第57回(R4) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題91~95】

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91 原発性自然気胸について正しいのはどれか。

1.男性に多い。
2.肥満者に多い。
3.再発は稀である。
4.低身長者に多い。
5.60歳以上に多い。

解答

解説

気胸とは?

【原発性自然気胸】
原発性自然気胸とは、肺疾患のない人に明らかな原因なく起こる気胸のこと。通常、肺のややもろくなった部分(ブラ)が破裂した際に発生する。特徴として、40歳未満で背が高い男性の喫煙者に最もよくみられる。ほとんどの人が完全に回復するが、最大で50%の人に再発がみられる。

【続発性自然気胸】
続発性自然気胸とは、基礎に肺疾患がある人に発生する気胸のこと。最も多いものは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のある高齢者である。他にも、嚢胞性線維症、喘息、ランゲルハンス細胞組織球症、サルコイドーシス、肺膿瘍、結核、ニューモシスチス(Pneumocystis)肺炎など、その他の肺疾患の患者でもみられる。特徴として、基礎に肺疾患があるため、原発性自然気胸に比べて症状や治療成績は一般に悪くなる。再発率は、原発性自然気胸と同程度である。

1.〇 正しい。男性に多い。40歳未満で背が高い男性の喫煙者に最もよくみられる。
2.4.× 肥満者/低身長者ではなく「背の高い痩せ型」に多い。
3.× 再発は、稀ではなく「最大で50%」である。
5.× 60歳以上ではなく「40歳未満」に多い。

 

 

 

 

 

92 糖尿病性腎症で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.血尿が特徴的である。
2.糸球体の硬化が起こる。
3.低血糖発作が原因となる。
4.糖尿病の初期からみられる。
5.透析導入の原因疾患として最も多い。

解答2・5

解説

糖尿病性腎症とは?

糖尿病性腎症は糖尿病の合併症である。糖尿病性腎症の場合、徐々に病気が進行するため、できるだけ早期に発見し、適切な治療をすることが重要である。糖尿病性腎症が原因で透析を受けることになった人が、全透析患者のうち44.1%と最も多い割合を占めている。

1.× 血尿ではなく「タンパク尿」が特徴的である。他にも、腎臓の機能が低下するため、乏尿、貧尿が特徴である。この際、血尿は伴わない。
2.〇 正しい。糸球体の硬化が起こる。糖尿病性腎症の原因としては、糖尿病による高血糖状態が長期間続くことで、全身の動脈硬化が進行し(高血圧)、毛細血管の塊である腎臓の糸球体でも細かな血管が壊れ、網の目が破れたり詰まったり(硬化)して、老廃物をろ過することができなくなるとされているが、根本的な原因ははっきりと解明されていない。
3.× 低血糖発作ではなく「高血糖状態」が原因となる。糖尿病性腎症の場合、徐々に病気が進行するため、できるだけ早期に発見し、適切な治療をすることが重要である。
4.× 糖尿病の初期にはほとんど自覚症状はない。厳格な血糖コントロール、降圧治療、タンパク質制限が必要になる時期(第3期A:顕性腎症期)にむくみ・息切れ・胸苦しさ・食欲不振・満腹感などの自覚症状が現れる。
5.〇 正しい。透析導入の原因疾患として最も多い。次いで、慢性糸球体腎炎、腎硬化症の順で多い。

 

 

 

 

93 多発性骨髄腫にみられるのはどれか。

1.肝障害
2.病的骨折
3.赤血球増多
4.血清総蛋白量減少
5.低カルシウム血症

解答

解説

多発性骨髄腫とは?

 多発性骨髄腫は形質細胞がクローン性に増殖するリンパ系腫瘍である。増殖した形質細胞やそこから分泌される単クローン性免疫グロブリンが骨病変、腎機能障害、M蛋白血症などさまざまな病態や症状を引き起こす。多発性骨髄腫の発症年齢は65~70歳がピークで男性が女性より多く約60%を占める。腫瘍の増大、感染症の合併、腎不全、出血、急性白血病化などで死に至る。

 主な症状として、頭痛、眼症状の他に①骨組織融解による症状(腰痛・背部痛・圧迫骨折・病的骨折・脊髄圧迫症状・高カルシウム血症など)や②造血抑制、M蛋白増加による症状(貧血・息切れ・動悸・腎機能障害)、易感染性(免疫グロブリン減少)、発熱(白血球減少)、出血傾向(血小板減少)などである。

1.× 肝障害ではなく「腎障害」が起こる。
2.〇 正しい。病的骨折は、多発性骨髄腫にみられる。
3.× 血液データは、赤血球増多ではなく、白血球や血小板が減少する。多発性骨髄腫は形質細胞がクローン性に増殖するリンパ系腫瘍である。いわゆる血液のがんである。
4.× 血清総蛋白量は減少するとは言いきれない(増加もしくは減少する)。M蛋白が増加するため、血清総蛋白量が増加することもある。ちなみに、M蛋白とは、均一な分子構造を持つ免疫グロブリン(抗体)のことである。一方、血清総蛋白とは、血清中に含まれているタンパク質の濃度を測定したものである。基準値は6.5~8.0g/dlで、低蛋白血症は6.0g/dl以下、高蛋白血症は8.5g/dl以上である。
5.× 低カルシウム血症ではなく、高カルシウム血症が起こる。なぜなら、骨組織融解による症状を伴うため。

 

(※図引用:多発性骨髄腫および免疫増殖性新生物~桑島 実~から)

 

 

 

 

 

94 症候と内分泌異常の組合せで正しいのはどれか。

1.先端巨大症:下垂体前葉ホルモン欠損
2.中心性肥満:副腎皮質機能低下
3.テタニー:副甲状腺機能低下
4.尿崩症:抗利尿ホルモン分泌亢進
5.頻脈:甲状腺機能低下

解答

解説

1.× 先端巨大症は、下垂体前葉ホルモン「欠損」ではなく「過剰分泌」により生じる。ちなみに、下垂体前葉ホルモン欠損するとアジソン病や小人病となる。
2.× 中心性肥満は、副腎皮質機能低下ではなく、コルチゾールの過剰分泌により生じる。ちなみに、副腎皮質機能低下で、アドソン病となる。副腎皮質機能亢進でCushing症候群(クッシング症候群)である。
3.〇 正しい。テタニーは、副甲状腺機能低下で起こる。テタニーとは、血中カルシウム濃度が低下することで筋の異常収縮による硬直、痙攣、知覚障害などを生じる病態をいう。副甲状腺機能低下症では、パラトルモンの分泌低下により、血清カルシウム値が低下し、テタニーをきたす。
4.× 尿崩症:抗利尿ホルモン(バソプレシン)「分泌亢進」ではなく「分泌低下」により起こる。尿崩症は多尿 (3L/日以上)を呈する。尿崩症には2種類あり、①中枢性尿崩症(抗利尿ホルモンの分泌低下)と、②腎性尿崩症(ホルモンの作用障害)がある。
5.× 頻脈は、甲状腺機能「低下」ではなく「亢進」で生じる。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状として、発汗や食欲亢進、体重減少、下痢、振戦、メルセブルグ3徴(眼球突出、甲状腺腫、頻脈)がみられる。甲状腺機能低下症が認知機能低下の原因として有名である。

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95 介護保険法に規定される特定疾病はどれか。2つ選べ。

1.間質性肺炎
2.拡張型心筋症
3.脊髄小脳変性症
4.変形性肘関節症
5.閉塞性動脈硬化症

解答3・5

解説

1.× 間質性肺炎は含まれないが、「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」は、介護保険法に規定される特定疾病である。
2.× 拡張型心筋症は含まれない。ちなみに、拡張型心筋症とは、心臓(特に左心室、時として両心室)の筋肉の収縮する能力が進行性に低下することにより左心室が通常よりも大きくなってしまい、血液を適切に全身に送ることができなくなって心不全や不整脈を生じる病気である。
3.5.〇 正しい。脊髄小脳変性症/閉塞性動脈硬化症は、介護保険法に規定される特定疾病である。
4.× 変形性肘関節症ではなく「両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症」は、介護保険法に規定される特定疾病である。

特定疾病(16種)

がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)
関節リウマチ
筋萎縮性側索硬化症
後縦靭帯骨化症
骨折を伴う骨粗鬆症
初老期における認知症
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
脊髄小脳変性症
脊柱管狭窄症
早老症
多系統萎縮症
糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
脳血管疾患
閉塞性動脈硬化症
慢性閉塞性肺疾患
両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

 

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