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21 理学療法士及び作業療法士法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.作業療法の診療報酬に関する規定がある。
2.作業療法士免許は内閣総理大臣から交付される。
3.国家試験に合格した日から業務を行うことができる。
4.作業療法は社会的適応能力の回復を図るために行われる。
5.正当な理由がある場合は業務上の秘密を他に伝えることができる。
解答4・5
解説
1.× 作業療法の診療報酬に関する規定があるのは、医療法である。医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。
2.× 作業療法士免許は、「内閣総理大臣」ではなく厚生労働大臣から交付される。第6条(登録及び免許証の交付)「免許は、理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験に合格した者の申請により、理学療法士名簿又は作業療法士名簿に登録することによつて行う。2 厚生労働大臣は、免許を与えたときは、理学療法士免許証又は作業療法士免許証を交付する」と記載されている(※引用:「理学療法士及び作業療法士法」厚生労働省様HPより)。
3.× 国家試験に合格した日から業務を行うことが「できない」。なぜなら、国家試験合格後に免許申請を行い、名簿登録を行わなければ免許は交付されないため。それまで作業療法士と名乗っての業務は行えない。
4.〇 正しい。作業療法は社会的適応能力の回復を図るために行われる。第2条2において、作業療法の定義は、「身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸・工作その他の作業を行なわせることをいう」と定められている。
5.〇 正しい。正当な理由がある場合は業務上の秘密を他に伝えることができる。第16条(秘密を守る義務)において、「理学療法士又は作業療法士は、正当な理由がある場合を除き、その業務上知り得た人の秘密を他に漏らしてはならない。理学療法士又は作業療法士でなくなつた後においても、同様とする」と記載されている(※引用:「理学療法士及び作業療法士法」厚生労働省様HPより)。ただし、正当な理由が具体的にどのような理由なのかは明記されていない。
22 情報収集項目とICFの構成要素の組合せで正しいのはどれか。
1.教育歴:環境因子
2.睡眠機能:個人因子
3.家族の態度:活動と参加
4.日課の遂行:心身機能・身体構造
5.介護保険サービス:環境因子
解答5
解説
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)は、人間の生活機能と障害分類法として2001年5月、世界保健機関(WHO)において採択された。これまでの ICIDH(国際障害分類、1980)が「疾病の帰結(結果)に関する分類」であったのに対し、ICF は「健康の構成要素に関する分類」であり、新しい健康観を提起するものとなった。生活機能上の問題は誰にでも起りうるものなので、ICF は特定の人々のためのものではなく、「全ての人に関する分類」である。
1.× 教育歴は、「環境因子」ではなく個人因子である。個人因子は、その人固有の特徴をいう。 非常に幅広く、年齢、性別、民族、学歴や職歴、価値観、ライフスタイルなどの多数の例が挙げられる。
2.× 睡眠機能は、「個人因子」ではなく心身機能・身体構造である。
3.× 家族の態度は、「活動と参加」ではなく環境因子である。環境因子とは、人々が生活し、人生を送っている物的な環境や社会的環境、人々の社会的な態度による環境を構成する因子である。
4.× 日課の遂行は、「心身機能・身体構造」ではなく活動と参加である。活動とは、課題や行為の個人による遂行のことを指す。参加とは、生活へのかかわりあいである。
5.〇 正しい。介護保険サービスは、環境因子である。介護保険サービスとは、施設に入所したり在宅で介護を受けたり、あるいは施設に通ったりして生活をサポートしてもらうサービスのことである。ちなみに、環境因子は、「人々が生活し、人生を送っている物的な環境や社会的環境、人々の社会的な態度による環境を構成する因子のことである」と定義される。
(※図引用:「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-」厚生労働省様HPより)
23 1000名を対象に糖尿病とうつ症状のGeriatric Depression Scaleとの関連性を調査した。
うつ症状について糖尿病のあり群となし群の比較を統計学的に検定する方法で最も適切なのはどれか。
ただし、集積されたデータは正規分布に従う。
1.t検定
2.X2検定
3.Kruskal-Wallis検定
4.Mann-Whitney検定
5.Wilcoxon符号付順位検定
解答1
解説
検定とは、統計学的手法を用いて、帰無仮説が正しいか、正しくないかを判断することである。
「検定の方法」
①パラメトリック検定(母集団が正規分布をするという仮説のもとに行う)
例:パラメトリック検定には、①t検定(2群の平均値の差を検定する)、②分散分析(3群以上の平均値に差があるかどうかを検定する)などがある。
②ノンパラメトリック検定(母集団の分布にかかわらず用いる)
例:ノンパラメトリック検定には、①Mann-Whitney検定(2群の中央値の差を検定する)、②X2検定(割合の違いを求める)、③Wilcoxon符号付順位検定(一対の標本による中央値の差を検定する)などがある。
1.〇 正しい。t検定を実施する。今回、「あり群」と「なし群」の比較(2群間の比較)を統計学的に検定する方法を問われている。t検定とは、パラメトリック検定(母集団が正規分布をするという仮説のもとに行う)のひとつで、2群の平均値に統計学的な有意差があるかを検定する方法である。
2.× X2検定とは、ノンパラメトリック検定のひとつで、割合の差の検定に用いる。χ2(カイ2乗)検定とは、2群の割合に統計学的な有意差があるかを検定する方法である。2つの変数のカテゴリー同士の観察された頻度に理論値との差(割合の差)があるかどうかを検定するものである。
3.× Kruskal-Wallis検定(クラスカル・ウォリス検定)とは、ノンパラメトリック検定であり、対応のない3つ以上のグルーブを調べたい時に用いる。
4.× Mann-Whitney検定とは、ノンパラメトリック検定のひとつで、2群の中央値の差を検定する。
5.× Wilcoxon符号付順位検定とは、ノンパラメトリック検定のひとつで、一対の標本による中央値の差を検定するノンパラメトリック検定である。
24 身体障害者障害程度等級表の肢体不自由における上肢の等級で1級はどれか。
1.一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの
2.両上肢のすべての指を欠くもの
3.両上肢を手関節以上で欠くもの
4.一上肢の機能を全廃したもの
5.両上肢の機能の著しい障害
解答3
解説
1~2.4~5.× 一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの/両上肢のすべての指を欠くもの/一上肢の機能を全廃したもの/両上肢の機能の著しい障害は、上肢の等級で2級である。
3.〇 正しい。両上肢を手関節以上で欠くものは、上肢の等級で1級である。ほかにも、両上肢の機能を全廃したものが当てはまる。
(※引用:「身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号)」厚生労働省様HPより)
25 作業の選択の要素で誤っているのはどれか。
1.使役
2.時間
3.運動範囲
4.対人交流
5.素材の特性
解答1
解説
日本作業療法士協会によると「作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す」と定義されている(※引用:「作業療法の定義」日本作業療法士協会様HPより)。
1.× 使役は、作業の選択の要素ではない。なぜなら、作業の選択は強制されるものではないため。使役(※読み:しえき)とは、他人を使って仕事(=役)をさせることである。特に旧軍隊で、任務以外の雑用(仕事)をさせることである。上下関係のある場面で、立場が上の人(先生、上司、親など)が、立場が下の人に「〇〇をしなさい!」と無理矢理何かをさせるときに使われる。
2~5.〇 正しい。時間/運動範囲/対人交流/素材の特性は、作業の選択の要素である。作業には、日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、それを行うのに必要な心身の活動が含まれる。作業には、人々ができるようになりたいこと、できる必要があること、できることが期待されていることなど、個別的な目的や価値が含まれる(※引用:「作業療法の定義」日本作業療法士協会様HPより)。