や上肢の可動域拡大につながる。
2.× マスの色塗りは、小脳性失調による大字症へのアプローチである。一方、Parkinson病では、小字症がみられ、マスを塗ることはこれを助長する可能性が考えられる。
3〜4.〇 正しい。ペグボードのペグ/輪入れのリーチ動作は、肩関節屈曲により、胸郭や上肢の可動域拡大につながる。また、リーチ動作により姿勢反射障害や無動・固縮への進行予防にもつながる。
5.〇 正しい。階段昇降訓練は、下肢筋力や移動能力の維持につながる。Parkinson病には、矛盾性運動(逆説的運動)という特徴がある。矛盾性運動(逆説的運動)とは、すくみ足の症状があっても、床の上の横棒をまたぐことができることをいう。リズムをとったり、視覚的な目標物を踏み越えてもらうと、本来難易度が高いはずであるが、スムーズに足が出るといった現象である。ちなみに、階段昇降もこれに含まれ、平地歩行に比べて障害されにくい。

Parkinson病の4大症状

静止時振戦
寡動(無動)
筋強剛(固縮)
姿勢反射障害

 

 

48回 午前3

3 Parkinson病患者の更衣動作を図に示す。このとき患者は、「シャツやズボンの前のボタンを留めるのは簡単だけど、腰の辺りのシャツの裾をズボンに入れたり、ズボンを引き上げるのがうまくいかない」と訴える。
 原因として最も考えられるのはどれか。

1.視野狭窄
2.測定障害
3.観念運動失行
4.遂行機能障害
5.視覚情報の欠如

解答5

解説

1.× 視野狭窄は、網膜剥離や緑内障などの眼疾患視覚経路の障害で起こる。
2.× 測定障害は、協調運動障害の一つで、手足などを目標物に正しく持っていくことができず震える症状をいう。主に、小脳障害で起こる。
3.× 観念運動失行は、指示されたことの遂行や模倣ができなくなるという症状である。主に、左頭頂葉の障害で起こる。
4.× 遂行機能障害は、物事の計画を立てたり、段取り通り進めたりすることができなくなる状態である。主に、前頭葉の障害で起こる。
5.〇 正しい。視覚情報の欠如が原因として最も考えられる。なぜなら、本例では、身体の前面でのボタン留めといった巧級動作は可能であるが、身体の背面での動作に困難を訴えているため。Parkinson病では、諸動作の視覚情報への依存性が高くなることが多い。目で見ながら前ボタンを留めることは大きな問題なくできても、見えない部分の動きが拙劣になりやすい。

 

 

 

48回 午前29

29 Hoehn& Yahrの重症度分類ステージⅢのParkinson病に対する在宅での訓練指導で適切でないのはどれか。

1.片膝立ちからの立ち上がり訓練
2.リズムに合わせた上肢の運動
3.他動的な筋ストレッチ訓練
4.四つ這いでのバランス訓練
5.目印を用いた歩行訓練

解答1

解説

Hoehn&Yahrの重症度分類ステージ

0度  パーキンソニズムなし
Ⅰ度  一側性パーキンソニズム
Ⅱ度  両側性パーキンソニズム
Ⅲ度  軽~中等度パーキンソニズム。姿勢反射障害あり。日常生活に一部介助不要になるが自力での生活可能。
Ⅳ度  高度障害を示すが、歩行は介助なしにどうにか可能
Ⅴ度  介助なしにはベッド又は車椅子生活

1.× 片膝立ちからの立ち上がり訓練は、在宅での訓練指導で適切でない。なぜなら、本症例は、姿勢保持反射障害がみられ、バランスを崩しやすく転倒の危険性があるため。
2.〇 リズムに合わせた上肢の運動は、転倒の危険性もなく機能改善に有用である。3.〇 他動的な筋ストレッチ訓練は、変形や拘縮を防ぐことができる。Parkinson病は、体幹や四肢の屈曲変形や拘縮が起こりやすく、廃用症候群の予防が大切である。
4.〇 四つ這いでのバランス訓練は、支持基底面が大きい運動となり転倒・怪我の危険性が少なく安全性が高い。またベッド移乗にも役立つ。
5.〇 目印を用いた歩行訓練は、歩行障害を改善するために効果的である。視覚を用いた方法は他にも、床に歩幅の目安となるラインを引くなどがある。 

 

 

 

49回 午前36

36 Parkinson病患者の肩関節可動域拡大を目的とした作業活動として正しいのはどれか。

1.折り紙
2.木彫の浮彫り
3.ろくろで茶碗作り
4.革細工のレースかがり
5.タイルモザイクのタイル割り

解答4※
※備考:当時採点除外など取り扱いをすることが望ましいと意見された。

解説
 Parkinson病患者は、脊柱が屈曲しやすく、肩甲骨外転位、肩関節内転位になりやすい。そのため、作業療法では、手元で行う巧緻動作よりも体幹の屈伸・回旋や、肩屈曲・外転方向に大きく動かせるような粗大運動を取り入れる。

1~3.× 折り紙/木彫の浮彫り/は、巧緻動作であり、かつ、同一姿勢を伴うので不適切である。Parkinson病患者の肩関節可動域拡大を目的とした作業療法を提供する場合には、粗大運動で体幹の回旋を含み、かつ長時間同じ姿勢をとり続けないように行うのが望ましい。
3.× ろくろで茶碗作りは、手指の巧緻性や上肢の協調性向上を目的としている。
4.〇 正しい。企図振戦でないため、レースかがりの作業は、「不可能」ではなく、通したレース(革ひも)を引く工程において、肩関節外転・伸展(水平伸展)などの運動要素によって肩関節可動域拡大が可能である。
5.× タイル割りは、タイルニッパーなどを使用し、手指把握力や上肢筋力向上を期待している。

 

 

51回 午前34

34 Hoehn&Yahr の重症度ステージⅢレベルのParkinson 病への作業療法で適切なのはどれか。

1. 車椅子操作
2. ポータブルトイレの導入
3. 音声入力によるパソコン操作
4. 棒体操による頸部体幹伸展運動
5. 机上での細かいビーズを用いた手芸

解答4

解説

Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

1.× 車椅子操作は時期尚早である。なぜなら、本症例はステージⅢ(姿勢保持反射障害はあるが歩行は可能である)でため。
2.× ポータブルトイレの導入は時期尚早である。本症例は、ステージⅢで、姿勢保持反射障害はあるが,自力でトイレまでの移動は可能であると考えられる。また、できるだけ身体機能を維持するという観点からも、ポータプルトイレを導入するよりは、住宅改修により廊下や扉、トイレを使いやすくすることを優先する。
3.× 音声入力によるパソコン操作は、「パーキンソン病」ではなく、主に筋萎縮性側索硬化症(ALS)に適応となる。
4.〇 正しい。棒体操による頸部体幹伸展運動を優先して行う。なぜなら、姿勢保持反射障害か出現しているため。頚部体幹伸展運動により転倒予防を努める。
5.× 机上での細かいビーズを用いた手芸は不適切である。なぜなら、パーキンソン病による前傾姿勢・固縮を助長しかねないため。また、現段階では姿勢保持反射障害により、集中しすぎることで椅子から転倒・転落の可能性も考えられる。

”筋萎縮性側索硬化症とは?”

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、主に中年以降に発症し、一次運動ニューロン(上位運動ニューロン)と二次運動ニューロン(下位運動ニューロン)が選択的にかつ進行性に変性・消失していく原因不明の疾患である。病勢の進展は比較的速く、人工呼吸器を用いなければ通常は2~5年で死亡することが多い。男女比は2:1で男性に多く、好発年齢は40~50歳である。
【症状】3型に分けられる。①上肢型(普通型):上肢の筋萎縮と筋力低下が主体で、下肢は痙縮を示す。②球型(進行性球麻痺):球症状(言語障害、嚥下障害など)が主体、③下肢型(偽多発神経炎型):下肢から発症し、下肢の腱反射低下・消失が早期からみられ、二次運動ニューロンの障害が前面に出る。
【予後】症状の進行は比較的急速で、発症から死亡までの平均期間は約 3.5 年といわれている。個人差が非常に大きく、進行は球麻痺型が最も速いとされ、発症から3か月以内に死亡する例もある。近年のALS患者は人工呼吸器管理(非侵襲的陽圧換気など)の進歩によってかつてよりも生命予後が延長しており、長期生存例ではこれらの徴候もみられるようになってきている。ただし、根治療法や特効薬はなく、病気の進行に合わせて薬物療法やリハビリテーションなどの対症療法を行うのが現状である。全身に筋萎縮・麻痺が進行するが、眼球運動、膀胱直腸障害、感覚障害、褥瘡もみられにくい(4大陰性徴候)。終末期には、眼球運動と眼瞼運動の2つを用いたコミュニケーション手段が利用される。

(※参考:「2 筋萎縮性側索硬化症」厚生労働省様HPより)

 

 

 

51回 午後7

7 67歳の男性。Parkinson病、Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢ。室内は伝い歩きで屋外は歩行車を用いているが、最近、体幹の前屈傾向がみられ時々つまずいて転倒する。
 この患者の住環境整備で適切でないのはどれか。

1. 段差の解消
2. 手すりの設置
3. 引き戸の導入
4. ベッドの導入
5. 毛足の長いじゅうたんの設置

解答5

解説

Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

1.〇 正しい。段差の解消は重要である。なぜなら、本症例は時折、つまずいて転倒しているため。つまずきやすいものは自宅から排除しておくべきである。
2.〇 正しい。手すりの設置は重要である。なぜなら、本症例は室内伝い歩きをしており、転倒防止につながるため。
3.〇 正しい。引き戸(横にスライドする戸)の導入は重要である。なぜなら、外開き戸の場合は扉に近づきすぎると後ずさりしたときに転びやすくなるため。
4.〇 正しい。ベッドの導入は重要である。なぜなら、布団だと起きて歩き出すときに、それがつまずく障害物となったり、起き上がる際にベッドの方が移動の負担が小さく転倒防止につながるため。
5.× 毛足の長いじゅうたんの設置は住環境整備で不要である。むしろ、自宅から排除するべきである。なぜなら、パーキンソン病は小刻みですり足となり、毛足の長いじゅうたんはつまずきやすいため。

 

 

52回 午前6

6 65歳の男性。Parkinson病。方向転換の不安定性や突進現象を伴う歩行障害が出現し始めた。ADLは動作に制限があるものの自立している。家業である洋裁店を妻や長男夫婦の手助けで行っている。
 この時点でのHoehn&Yahr の重症度分類ステージはどれか。

1. Ⅰ
2. Ⅱ
3. Ⅲ
4. Ⅳ
5. Ⅴ

解答3

解説

Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

 本症例は、設問から「①歩行障害が出現(方向転換の不安定性や突進現象を伴う)、②ADLは動作に制限があるものの自立」していることが読み取れる。このことから、選択肢3.ステージⅢ【軽~中等度パーキンソニズム。姿勢反射障害あり。日常生活(労働を含む)に一部介助(制限)が必要になるが自力での生活可能。】と考えられる。

 

 

53回 午後28

28 Parkinson病においてADLは自立で労働が制限されるときのHoehn&Yahrの重症度分類ステージはどれか。

1.Ⅰ
2.Ⅱ
3.Ⅲ
4.Ⅳ
5.Ⅴ

解答3

解説

Hoehn&Yahrの重症度分類ステージ

0度:パーキンソニズムなし
Ⅰ度:一側性パーキンソニズム。日常生活(労働を含む)に介助を要しない。
Ⅱ度:両側性パーキンソニズム。日常生活(労働を含む)がやや不便であるが制限はされない。
Ⅲ度:軽~中等度パーキンソニズム。姿勢反射障害あり。日常生活(労働を含む)に一部介助(制限)が必要になるが自力での生活可能。
Ⅳ度:高度障害を示すが、歩行は介助なしにどうにか可能
Ⅴ度:介助なしにはベッド又は車椅子生活

よって、本症例はADL自立で、労働が制限されているため、選択肢3.Ⅲが正しい。

 

 

 

54回 午後35

35 Parkinson病のHoehn&Yahr の重症度分類でステージⅢの患者に対する作業療法で使用するのはどれか。

1. メトロノーム
2. 座位保持装置
3. バランスボード
4. ユニバーサルカフ
5. ポータブルスプリングバランサー

解答

解説

 Hoehn & Yahr の重症度分類のステージⅢでは、歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLに一部介助に一部介助が必要になる段階である。自助具や環境設定、家屋改造が適応となるのは、ステージVからである。

1.〇 正しい。Hoehn & Yahr の重症度分類のステージⅢでは、歩行障害に対するアプローチが求められる。メトロノームなどのリズム音刺激を用い、Parkinson病の歩行障害にアプローチしていくのが適切である。
2.× 座位保持装置はまだ必要ではない。姿勢保持反射障害がみられるものの、立位や座位の保持、歩行は可能であるためである。ステージⅤから座位保持装置が必要になる。
3.× バランスボードは、姿勢保持反射障害が出現しているので、危険であるため不必要である。
4.× ユニバーサルカフは、指の届曲の障害、ものが掴めない・握れないなどの動作を補助する自助具である。頚椎損傷やリウマチなどに適応となる。パーキンソン病で適応になるのか分かりませんでした。コメント欄にて教えてください。また適応になるのであれば、ステージも併せて教えてください。
5.× ポータブルスプリングバランサーは、上肢の麻痺や上肢を支える筋力が著しく低下したときに腕を支える補助力となる自助具である。適応疾患としては、高位脊髄損傷・筋ジストロフィー・腕神経叢麻痺などである。パーキンソン病で適応になるのか分かりませんでした。コメント欄にて教えてください。また適応になるのであれば、ステージも併せて教えてください。

Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

 

 

 

55回 午前10

10 70歳の女性。Parkinson病。Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢ。自宅で頻回に転倒し、日常生活に支障をきたすようになった。
 この患者に対する指導として適切なのはどれか。

1. 直線的な方向転換をする。
2. 歩行時に体幹を屈曲する。
3. 車椅子駆動の方法を指導する。
4. リズムをとりながら歩行する。
5. 足関節に重錘バンドを装着して歩行する。

解答4

解説
1.× 方向転換は、「直線的」ではなく大きく曲がるように指導する。
2.× 歩行時に体幹を屈曲する必要はない。むしろ、体幹屈曲することで、前傾姿勢が強まり視界が狭まり、突進現象を助長する恐れがある。結果的に転倒のリスクが高まる。したがって、できるだけ前傾姿勢にならないよう歩行してもらう。
3.× 車椅子駆動の方法を指導する必要はない。なぜなら、現在はHoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢ(歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。)であるため。歩行能力の維持に努める。この段階で車椅子を使用するのは時期尚早である。
4.〇 正しい。リズムをとりながら歩行する。なぜなら、何らかの外部刺激(視覚やリズム)があると、すくみ足が改善され歩行のリズムが整うことが多いため。
5.× 足関節に重錘バンドを装着して歩行する必要はない。なぜなら、足関節に重錘バンドを装着する歩行練習は、運動失調に対して適応となるため。

Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

 

 

55回 午後10

10 72歳の男性。Parkinson病でHoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢ。60歳代前半に発症し、投薬治療で経過観察されていたが、小刻み歩行やすくみ足が出現し、1日複数回転倒するようになってきている。特に方向転換を必要とする箇所での転倒が多い。自宅の見取り図を示す。
 転倒防止のための対応で誤っているのはどれか。

1. リビングでは椅子(A)を使用する。
2. トイレの扉(B)を引き戸に改修する。
3. 浴室の入り口側の壁の洗い場と浴槽の間(C)に縦手すりを設置する。
4. 浴槽内(D)に台を設置する。
5. ベッドへのアプローチのために床(E)にテープで目印をつける。

解答1

解説

Hoehn&Yahrの重症度分類ステージ

0度  パーキンソニズムなし
Ⅰ度  一側性パーキンソニズム
Ⅱ度  両側性パーキンソニズム
Ⅲ度  軽~中等度パーキンソニズム。姿勢反射障害あり。日常生活に一部介助不要になるが自力での生活可能。
Ⅳ度  高度障害を示すが、歩行は介助なしにどうにか可能
Ⅴ度  介助なしにはベッド又は車椅子生活

1.× リビングでは椅子(A)を使用する優先度は低い。なぜなら、Aの位置にある椅子に到達するまでに転倒してしまう可能性が高いため。したがって、トイレ側の椅子を使用するほうがよい。また、テーブルの位置と棚との間が狭いため、すくみ足が誘発されて危険と考えられる。
2.〇 正しい。トイレの扉(B)を引き戸に改修する。なぜなら、開き戸の開閉は、その場での方向転換を要し、姿勢保持反射障害がある患者にとっては転倒の原因となりやすいため。
3.〇 正しい。浴室の入り口側の壁の洗い場と浴槽の間(C)に縦手すりを設置する。なぜなら、縦手すりを設置することで、浴室内での方向転換や浴槽への出入りの際の安全性向上に寄与するため。
4.〇 正しい。浴槽内(D)にを設置する。なぜなら、浴槽内に台を設置することで、重心移動が容易となり姿勢反射障害を伴うパーキンソン病患者も立ち上がりがしやすくなるため。
5.〇 正しい。ベッドへのアプローチのために床(E)にテープで目印をつける。パーキンソン病のすくみ足の誘発因子は狭路・障害物・精神的緊張などである。外的刺激である聴覚(リズム)や視覚(テープ)からアプローチすることで、すくみ足は改善しやすくなり安全に移動できるようになる。

 

 

 

56回 午後30

30 Parkinson病で姿勢反射障害および両側性の振戦があり、小刻み歩行でADLが自立している時のHoehn&Yahr重症度分類ステージはどれか。

1. Ⅰ
2. Ⅱ
3. Ⅲ
4. Ⅳ
5. Ⅴ

解答3

解説

Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

1.× Ⅰは、片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
2.× Ⅱは、両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
3.〇 正しい。Ⅲは、歩行障害・姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる時期である。本症例は、本症例はADL自立ではあるものの「①姿勢反射障害、②小刻み歩行」が出現している。
4.× Ⅳは、日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
5.× Ⅴは、寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

 

 

 

 

 

57回 午前7

7 65歳の女性。Parkinson病。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢ。屋内歩行は伝い歩きをしている。薬物コントロールができ次第、退院予定である。
 運動機能維持を目的とした作業療法で優先順位が低いのはどれか。

解答

解説

パーキンソン病とは?

パーキンソン病は、黒質線条体系のドパミン不足による慢性の進行性の錐体外路疾患である。四大徴候として①安静時振戦、②筋固縮、③無動、④姿勢保持反射障害が挙げられる。患者への対応としては、安静時振戦や無動などの症状から運動範囲の狭い机上作業などよりも、身体を大きく使うような粗大運動が適切である。

本症例のポイント

・65歳の女性。
・Parkinson病。
・Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢ(日常生活は何とか自立しているが、小刻み歩行、すくみ足、姿勢保持反射障害などがみられ、日常生活に支障が生じる。しかし、介助は要さない。職種によっては仕事を続けることができるレベル)
・屋内歩行は伝い歩き可能。
・薬物コントロールができ次第、退院予定である。
運動機能維持を目的とした作業療法を選択する。

1.〇 立位でのボール入れは、運動機能維持を目的とした作業療法となる。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢは、軽~中等度パーキンソニズム・姿勢反射障害がみられる時期である。立位でのボール入れは、体幹伸展を促し、前傾姿勢の進行予防ができる。また、両上肢屈曲を促し固縮・無動の進行予防ができる。最後に、立位をとることで、姿勢反射障害に対するバランス運動も担っていると考えられる。
2.〇 階段昇降は、運動機能維持を目的とした作業療法となる。Parkinson病には、矛盾性運動(逆説的運動)が特徴である。矛盾性運動(逆説的運動)とは、本来難易度が高いはずであるが、スムーズに足が出るといった現象である。すくみ足の症状があっても、床の上の横棒をまたぐことができること、リズムをとったり、視覚的な目標物を踏み越えてもらうと、本来難易度が高いはずであるが、スムーズに足が出るといった現象である。ちなみに、階段昇降もこれに含まれ、平地歩行に比べて障害されにくい。階段昇降は、歩行の改善、下肢筋力強化の効果も期待される。
3.〇 座位でのコーン入れ/座位でのキャッチボール?(ゴムボール)は、運動機能維持を目的とした作業療法となる。上肢屈曲を促し固縮・無動の進行予防ができる。また、座位保持にてリーチ動作を促すため、座位バランス訓練につながる。
5.× 陶芸は、運動機能維持を目的として、選択肢の中で最も優先順位が低い。なぜなら、運動範囲が狭いため。また、前傾姿勢をさらに強める可能性が高い。ちなみに、陶芸のメリットとして、①創造性の向上、②気分転換、③ストレス解消、④満足感や達成感などがあげられ、主な疾患としては認知症やうつ病に対して行うことが多い。

Hoehn&Yahrの重症度分類ステージ

0度:パーキンソニズムなし
Ⅰ度:一側性パーキンソニズム。日常生活(労働を含む)に介助を要しない。
Ⅱ度:両側性パーキンソニズム。日常生活(労働を含む)がやや不便であるが制限はされない。
Ⅲ度:軽~中等度パーキンソニズム。姿勢反射障害あり。日常生活(労働を含む)に一部介助(制限)が必要になるが自力での生活可能。

Ⅳ度:高度障害を示すが、歩行は介助なしにどうにか可能
Ⅴ度:介助なしにはベッド又は車椅子生活

 

 

58回 午前38

38 Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢのParkinson病への作業療法で最も適切なのはどれか。

1.車椅子操作
2.万能カフの導入
3.音声入力によるパソコン操作
4.棒体操による頚部体幹伸展運動
5.机上での細かいビーズを用いた手芸

解答

解説

Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

1.× 車椅子操作は時期尚早である。なぜなら、本症例はステージⅢ(姿勢保持反射障害はあるが歩行は可能である)でため。
2.× 万能カフの導入は必要ない。なぜなら、万能カフとは、フォークやスプーンに巻きつけて使う補助具で、握力の弱い方や手指の曲がらない(頚髄損傷:C5)に対し適応となるため。
3.× 音声入力によるパソコン操作は必要ない。なぜなら、主に筋萎縮性側索硬化症(ALS)に適応となるため。
4.〇 正しい。棒体操による頚部体幹伸展運動を優先して行う。なぜなら、本症例はステージⅢで、姿勢保持反射障害か出現しているため。頚部体幹伸展運動により前傾姿勢の改善や転倒予防を努めることが大切である。
5.× 机上での細かいビーズを用いた手芸は必要ない。なぜなら、細かい作業はパーキンソン病の症状(前傾姿勢・固縮)を助長しかねないため。また、現段階では姿勢保持反射障害により、集中しすぎることで椅子から転倒・転落の可能性も考えられる。

 

 

 

 

 

59回 午後2

2 65歳の女性。専業主婦。右利き。上肢の振戦のため心配した夫に伴われて来院した。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅠ。入院後に内服投与が開始され、2週後退院となった。退院時に安静時振戦は消失したが、右下肢の固縮および右すり足を認めた。片脚立位で右が10秒、左が20秒。ADLは自立しているが、箸の使用と書字に時間がかかる。
 退院後のプログラム内容で適切でないのはどれか。

1.散歩
2.太極拳
3.フレンケル体操
4.手内筋の伸張運動
5.床に置かれた物品の整理

解答

解説

本症例のポイント

・65歳の女性(専業主婦、右利き)。
Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅠ
・退院時:安静時振戦は消失。
・右下肢の固縮および右すり足を認めた。
・片脚立位:右10秒、左20秒。
・ADL:自立、箸の使用と書字に時間がかかる。
→本症例は、Hoehn & Yahrの重症度分類が使われていることや症状からもパーキンソン病と判断できる。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅠは、片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない状態である。「運動や生活を制限しないように、活動量の低下や転倒の予防をし、身体能力の向上について教育することが大切である」と記載されている(図引用:「変性疾患・パーキンソン病のリハビリテーション」著:門脇太郎らより)。ちなみに、パーキンソン病とは、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として①安静時振戦、②筋強剛(筋固縮)、③無動・寡動、④姿勢反射障害を特徴とする。また、自律神経障害による便秘や起立性低血圧、排尿障害、レム睡眠行動障害などが起こる。

(図引用:「変性疾患・パーキンソン病のリハビリテーション」著:門脇太郎らより)

1.〇 正しい。散歩は、退院後のプログラム内容である。活動低下の予防につながる。
2.〇 正しい。太極拳は、退院後のプログラム内容である。「パーキンソン病に対するリハビリテーションとして太極拳やタンゴダンスが有効であることが示されており、ヨーロッパのリハビリテーションガイドライン2014でも推奨されている」と記載されている(図引用:「変性疾患・パーキンソン病のリハビリテーション」著:門脇太郎らより)。
3.× フレンケル体操は優先度が最も低い。なぜなら、本症例はパーキンソン病であるため。Frenkel体操(フランクル体操、フレンケル体操)は、視覚で代償して運動制御を促通する運動療法であり、脊髄性運動失調などに対して行われる。
4.〇 正しい。手内筋の伸張運動は、退院後のプログラム内容である。身体機能維持・改善につながる。
5.〇 正しい。床に置かれた物品の整理は、退院後のプログラム内容である。転倒への不安予防につながる。

Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

 

 

59回 午後23

23 Parkinson病患者で早期に困難となる動作はどれか。
 ただし、いずれの動作も上肢での代償はないものとする。

1.寝返り
2.平地歩行
3.階段の昇り
4.端座位の保持
5.椅子からの立ち上がり

解答

解説

パーキンソン病とは?

パーキンソン病とは、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として①安静時振戦、②筋強剛(筋固縮)、③無動・寡動、④姿勢反射障害を特徴とする。また、自律神経障害による便秘や起立性低血圧、排尿障害、レム睡眠行動障害などが起こる。レム睡眠行動障害とは、レム睡眠の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の1つである。 睡眠時随伴症に分類される。

矛盾性運動(逆説的運動)とは、本来難易度が高いはずであるが、スムーズに足が出るといった現象である。すくみ足の症状があっても、床の上の横棒をまたぐことができること、リズムをとったり、視覚的な目標物を踏み越えさせたりすると、本来難易度が高いはずであるが、スムーズに足が出るといった現象である。ちなみに、階段昇降もこれに含まれ、平地歩行に比べて障害されにくい。階段昇降は、歩行の改善、下肢筋力強化の効果も期待される。

1.〇 正しい。寝返りは、Parkinson病患者で早期に困難となる動作である。なぜなら、寝返り・起き上がり動作は、頸部や体幹の回旋を伴うため。したがって、姿勢反射障害や固縮の影響が大きい。
2.5.× 平地歩行/椅子からの立ち上がりは、Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅣで困難となる動作である。
3.× 階段の昇りは、比較的維持されやすい項目である。なぜなら、矛盾性運動(逆説的運動)が特徴であるため。
4.× 端座位の保持は、Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅤで困難となる動作である。

Hoehn&Yahr の重症度分類でステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLに一部介助に一部介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

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