この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
16 26歳の女性。幼少期は手がかからず、人見知りはなかった。小学校では友人とのおしゃべりが苦手で、一人で読書をすることを好んだ。中学校では、場の雰囲気に合わせて対応できず、孤立しがちで、一時不登校となった。成績は優秀で理系の大学院を修了後、大手企業に就職した。しかし、上司に接客態度を注意され、同僚とも馴染めず、1か月で退職した。急な退職を心配した両親に付き添われ精神科を受診した。
この患者の生活歴から最も考えられるのはどれか。
1.うつ病
2.自閉症スペクトラム障害
3.双極性障害
4.統合失調症
5.パニック障害
解答2
解説
・26歳の女性。
・幼少期:手がかからず、人見知りなし。
・小学校:おしゃべり苦手、一人での読書が好き。
・中学校:場の雰囲気に合わせて対応できず、孤立しがち。
・成績:優秀(大学院修了後:大手企業に就職)
・1か月で退職:上司に接客態度を注意され、同僚とも馴染めない。
→本症例は、自閉症スペクトラム障害が疑われる。自閉スペクトラム症の患者は、他者とコミュニケーションをとったり関係をもったりすることが苦手である特徴を持つ。
1.× うつ病より考えられるものが他にある。うつ病の症状として、①感情面:抑うつ、不安、焦燥。②意欲面:意欲低下(日内変動があり特に朝が悪い)、自殺念慮。③思考面:微小妄想(罪業、貧困、心気)、思考抑止、離人。④身体面:不眠(早期覚醒が多い)、頭重感、めまい、倦怠感があげられる。
2.〇 正しい。自閉症スペクトラム障害とは、正常な社会的関係を構築することができず、言葉の使い方に異常がみられるか、まったく言葉を使おうとせず、強迫的な行動や儀式的な行動がみられる病気である。 自閉スペクトラム症の患者は、他者とコミュニケーションをとったり関係をもったりすることが苦手である特徴を持つ。
3.× 双極性障害とは、気分が高まったり(躁状態)、落ち込んだり(うつ状態)を繰り返す脳の病気である。激しい躁状態とうつ状態のある双極Ⅰ型と、軽い躁的な状態(軽躁状態)とうつ状態のある双極Ⅱ型がある。躁状態では、気分が高ぶって誰かれかまわず話しかけたり、まったく眠らずに動き回ったりと、過活動的になる。ほかにも、ギャンブルに全財産をつぎ込んだり、高額のローンを組んで買い物をしたり、上司と大ゲンカして辞表を叩きつけたりするような社会的信用や財産、職を失ったりする激しい状態になることもある。
4.× 統合失調症とは、幻覚・妄想・まとまりのない発語および行動・感情の平板化・認知障害ならびに職業的および社会的機能障害を特徴とする。原因は不明であるが、遺伝的および環境的要因を示唆する強固なエビデンスがある。好発年齢は、青年期に始まる。治療は薬物療法・認知療法・心理社会的リハビリテーションを行う。早期発見および早期治療が長期的機能の改善につながる。統合失調症患者の約80%は、生涯のある時点で、1回以上うつ病のエピソードを経験する。統合失調症患者の約5~6%が自殺し,約20%で自殺企図がみられる。したがって、うつ症状にも配慮して、工程がはっきりしたものや安全で受け身的で非競争的なものであるリハビリを提供する必要がある(※参考:「統合失調症」MSDマニュアル様HPより)。
5.× パニック障害とは、誘因なく突然予期せぬパニック発作(動悸、発汗、頻脈などの自律神経症状、狂乱・死に対する恐怖など)が反復して生じる状態をいう。また発作が起こるのではないかという予期不安を認め、しばしば広場恐怖を伴う。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②抗不安薬、③認知行動療法(セルフコントロール)などである。
自閉症スペクトラム障害とは、正常な社会的関係を構築することができず、言葉の使い方に異常がみられるか、まったく言葉を使おうとせず、強迫的な行動や儀式的な行動がみられる病気である。 自閉スペクトラム症の患者は、他者とコミュニケーションをとったり関係をもったりすることが苦手である特徴を持つ。
広汎性発達障害(自閉スペクトラム障害)とは、相互的な社会関係とコミュニケーションのパターンの障害、および限局・常同・反復的な行動パターンがあげられる。生後5年以内に明らかとなる一群の障害である。通常は精神遅滞を伴う。広汎性発達障害、およびその下位分類である自閉症、アスペルガー症候群、高機能自閉症は、「自閉スペクトラム症」とまとめられた。
【診断基準の要点】
①「社会及び感情の相互性の障害」「社会的相互作用で用いられる非言語的コミュニケーションの障害」「発達レベル相応の関係を築き維持することの障害」の3つがすべて込められること。
②行動、興味活動の、限局的で反復的な様式が認められること。
17 55歳の男性。中学校教員。元来、凡帳面で真面目な性格。半年前から経験のないバレー部の顧問を任され、心労が重なっていた。2か月前から早朝覚醒、食欲低下が出現し、抑うつ気分を自覚していた。1か月前から「どうやって授業をすればよいか分からない。死んで生徒にお詫びをしたい」などと述べるようになった。妻に付き添われて精神科を受診後、入院となり、薬物療法が開始となった。入院2週後から作業療法が開始された。
作業療法開始時の対応で適切なのはどれか。
1.気分がよいときは薬を飲まないように伝える。
2.休息の重要性について説明する。
3.集団でのスポーツ活動を優先する。
4.授業のやり方について相談に乗る。
5.早期退職を勧める。
解答2
解説
・55歳の男性(中学校教員)
・元来:凡帳面で真面目な性格。
・半年前:経験のないバレー部の顧問を任され、心労が重なっていた。
・2か月前:早朝覚醒、食欲低下が出現し、抑うつ気分を自覚していた。
・1か月前:「どうやって授業をすればよいか分からない。死んで生徒にお詫びをしたい」。
・薬物療法が開始(入院2週後から作業療法が開始)。
→本症例は、うつ病の疑いが最も考えられる。うつ病への一般的な対応として、①気持ちを受け入れること。②共感的な態度を示すこと。③心理的な負担となるため、激励はしないこと。④無理をしなくてよいことを伝えること。⑤必ず回復することを繰り返し伝えていくこと。⑥静かな場所を提供することなどがあげられる。
1.× 気分がよいときは薬を飲まないように伝える必要はない。なぜなら、内服については「作業療法士」ではなく医師や薬剤師が中心となって、チーム医療で決定するため。また、うつ病で完全に症状がなくなってからも、一定の期間はお薬を続ける必要がある。なぜなら、うつ病は再発が多い病気であるため。目安として、初発は4~9ヶ月、再発は2~3年の服薬が必要である。
2.〇 正しい。休息の重要性について説明する。うつ病の治療は休息の確保から始まる。作業療法を開始する時期は、患者が休息を十分取れるようになり、心身の回復を自覚できるようになる頃である。作業療法の開始時に必要となる情報は、入院後の薬物療法の効果、睡眠状態、日中の過ごし方や疲労感、うつ病に対する理解度、薬物療法などの現在受けている治療に関する受け止め方、今後の希望と目標などである(香山, 2014)(一部抜粋:「うつ病治療ガイドライン —精神科作業療法—」)。
3.× 集団でのスポーツ活動を優先する必要はない。なぜなら、他者との交流が心身ともにストレス(負担)となるため。集団でのスポーツ活動を取り入れる時期は、回復後期である。
4.× 授業のやり方について相談に乗るには時期尚早である。なぜなら、病前のように比較する機会を作ることにより、さらに自責したり自信を無くしてしまうことがあるため。回復後期以降、復職を目指すようになった場合、取り上げるべき課題である。
5.× 早期退職を勧める必要はない。なぜなら、うつ病は、判断力が低下しているため。重要な事への決定は先延ばしにすることを指導すると良い。
かかりやすい:几帳面で完璧主義、責任感が強い人が多い。
うつ病の特徴:意欲低下、精神運動抑制などの症状のため、自己評価が低く、疲労感が強い。
①調子が悪いのは病気のせいであり、治療を行えば必ず改善すること。
②重要事項の判断・決定は先延ばしにする。
③自殺しないように約束してもらうことなど。
【作業基準】
①工程がはっきりしている。
②短期間で完成できる。
③安全で受身的で非競争的である。
④軽い運動(いつでも休憩できる)
18 8歳の女児。部屋の整理整頓が苦手で物をよくなくす。学校では忘れ物が多く、授業中もじっと座っていることができない。同級生に対しておせっかいであり、余計な一言が多く、けんかが絶えない。学級担任の勧めで、両親に付き添われ精神科を受診し、外来作業療法が開始された。
この児に予想される作業療法中の行動の特徴はどれか。
1.過呼吸を起こす。
2.活動性に日内変動がある。
3.順番を待てない。
4.長時間手洗いを行う。
5.頻回にまばたきをする。
解答3
解説
・8歳の女児
・物をよくなくす(注意欠如)。
・学校では忘れ物が多い(注意欠如)。
・授業中座っていられない(多動性・衝動性)。
・同級生に対しておせっかいである(多動性・衝動性)。
・余計な一言が多く、けんかが絶えない(衝動性)。
→本症例は、注意欠陥多動性障害(ADHD)が疑われる。注意欠陥多動性障害(ADHD)とは、発達障害の一つであり、脳の発達に偏りが生じ年齢に見合わない①注意欠如、②多動性、③衝動性が見られ、その状態が6ヵ月以上持続したものを指す。その行動によって生活や学業に支障が生じるケースが多い。対人関係面で周囲との軋轢を生じやすく、大人からの叱責や子どもからのいじめにあうことがある。このため、二次障害として、自信喪失、自己嫌悪、自己評価の低下がみられることがある。そのため、患児の行動特徴を周囲が理解し、適切に支援をしていくことが重要である。①まず、行動療法を行う。𠮟責せずに、個別に近い対応で作業を粘り強く支援していく。②改善しない場合は、中枢神経刺激薬による薬物療法を用いる。中枢を刺激して、注意力・集中力を上げる。※依存・乱用防止のため、徐放薬が用いられる。
1.× 過呼吸を起こすのは、パニック障害の特徴的症状である。パニック障害とは、誘因なく突然予期せぬパニック発作(動悸、発汗、頻脈などの自律神経症状、狂乱・死に対する恐怖など)が反復して生じる状態をいう。また発作が起こるのではないかという予期不安を認め、しばしば広場恐怖を伴う。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②抗不安薬、③認知行動療法(セルフコントロール)などである。ちなみに、頻呼吸(過呼吸)とは、呼吸数が多く、深い呼吸状態になることである。運動後に酸素がたくさん必要なときや呼吸器疾患、不安なときなどに起こりやすい。
2.× 活動性に日内変動があるのは、うつ病の特徴的症状である。抑うつ気分は1日の中でも波がみられることが多く、朝方は最も気分が落ち込んで、午後から夕方にかけて症状が軽くなることがある。
3.〇 正しい。順番を待てないこと(多動性・衝動性)は、本症例(注意欠陥多動性障害:ADHD)に予想される作業療法中の行動の特徴である。
4.× 長時間手洗いを行うのは、強迫性障害の特徴的症状である。強迫性障害とは、自分の意志に反する不合理な観念(強迫観念)にとらわれ、それを打ち消すために不合理な行動(強迫行為)を繰り返す状態をいう。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②森田療法、③認知行動療法などである。他のことに目を向けさせることによりこだわりを軽減することを目的とする。
5.× 頻回にまばたきをするのは、チック症(運動性チック)の特徴的症状である。チック障害(チック症)とは、本人の意思とは関係なく(不随意)・急に(突発的に)運動や発声が反復して起こる病態で、それぞれ運動性チック、音声チックと呼ばれる。 複数のタイプの症状が長期間続く場合は、トゥレット症候群と呼ぶ。運動性チックの主な症状は、まばたき、顔をしかめる、口をゆがめる、口を尖らせる、舌を突き出す、首を左右に振る、肩をびくっとさせる、すくめる、腕を振る・まわす、地団太する、跳び上がるなどの動きを本人の意思とは関係なく繰り返してしまう。初発症状は、まばたきなど顔面に多く認められる。
19 60歳の男性。Alzheimer型認知症。若いころから日曜大工が趣味で、本棚や花檀などを作っていた。1年前から食事をしたことを忘れるようになった。最近、置き忘れた財布を「盗まれた」などと言い、家庭内でのトラブルが多くなり精神科を受診して入院となった。作業療法導入時、「ここは学校ですか。私は仕事がありますので帰ります」と言い、作業療法室内を歩き回り、他の患者に対する怒声や暴言が観察された。
この時期の作業療法士の対応で優先すべきなのはどれか。
1.患者の言動を厳しく叱責する。
2.職業リハビリテーションを導入する。
3.場の雰囲気に馴れるように援助する。
4.本棚作りなどの木工作業を導入する。
5.記憶力の改善を目的とした活動を導入する。
解答3
解説
・60歳の男性(Alzheimer型認知症)
・若いころ:日曜大工が趣味(本棚や花檀など)
・1年前:食事をしたことを忘れる。
・最近:置き忘れた財布を「盗まれた」と。
・家庭内でのトラブルも多くなった。
・作業療法導入時「ここは学校ですか。私は仕事がありますので帰ります」と
・作業療法室内を歩き回り、他の患者に対する怒声や暴言が観察された。
→アルツハイマー病とは、認知症の中で最も多く、病理学的に大脳の全般的な萎縮、組織学的に老人斑(アミロイドβの蓄積)・神経原線維変化の出現を特徴とする神経変性疾患である。特徴は、①初期から病識が欠如、②著明な人格崩壊、③性格変化、④記銘力低下、⑤記憶障害、⑥見当識障害、⑦語間代、⑧多幸、⑨抑うつ、⑩徘徊、⑩保続などもみられる。Alzheimer型認知症の患者では、現在でもできる動作を続けられるように支援する。ちなみに、休息をとることや記銘力を試すような質問は意味がない。
1.× 患者の言動を厳しく叱責する必要はない。なぜなら、叱責することでより攻撃的や興奮的になりかねないため。患者の言動の原因をよく分析する必要がある。
2.× 職業リハビリテーションを導入する必要はない。なぜ本症例は、再就職が目的ではないため。職業リハビリテーションとは、障害者が適当な雇用に就き、それを継続し、かつ、それにおいて向上することができるようにすること及びそれにより障害者の社会への統合又は再統合を促進することを目的とされているリハビリテーションである。
3.〇 正しい。場の雰囲気に馴れるように援助する。なぜなら、本症例は「ここは学校ですか」と今いる場所も曖昧で、他の患者に対する怒声や暴言が観察されているため。まずは作業療法を安全に導入するため、安心できる居場所の提供が望ましい。
4.× 本棚作りなどの木工作業を導入するには時期尚早である。なぜなら、本症例は、作業療法室内を歩き回り、他の患者に対する怒声や暴言が観察されているため。したがって、現在の攻撃的な状態で、金槌やハンマーを渡すのは危険と考えられる。ただし、本症例が落ち着きを取り戻した場合、若いころから日曜大工が趣味で、本棚や花檀などを作っていたため、作業療法として取り入れることは望ましいと考えられる。
5.× 記憶力の改善を目的とした活動を導入する優先度は低い。なぜなら、アルツハイマー型認知症の進行速度は緩やかではあるものの、記憶力の改善は見込めないため。したがって、記銘力を試すような質問も意味がない。
認知症の患者に対する対応では、バリデーション(本人の思いを肯定し、共感的・受容的態度で安心感を与えることを基本とし、信頼関係を構築すること)という考え方を用いると良いとされている。
【バリデーションを構成する要素】
・傾聴する(相手の言葉を聞いて、反複する。)
・共感する(表情や姿勢で感情を汲み取り、声のトーンを合わせる)
・誘導しない(患者にペースを合わせる。)
・受容する(強制しない、否定しない)
・嘘をつかない、ごまかさない
20 42歳の女性。統合失調症。定期的に訪問看護を受けながら社会生活ができている。服薬が不規則になったり、強いストレス状況下で時折幻聴があるが、ある程度は対処できている。本人は、一般就労を希望しており、訪問看護と外来作業療法で支援することになった。訪問看護師からの情報では、本人の部屋には服や食器が散乱しているとのことであった。
開始当初の作業療法士の対応で最も優先すべきなのはどれか。
1.本人の部屋の整理整頓を促す。
2.本人の興味や関心事を把握する。
3.規則的な服薬の重要性について指導する。
4.幻聴があるので入院治療を受けるように促す。
5.作業療法士自身の私生活について積極的に伝える。
解答2
解説
・42歳の女性(統合失調症)
・定期的に訪問看護を受けながら社会生活が可能。
・強いストレス状況下:時折幻聴。
・ある程度は対処できている。
・本人の希望:一般就労
・訪問看護師からの情報:本人の部屋には服や食器が散乱している。
→本症例は、統合失調症の維持期と考えられる。再発防止のため、統合失調症の前駆期の症状(①不安・焦燥、②抑うつ気分、③認知の変化、④注意力・集中力の低下、⑤食欲低下、⑥不眠、⑦社会的役割機能の低下、⑧社会的引きこもり)には気を付けて観察する。統合失調症とは、幻覚・妄想・まとまりのない発語および行動・感情の平板化・認知障害ならびに職業的および社会的機能障害を特徴とする。原因は不明であるが、遺伝的および環境的要因を示唆する強固なエビデンスがある。好発年齢は、青年期に始まる。治療は薬物療法・認知療法・心理社会的リハビリテーションを行う。早期発見および早期治療が長期的機能の改善につながる。統合失調症患者の約80%は、生涯のある時点で、1回以上うつ病のエピソードを経験する。統合失調症患者の約5~6%が自殺し,約20%で自殺企図がみられる(※参考:「統合失調症」MSDマニュアル様HPより)。
1.× 本人の部屋の整理整頓を促す優先度は低い。本症例の部屋は、服や食器が散乱している情報があるが、本症例なりの定位置であったり、精いっぱいの可能性がある。整理整頓の促しや行動の強制は、生活リズムを崩すだけでなく、さらなるストレスを加えることにつながりかねないため、慎重に行う必要がある。
2.〇 正しい。本人の興味や関心事を把握することは、開始当初の作業療法士の対応で最も優先すべきである。なぜなら、本人の興味や関心事を把握することで、よりよい生活の獲得につながるため。統合失調症の維持期は、①再発防止、②様々なレベルで社会復帰をしている患者の生活の質の維持や向上を図る、③体力作り時期である。
3.× 規則的な服薬の重要性について指導する優先度は低い。なぜなら、すでに服薬の重要性は十分理解している可能性が高いため。服薬が不規則になってしまう原因を「服薬の重要性の理解不足」と判断できる材料は少ない。
4.× 幻聴があるので入院治療を受けるように促す優先度は低い。なぜなら、本症例は、ある程度は対処できているため。症状の悪化により、日常生活が困難な場合や生命の危険を伴っている場合は、入院治療を受けるように促す必要がある。
5.× 作業療法士自身の私生活について積極的に伝える優先度は低い。なぜなら、作業療法士の私生活は、本症例の治療やサポートに直接関係がないため。
再燃・急性増悪の主な原因としては,抗精神病薬へのアドヒアランスの欠如やストレスなどの大きなライフイベントが挙げられるが,薬物治療を継続していても,統合失調症の自然経過として再燃・急性増悪をきたすことも少なくない。(※引用:「第2章 再発・再燃時」)