第51回(H28) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題96~100】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

96 双極性障害について正しいのはどれか。

1. 男性より女性が多い。
2. 単極性うつ病より自殺率が高い。
3. 単極性うつ病より有病率が高い。
4. 単極性うつ病より発症年齢が高い。
5. 単極性うつ病より遺伝素因の関与が低い。

解答2

解説

1.× 男性より女性が多くなく、性差は認められない
2.〇 正しい。単極性うつ病より自殺率が高い。2倍以上高いとされている。
3.× 単極性うつ病より有病率は、低い。単極性うつ病の生涯有病率は8~15%であり、双極性障害の生涯有病率は約1%である。
4.× 単極性うつ病より発症年齢は、低い
5.× 単極性うつ病より遺伝素因の関与は、高い

 

 

 

 

 

 

97 酔うまでの飲酒量が徐々に増加するのはどれか。

1. 渇望
2. 耐性
3. 身体依存
4. 飲酒中心性
5. 山型飲酒サイクル

解答2

解説

1.× (飲酒)渇望とは、コントロールできないほどの強い飲酒欲求をもつことをいう。
2.〇 正しい。酔うまでの飲酒量が徐々に増加するのは耐性である。耐性とは、同様の効果が現れるまでに必要とする量が、初期よりも増えることである。
3.× 身体依存とは、飲酒を中断すると不安・不眠・イライラや自律神経症状(発汗・血圧上昇・手指振戦)などの離脱症状が出現することである。
4.× 飲酒中心性とは、飲酒することばかりを考えてしまう状態である。
5.× 山型飲酒サイクルとは、泥酔して眠りに落ち、目が覚めると再び飲酒をするサイクルである。

 

 

 

 

 

 

98 回避がみられるのはどれか。

1. 心気障害
2. 身体化障害
3. 強迫性障害
4. 全般性不安障害
5. PTSD(外傷後ストレス障害)

解答5

解説

 回避が起こりやすい場面として、実際に死に直面するような体験や大災害などを体験した人である。その出来事を再体験(フラッシュバック)したり、似たような状況を回避しようとしたり、過覚醒状態となる症状が、1カ月以上続いた状態を、PTSD(外傷後ストレス障害)という。よって、選択肢5.PTSD(外傷後ストレス障害)が正しい。

 

1.× 心気障害は、正常の生理現象や微細な身体異常にとらわれ、重病と思い込んで、過度の不安を抱き、執拗に精神・身体不調を訴えることが特徴である。
2.× 身体化障害は、頭痛や消化器症状、月経不順や異常知覚などの様々な身体症状を慢性的に訴えることが特徴である。
3.× 強迫性障害は、強迫観念にとらわれ、それを打ち消そうとするために不合理とわかっている強迫行為を行うが、それでも不安を打ち消せない障害である。
4.× 全般性不安障害は、様々な出来事や活動に対する過剰な不安および心配がほぼ毎日6か月以上慢性的に続き、生活に支障を来す。

類似問題です。参考にどうぞ↓

【OT/共通】精神症状(精神医学)についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

99 特発性正常圧水頭症で誤っているのはどれか。

1. 脳室拡大がみられる。
2. 小刻み歩行がみられる。
3. 自発性の低下がみられる。
4. 髄液で細胞増加がみられる。
5. 腰椎-腹腔シャント術が用いられる。

解答4

解説

 特発性正常圧水頭症は、頭蓋内の脳脊髄液腔は異常に拡大し、症状としては①歩行障害、②尿失禁、③認知症の三徴が起こる。

1.〇 正しい。脳室拡大がみられる。他にも、シルビウス裂の拡大脳溝の狭小化が特徴である。
2.〇 正しい。小刻み歩行がみられる。パーキンソン様の歩行障害がみられる。
3.〇 正しい。自発性の低下がみられる。精神活動の低下(認知症)がみられる。
4.× 髄液で細胞増加はみられない。髄液量は増加するが、髄液所見に異常はみられない。髄液中の細胞数の増加は、髄膜炎において認められる。
5.〇 正しい。腰椎-腹腔シャント術が用いられる。他にも、脳室-腹腔シャント術が用いられる。

 

 

 

 

 

 

100 悪性症候群の症状はどれか。

1.筋弛緩
2.高血糖
3.高熱
4.徐脈
5.白血球減少

解答3

解説

 悪性症候群とは、抗精神病薬の使用初期や、抗精神病薬・抗Parkinson病薬の急激な中断により、発熱(ときに40℃以上)、錐体外路症状(特に筋強剛)、自律神経症状(頻脈・発汗・流涎)、精神症状(昏迷、意識障害)、高CK血症などを来すものである。

 

1.× 「筋弛緩」ではなく筋強剛である。なぜなら、錐体外路症状をきたすため。
2.× 高血糖はみられない。
3.〇 正しい。高熱をきたす。ときに40℃以上きたす。
4.× 「徐脈」ではなく頻脈である。なぜなら、自律神経症状(交感神経優位)をきたすため。
5.× 白血球「減少」ではなく増加である。なぜなら、筋破壊によるため。検査所見として、白血球増多や、筋由来のCK、AST、LDHが増加する。

 

 

※問題の引用:第51回理学療法士国家試験、第51回作業療法士国家試験の問題および正答について

※注意:著者は理学療法士で、解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)