第50回(H27) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題61~65】

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61 神経線維の特徴で正しいのはどれか。

1. 脳の白質は無髄神経線維である。
2. 無髄神経線維はRanvier絞輪を有する。
3. 自律神経節後線維は有髄神経線維である。
4. 有髄神経線維は太いほど圧迫で障害を受けやすい。
5. 有髄神経線維の伝導速度は線維の直径と反比例する。

解答4

解説

1.× 脳の白質(髄質)は、「無髄神経線維」ではなく有髄神経線維である。髄鞘が存在する。一方で、脳の灰白質(皮質)は、神経細胞の細胞体があり無髄神経線維である。
2.× Ranvier絞輪(ランビエ絞輪)を有するのは、「無髄神経線維」ではなく有髄神経線維である。Ranvier絞輪(ランビエ絞輪)とは、有髄神経の髄鞘と髄鞘の間の軸索が露出している部分をいう。
3.× 自律神経節後線維は、「有髄神経線維」ではなく無髄神経線維である。
4.〇 正しい。有髄神経線維は太いほど圧迫で障害を受けやすい。
5.× 有髄神経線維の伝導速度は、線維の直径と「反比例」ではなく比例する。つまり、神経線維の直径が太ければ太いほど速くなる。

神経伝達物質

【アセチルコリン】
・交感神経の節前線維
・副交感神経の節前線維
・副交感神経の節後線維

ノルアドレナリン
・交感神経系の節後線維

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【共通問題のみ】脊髄(解剖)についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

62 折りたたみナイフ現象に関与する感覚神経線維はどれか。

1. Ⅰa
2. Ⅰb
3. Ⅱ
4. Ⅲ
5. Ⅳ

解答2

解説

 折りたたみナイフ現象は、上位運動ニューロン障害でみられる。他動的な筋の伸張に対し、はじめは強く抵抗を示すが、力が加えられ続けるとその抵抗が急激に減じる現象である。受動運動の速度で抵抗力が変わり、速く動かすほど抵抗も大きくなる。

 

1.× Ⅰaは、伸張反射の求心性線維である。
2.〇 正しい。Ⅰbは、腱紡錘に存在し、自己抑制に働く求心性線維である。
3.× Ⅱは、筋紡錘の求心性神経線維、感覚神経(触圧覚)の神経線維である。
4.× Ⅲは、感覚神経(温痛覚)の神経線維である。
5.× Ⅳは、感覚神経(痛覚)、自律神経節後線維である。

 

 

 

 

63 運動負荷による生体反応で誤っているのはどれか。

1. 脳血流は増加する。
2. 冠血流は増加する。
3. 肝血流は減少する。
4. 筋血流は増加する。
5. 皮膚血流は増加する。

解答1

解説

1.× 脳血流は、増加せずほぼ一定である。ちなみに、血圧もほぼ一定である。
2.〇 正しい。冠血流は増加する。なぜなら、心筋の酸素消費量の増加を伴うため。
3/4.〇 正しい。肝血流は減少する/筋血流は増加する。なぜなら、運動時は交感神経が興奮し、運動器系が血流を必要とするため。したがって、副交感神経優位である内臓の血流は相対的に減少する。
5.〇 正しい。皮膚血流は増加する。なぜなら、体温上昇を抑制するため。

 

 

 

 

 

64 組織液の還流で正しいのはどれか。

1. 肝障害では浮腫は生じない。
2. 組織液が過剰になった状態を浮腫という。
3. 組織液の90%が毛細リンパ管に流入する。
4. リンパ管内のリンパは主幹動脈に流入する。
5. 組織液中の高分子の蛋白はリンパ管より末梢血管に多く流入する。

解答2

解説

1.× 肝障害により浮腫を生じる。機序として、肝障害によりタンパク質の産生能力が低下する。そのため、膠質浸透圧が低下し浮腫が生じる。
2.〇 正しい。組織液が過剰になった状態を浮腫という。過剰となる主な原因として、血漿膠質浸透圧の低下や右心系への還流(かんりゅう:ながれること)障害等があげられる。それにより、組織液の産生・回収のバランスが崩れる。
3.× 組織液の80~90%が、「毛細リンパ管」ではなく静脈系に流入する。残り10~20%がリンパ系に回収される。
4.× リンパ管内のリンパは、「主幹動脈」ではなく静脈に流入する。右上肢・右頭頚部・右胸部からのリンパは右静脈角に、左右の両下肢・右胸部を除く体幹・左上肢のリンパは左静脈角にそそぐ。
5.× 組織液中の高分子の蛋白は、末梢血管よりリンパ管の方が多い。高分子蛋白をはじめとする大きな物質は、毛細血管壁を通過しにくい特徴である。そのため、リンパ系に回収される。リンパ液中の蛋白質量は、血漿中の約1/3となっている。

 

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65 血液中の血小板について誤っているのはどれか。

1. 寿命は約120日である。
2. 直径は2〜5μmである。
3. 骨髄系幹細胞から生成される。
4. 減少すると出血時間が延長する。
5. 20万/mm3は基準範囲内である。

解答1

解説

1.× 血小板の寿命は、「約120日」ではなく7~10日である。ちなみに、約120日の寿命は赤血球である。
2.〇 正しい。直径は2 〜5μmである。
3.〇 正しい。骨髄系幹細胞から生成される。骨髄系幹細胞から生成されるものは、①顆粒球系、②単球系(マクロファージ)、③赤血球系、④巨核球系(血小板)である。
4.〇 正しい。減少すると出血時間が延長する。なぜなら、血小板の働きは、血液の一時止血に関与するため。
5.〇 正しい。20万/mm3は基準範囲内である。血小板の基準値は、15~40万/mm3である。

 

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