第50回(H27) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題81~85】

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81 認知療法について正しいのはどれか。

1. 認知の歪みに働きかける。
2. 認知機能の改善効果がある。
3. 幼少期のこころの問題を主な対象とする。
4. 自動思考は無意識であるため同定しない。
5. 悲観的な思考を楽観的な思考に置き換える。

解答1

解説

1.〇 正しい。認知の歪みに働きかける。認知療法は、誤った、あるいは極端なものの見方(認知のゆがみ)に気づかせて、より適応的な見方に変えていこうとするものである。
2.× 認知機能の改善効果はない。認知機能は、記憶・注意の集中・行動の計画・計画の実行などの機能をいう。一方、認知療法でいう認知とは、ものの見方考え方をいう。
3.× 幼少期のこころの問題を主な対象とするのは、精神分析療法である。
4.× 自動思考(ある状況に置かれたときに自動的に浮かび上がってくる考え)は、「無意識であるため同定(注目)しない」のではなく、同定する。自動思考の内容は、認知の歪みによるものが多い。そのため、認知療法では、これに注目して(同定して)その歪みの修正を行い、症状の改善を図る。
5.× 悲観的な思考を楽観的な思考に置き換える必要はない。悲観的な思考の内容を検証し修正することまでは正しいが、楽観的な思考への置換まで行わない。

 

 

 

 

 

82 国際生活機能分類(ICF)で活動に含まれるのはどれか。

1. 嚥下
2. 歩行
3. 言語表出
4. 呼吸機能
5. 関節の可動性

解答2

解説

1.3.4.5.× 嚥下/言語表出/呼吸機能/関節の可動性は、心身機能・身体機能である。
2.〇 正しい。歩行は、活動である。活動とは、課題や行為の個人による遂行のことである。つまり、応用能力をさすものである。

 

 

 

 

83 脊髄損傷の感覚障害について正しいのはどれか。

1. 馬尾神経症候群ではみられない。
2. 中心性頸髄損傷では上肢より下肢に強い。
3. 脊髄円錐症候群では肛門周囲が障害される。
4. 前脊髄動脈症候群では位置覚が障害される。
5. Brown-Séquard症候群では病巣の反対側の位置覚が障害される。

解答3

解説

1.× 馬尾神経症候群でも感覚障害(会陰部や下肢)がみられる。
2.× 中心性頸髄損傷では、「上肢より下肢」ではなく、下肢より上肢に強い。なぜなら、下肢に比べて上肢の錐体路の方が脊髄中心近くを通るため。
3.〇 正しい。脊髄円錐症候群では、肛門周囲が障害される。脊髄円錐症候群とは、T12周囲の病変や障害により引き起こされる神経障害である。脊髄円錐には、L4以下の髄節が存在するため、それに応じた症状がみられる。肛門周囲の感覚はS4~5支配、肛門括約筋はS2~4レベル由来の陰部神経支配である。
4.× 前脊髄動脈症候群では、「位置覚」ではなく温痛覚が障害される。なぜなら、前脊髄動脈症候群では、後索は障害されないため。
5.× Brown-Séquard症候群(ブラウン・セカール症候群)では、病巣の反対側の「位置覚」ではなく、温痛覚が障害される。位置覚は、病巣と同側が障害される。

 

 

 

 

 

84 頭頂葉の病変で生じる症候はどれか。

1. 歩行失行
2. 視覚失認
3. Anton症状
4. Parkinson症状
5. Gerstmann症候群

解答5

解説

1.× 歩行失行は、一次運動野のある中心前回と中心後回を結ぶ線維の障害で、左右どちらの半球でも対側にみられる。歩行失行とは、肢節運動失行のひとつで、歩行開始時に床から足が離れない、歩行の踏み出しが拙劣なことをいう。
2.× 視覚失認は、後頭葉の障害でみられる。見えているものを認知識別できない。
3.× Anton症状(アントン症状)は、後頭葉の障害でみられる。目が見えないことを否認し、見えていると主張する症状である。
4.× Parkinson症状(パーキンソン症状)は、大脳基底核の障害などでみられる。
5.〇 正しい。Gerstmann症候群(ゲルストマン症候群)は、優位半球の頭頂連合野(角回)の障害により起こる。症状として、①手指失認、②左右失認、③失算、④失書などである。

 

 

 

 

 

85 我が国における平成23年以降の死因の第1〜3位の組合せで正しいのはどれか。

解答3

解説

平成25年の死因順位は、
1位:悪性新生物(※男性は肺癌、女性は大腸癌が一位)
2位:心疾患
3位:肺炎(女性では4位)
4位:脳血管疾患(女性では3位)

よって、選択肢3.悪性新生物・心疾患・肺炎が正しい。

(※参考:厚生労働省HPより「平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況」)

 

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