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26 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)における参考可動域角度が最も大きいのはどれか。
1.頸部屈曲
2.肩内旋
3.肩甲帯屈曲
4.母指橈側外転
5.股内旋
解答2
解説
1.× 頸部屈曲の参考可動域角度は「60°」である。ちなみに、伸展は「50°」である。
2.〇 正しい。肩内旋の参考可動域角度は「80°」である。ちなみに、外旋は「60°」である。
3.× 肩甲帯屈曲の参考可動域角度は「20°」である。ちなみに、伸展は「20°」である。
4.× 母指橈側外転の参考可動域角度は「60°」である。ちなみに、尺側内転は「0°」である。
5.× 股内旋の参考可動域角度は「45°」である。ちなみに、外旋は「45°」である。
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【PT専門のみ】ROMについての問題「まとめ・解説」
27 律動的な不随意運動はどれか。
1.振戦
2.チック
3.バリスム
4.アテトーゼ
5.ミオクローヌス
解答1
解説
不随意運動とは、本人の意思とは無関係に身体に異常な運動が起きることである。主として、無意識の運動をつかさどる錐体外路系(大脳基底核、脳幹、小脳など)が障害された際にみられる。不随意運動の種類は、さまざまなパターンがある(①律動的なもの、②運動の速度が速いものや遅いもの、③画一的な運動が繰り返されるもの、④不規則な運動が雑然と連続しておこるもの、⑤ごく一部(顔面、四肢、躯幹(くかん)など)に生ずるものから全身に及ぶものなど)
・振戦(律動的な無目的の運動が、一部の筋や身体の一部、ときに全身に現れる)
・舞踏病様運動、アテトーシス(おもに四肢や顔面におこるややゆっくりした不随意運動)
・バリスム(舞踏病より激しい腕や手の不随意運動)
・ジストニー(持続性収縮によって非対称性な姿勢をとる)
・チック(不規則で突発的な体の動きや発声が、本人の意思とは関係なく繰り返し起きてしまう疾患。根本的な原因は解明されていない)
・ジスキネジー(目的に合致しない病的運動)
1.〇 正しい。振戦は、律動的な不随意運動である。律動的な無目的の運動が、一部の筋や身体の一部、ときに全身に現れる。
2.× チックとは、不規則で突発的な体の動きや発声が、本人の意思とは関係なく繰り返し起きてしまう疾患。根本的な原因は解明されていない。
3.× バリスムとは、舞踏病より激しい腕や手の不随意運動のことである。
4.× アテトーゼとは、顔や手足をゆっくりと動かしてしまうものである。身体が突っ張ったり捻じれたりするジストニア、顔や手足をゆっくりと動かしてしまうアテトーゼ、踊るように身体を振ってしまう舞踏運動、上肢や下肢をいきなり大きく振り回してしまうバリズムなどがある。
5.× ミオクローヌスとは、一の筋または筋群に生じる電気ショック様の短時間の筋収縮である。筋肉や筋肉群に起こる素早い稲妻のような収縮を指す。
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【PT/OT/共通】運動に関する部位ついての問題「まとめ・解説」
28 注意障害の検査はどれか。
1.MAS
2.Raven色彩マトリックス検査
3.Rey-Osterrieth複雑図形検査
4.TMT
5.WCST
解答4
解説
1.× MASで表される評価は2つあるが、一番有名なものとしてMAS(Modified Ashworth Scale)があげられる。MAS(Modified Ashworth Scale)は、筋緊張の程度を6段階(0、1、1+、2、3、4)に分類して評価するものである。他に、MAS(motor Assessment Scale)があり、これは脳卒中の運動機能評価に用いる。上肢機能だけでなく座位バランスや歩行なども評価できる。
2.× Raven色彩マトリックス検査(RCPM:レーブン色彩マトリクス検査:Ravenʼs Colored Progressive Matrices)は、全般性知能(推理能力、知的能力)のスクリーニングに用いられる。法則性のある幾何学図形が与えられ、1カ所欠けている図柄を選択肢より選ばせる課題である。問題は36問あり、言語を介さずに答えられる検査である。
3.× Rey-Osterrieth複雑図形検査(レイ・オステオリートの複雑図形課題)は、視覚性の記憶検査である。複雑な図形を模写することを求め、次に図形を取り去った直後、および20分後に思い出して描くように求める検査である。
4.〇 正しい。TMT(Trail making test)は、注意障害の検査である。視覚による探索能力と、注意の持続の有無を測定できる。紙面にランダムに並べられた数字を順番にたどり、線で結んでいく。TMT-A検査(数字を順番に並べる作業)とTMT-B(数字と文字の切り替え作業)を行う。標準値はA30秒以下、B64秒以下である。
5.× WCST(Wisconsin Card Sorting Test:ウィスコンシンカード分類テスト)は、計画をたてること・計画を達成するためにとるべき行動を決めること、状況の変化に対応すること、衝動的に行動することを抑えるなどの「前頭葉の実行機能」を調べる検査である。提示されたトランプのようなカードを色・数・形のどれに基づいて分類するかを判断する。高次脳機能障害の検査などに用いられる。
29 FIMの評定で修正自立となるのはどれか。2つ選べ。
1.入れ歯の着脱が自立している。
2.浴槽の縁に腰掛けて浴槽をまたぐ。
3.スプーンを用いての食事が自立している。
4.服の上げ下ろしをする際に手すりを使用する。
5.装具を装着して300m程度の歩行が自立している。
解答4・5
解説
修正自立とは、FIMレベル6で、「補助具の使用、通常以上の時間、安全性の配慮が必要」なレベルである。
1.× 入れ歯の着脱が自立しているだけでは、修正自立と断定できない。なぜなら、入れ歯の着脱は、整容の評価項目であるが、整容には他の評価項目(口腔ケア・整髪・手洗い・洗顔・そして髭剃りまたは化粧)もありそれらの項目の達成度や%で点数が決まるため。
2.× 浴槽の縁に腰掛けて浴槽をまたぐだけでは、修正自立と断定できない。
3.× スプーンを用いての食事が自立しているのは、レベル7(完全自立)である。なぜなら、自助具を用いれば、レベル6であるが、スプーンは補助具ではないため。
4.〇 正しい。服の上げ下ろしをする際に手すりを使用するのは、レベル6(修正自立)である。自助具と同様の扱いである。
5.〇 正しい。装具を装着して300m程度の歩行が自立しているのは、レベル6(修正自立)である。なぜなら、装具を使用して50m以上歩行自立しているため。
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【PT専門のみ】FIMについての問題「まとめ・解説」
30 短下肢装具の足継手機能のうち背屈補助が適応となるのはどれか。
1.足関節捻挫
2.外反扁平足
3.下垂足
4.膝折れ
5.踵足
解答3
解説
1.× 足関節捻挫は、急性期の場合の処置としてRICE処置を用いる。慢性的な足関節捻挫に対し、主にテーピングやサポーターを用いる。
2.× 外反扁平足は、足関節外反位に加えにアーチの低下などアライメント不良を起こした状態であるため、主に足底板療法を用いる。
3.〇 正しい。下垂足は、短下肢装具の足継手機能のうち背屈補助が適応となる。下垂足は足背屈筋が収縮できず、足クリアランス低下が生じるため、背屈補助が必要となる。総腓骨神経麻痺は、下垂足となり、鶏歩がみられる。
4.× 膝折れが生じる原因は、「大腿四頭筋が機能不全」のためと考えられる。膝折れの際には、①オフセット膝継手・リングロック膝継手のある長下肢装具への変更、②背屈制御式足継手のある短下肢装具などが適応となる。
5.× 踵足は、足のつま先が宙に浮いた状態で、踵だけが接地し、直立と歩行を行う。踵のみ接地した状態であり、背屈位保持が可能であるため、背屈補助は不要である。