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51.骨で正しいのはどれか。
1.短骨には髄腔がある。
2.黄色骨髄は造血機能を持つ。
3.海綿骨にはHavers管がある。
4.骨芽細胞は骨吸収に関与する。
5.皮質骨表面は骨膜で覆われている。
解答5
解説
1.× 髄腔があるのは「短骨」ではなく長管骨の骨幹である。他にも不規則は髄腔がない。一方、長管骨の骨幹には緻密骨で囲まれる髄腔がある。骨髄腔には骨髄が詰まっており、造血を行っている。
2.× 造血機能を持つのは、「黄色骨髄」ではなく赤色骨髄である。幼児期の全骨髄が造血作用をもつ赤色骨髄であるが、骨格発育が進み必要な造血領域を越えるようになると脂肪髄である黄色骨髄に置き換わっていく。
3.× Havers管(ハバース管)があるのは、「海綿骨」ではなく皮質骨である。骨には、①外側(皮質骨)と②内側(海綿骨)がある。Havers管とは、骨の長軸方向に伸びている血管が通る管をいう。ちなみに、海綿骨にはハバース管が存在しない。Havers管を中心に同心円状に層をなし、骨単位となっている。
4.× 骨吸収に関与するのは、「骨芽細胞」ではなく破骨細胞である。破骨細胞が骨の組織を分解してミネラルを放出し、骨組織から血液にカルシウムが移動するプロセスである。したがって、骨芽細胞は、骨質の形成に関与している。
5.〇 正しい。皮質骨表面は骨膜で覆われている。骨には、①外側(皮質骨)と②内側(海綿骨)がある。海綿骨の表面は、皮質骨(緻密骨)で覆われ、その外層に骨膜が存在する。ちなみに、骨膜は、短軸方向の成長に関わり、骨端成長板は長軸方向の成長に関わる。また、骨膜の役割として、骨を保護し治癒する。
52.前骨間神経に支配される筋はどれか。
1.短母指伸筋
2.長母指屈筋
3.長母指伸筋
4.尺側手根屈筋
5.長母指外転筋
解答2
解説
前骨間神経と後骨間神経は、前腕の橈骨と尺骨という2つ骨の間を繋ぐ骨間膜の前後を走る神経である。両者とも触覚に異常がないのが特徴である。神経炎以外にも、外傷、絞扼性神経障害でも生じる。
【前骨間神経】
・肘の辺りで正中神経から分岐して主に母指(親指)と示指の第1関節を動かす筋肉を支配している。ほかにも、長母指屈筋、方形回内筋を支配する。
→涙のしずくが陽性。
【後骨間神経】
・肘の辺りで橈骨神経から分岐して回外筋にもぐりこみ、指を伸展する筋肉を支配している。
→下垂指(drop finger)となる。
1.× 短母指伸筋の支配神経は、橈骨神経深枝(C6~C8)である。ちなみに、【起始】橈骨中部背面、前腕骨間膜の背面、【停止】母指基節骨底背外側部、一部は指背腱膜に加わる。【作用】母指の基節骨の伸展、母指の外転である。
2.〇 正しい。長母指屈筋の支配神経は、前骨間神経(正中神経:C6~C8,T1)である。ちなみに、【起始】橈骨前面、前腕骨間膜、【停止】母指末節骨底、【作用】母指の中手指節関節と指節間関節の屈曲である。
3.× 長母指伸筋の支配神経は、橈骨神経深枝(C6~C8)である。ちなみに、【起始】尺骨体中部背面、前腕骨間膜背面、【停止】母指の末節骨底の背側、【作用】母指の伸展、内転である。
4.× 尺側手根屈筋の支配神経は、尺骨神経(C7~T1)である。ちなみに、【起始】上腕頭:内側上顆と前腕筋膜、尺骨頭:肘頭から尺骨中部までの後縁、【停止】豆状骨、豆鉤靭帯、豆中手靭帯、有鉤骨、第5中手骨底、【作用】手関節の掌屈、尺屈である。
5.× 長母指外転筋の支配神経は、橈骨神経深枝(C6~C8)である。ちなみに、【起始】尺骨と橈骨の中部背側面、前腕骨間膜背面、【停止】第1中手骨底背面外側付近、【作用】母指外転である。
53.眼球運動に関わる脳神経として正しいのはどれか。2つ選べ。
1.視神経
2.外転神経
3.滑車神経
4.顔面神経
5.三叉神経
解答2・3
解説
1.× 視神経は視覚を司る。ちなみに、視覚伝導路は、「視神経―視交叉―視索―外側膝状体―視放線―視覚野」である。
2.〇 正しい。外転神経は、眼球運動に関わる。外側直筋を支配し、外側への眼球運動を行う。
3.〇 正しい。滑車神経は、眼球運動に関わる。上斜筋を支配し、内側直筋と上斜筋が協調的に動くことで、内下方への眼球運動を行う。
4.× 顔面神経は、①表情筋の支配、②涙腺・唾液腺の分泌調整、③舌の前2/3からの味覚を伝える働きを持つ。
5.× 三叉神経は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。
【眼球運動:筋】
外側:外直筋
内側:内直筋
外上方:外直筋+上直筋
内上方:内直筋+下斜筋
外下方:外直筋+下直筋
内下方:内直筋+上斜筋
【支配神経】
①動眼神経:内側直筋・上直筋・下直筋・下斜筋
②滑車神経:上斜筋
③外転神経:外側直筋
54.脊髄で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.膨大部は3つある。
2.前角は白質からなる。
3.後根は脊髄神経節をつくる。
4.交感神経は胸髄と腰髄とから出る。
5.脊髄円錐は第3、4腰椎のレベルにある。
解答3・4
解説
灰白質は、脳の表面の神経細胞のところである。大脳基底核とか視床とか脳の深部に存在する。白質は、灰白質の内側にあって神経細胞の連絡路(軸索)である。放線冠・内包・脳梁などに存在する。
灰白質:ニューロンの細胞体が多く集まる部分(大脳皮質や脊髄髄質)。
白質:神経線維(髄鞘)が多く集まる部分(大脳髄質、脊髄皮質)。
1.× 膨大部は、「3つ」ではなく2つある。①頸膨大部(頚髄の腕神経叢を支配)と②腰膨大部(腰髄と仙髄の仙腸神経叢を支配)である。それぞれ第6頸髄と第4腰髄に該当し、脊髄の中でこれらの神経を出す神経細胞の集団がよく発達し、太い神経が出ている。
2.× 前角は、「白質」ではなく灰白質からなる。前角は、運動ニューロンが集まっている。灰白質は、中枢神経系において神経細胞の細胞体が存在している領域である。一方で、白質は神経細胞体がなく神経線維が多く存在している領域である。
3.〇 正しい。後根は脊髄神経節をつくる。これを脊髄後根神経節という。末梢からの感覚情報の中継点として機能する神経細胞の集団である。
4.〇 正しい。交感神経は胸髄と腰髄とから出る。一方、副交感神経は、中脳・延髄および仙髄から出る。詳しくは下図参照。
5.× 脊髄円錐は、「第3、4腰椎」ではなく「第1、2腰椎」のレベルにある。脊髄円錐は、脊髄下端の円錐状になっている部位である。脊髄の終わり部分である。ちなみに、出生時の脊髄円錐の位置は第3腰椎である。
(今井昭一:薬理学.標準看護学講座5、金原出版、1998より改変)
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55.心臓の構造で正しいのはどれか。
1.僧帽弁は3尖である。
2.大動脈弁は2尖である。
3.洞房結節は左心房にある。
4.卵円窩は心房中隔にある。
5.三尖弁は右心室の流出口にある。
解答4
解説
(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)
1.× 僧帽弁は、「3尖」ではなく2尖である。正常の場合では、右房室弁や大動脈弁、肺動脈弁が三尖弁であり、唯一の二尖弁が僧帽弁である。僧帽弁は、左心房と左心室の間にある弁である。
2.× 大動脈弁は、「2尖」ではなく3尖である。正常の場合では、右房室弁や大動脈弁、肺動脈弁が三尖弁であり、唯一の二尖弁が僧帽弁である。大動脈弁は、左心室から大動脈への血流を制御するための弁である。
3.× 洞房結節は、「左心房」ではなく右心房の上部にある。洞房結節は、「自然のペースメーカー」ともよばれ、ごく弱い電気信号を規則的に出している。
4.〇 正しい。卵円窩は心房中隔にある。卵円窩は、右心房と左心房の間の心房中隔にある、小さなくぼみ状の構造をしている。心房中隔にある卵円孔が遺残したものが卵円窩である。卵円孔は、胎児のとき開いており、胎盤を通して流れてくる酵素を含んだ血液を胎児の全身に循環させるためにある。出生後、卵円孔は閉じ、卵円窩が形成される。
5.× 右心室の流出口にあるのは、「三尖弁」ではなく肺動脈弁である。右心室から肺動脈への血流を制御している。ちなみに、三尖弁は、右心房と右心室の間に位置し、血液の逆流を防ぐ役割を果たす。
(※看護roo!様「看護師イラスト集」より)
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