第51回(H28) 作業療法士国家試験 解説【午前問題36~40】

 

36 車椅子の走行介助で誤っているのはどれか。

1. 緩斜面は前向きでキャスターを上げて下る。
2. 段差は後ろ向きでキャスターを上げて昇る。
3. 不整地面はキャスターを上げて走行する。
4. 段差は後ろ向きに降りる。
5. 坂道は後ろ向きで上る。

解答5

解説

選択肢2の画像(画像引用:公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団様HP)

1.△ 正しい?。緩斜面は前向きでキャスターを上げて下る。緩斜面の場合、前向きで下ることはあるが、「キャスターを上げて行う」ことは初めて聞きました。もしよかったら、どこか書いてある教科書・参考書あればコメント欄にて教えてください。
2.〇 正しい。段差は後ろ向きでキャスターを上げて昇る。前向きで上がる方法もあるが、後ろ向きのほうが大きな段差上げも可能である。
3.〇 正しい。不整地面はキャスターを上げて走行する。ティッピングレバーを踏み込みキャスターを上げたまま進む。
4.〇 正しい。段差は後ろ向きに降りる。後輪からゆっくりと段差を下りる。
5.× 坂道は、後ろ向きはなく前向きで上る。坂道を上るときは、前向きで介助者を落ちてこないように後方から車椅子を押す。

 

 

 

 

 

 

37 間隔尺度を用いる評価法はどれか。

1. FIM
2. MMT
3. Rehab
4. ROM
5. STEF

解答4

解説

間隔尺度とは?

 間隔尺度とは、数値の差のみに意味がある尺度である。

 具体的な例:気温、年号、知能指数などが挙げられる。

1~3.5.× FIM(Functional Independence Measure:機能的自立度評価法)/MMT(Manual Muscle Testing:徒手筋力テスト)/Rehab(精神科リハビリテーション行動評価尺度)/STEF(Simple Test for Evaluating Hand Function:簡易上肢機能検査は、順序尺度での評価である。順序尺度とは、順序・順位に従い数値を割り振ったもので順位付けできるものをいう。Rehab(精神科リハビリテーション行動評価尺度)は精神科リハビリテーションの効果を判定する。
4.〇 正しい。ROM(Range of motion:関節可動域)は、間隔尺度である。間隔尺度とは、等間隔の目盛り付けができるもので、数値が等間隔に割り振られた尺度のことである。原点を持たず、0が絶対的な無を示さないのが特徴である。

STEF(Simple Test for Evaluating Hand Function:簡易上肢機能検査)とは?

 STEF(Simple Test for Evaluating Hand Function:簡易上肢機能検査)は、上肢の動作能力、特に動きの速さを客観的に、しかも簡単かつ短時間(20~30分)に把握するための評価法である。10種類のテストからなり、それぞれ大きさや形の異なる物品を把持して移動させ、一連の動作に要した時間を計測し、所要時間を決められた点数(1~10点)に当てはめて、右手と左手との差を左右別に合計点数を算出する。また参考値との比較も可能である。

 

 

 

 

 

 

 

38 回復期リハビリテーション病棟について正しいのはどれか。

1. 環境調整は行わない。
2. 病棟での訓練は行わない。
3. 昭和60 年に制度化された。
4. 家庭復帰の推進を目標とする。
5. 作業療法士の人員配置基準はない。

解答4

解説

回復期リハビリテーション病棟の役割

 回復期リハビリテーション病棟は、急性期を脱したが、まだ自宅に戻れない段階でのリハビリテーションを担当することが多い。近年、急性期治療から早期のリハビリテーションを、複数の医療機関が連携と役割分担をしながら一連の流れで行う地域連携クリテイカルパスが促進されている。急性期病院で入院や手術をされた場合でも、回復期病院でその情報が共有され、加えて回復期リハビリテーション病棟では、【訓練→目標を随時達成→機能の回復→退院】を目指す。

1.× 環境調整を行う。自宅への退院に向けて、自宅調査し環境調整を行う病院もある。
2.× 病棟での訓練を行う。病棟で行うことで、看護師や介護者にもどんなリハビリをしているか共有ができるため有用である。
3.× 回復期リハビリテーション病棟が制度化されたのは、昭和60年ではなく、平成12年4月に制度化である。
4.〇 正しい。家庭復帰の推進を目標とする。ただ、病状が悪化する場合もあるため、患者全員が家庭復帰ができるとはいいきれない。
5.× 作業療法士の人員配置基準も決められている。リハビリテーション科の医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士などの人員配置基準が決められている。

 

 

 

 

 

 

 

39 ICFで正しいのはどれか。2つ選べ。

1. すべての人に関する分類である。
2. 環境因子は障害の程度とは関係がない。
3. 生活機能の肯定的側面を表すことはできない。
4. 分類された構成要素には評価点を付与できる。
5. 個人因子は共通スケールを用いて量的に判定できる。

解答1/4

解説
1.〇 正しい。すべての人に関する分類である。ICFは、障害者のみならず、すべての人を対象として、障害を「生活機能」というプラス面からみるように視点を転換した分類法である。
2.× 環境因子は、障害の程度とは関係がある。なぜなら、環境因子が変化すれば障害の程度も変化するため。また、ICFには、情報を整理するための構成として2つの部門があり、第1部は、「生活機能と障害」であり、「心身機能と身体構造」「活動と参加」からなる。第2部は「背景因子」であり、「環境因子」と「個人因子」からなる。
3.× 生活機能の肯定的側面を表す。ICFは、障害者のみならず、すべての人を対象として、障害を「生活機能」というプラス面(肯定的側面)からみるように視点を転換した分類法である。
4.〇 正しい。分類された構成要素には評価点を付与できる。ICFコード分類の構成要素には、心身機能(b)、身体構造(s)、活動と参加(d)、環境因子(e)があり、これらは共通尺度を用いて量的に評価される。
5.× 個人因子は共通スケールを用いて量的に判定できない。なぜなら、個人因子とは、年齢・性別・生活歴・価値観・ライフスタイルなどであるため。

 

 

 

 

 

 

40 統合失調症の認知機能を評価するために用いる尺度はどれか。

1. GAF
2. BPRS
3. Rehab
4. PANSS
5. BACS-J

解答5

解説
1.× GAF(Global Assessment of Functioning:機能の全体的評定尺度)は、心理・社会・職業的機能について0~100の数字で評価する方法である。評価は過去1週間の最低レベルを評点とし、数字が大きいほど健康度が高い。
2.× BPRS(Brief Psychiatric Rating Scale:簡易精神症状評価尺度)は、精神障害者全体を対象とした18項目の精神症状を医師が評価するものである。 症状や問題がある場合に点数は高くなる。
3.× Rehab(精神科リハビリテーション行動評価尺度)は、病棟・デイケア・社会復帰施設などで観察した行動を評定するものである。23項目であるため、簡便で繰り返し使用できるのが特徴である。症状や問題がある場合に点数は高くなる。
4.× PANSS(Positive and Negative Syndrome Scale)は、統合失調症を対象に、30項目について陽性尺度・陰性尺度・総合精神病理尺度を医師が評定するものである。
5.〇 正しい。BACS-J(The Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia Japanese Version:統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版)は、統合失調症の認知機能を評価するために用いる尺度である。①言語性記憶と学習、②ワーキングメモリー(作動記憶)、③運動機能、④注意と情報処理速度、⑤言語流暢性、⑥遂行機能の6つの認知機能領域を評価する7つの検査(言語流暢性のみ2つの検査がある)で構成される。

 

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