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6 ゴムバンドを用いて筋力増強運動を実施している様子を図に示す。
この運動で最も増強される筋はどれか。
1.前鋸筋
2.大胸筋
3.棘下筋
4.肩甲下筋
5.烏口腕筋
解答3
解説
肩関節外旋運動を実施している。したがって、肩関節外旋筋を強化している。
1.× 前鋸筋の作用は、全体:肩甲骨を前方に引く、下2/3:下角を前に引いて肩甲骨を外方に回旋し、上腕の屈曲と外転を補助、最上部:肩甲骨をやや引き上げるである。
2.× 大胸筋の作用は、肩関節内転、内旋、鎖骨部:肩甲骨屈曲、腹部:肩関節下制である。
3.〇 正しい。棘下筋が最も増強される筋である。棘下筋の作用は、肩関節外旋、上部は外転、下部は内転である。
4.× 肩甲下筋の作用は、肩関節内旋である。
5.× 烏口腕筋の作用は、肩関節屈曲、内転である。
参考にどうぞ↓
7 17歳の女子。サッカー中に転倒し歩行困難となったため受診した。右足関節外側靱帯損傷と診断され、安静目的に10日間の固定を行った。短下肢装具を着用し、理学療法を開始した。
正しいのはどれか。
1.足関節周囲筋のストレッチを行う。
2.歩行練習は圧痛が改善してから開始する。
3.装具はできる限り早く外すように指導する。
4.バランストレーニングは開眼片脚起立から開始する。
5.筋力トレーニングは閉鎖性運動連鎖〈CKC:closed kinetic chain〉から開始する。
解答1
解説
・17歳の女子(右足関節外側靱帯損傷)。
・サッカー中:転倒し歩行困難。
・安静目的:10日間の固定を行った。
・短下肢装具を着用。
→外側靭帯は、前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯を合わせていう。
【足関節靭帯損傷の受傷原因】
足関節の内反や外反が強い外力でかかる捻挫が最も多い。
内反捻挫は、足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)が損傷される。
外反捻挫は、足関節内側靭帯(三角靭帯)が損傷される。
【頻度】
外反捻挫より内反捻挫が多い。
足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)の中でも前距腓靭帯が多く損傷される。
なぜなら、足関節の可動域が、外反より内反の方が大きく、内反・底屈に過強制力がかかるため。
1.〇 正しい。足関節周囲筋のストレッチを行う。なぜなら、固定(不動)により過度な足関節の可動域制限を発生させないため。ただし、本症例は外側靱帯損傷(短下肢装具を着用)しており、現在も炎症していると考えられるため。ストレッチを行うことでさらに症状悪化が懸念される。したがって、痛みを確認しながら、外側靱帯に負担がかからないよう配慮する。
2.× 歩行練習は、「圧痛が改善してから」ではなく改善前から開始できる。なぜなら、圧痛は、検査者によっても差が出やすい指標であるため。本症例の場合は、転倒し歩行困難であることから、炎症症状をしっかり観察し、医学的所見を根拠と主治医との相談で、歩行練習を開始する。
3.× 装具は「できる限り早く外す」ように指導する必要はない。なぜなら、装具の着用の許可は、主治医の指示に従い医学的所見を根拠で行うため。基本的に患者主導や主観で行わない。
4.× あえて、バランストレーニングは「開眼片脚起立」から開始する必要はない。なぜなら、開眼片脚起立は、重心位置を殿部から足部へ移動する動的バランス練習であるため。本症例の場合、まずは片足立ちの維持(支持基底面内に重心を保持:静的)から始めるのが良い。ちなみに、バランス練習の流れとして、①支持基底面内に重心を保持する(静的)、②支持基底面内なら重心を移動できる(動的)、③支持基底面内から逸脱しても新たに支持基底面を形成できる(立ち直り)を行っていく。
5.× 筋力トレーニングは、「閉鎖性運動連鎖〈CKC:closed kinetic chain〉」ではなく開放運動連鎖〈OKC:open kinetic chain〉から開始する。なぜなら、開放運動連鎖は、負荷を軽く調整できるため。リハビリ初期のトレーニングに活用される。
①開放運動連鎖(OKC:open kinetic chain)とは?
定義:連動する関節のうち、遠位部の関節が自由に動くことができる場合の運動。つまり、身体の末端部分(足や手)が固定されていない運動のこと。
例:ベンチプレスやチェストプレスなど。
②閉鎖運動連鎖(CKC:closed kinetic chain)とは?
定義:連動する関節のうち、遠位部の自由な動きが外力によって制限(固定)されているような場合の運動。つまり、身体の末端部分が床などに接した状態で、固定された運動のこと。
例:懸垂、スクワットなど
8 図のようなクレンザック継手の機能で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.背屈補助
2.背屈遊動
3.底屈制限
4.底屈制動
5.底屈補助
解答2・3
解説
設問の図は、(シングル)クレンザック足継手付短下肢装具である。設問は、ロッドである。ちなみに、クレンザックとは、バネの反発力によって背屈補助する。バネをロッド(棒)に変えることにより底屈制限することもできる。
1.4.× 背屈補助/底屈制動は、図のロッドが「ばね」の場合である。
2~3.〇 正しい。背屈遊動/底屈制限が図のようなクレンザック継手の機能である。
5.× 底屈補助は、クレンザック継手の機能では行えない。ゲイトソリューション装具は、両側継手であり、一側継手に油圧ダンパーによる底屈制動、背屈遊動とそれらの調整機能を持つ。
①固定とは、どの方向にも動かない。
②遊動とは、どの方向にも抵抗なしで動く。
③制限とは、ある角度から動かない。
④制動とは、ある方向にブレーキを受けながら動く。
⑤補助とは、一度たるんだものが元に戻るときに、動きと同方向の力を発生する。
9 60歳の男性。パーキンソニズムで、すくみ足を認める。メトロノームを用いた歩行練習により、10m歩行において、歩行率が120歩/分、歩行速度が0.8m/秒に改善した。
平均的な歩幅はどれか。
1.30cm
2.35cm
3.40cm
4.45cm
5.50cm
解答3
解説
10m歩行において、
・歩行率:120歩/分
・歩行速度:0.8m/秒
※歩行率とは、単位時間内の歩数(歩/分)である。歩行率(歩調、ケイデンスとも)とは、単位時間内(1分間)の歩数を表す。歩行率=歩数(歩)÷歩行時間(秒)で示され、一般的に幼児で高く(ヨチヨチ歩きで歩数が多いため)、年齢が高くなるにつれて減少していく。
※歩幅とは、一側の踵が接地してから他側の踵が接地するまでの距離を示す。
歩行率:120歩/分
→1分間に120歩歩く。
歩行速度:0.8m/秒
→1秒間に0.8m歩く。
1分間になおす。60をかける。
→1分間に48m(4800cm)歩く。
本症例は、1分間に120(歩)で、48m(4800cm)歩く。
1歩の歩幅を求める。
4800(cm)を120(歩)で歩くには
4800(cm)÷120(歩)
→40(cm)
したがって、選択肢3.40cmが平均的な歩幅である。
【別解】
~公式~
歩行速度(m/秒)=歩行率(歩/分)×歩幅(m/歩)
①単位をそろえる。
歩行率:120歩/分→2歩/秒
②歩行速度の公式に代入。
0.8(m/秒)=2(歩/秒)×歩幅
=0.8(m/秒) ÷2(歩/秒)
=0.4(m/歩)
cmに直すと
=40(cm/歩)
したがって、選択肢3.40cmが平均的な歩幅である。
10 65歳の女性。右膝関節の痛みを主訴に来院した。右膝関節に軽度の屈曲制限があり、右内側広筋が軽度萎縮している。歩行時に内反膝を呈し、階段昇降時に右膝関節内側の痛みを強く感じている。
装具療法で適切なのはどれか。
1.ロッカーバー
2.トーマスヒール
3.メタタルザルバー
4.外側ウェッジソール
5.内側ウェッジソール
解答4
解説
・65歳の女性(主訴:右膝関節の痛み)。
・右膝関節に軽度の屈曲制限、右内側広筋が軽度萎縮。
・歩行時:内反膝(O脚)
・階段昇降時:右膝関節内側の痛みを強く感じている。
→本症例は、変形性膝関節症が疑われる。内反膝(O脚)を呈していることから、その対応が必要となる。
1.× ロッカーバーとは、中足骨頭部痛(中足骨骨頭の免荷)に用いられる。踏み返しの確保もしくは踏み返し時の不安定な関節を支持する目的とした補正に用いられる。
2.× トーマスヒール(Thomasヒール)は、外反扁平足(初期接地から立脚中期にかけての後足部外反不安定性に対する補正)に用いられる。
3.× メタタルザルバーは、中足骨骨頭の免荷(開張足)に用いられる。
4.〇 正しい。外側ウェッジソールが本症例の装具療法である。外側ウェッジソールは、凹足変形や内反尖足、内反膝に対して適応である。
5.× 内側ウェッジソールは、第5中足骨頭に負荷がかかりにくく、外反足・外反膝に対して用いられる。
変形性膝関節症は、①疼痛、②可動域制限、③腫脹、④関節変形などがみられる。進行度にかかわらず、保存療法が第一選択となる。減量や膝に負荷のかかる動作を回避するような日常生活動作指導、筋力トレーニングやストレッチなどの運動療法、装具や足底板などの装具療法、鎮痛薬や関節内注射などの薬物療法が行われる。