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71 立位姿勢で正しいのはどれか。
1.幼児の重心は仙骨のやや前方に位置する。
2.安静立位時では重心線は上前腸骨棘を通る。
3.支持基底面は足底とその間を含む面である。
4.Romberg肢位は開脚立位より安定性が高い。
5.安静立位時では身体重心は前後に動揺しない。
解答3
解説
1.× 「幼児」ではなく成人の重心は、仙骨のやや前方に位置する(身長の55%の高さ)。ちなみに、幼児の重心は、「へその上あたり」に位置する。
2.× 安静立位時では重心線は、上前腸骨棘を「通らない」。
・矢状面上における立位姿勢の重心線は、耳垂(やや後方)、肩峰、大転子、膝関節前部(膝蓋骨後面)、外果前方であり、股関節の後方、膝関節の前方、足関節の前方を通る。
3.〇 正しい。支持基底面は、足底とその間を含む面である。したがって、開脚立位では左右の足の間隔が広がるため、支持基底面が広くなり安定性が増す。逆に閉脚立位やつぎ足立位では支持基底面が狭くなり、ふらつきやすくなる。
4.× Romberg肢位は、開脚立位より安定性が「低い」。なぜなら、Romberg肢位は閉脚により支持基底面が狭くなるため。支持基底面が狭いほど、安定性は低くなる。
・Romberg試験(ロンベルグ徴候)は、①はじめは開眼にて、患者に直立不動の姿勢をとらせ、安定した姿勢保持が可能であることを確かめる。②次に、閉眼させ、体幹の動揺が生じたり、動揺が明らかに増悪、あるいは転倒した場合を陽性とする。
5.× 安静立位時では身体重心は前後に「動揺しない」と断定できない。なぜなら、立位姿勢において、姿勢反射や筋活動によって前後・左右に微小な重心動揺を繰り返しながら保たれているため。
・静止立位時の重心動揺面積は、測定値が小さい場合にバランス機能が良好であると判断できる。
ボディメカニクスとは、「body=身体」と「mechanics=機械学」の造語で、人間が動作するときに骨や筋肉、関節が相互にどのように作用するかといった力学的関係を活用したものである。介護を行うときには、介護者の負担の軽減のためにも身につけておきたい。
①重心の高さは、低い方が安定する。
②支持基底面の広さは、広い方が安定する。
③摩擦抵抗の有無は、有った方が踏ん張りが効き安定する。
④支持基底面と重心の距離は、短い方が足腰への負担は少ない。
72 足部外がえしに作用するのはどれか。
1.後脛骨筋
2.長指屈筋
3.長腓骨筋
4.長母指屈筋
5.ヒラメ筋
解答3
解説
1.× 後脛骨筋の【起始】下腿骨間膜の後面上半、下腿骨間膜に接する脛骨と腓骨、【停止】舟状骨粗面、内側、中間、外側楔状骨、立方骨、第2~3中足骨底、【作用】足関節底屈、内返し、【支配神経】脛骨神経である。
2.× 長指屈筋の【起始】脛骨後面、【停止】第2~5末節骨底、【作用】足関節底屈、足趾屈曲、【神経】脛骨神経である。
3.〇 正しい。長腓骨筋は、足部外がえしに作用する。
・長腓骨筋の【起始】腓骨頭、腓骨体外側面の上半、一部は筋膜と前下腿筋間中隔、【停止】第1,2中足骨底、内側楔状骨、【作用】足関節底屈、外返し、【神経】浅腓骨神経である。
4.× 長母指屈筋の【起始】橈骨前面、前腕骨間膜、【停止】母指末節骨底、【作用】母指の中手指節関節と指節間関節の屈曲、【支配神経】正中神経である。
5.× ヒラメ筋の【起始】腓骨頭と腓骨後面、脛骨のヒラメ筋線と内側縁、腓骨と脛骨間のヒラメ筋腱弓、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部、【作用】足関節底屈、踵の挙上、【支配神経】脛骨神経である。
73 遠心性収縮が生じるのはどれか。2つ選べ。
1.頭上の手を下ろすときの三角筋前部線維
2.懸垂で体を上げるときの上腕二頭筋
3.腕立て伏せで肘を伸ばすときの上腕三頭筋
4.立位から椅子に座るときの大腿四頭筋
5.つま先立ちするときのヒラメ筋
解答1・4
解説
加えられた負荷が筋張力よりも大きく、筋は収縮しているが伸びる状態のこと。これは最大張力の場合だけでなく、種々の筋張力レベルで起こる。日常の運動動作は、重力方向との関係で身体の種々の部分で遠心性収縮が起きている。遠心性収縮は、筋力増強効果が大きいとされるが、筋の損傷も大きい。筋力増強効果は、遠心性→等尺性→求心性の順に大きい。
1.〇 正しい。頭上の手を下ろすときの三角筋前部線維は、遠心性収縮が生じる。なぜなら、頭上に挙げた上肢を下ろすとき、肩関節伸展するため。
・三角筋の【起始】肩甲棘、肩峰、鎖骨の外側部1/3、【停止】上腕骨三角筋粗面、【作用】肩関節外転、前部は屈曲、後部は伸展、【支配神経】腋窩神経である。
2.× 懸垂で体を上げるときの上腕二頭筋は、求心性収縮が生じる。なぜなら、懸垂で体を上げるとき、肘関節屈曲するため。
・上腕二頭筋の【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散、【作用】肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)、【神経】筋皮神経である。
3.× 腕立て伏せで肘を伸ばすときの上腕三頭筋は、求心性収縮が生じる。なぜなら、腕立て伏せで肘を伸ばすとき、肘関節伸展するため。
・上腕三頭筋の【起始】内側頭:上腕骨後面の橈骨神経溝の下方の大部分(広い)、両側の筋間中隔、外側頭:上腕骨橈骨神経溝の上方、長頭:肩甲骨の関節下結節、【停止】尺骨の肘頭、【作用】肘関節伸展、肩関節伸展、【神経】橈骨神経である。
4.〇 正しい。立位から椅子に座るときの大腿四頭筋は、遠心性収縮が生じる。なぜなら、立位から椅子に座るとき、膝関節屈曲するため。
5.× つま先立ちするときのヒラメ筋は、求心性収縮が生じる。なぜなら、つま先立ちするとき、足関節底屈するため。
・ヒラメ筋の【起始】腓骨頭と腓骨後面、脛骨のヒラメ筋線と内側縁、腓骨と脛骨間のヒラメ筋腱弓、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部、【作用】足関節底屈、踵の挙上、【支配神経】脛骨神経である。
74 健常者の歩行で正しいのはどれか。
1.高齢者では歩行比は大きくなる。
2.歩行周期で膝関節は1回屈曲する。
3.爪先離地時で股関節伸展は最大になる。
4.荷重応答期に体重心は足部の直上にある。
5.遊脚後期に遊脚側下肢の動きが減速する。
解答5
解説

【立脚期】
1. 初期接地(Initial Contact;以下,IC):観測肢の接地の瞬間
2. 荷重応答期(Lording Response;以下,LR):IC から対側爪先離地まで
3. 立脚中期(Mid Stance;以下,MSt):対側爪先離地から対側下腿下垂位まで
立脚中期前半:対側爪先離地から両下腿の交差まで
立脚中期後半:両下腿交差から対側下腿下垂位まで
4. 立脚終期(Terminal Stance;以下,TSt):対側下腿下垂位から対側 IC まで
5. 前遊脚期(Pre Swing;以下,PSw):対側 IC から観測肢爪先離地まで
【遊脚期】
6. 遊脚初期(Initial Swing;以下,ISw):観測肢爪先離地から両下腿の交差まで
7. 遊脚中期(Mid Swing;以下,MSw):両下腿交差から下腿下垂位まで
8. 遊脚終期(Terminal Swing;以下,TSw):下腿下垂位から IC まで
1.× 高齢者では歩行比は、「大きくなる」のではなく小さくなる。
・歩行比とは、歩幅と単位時間当たりの歩数(歩行率)との比のことである。歩行比=歩幅÷歩行率で求められる。ちなみに、高齢者の歩行では、「歩行速度・歩幅・歩行率」が減少する。
2.× 歩行周期で膝関節は、「1回」ではなく2回屈曲する(膝関節のダブルニーアクション)。1回目は、踵接地直後の膝関節屈曲は、床の衝撃を和らげるために起こる。2回目は、遊脚期の膝関節屈曲は、床とのクリアランス確保のために起こる。
3.× 「爪先離地時」ではなく踵離地時で股関節伸展は最大になる。なぜなら、爪先離地時には、すでに振り出すための股関節屈曲が始まっているため。
4.× 体重心が足部の直上にあるのは、「荷重応答期(初期接地から対側爪先離地まで)」ではなく立脚中期である。なぜなら、荷重応答期は初期接地直後であり、体重心は後方から前方へ移動している途中であるため。
5.〇 正しい。遊脚後期に遊脚側下肢の動きが減速する。なぜなら、遊脚後期では、前方へ振り出された下肢が次の初期接地に向けて、減速する必要があるため。特に、ハムストリングスが働き、下肢の振り出しの減速に寄与する。

(図引用:Eberhart,H. D. et al.:「Human Limbs and their Substitutes」Mc Graw Hill Book Co. Inc 1954より)
類似問題です↓
【OT/共通】歩行周期についての問題「まとめ・解説」
75 ショックの症状はどれか。(※不適切問題:解2つ)
1.血圧上昇
2.呼吸促迫
3.徐脈
4.多尿
5.皮膚紅潮
解答2・3
採点上の取り扱い:複数の選択肢を正解として採点する。
理由:複数の正解があるため。
解説
問題に入る前に、言っておきたいこと!
ショックの基本所見は「低血圧・頻脈・頻呼吸・乏尿」。ただし、血液分布異常性ショック(敗血症性ショック初期、アナフィラキシーなど)では選択肢5.皮膚紅潮することがあり、神経原性ショックでは選択肢3.徐脈も起こりうるため、出題としてはやや紛らわしい。
ショックとは、体液の喪失、心臓機能の低下、血管系虚脱などにより組織への酸素供給が障害され、放置すれば進行性に全身の臓器還流障害から急速に死に至る重篤な病態である。頻度的に最も多いのは出血性ショックである。
ショックの種類として、アナフィラキシーショック、敗血症性ショック、神経因性ショック(神経原性ショック)、出血性ショック(循環血液量減少性ショック)などがあげられる。
※ショックの基本所見は「低血圧・頻脈・頻呼吸・乏尿」。ただし、血液分布異常性ショック(敗血症性ショック初期、アナフィラキシーなど)では、選択肢5.皮膚紅潮があり、神経原性ショックでは選択肢2.徐脈も起こりうるため、出題としてはやや紛らわしいです。
1.× 血圧は、「上昇」ではなく低下する。なぜなら、ショックは、循環不全により臓器灌流が低下した状態となるため。
2.〇 正しい。呼吸促迫(=頻呼吸)は、ショックの症状である。なぜなら、ショックによる酸素供給不足に対する代償反応として、理解呼吸数が増加しやすいため。
・呼吸促拍とは、呼吸が速くなり息苦しくなることである。
3.△ 徐脈より、どちらかというと頻脈の方がショックの症状である。なぜなら、ショックにより、心臓機能の低下が起こり(低血圧)、その後、心拍出量を保とうとして交感神経が亢進し、心拍数が増加する(頻脈)。ただし、神経原性ショックでは、交感神経活動の低下により徐脈を呈しうるため、この選択肢は採点上正解扱いになりうる。
4.× 「多尿」ではなく乏尿がみられる。なぜなら、ショックでは、腎血流が低下し、さらに体液保持の代償反応が働くため。
・希尿とは、日中に3回以下である。尿量は関係ない。
・頻尿とは、日中に8回以上である。尿量は関係ない。
・無尿とは、100 mL/日以下である。
・乏尿とは、400 mL/日以下である。
・多尿とは、3,000 mL/日以上である。
5.△ 「皮膚紅潮」ではなく顔面蒼白がみられる。なぜなら、ショックでは、末梢循環不全が起こるため。ただし、血液分布異常性ショック(敗血症性ショック初期、アナフィラキシーなど)では、皮膚紅潮を呈することがある。したがって、⑤は完全な誤りとは言い切れない。
