第53回(H30) 作業療法士国家試験 解説【午前問題26~30】

 

26 作業療法で提供する課題の難易度を上げる段階づけとして適切なのはどれか。

1.工程数が多い課題から少ない方に段階付ける。
2.作業時間が長い課題から短い課題で段階付ける。
3.意思決定が少ない課題から多い課題へ段階付ける。
4.姿勢が不安定となる課題から安定した課題段階付ける。
5.運動の際に用いる関節の数が多い課題から少ない課題へと段階付ける。

解答3

解説

 課題の難易度を上げる段階付けに関する問題患者の能力に合わせて、まずは簡単なものから徐々に難易度を上げていく。

1.× 工程数が少ない課題から多い方に段階付ける。
2.× 作業時間が短い課題から長い課題で段階付ける。
3.〇 正しい。意思決定が少ない課題から多い課題へ段階付ける。
4.× 姿勢が安定した課題から不安定した課題段階付ける。
5.× 運動の際に用いる関節の数が少ない課題から多い課題へと段階付ける。

 

 

 

 

 

 

27 痛みの評価について正しいのはどれか。

1.VASで痛みの強さを評価する。
2.フェイス・スケールで痛みの部位を評価する。
3.Abbey pain scaleは質問紙による評価である。
4.NRSで痛みの性状を評価する。
5.STAS-Jで痛みの経過を評価する。

解答1

解説

1.〇 正しい。VAS(Visual Analogue Scale:視覚的アナロクスケール)で痛みの強さを評価する。まったく痛くない状態を0cm、予想されるなかで最も痛い状態を10cmとしたときに今どのくらい痛いかを指さしてもらい、何cmかを測ることで痛みの程度を定量化する。
2.× フェイス・スケールで痛みの部位ではなく強さを評価する。顔の表情がいくつか並んでいるなかから、今の痛みの状況を表すのに一番ふさわしいと思うものを選んでもらう小児では有用性が確認されているが、成人では気分が影響しやすいので通常は用いない。
3.× Abbey pain scaleは、認知機能低下により痛みの自己評価が難しい場合に他覚的に評価できる。
4.× NRS(numerical rating scale:数字評価スケール)で痛みの性状ではなく強さを評価する。0(痛みなし)~10(想像できる最大の痛み)の数字で11段階に区分し、現在の痛みの程度を示してもらう。
5.× STAS-J(support team assessment schedule 日本語版)は、痛みの経過を評価するものではない。①痛みのコントロール、②症状が患者に及ぼす影響、③患者の不安、④家族の不安、⑤患者の病状認識、⑥家族の病状認識、⑦患者と家族とのコミュニケーション、⑧職種間のコミュニケーション、⑨患者・家族に対する医療スタッフのコミュニケーケーションの9項目を医療者が0~4の5段階で評価する。

 

 

 

 

 

 

28 老年期のQOLを強化するために開発されたスケールはどれか。

1.CHART-J
2.EuroQol
3.HUI(health utilities index)
4.PGCモラルスケール改訂版
5.POMS

解答4

解説

1.× CHART-J(Craig Handicap Assessment and Reporting Technique 日本語版)は、障害者が体験する社会的不利を評価するための質問票で、脊髄損傷者を対象として開発された。
2.× EuroQolは、医療従事者でなくとも簡易に測定できる健康関連QOL(HRQOL)の尺度として幅広く用いられている調査票である。欧州で開発され、わが国では翻訳された日本語版EQ-5Dがある。調査票は、5項目(①移動の程度、②身の回りの管理、③ふだんの活動、④痛み・不快感、⑤不安・ふさぎ込み)からなる3段階選択式回答法とVAS (Visual Analogue Scale) による患者の健康状態の自己評価により、構成されている。
3.× HUI(health utilities index)は、高齢者のみならず、小児も含めた幅広い年齢層中に使用できる健康関連QOLの指標である。
4.〇 正しい。PGCモラルスケール改訂版は、老年期のQOLを強化するために開発されたスケールである。「主観的幸福感」を、評価する。
5.× POMS(気分プロフィール検査)は、最近1週間の気分の状態(緊張、抑うつ、怒り、活気、疲労、混乱の6尺度)を測定するものである。被検者が答える質問紙法の検査である。

 

 

 

 

 

 

29 脳性まひ児の日常生活における手指操作能力を分類するための尺度はどれか。

1.GMFM
2.JASPER(japanese assessment set for pediatric rehabilitation)
3.K-ABC
4.MACS
5.PEDI

解答4

解説

1.× GMFM(Gross Motor Function Measure:脳性麻痺児の粗大運動能力の尺度)は、治療効果の評価などに用いる。
2.× JASPER(japanese assessment set for pediatric rehabilitation:障害児の包括的評価法マニュアル)は、①生命維持機能評価法、②粗大運動能力評価法、③基本的ADL評価法、④変形・拘縮評価法、⑤社会参加力評価法などの評価尺度を集成したものである。

3.× K-ABC(Kaufman Assessment Battery for Children) は、子供の認知的能力を知処理過程と知識・技能の習得度の両面から評価するもので、適応年齢は2歳6か月から12歳11か月までである。学習障害のスクリーニングが可能である。
4.〇 正しい。MACS(Manual ability classification system for children with cerebral palsy:脳性麻痺児の手指操作能力分類システム)は、脳性麻痺児が日常生活活動において物を操作する手指能力の評価法である。4歳から18歳までが対象で、5つのレベルに分類される。
5.× PEDI(Pediatric Evaluation of Disability Inventory:リハビリテーションのための子どもの能力低下評価法)は、セルフケア・移動・社会的機能の3つの領域の機能的スキルを評価するもので、生後6ヵ月から7歳6ヵ月までの児と、この年齢相当の機能レベルの年長児が対象の能力低下評価法である。

 

 

 

 

 

 

30 運動失調症のうち、時間測定異常を評価するのはどれか。

1.foot pat
2.指鼻試験
3.継ぎ足歩行
4.跳ね返り現象
5.コップ把持検査

解答4

解説

 時間測定異常とは、ある動作を開始や停止しようとするときに、健常者より動作が遅れることをいう。

1.× foot pat(下肢遠位テスト)は、前脛骨筋の筋力と足関節の反復拮抗運動の協調性の評価に用いる。
2.× 指鼻試験は、測定異常運動分解の評価に用いる。
3.× 継ぎ足歩行は、小脳障害のほかに、失調歩行をきたす前庭神経障害深部感覚障害を検出できる。
4.〇 正しい。跳ね返り現象は、患者の肘関節を軽度屈曲位にして手関節部を握り、肘屈曲させ、急に手を離した時に患者が顔または手を打つ現象である。屈曲から伸展への転換の動作が遅れることで生じる。
5.× コップ把持検査は、コップを左右の手で持たせて違いを見つけることで協調運動の評価をする。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)