第57回(R4) 理学療法士国家試験 解説【午後問題16~20】

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16  26歳の男性。交通事故で頸髄損傷を受傷し、第5~7頸髄後方固定術を受けた。
 左側の手指および手関節の伸展運動を強化するための TENS で、電気刺激部位として最も適切なのはどれか。(※不適切問題:採点対象外)

1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤

解答 1? (正式解答なし)
対応:採点から除外する。
理由:設問(文)に不適切があるため。

解説

本症例のポイント

・26歳の男性。
・頸髄損傷後、第5~7頸髄後方固定術施行。
・左側の手指および手関節の伸展運動を強化するための TENS ??を実施する。
→TENSは、筋収縮が誘発しないように行うものであるため不適切問題となったと考えられる。
→TENSではなく、神経筋電気刺激(EMS)の間違いと仮定して、問題を解いていくことにする。神経筋電気刺激療法は、主に筋肉や運動神経への電気刺激により筋収縮を起こすことで、筋力増強や筋委縮の予防、痙縮抑制などを目的に行われる治療法である。

左側の手指および手関節の伸展運動を強化することを目的とするため、ターゲットは総指伸筋である。作用は、手関節の背屈、第2~5指の伸展、外転である。

((画像引用:Reha of passion様HPより)

TENSとは?

TENS (Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation:経皮的電気神経刺激療法)は、温熱を出さず、慢性疼痛の緩和や痙縮改善に効果がある。疼痛部位の支配神経などに電極を配置し、経皮的に低周波による電気刺激を加える方法である。

【目的】鎮痛
【理論】ゲートコントロール論
【方法】筋収縮を誘発しないような短いパルス幅と周波数で通電する。

1.〇 正しい。①は、総指伸筋である。ちなみに、【起始】上腕骨の外側上顆、前腕筋膜の内面と肘関節包、【停止】中央は中節骨底、両側は合して末節骨底である。
2.× ②は、長橈側手根伸筋である。ちなみに、【起始】上腕骨外側縁、外側上顆および外側上腕筋間中隔、【停止】第2中手骨底の背面橈側である。
3.× ③は、腕橈骨筋である。ちなみに、【起始】上腕骨外側縁の下部、外側上腕筋間中隔、【停止】橈骨遠位下端、茎状突起である。
4.× ④は、浅指屈筋である。ちなみに、【起始】上腕尺骨頭:上腕骨内側上顆、尺骨粗面の内側、橈骨頭:橈骨の上部前面、【停止】第2~5中節骨底の掌面である。
5.× ⑤は、上腕二頭筋である。ちなみに、【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散である。

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17 64歳の女性。右利き。脳梗塞。約1か月前に左大脳に発症。現在は聴覚理解に問題はないが、発語は非流暢かつ緩徐である。話す言葉の量は少なく、発語の際には多大な努力を要している。四肢の麻痺はみられない。
 この患者への対応として正しいのはどれか。

1.患者の話す内容が文法的に誤っていれば医療者が即座に細かく修正する。
2.患者が「はい」「いいえ」で答えることができるように質問する。
3.医療者が口頭で説明をするときにはジェスチャーを交える。
4.コミュニケーションエイドを導入する。
5.患者にメモをとるように指導する。

解答

解説

本症例のポイント

・64歳の女性(右利き)
・脳梗塞(約1か月前に左大脳に発症)
・現在:聴覚・理解に問題なし。発語は非流暢かつ緩徐である。話す言葉の量は少ない。発語の際には多大な努力を要す。四肢の麻痺はみられない。

→本症例の特徴として「発語は非流暢かつ緩徐」「聴覚・理解に問題なし」「発語の際に多大な努力が必要」とあるため、運動性失語(ブローカ失語)もしくは超皮質性運動失語に分類される。本症例に関しては、発症後1ヶ月と比較的早期のリハビリを想定している。

1.× 患者の話す内容が文法的に誤っていても医療者が即座に細かく修正する必要はない。運動性失語を呈している患者は、話したい文章は成立しているが、発語が正しく行えない特徴を持つ。したがって、医療者が即座に細かく修正したところで改善される効果は薄い。
2.〇 正しい。患者が「はい」「いいえ」で答えることができるように質問する。運動性失語の患者は「簡単」で「短い」内容の受け答えは比較的容易に可能である。そのため、患者が「はい」「いいえ」で答えることができるように質問するとスムーズにコミュニケーションが取れる場合が多い。
3.× 医療者が口頭で説明をするときにはジェスチャーを交える必要はない。なぜなら、本症例は「聴覚・理解に問題なし」と設問文にも記載されているため。ジェスチャー(非言語的メッセージ)は、認知症患者に積極的に用いることが多い。
4.× コミュニケーションエイド(意思の伝達)を導入する必要はない。なぜなら、本症例は「聴覚・理解に問題なし」と設問文にも記載されているため。コミュニケーションエイド(意思の伝達)とは、電話に文字変換装置、パソコン通信などに音声変換装置、椅子に文字盤をつけるなど機能補助をした福祉機器を指す。筋萎縮性側索硬化症(ALS)で用いることが多い。
5.× 患者にメモをとるように指導する必要はない。なぜなら、メモは記憶障害に用いるため。メモリーノートとは、忘れてはならないことをノートに書き留め、見返すことで記憶の想起補助に使用するノートのことである。記憶に関する神経機構の障害が発現した時点が明らかな場合、障害時点以降の情報の記憶障害を前向性健忘、障害以前の情報の記憶障害を逆行性健忘と呼ぶ。

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18 75歳の男性。身長165cm、体重60kg。大動脈弁狭窄症。心房細動と一過性脳虚血発作の既往があり、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を行っている。NYHA分類ではclass Ⅰで、運動負荷試験で得られた嫌気性代謝闘値(AT)は17.5mL/分/kgである。
 この患者への生活指導で誤っているのはどれか。

1.抗凝固療法の服薬を継続する。
2.体重や血圧を日誌に付けて自己管理する。
3.自宅での生活活動は3METsを上限とする。
4.下肢筋力のレジスタンストレーニングをする。
5.心肺運動負荷試験で得られたAT強度で運動する。

解答

解説

本症例のポイント

・75歳の男性(身長165cm、体重60kg)。
・大動脈弁狭窄症(既往:心房細動、一過性脳虚血発作)
・経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)実施中。
・NYHA分類ではclass Ⅰ(Ⅰ度:心疾患があるが、身体活動には特に制約がなく日常労作により、特に不当な呼吸困難、狭心痛、疲労、動悸などの愁訴が生じないもの)
・嫌気性代謝闘値(AT):17.5mL/分/kg。

経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)

経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)とは、症状のある重症の大動脈弁狭窄症が治療である。大動脈弁狭窄症とは、心臓の左心室と大動脈を隔てている弁の動きが悪くなり、全身に血液を送り出しにくくなる状態になる疾患である。近年、原因は加齢や動脈硬化が原因である割合が増えてきている。
【メリット】開胸手術のできない方でも治療を受けることができる根治的治療方法である。
【デメリット】①TAVI特有の合併症がある、②留置がうまく出来ない、または合併症が起きた時は救命目的に開胸手術が必要となることがある。

【特有の合併症】
①血管や心臓の破裂、出血
②腎不全、透析(腎臓への負担)
③心筋梗塞、心不全
④感染
⑤脳梗塞
⑥不整脈(ペースメーカーの新規植え込みが5~10%)
⑦人工弁の脇もれ、人工弁の落下、カテーテルの回収困難など

1.〇 正しい。抗凝固療法の服薬を継続する。なぜなら、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)の特有の合併症として、脳梗塞があげられるため。抗凝固薬を使用することで、血液の凝固能を低下させ心臓、動脈や静脈、体外循環回路内の凝固を阻止する。適応として、脳、心臓、肺など腫瘍臓器の血栓による虚血疾患、上下肢の急性動脈閉塞など、また、静脈系では深部静脈血栓症に用いられる。
2.〇 正しい。体重や血圧を日誌に付けて自己管理する。なぜなら、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)の特有の合併症として、血管や心臓の破裂、出血、腎不全、透析(腎臓への負担)があげられるため。日誌をつけ、体調変化を記録することで、異変にいち早く気付けるだけでなく、受診の際に医師の確認も容易になる。
3.× 自宅での生活活動は3METsを上限とする必要はない。ちなみに、2~3METsは、調理、モップで床拭き、歩行(時速3km)、自転車(時速8km)、自動車運転程度の運動である。METsは、運動を行った時に安静状態(座っているとき)の何倍の代謝(カロリー消費)をしているかを表したものである。3METs相当の運動ができなくなってくると自立した生活が困難になる。また、嫌気性代謝閾値(Anaerobic threshold:AT)とは、有酸素運動ができる限界の運動量で、METsで示すことができる。本症例の場合、嫌気性代謝闘値(AT)は、17.5mL/分/kgであり、1METs = 3.5mL /分/kgの酸素消費量であるため、【17.5/3.5=5METs】である。したがって、本症例の場合、5METsまでは有酸素運動の範囲で運動ができる。また、NYHA分類においてclassⅠであるため、5Mets以上の運動を推奨することが多い。(※参考:『身体活動のメッツ(METs)表』国立健康・栄養研究所様HPより)
4.〇 正しい。下肢筋力のレジスタンストレーニングをする。レジスタンストレーニングとは、筋肉に抵抗(レジスタンス)をかけることによって、筋力向上を図る「筋力トレーニング」のことである。心疾患の患者において、低負荷のレジスタンストレーニングを行い、心臓の負担を増やすことなく筋力向上を図ることは望ましい。ちなみに、レジスタンストレーニングでは有酸素トレーニングと比べて血圧が上昇する。なぜなら、骨格筋の強い収縮によるため。また、息を止めると腹腔内圧が上がって血圧上昇(バルサルバ効果)がおこるため、呼吸を止めずに行うよう指導する。
5.〇 正しい。心肺運動負荷試験で得られたAT強度で運動する。嫌気性代謝閾値(AT)とは、運動が激しくなるにつれ、血液中の乳酸が急激に上昇し始める運動の強さのことである。有酸素運動から無酸素運動に切り替わる点であり、心疾患の患者において、心肺運動負荷試験で得られたAT強度で運動することは正しい。

NYHA心機能分類

Ⅰ度:心疾患があるが、身体活動には特に制約がなく日常労作により、特に不当な呼吸困難、狭心痛、疲労、動悸などの愁訴が生じないもの。
Ⅱ度:心疾患があり、身体活動が軽度に制約されるもの。安静時または軽労作時には障害がないが、日常労作のうち、比較的強い労作(例えば、階段上昇、坂道歩行など)によって、上記の愁訴が発言するもの。
Ⅲ度:心疾患があり、身体活動が著しく制約されるもの。安静時には愁訴はないが、比較的軽い日常労作でも、上記の主訴が出現するもの。
Ⅳ度:心疾患があり、いかなる程度の身体労作の際にも上記愁訴が出現し、また、心不全症状、または、狭心症症候群が安静時においてもみられ、労作によりそれらが増強するもの。

 

 

 

 

 

19 72歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。座位姿勢と机上での検査結果を図に示す。
 理学療法として誤っているのはどれか。

1.視覚探索課題を行う。
2.後頸部に振動刺激を行う。
3.車椅子の右側のブレーキレバーを延長する。
4.対象物が右へ偏倚するプリズム眼鏡をかけて練習する。
5.車椅子駆動時に進行方向の左側に注意するよう指導する。

解答

解説

本症例のポイント

座位姿勢における視線の向きや机上検査から左半側空間無視を呈している。

半側空間無視とは、障害側の対側への注意力が低下し、その空間が存在しないかのように振る舞う状態のことである。半盲とは性質が異なり、左半分が見えないわけではなく、左半分への注意力が低下している状態である。したがって、①左側への注意喚起、②左側身体への触覚刺激、③左足方向への体軸回旋運動、④左側からの声かけなどのアプローチが必要である。

1.〇 正しい。視覚探索課題を行う。視覚探索練習とは、視覚的探索を組織化・強化する訓練である。方法は、左端を示し、刺激の右側から左へ向かって探索を向かわせ、「もう左にはない」というところまで探させる。視覚探索課題を行い左側への注意を促していく。これはグレードB(行うよう勧められる)である。
2.〇 正しい。(左)後頸部に振動刺激を行う。左側の後頸部筋に振動刺激を与えて運動性錯覚を生じさせ、半側空間無視を改善する方法がある。左側の後頸部筋に振動刺激を与えると、筋が伸長されたという錯覚が生じ、主観的に身体の正面と感じる方向が実際よりも左方へ定位される。これはグレードC1(十分な科学的根拠がないが、行うことを考慮しても良い。有効性が期待できる可能性がある。)である。
3.× 車椅子の右側のブレーキレバーを延長する必要はない。むしろ、より右側優位に注意が働く可能性が高まる。したがって、左半側空間無視の車椅子は、左側への注意を促したいため、左側のブレーキレバーを延長し、操作しやすくする方が良い。
4.〇 正しい。対象物が右へ偏倚するプリズム眼鏡をかけて練習する。プリズム適応療法は、視野を右にずらすプリズム眼鏡をかけ、目標物を指さす課題を繰り返すと、最初は正確な位置を指すのが難しいが、次第にプリズムによる視覚情報に適応し、正確な位置を指せるようになるものである。そして、プリズム眼鏡をはずすと、今度は逆に目標物よりも左側を指すようになる。この現象が、左半側空間無視の治療に応用される。これは、グレードC1(十分な科学的根拠がないが、行うことを考慮しても良い。有効性が期待できる可能性がある。)である。
5.〇 正しい。車椅子駆動時に進行方向の左側に注意するよう指導する。半側空間無の車椅子自走において、通路右側への偏り、車椅子左側が物にぶつかり、他の患者への衝突などの危険性がある。そのため、移動中に左側への注意を促していくことにより、人や物を認識してもらい、右側へ偏っていることを知覚してもらう必要がある。無視空間への手がかりの提示は、グレードB(行うよう勧められる)である。

左半側空間無視に対するエビデンス

・グレードB:視覚探索訓練、無視空間への手がかりの提示、プリスム適応療法など。

・グレードC1:無視側の耳への冷水刺激、無視空間への眼振の誘発を行う視運動性刺激、無視側への体幹回旋、無視側後頸部の筋への振動刺激など

しかし、永続的効果・日常生活動作への般化については、十分な科学的根拠はない。

 

 

 

 

20 60歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのステージⅢ、クラス3で寛解状態であり安定している。
 理学療法士が行う生活指導について誤っているのはどれか。

1.歩容に応じた足底板を調整する。
2.頚椎の等張性抵抗運動を励行する。
3.変形防止用のスプリントを用いる。
4.再燃の急性炎症期には運動を避ける。
5.大関節を使う関節保護方法を指導する。

解答

解説

本症例のポイント

・60歳の女性。
・関節リウマチ。
・SteinbrockerのステージⅢ、クラス3で寛解状態であり安定している。
ステージⅢ:骨・軟骨に破壊が生じた状態。
クラスⅢ:身の回りのことは何とかできるが、外出時などには介助が必要な状態。

”関節リウマチとは?”

関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。

(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)

1.〇 正しい。歩容に応じた足底板を調整する。なぜなら、関節リウマチによる足趾関節炎が長期にわたると、外反母趾や内反小趾や鷲爪変形や足趾の重なり、扁平足が生じ痛みの原因となるため。一方で、足底板は主に扁平足、足底筋膜炎、外反母趾、アキレス腱炎、シンスプリント、靭帯損傷、変形性膝関節症、前十字靭帯損傷、内側側副靭帯損傷、半月板損傷などに用いる。歩容に応じた足底板を調整することにより、足部の痛みを除圧や圧分散で軽減し調整していく。
2.× 頚椎の等張性抵抗運動を励行する必要はない。関節リウマチで代表的な関節破壊と変形は、環軸椎亜脱臼、肩関節可動域制限、肘関節屈曲拘縮、手関節尺側偏位、手指変形、股関節屈曲拘縮、膝関節内外反変形・屈曲拘縮、足・足趾変形などである。したがって、頸椎に対する運動は原則行わない。関節リウマチに対する運動療法は、全身運動(関節拘縮の予防と軽いストレッチ)や温水プールが主流である。
3.〇 正しい。変形防止用のスプリントを用いる。なぜなら、関節リウマチは、スワンネック変形などを呈し、指用ナックルベンダーを用いるため。指用ナックルベンダーは、PIP関節屈曲補助である。変形防止用のスプリントを用いる目的として、①炎症関節を固定することで安静にし、疼痛を和らげる、②適切な関節の位置をとり、変形を矯正・予防する、③関節・筋を機能的に使用するための補助的な役割、などがある。
4.〇 正しい。再燃の急性炎症期には運動を避ける。関節リウマチの炎症期におけるリハビリの原則は、「疼痛の沈静と変形の予防」である。そのため、この時期は運動を避けることが望ましい。
5.〇 正しい。関節保護方法を指導するのは、大関節ではなく「小関節」である。大関節は、肩関節、肘関節、股関節、膝関節を指す。一方、小関節は、指やMP関節、足趾のことをいうことが多い。関節保護法の基本として「小さな関節より大きな関節を使う、小さな筋肉より大きな筋肉を使う」ことが挙げられる。例えば買い物袋であれば、指で握るよりは前腕にかけた方が良く、片手鍋よりも両手鍋を使用する方が望ましい。変形の進みやすい向きでの荷重がかからないように手を使う諸動作において、手関節や手指への負担が小さくなるように工夫された自助具が求められる。

Steinbrockerの病気分類

Steinbrockerのステージ分類とは、関節リウマチ患者の関節破壊の程度を病期に合わせて分類する方法である。一方、クラス分類とは、関節リウマチの機能障害度をクラス別に分類する方法である。ステージ(クラス)ⅠからⅣの4段階に分類し、進行度を評価する。

【ステージ分類:リウマチの病期】
ステージⅠ:X線検査で骨・軟骨の破壊がない状態。
ステージⅡ:軟骨が薄くなり、関節の隙間が狭くなっているが骨の破壊はない状態。
ステージⅢ:骨・軟骨に破壊が生じた状態。
ステージⅣ:関節が破壊され、動かなくなってしまった状態。

【クラス分類:機能障害度】
クラスⅠ:健康な方とほぼ同様に不自由なく生活や仕事ができる状態。
クラスⅡ:多少の障害はあるが普通の生活ができる状態。
クラスⅢ:身の回りのことは何とかできるが、外出時などには介助が必要な状態。
クラスⅣ:ほとんど寝たきりあるいは車椅子生活で、身の回りのことが自分ではほとんどできない状態。

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4 COMMENTS

B

1総指伸筋 2長短橈側手根伸筋
3腕橈骨筋 4浅指屈筋 5上腕二頭筋
ではないでしょうか?

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大川 純一

ご返信ありがとうございます。
その理由まで説明してくださると幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。

返信する
匿名

肘屈曲回内位になっている
1イラストだと手関節背側の真ん中あたりに見える(1と2の間に長母指伸筋だと思いました)
2微妙なのですが、わずかに背側寄りにあるように見えるため(外転筋だともう少し真横のイメージ)
3この肢位から見て、腕橈骨筋の走行に一致すると考えた為
4肘屈曲回内位の場合、4の位置は前腕の尺側だと考え、腕橈骨筋だともう少しイラストの上(橈側)と考えた為
5この図で、5は肘窩あたりを指していると考え、二頭筋の停止あたりだと考えた為
(長橈側手根伸筋だと、背側橈側に位置すると考えた為)
※確信があるわけではないので…あくまで一個人の意見としてです💦反応ありがとうございました🙇🏽‍♀️

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大川 純一

ご返信・解説ありがとうございます。
すみませんご指摘通り間違えておりました。
修正致しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。

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