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76 虚血性心疾患の病態と最も関連があるのはどれか。
1. 心筋炎
2. 心臓弁膜症
3. 肺高血圧症
4. 冠動脈硬化
5. 深部静脈血栓症
解答4
解説
虚血性心疾患とは、心筋の酸素需要量を冠血流によってまかなうことができなくなり、心筋細胞が虚血を来す疾患群の総称である。虚血によって壊死が生じた場合を心筋梗塞、壊死のない状態を狭心症とよぶ。特に心筋梗塞では重症感があり、30分以上痛みが継続している場合、冷汗がみられる場合、硝酸薬の効果が少ない場合などは注意を要する。一般的に心筋梗塞では締めつけられるような激しい痛みが特徴的だが、基礎疾患として糖尿病に罹患している場合、重篤な痛みを訴えないこともある。
1.× 心筋炎とは、主にウイルスが心臓の筋肉(心筋)に感染し心筋細胞に炎症が起こり、心筋の本来の機能が失われ、ポンプである心筋の収縮不全や不整脈を生じる疾患である。一般的に心筋炎では虚血性心疾患は来さない。
2.× 心臓弁膜症(大動脈弁閉鎖不全症や大動脈弁狭窄症など)は、冠血流が低下し虚血性心疾患を併発する可能性があるが、冠動脈の硬化(動脈硬化:粥状硬化)の方が直接的な原因になりうる。
3.× 肺高血圧症は、肺に血液が流れにくくなり、右心系に負荷がかかる状態である。右心不全の原因になりうる。
4.〇 正しい。冠動脈硬化である。冠動脈硬化による冠動脈内径の狭小化により冠血流が減少し、心筋の虚血に至る。
5.× 深部静脈血栓症(DVT)は、肺血栓塞栓症として重要である。
77 重症熱傷について誤っているのはどれか。
1. イレウスを起こしやすい。
2. 胃十二指腸潰瘍を起こしやすい。
3. 気道熱傷時は窒息の危険が高い。
4. 熱傷深度が深いほど疼痛が強い。
5. 受傷直後は循環血液量が減少する。
解答4
解説
1.〇 正しい。重症熱傷により、しばしばイレウスを生じる。イレウス(腸閉塞)とは、腸管がふさがれた状態や腸の蠕動運動が障害された状態をいう。イレウスの原因として、熱傷に伴う血清電解質異常のため起こる。
2.〇 正しい。胃十二指腸潰瘍を起こしやすい。なぜなら、熱傷により身体には大きなストレスがかかるため。熱傷に合併するストレス性潰瘍病変をCurling潰瘍(カーリング潰瘍)という。
3.〇 正しい。気道熱傷時は窒息の危険が高い。なぜなら、気道熱傷で気道の浮腫を生じるため。それに伴い、呼吸困難を生じやすく、窒息の危険性が高い。
4.× 熱傷深度が深いほど疼痛は感じない。Ⅰ度熱傷やⅡ度浅層の熱傷では疼痛を生じるが、Ⅱ度深層の熱傷は疼痛は鈍麻、Ⅲ度熱傷では、疼痛を感じない。熱傷の分類をしっかり覚えよう。
5.〇 正しい。受傷直後は循環血液量が減少する。なぜなら、血漿成分の血管外漏出が起こるため。
①Ⅱ度熱傷で体表面積の30%以上。
②Ⅲ度熱傷で体表面積の10%以上。
③顔面・手・足の熱傷。
④気道熱傷。
⑤軟部組織損傷や骨折を伴う。
苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓
78 抗凝固薬はどれか。
1. レボドパ
2. ビタミンK
3. アドレナリン
4. バクロフェン
5. ワルファリン
解答5
解説
1.× レボドパは、ドパミンの前駆物質で、Parkinson病の治療薬である。
2.× ビタミンKは、脂溶性ビタミンの一つである。抗凝固薬のワルファリンと拮抗する。
3.× アドレナリンは、副腎髄質で合成されるホルモンである。自律神経系の交感神経刺激作用があり、血管拡張・心拍数増加・血圧上昇作用などがある。
4.× バクロフェンは、代表的な中枢性筋弛緩薬であり抗痙縮薬として使用される。
5.〇 正しい。ワルファリンは、ビタミンKの活性化を阻害し、肝臓におけるビタミンK依存性凝固因子(Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ)の合成を抑制する。ちなみに、代表的な抗凝固薬のひとつとして、へパリンがある。これは、静注であり経口投与無効である。
79 記憶のプライミングについて正しいのはどれか。
1. 学習によって習熟する。
2. 健忘症候群では障害される。
3. 潜在記憶の1つである。
4. 短期記憶に分類される。
5. 陳述記憶の1つである。
解答3
解説
プライミング記憶(入れ知恵記憶)とは、以前に入力された情報が無意識に記憶され、その後の認識などの脳機能に影響を与える記憶のことをいう。例えば、「じゃんけん」という文字を事前に見ていれば、「じ〇〇けん」という穴埋めを見たときに、「じゃんけん」と想起しすい。
1.× 「学習によって」ではなく、無意識に記憶されるもの。
2.× 健忘症候群では障害されない。健忘症候群とは、記銘力低下・追想障害・見当識障害・作話からなる症候群のことである。アルコール性の認知症であるコルサコフ症候群が代表例である。
3.〇 正しい。潜在記憶の1つである。
4.× 「短期記憶」ではなく、長期記憶に分類される。
5.× 「陳述記憶」ではなく、非陳述記憶の1つである。なぜなら、意識に上らない記憶のため。非陳述記憶とは、運動・技術など、意識に上らない記憶のことをいう。一方、陳述記憶とは、言語や知識などの意味記憶や、個人の思い出などのエピソード記憶など、言語化できる記憶のことをいう。
80 Eriksonによる幼児期の心理的発達課題はどれか。
1. 自律性の獲得
2. 勤勉性の獲得
3. 愛着関係の形成
4. 自我同一性の確立
5. 同年代との親密な関係の構築
解答1
解説
1.〇 正しい。自律性の獲得は、幼児期の心理的発達課題である。
2.× 勤勉性の獲得は、学童期の心理的発達課題である。
3.× 愛着関係の形成は、乳児期の心理的発達課題である。
4.× 自我同一性の確立は、成年期の心理的発達課題である。
5.× 同年代との親密な関係の構築は、学童期の心理的発達課題である。
乳児期(0歳~1歳6ヶ月頃):基本的信頼感vs不信感
幼児前期(1歳6ヶ月頃~4歳):自律性vs恥・羞恥心
幼児後期(4歳~6歳):積極性(自発性)vs罪悪感
児童期・学童期(6歳~12歳):勤勉性vs劣等感
青年期(12歳~22歳):同一性(アイデンティティ)vs同一性の拡散
前成人期(就職して結婚するまでの時期):親密性vs孤立
成人期(結婚から子供が生まれる時期):生殖性vs自己没頭
壮年期(子供を産み育てる時期):世代性vs停滞性
老年期(子育てを終え、退職する時期~):自己統合(統合性)vs絶望
80 Eriksonによる幼児期の心理的発達課題はどれか。
1. 自律性の獲得
2. 勤勉性の獲得
3. 愛着関係の形成
4. 自我同一性の確立
5. 同年代との親密な関係の構築
解答・解説
解答1
解説
1.〇 正しい。自律性の獲得は、幼児期の心理的発達課題である。
2.× 勤勉性の獲得は、学童期の心理的発達課題である。
3.× 愛着関係の形成は、乳児期の心理的発達課題である。
4.× 自我同一性の確立は、成年期の心理的発達課題である。
5.× 同年代との親密な関係の構築は、成人期の心理的発達課題である。
5は成人期ではなく、学童期ではないでしょうか!
いつも、勉強に利用させて頂いております。とても助かっています。ありがとうございます!
コメントありがとうございます。
ご指摘通り間違えておりました。
修正致しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。