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21 ICF の構成要素である「環境因子」の第2レベルに分類されるのはどれか。2つ選べ。
1. 家族の態度
2. 住居の入手
3. 健康に注意すること
4. 交通機関や手段の利用
5. 保健サービス・制度・政策
解答1.5
解説
ICFの第1レベルは、心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子という4つのカテゴリーに分かれている。第2レベルとはその中でさらに細かく分類されたものである。ただし、これらのカテゴリーをすべて覚える必要性は低い。代表的な内容を理解しておく。
1~5.〇 正しい。家族の態度と保健サービス・制度・政策は、環境因子の第2レベルである。
2~4.× 住居の入手、健康に注意すること、交通機関や手段の利用は、活動と参加の第2レベルである。健康に注意することは、活動と参加のセルフケアという分類になる。
22 MTDLP で正しいのはどれか。
1. 作業療法士が重要と考える生活行為を実現するためのプログラムである。
2. 終末期患者には適用しない。
3. 本人・家族・支援者の連携を促進する。
4. 3つのシートで構成される。
5. 目標とした生活行為の満足度は、1〜100点で自己評価する。
解答3
解説
MTDLP(Management Tool for Daily Life Performance:生活行為向上マネジメント)は、患者が本来もっている能力を引き出し、患者にとって意味のある在宅生活(生活行為)でその能力を生かせるように支援するためのツールである。
1.× 「作業療法士が」ではなく、患者が重要と考える生活行為を実現するためのプログラムである。
2.× すべての在宅患者を対象としているので、終末期患者にも適用される。
3.〇 正しい。本人・家族・支援者の連携を促進する。
4.× 「3つのシート」ではなく8つのシートで構成される。3つのメインシート(生活行為聞き取りシート、生活行為向上マネジメントシート、生活行為申し送り表)と生活行為向上マネジメントシートを構成する2つのサブシート(生活行為アセスメント演習シート、生活行為向上プラン演習シート)の他に3つのシート(興味・関心チェックシート、生活行為課題分析シート、医療への申し送り表)がある。
5.× 目標とした生活行為の満足度は、「1〜100点」ではなく10点満点で自己評価する。
23 OTPF の項目に含まれないのはどれか。
1. 意志
2. 文脈
3. 個人因子
4. 作業要件
5. 遂行パターン
解答1
解説
OTPF(Occupational Therapy Practice Framework:作業療法実践の枠組み)のDomain(領域)は、Occupations(作業)、Client factors(クライアント因子、個人因子)、Performance skills(遂行スキル)、Performance patterns(遂行パターン)、Context and Environment(文脈と環境)に分けられている。
よって、選択肢1.意志が含まれない。
24 男性に比べて女性に多い疾患はどれか。
1. Perthes病
2. 多発性筋炎
3. 高尿酸血症
4. 強直性脊椎炎
5. Duchenne型筋ジストロフィー
解答2
解説
1.× Perthes病は、骨端症の一つで、小児期において大腿骨近位骨端部に阻血性壞死が生じる疾患である。男児に多い。男女比は6:1の割合である。
2.〇 正しい。多発性筋炎は、自己免疫性の炎症性筋疾患であり、骨格筋(特に近位筋)の筋力低下を特徴とする。小児では性差はないが成人では女性に多い。男女比は、1:3の割合である。
3.× 高尿酸血症とは、血清尿酸値が7.0mg/dLを正常上限とし、これを超えるものと定義する。男性が圧倒的に多く男女比約20:1の割合である。
4.× 強直性脊椎炎は、体軸性関節炎を主体とする全身性の慢性炎症性疾患である。主な合併症にぶどう膜炎がある。好発は若年男性である。男女比は、3~4:1の割合である。
5.× Duchenne型筋ジストロフィーは、筋細胞膜の保持・強化・情報伝達に異常を来した疾患である。X染色体劣性遺伝、通常男児のみ発症する。
多発性筋炎とは、自己免疫性の炎症性筋疾患で、主に体幹や四肢近位筋、頸筋、咽頭筋などの筋力低下をきたす。典型的な皮疹を伴うものは皮膚筋炎と呼ぶ。膠原病または自己免疫疾患に属し、骨格筋に炎症をきたす疾患で、遺伝はなく、中高年の女性に発症しやすい(男女比3:1)。5~10歳と50歳代にピークがあり、小児では性差なし。四肢の近位筋の筋力低下、発熱、倦怠感、体重減少などの全身症状がみられる。手指、肘関節や膝関節外側の紅斑(ゴットロン徴候)、上眼瞼の腫れぼったい紅斑(ヘリオトロープ疹)などの特徴的な症状がある。合併症の中でも間質性肺炎を併発することは多いが、患者一人一人によって症状や傷害される臓器の種類や程度が異なる。予後は、5年生存率90%、10年でも80%である。死因としては、間質性肺炎や悪性腫瘍の2つが多い。悪性腫瘍に対する温熱療法は禁忌であるので、その合併が否定されなければ直ちに温熱療法を開始してはならない。しかし、悪性腫瘍の合併の有無や皮膚症状などの禁忌を確認したうえで、ホットパックなどを用いた温熱療法は疼痛軽減に効果がある。
(※参考:「皮膚筋炎/多発性筋炎」厚生労働省様HPより)
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【PT/OT/共通】強直性脊椎炎についての問題「まとめ・解説」
25 深部腱反射の亢進がみられるのはどれか。
1. 重症筋無力症
2. 多発性硬化症
3. Guillain-Barré 症候群
4. 筋強直性ジストロフィー
5. Duchenne型筋ジストロフィー
解答2
解説
深部腱反射の亢進がみられるのは、上位運動二ューロンが障害されたときである。
1. × 重症筋無力症の病変部位は神経筋接合部である。深部腱反射は亢進せず、減弱もしくは消失する。
2.〇 正しい。多発性硬化症は、中枢神経の白質の至るところに炎症性の脱髄性病変が発生し(空間的多発性)、多彩な神経症状が再発と寛解を繰り返す(時間的多発性)、上位運動二ューロンの障害であり、深部腱反射は亢進する。
3.× Guillain-Barré 症候群は、免疫・炎症性末梢神経障害である。そのため、深部腱反射は亢進せず、減弱もしくは消失する。
4.× 筋強直性ジストロフィーは、収縮した骨格筋が弛緩しにくくなる現象(ミオトニア現象)と、全身の筋力低下、筋萎縮を主症状とし、その他にも多彩な症状を呈する疾患である。筋原性疾患であり、深部腕反射は亢進せず、減弱を伴いやすい。
5.× Duchenne型筋ジストロフィーは、骨格筋の変性・壊死を主病変とし、進行性の筋力低下をみる遺伝性の筋原性疾患である。深部腱反射は亢進せず、減弱もしくは消失する。