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21.ICFの評価点で正しいのはどれか。
1.心身機能の第一評価点は障害の性質を示す。
2.身体構造の第二評価点は障害の部位を示す。
3.活動と参加の第一評価点は実行状況での困難度を示す。
4.活動と参加の第二評価点は支援ありでの能力の困難度を示す。
5.環境因子の第一評価点の+記号は阻害因子を示す。
解答3
解説
1.× 心身機能の第一評価点は、「障害の性質」ではなく、機能障害の程度、大きさを示す。
2.× 身体構造の第二評価点は、「障害の部位」ではなく、各身体部位における変化の性質を示す。
3.〇 正しい。活動と参加の第一評価点は、実行状況での困難度を示す。
4.× 活動と参加の第二評価点は、「支援あり」ではなく介助なし(支援なし)での能力の困難度を示す。
5.× 環境因子の第一評価点の+記号は、「阻害因子」ではなく促進因子を示す。-記号は「阻害因子」である。環境因子の第一評価点は、促進あるいは阻害する程度である。
(図引用:「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-」厚生労働省様HPより)
22.理学療法実施時のインフォームドコンセントで適切なのはどれか。
1.専門用語で説明する。
2.患者の同意内容は文書で保存する。
3.患者の要求があってから説明する。
4.判断能力に関わらず患者の決定が優先される。
5.患者は正当な理由がなければ同意を撤回できない。
解答2
解説
インフォームドコンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味し、医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を決定し、同意のうえで医療を行うことを指す。
1.× 「専門用語」ではなくわかりやすい言葉で説明する。なぜなら、インフォームド・コンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味するため。患者自身が病状や治療について、十分理解できる用語を用いる。
2.〇 正しい。患者の同意内容は文書で保存する。なぜなら、文章で内容を明示することで、患者側の理解も得やすく確認できるようになるため。したがって、患者の同意内容は文書で保存する必要もある。
3.× 治療者は患者の要求が、「あってから」ではなく、ある・なしに関わらず、十分な説明を受けたうえでの医療となる。
4.× 必ずしも、判断能力に関わらず患者の決定が優先されるとは限らない。なぜなら、言語理解が困難な場合(同意能力が欠如している場合)は、無理に(誘導しながら)本人と同意を得ると後々家族や親族とトラブルになりかねないため。患者に意識障害があったり、認知症などのために判断能力(意思能力)を欠くために、患者自身の意思が確認できない場合は、家族など代理人の同意にて実施される。
5.× 患者は正当な理由がなくても、同意を撤回できる。患者は一度同意しても、無条件でいつでも同意を撤回できる。
23.観察的研究を研究デザインとするのはどれか。2つ選べ。
1.コホート研究
2.メタアナリシス
3.無作為化比較対照試験
4.ケースコントロール研究
5.システマテイックレビュー
解答1・4
解説
研究の種類には、研究者が調査対象集団に対して何らかの働きかけ(介入)を行うか否かで、介入を行う「介入研究」と、介入を行わない「観察研究」とに大きく分類される。介入研究には、「臨床試験・地域研究」などがある。一方、観察研究には、大きく「①記述疫学・②分析疫学」に大別され、①記述疫学には、横断研究・時系列研究などがある。②分析疫学には、生態学的研究・横断研究・症例対照研究・コホート研究などがある。ちなみに、観察研究とは、対象とする集団に対して研究者が、治療や指導などの介入をしないで、健康・疾病に関するデータを集めて、その詳細を分析して、新しい知見(診断・治療法等の開発につながる情報や推定していた仮説の検証等)を得るための研究のことである。
コホート研究とは、時間軸:前向き研究で、観察期間は長期間行う。信頼性は高いが費用・労力が大きい。
症例対照研究とは、時間軸:後ろ向き研究で、観察期間はない。信頼性は低いが費用・労力が小さい。症例群と対照群に分け、両群の過去の曝露状況を比較する方法である。曝露と疾患発症の関連を明らかにする。
1.〇 正しい。コホート研究は、観察的研究を研究デザインである。コホート研究とは、分析疫学における手法の1つであり、特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生の関連を調べる観察研究の一種である。将来に向かって追跡し比較する方法である。
2.× メタアナリシス(meta-analysis)とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである。 メタ分析、メタ解析とも言う。 ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療 (EBM) において、最も質の高い根拠とされる。
3.× 無作為化比較対照試験(RCT:Randomized Controlled Trial、ランダム割付比較試験)とは、予防・治療の効果を科学的に評価するための介入研究のことをいう。対象者を無作為に介入群(治療などの介入実施群)と対照群(従来通りの治療群、もしくは介入しない群)とに割付け、その後の健康現象(罹患率・死亡率)を両群間で比較するもの。無作為割付によって、既知・未知の交絡を制御することが期待されることから、他のデザインと比べて最もエビデンスレベルが高い手法である。
4.〇 正しい。ケースコントロール研究は、観察的研究を研究デザインである。症例対照研究(ケースコントロール研究)は、症例群と対照群に分け、両群の過去の曝露状況を比較する方法である。曝露と疾病発症の関連を明らかにする。欠点としては,選択バイアスや情報バイアスの影響が入りやすいことがあげられる。
5.× システマテイックレビュー(系統的レビュー)とは、文献をくまなく調査し、ランダム化比較試験のような質の高い研究のデータを、出版バイアスのようなデータの偏りを限りなく除き、分析を行うことである。つまり、明確に作られたクエスチョンに対し、系統的で明示的な方法を用いて、適切な研究を同定、選択、評価を行なうことで作成するレビューをいう。一般的には介入の有効性をクエスチョンとすることが多いが、リスク因子、診断検査の正確性など他のテーマに関してもシステマティック・レビューは実施し得る。メタ解析とは、過去に行われた複数の臨床試験の結果を、統計学の手法を用いて統合して、全体としてどのような傾向が見られるかを解析する研究方法である(※参考:「疫学用語の基礎知識」一般社団法人日本疫学会)。
24.IADL含まれるのはどれか。
1.顔を洗う。
2.靴下をはく。
3.寝返りをする。
4,シャワーを浴びる。
5.食事の準備を行う。
解答5
解説
手段的日常生活動作(IADL:Instrumental Activities of Daily Living)とは、日常生活動作(ADL)のなかでも、道具を使う、段取りを考えて行うなど、複雑で判断力を要する身体活動のことである。
ADLは、①BADL(基本的日常生活動作)と、②IADL(手段的日常生活動作)に大別される。
①BADL:食事、排泄、入浴、整容など基本的な欲求を満たす身の回りの動作。
②IADL:買い物、洗濯、電話、服薬管理などの道具を用いる複雑な動作。
1.× 顔を洗うことは、BADL(基本的日常生活動作)の整容に該当する。である。
2.× 靴下をはくことは、BADL(基本的日常生活動作)の更衣(下半身)に該当する。である。
3.× 寝返りをすることは、BADL(基本的日常生活動作)に該当する。FIMでは移乗動作の起き上がりに関係する項目である。
4,× シャワーを浴びることは、BADL(基本的日常生活動作)の入浴に該当する。
5.〇 正しい。食事の準備を行うことは、IADL含まれる。手段的日常生活活動(IADL)尺度 という評価用紙があり、食事の準備という項目がある。項目として、①電話を使用する能力、②買い物、③食事の準備、④家事、⑤洗濯、⑥移送の形式、⑦自分の服薬管理、⑧財産取り扱い能力である。
25.厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」で強度が4METs以上となる運動の例はどれか。
1.皿洗い
2.ピアノの演奏
3.ラジオ体操第1
4.植物への水やり
5.子供を抱えながら立つ
解答3
解説
(※図引用:「健康づくりのための身体活動基準2013」厚生労働省HPより)
1.× 皿洗いは、1.8METsとなる生活活動の例である。ちなみに、1.8METsとなる生活活動の例は、ほかにも立位(会話、電話、読書)があげられる。
2.× ピアノの演奏は、2.3METsとなる生活活動の例である。ちなみに、2.3METsとなる生活活動の例は、ほかにもガーデニング(コンテナを使用する)、動物の世話があげられる。
3.〇 正しい。ラジオ体操第1は、4.0METsとなる運動である。ほかにも、4.0METsとなる運動の例は、卓球、パワーヨガがあげられている。
4.× 植物への水やりは、2.5METsとなる生活活動の例である。ちなみに、2.5METsとなる生活活動の例は、ほかにも子どもの世話、仕立て作業があげられる。
5.× 子供を抱えながら立つは、2.0METsとなる生活活動の例である。ちなみに、2.0METsとなる生活活動の例は、ほかにも、ゆっくりした歩行(平地、非常に遅い=53m/分未満、散歩または家の中)、料理や食材の準備(立位、座位)、洗濯、洗車・ワックスがけがあげられる。
(※図引用:「健康づくりのための身体活動基準2013」厚生労働省HPより)