第49回(H26) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題91~95】

 

91 間質性肺炎の特徴はどれか。

1. 単純エックス線写真ですりガラス陰影
2. 肺コンプライアンスの上昇
3. 水泡音の聴診
4. 横隔膜低位
5. 湿性の咳嗽

解答1

解説

間質性肺炎

肺機能検査(拘束性障害):肺が縮んでいく病態である。肺活量や全肺気量は低下する。また、間質の線維化によりガスの拡散能は低下し、動脈血酸素分圧も低下する。
単純X線写真:網状陰影・すりガラス陰影が特徴的である。

1.〇 正しい。単純エックス線写真では、間質性陰影(網状陰影、すりガラス陰影など)が認められる。
2.× 肺コンプライアンス(肺の膨らみやすさの指標)は、上昇ではなく低下する。なぜなら、間質性肺炎は拘束性肺障害のため。肺コンプライアンスとは、上昇肺胞内圧の単位圧上昇によって起こる肺容量の増加である。
3.× 水泡音ではなく、捻髪音(ねんぱつおん)が聴診される。捻髪音とは、細かい断続性ラ音である。水泡音とは、太い気管支に由来の粗い断続性ラ音である主に、慢性気管支肺水腫などで聴取される。
4.× 横隔膜は、低位ではなく挙上する。横隔膜低位は、慢性閉塞性肺疾患など、肺の過膨張を示す疾患でみられる.
5.× 湿性ではなく、乾性の咳嗽がみられる。乾性咳嗽とは、痰を伴わない咳である。胸膜・間質病変に多い。

 

 

 

 

 

92 腸重積の特徴はどれか。

1. 高齢者に多い。
2. 左側結腸に多い。
3. 腸雑音は亢進する。
4. 腸管の血流は保たれる。
5. 鼠径ヘルニアの嵌頓で起こる。

解答3

解説

 腸重積(ちょうじゅうせき)とは、0~2歳の乳幼児に発症する(腸が未熟なため起こる)ことが多いが、成人で起こる(腫瘍によるものが多い)こともある。 腸管の一部が後ろの腸管に引き込まれ、重なってしまう状態のこと。腸管の一部が隣接した腸管に入り込んでいる症状をイレウス症状と呼ぶ。しばしば、絞扼性イレウスに至る。初期には、狭窄により腸雑音はしばしば亢進するが、絞扼性イレウスにより壊死を来すと腸雑音は弱くなる。

 

1.× 高齢者ではなく、乳幼児(0~2歳)に多い。
2.× 左側結腸ではなく、回腸~回盲部に多い。
3.〇 正しい。重症化するまで腸雑音は亢進する。重症化し、絞扼性イレウスにより壊死を来すと腸雑音は弱くなる。
4.× 腸管の血流は不全となる。なぜなら、絞扼性イレウスが生じるため。
5.× 鼠径ヘルニアの嵌頓(かんとん:飛び出した腸がお腹に戻らなくなり、飛び出してくる穴で腸が締め付けられる状態)と腸重積は別の病態である。なぜなら、腸重積は、腸管がさらに肛門側の腸管に嵌入(かんにゅう:はまりこむこと)することで起こる。一方、鼠径ヘルニアとは、鼠径報帯上方で鼠径部に脱出するヘルニアのこと。

 

 

 

 

 

93 溶連菌感染と関連のあるのはどれか。

1. 猩紅熱
2. ガス壊疽
3. 帯状疱疹
4. 手足口病
5. 急性灰白髄炎

解答1

解説

溶連菌感染症とは、溶連菌(溶血性性連鎖球菌)という細菌に感染することによって、かぜ症候群と呼ばれる上気道感染症や皮膚の化膿を引き起こす感染症である。

溶連菌(溶血性連鎖球菌)は、細菌であり、
①化膿性連鎖球菌(A群β型連鎖球菌)は、猩紅熱、急性糸球体腎炎、リウマチ熱などの原因となる。
②B群連鎖球菌(GBS)は、新生児の髄膜炎、敗血症の原因となる。
③緑色連鎖球菌は、亜急性感染性心内膜炎(SBE)の原因となる。

1.〇 正しい。猩紅熱(しょうこうねつ)は、溶連菌感染に関連し、化膿性連鎖球菌(A群β型連鎖球菌)の毒素によるものである。2.× ガス壊疽は、クロストリジウム属(ウェルシュ菌など)の菌により起こるクロストリジウム性ガス壊疽と、他の細菌で起こる非クロストリジウム性ガス壊疽の2つに大別される。
3.× 帯状疱疹は、水痘帯状庖疹ウイルス(VZウイルス)が原因である。
4.× 手足口病は、エンテロウイルスコクサッキーウイルスなどが原因である。
5.× 急性灰白髄炎(ポリオ)は、ポリオウイルスが原因である。

 

 

 

 

 

94 糖尿病に合併しやすい疾患として誤っているのはどれか。

1. 白内障
2. 尿路結石
3. 脳血管障害
4. 虚血性心疾患
5. 閉塞性動脈硬化症

解答2

解説

1.〇 正しい。白内障は合併しやすい。なぜなら、糖尿病による血行障害により、水晶体への栄養も障害されるため。
2.× 尿路結石は、痛風などの高尿酸血症により来しやすい。
3.〇 正しい。脳血管障害は合併しやすい。なぜなら、糖尿病は脳血管障害の重要なリスク因子であるため。
4.〇 正しい。虚血性心疾患は合併しやすい。なぜなら、糖尿病は冠動脈硬化を来すことにより虚血性心疾患の重要なリスク因子であるため。虚血性心疾とは、患心臓に十分血がいきわたっていない状態である。
5.〇 正しい。閉塞性動脈硬化症は合併しやすい。なぜなら、糖尿病による血行障害で下肢の太い血管に起こるため。閉塞性動脈硬化症とは、足の血管の動脈硬化がすすみ、血管が細くなったり、つまったりして、充分な血流が保てなくなる病気である。

 

 

 

 

 

95 嚥下障害の病態と用いられる介入の組合せで正しいのはどれか。

1. 口腔期障害 ― 粘性の高い食物
2. 鼻咽腔閉鎖不全 ― Shaker(シャキア)法
3. 喉頭挙上筋筋力低下 ― 間欠的バルーン拡張法
4. 咽頭機能の左右差 ― 頸部回旋
5. 輪状咽頭筋弛緩不全 ― 軟口蓋挙上装置

解答4

解説

1.× 口腔期(口腔から咽頭へ食塊を送る相)障害は、粘性の高い食物(など)は送り込み困難であるため不適切である。口腔期(意識的に行う嚥下反射の始まりの相の)障害では、食事や嚥下に集中するよう環境を整えたり、うなずき嚥下(食塊を口に含んだのち一度上を向き咽頭に送り、素早く下を向いて嚥下する方法)などで対応する。
2.× 鼻咽腔閉鎖不全は、中咽頭と上咽頭の間にある括約筋の不完全な閉鎖であり、しばしば口蓋の解剖学的異常により発生し、開鼻声の原因となる。リハビリは、吹く(ブローイング)訓練(口から息を出す練習)などを行う。Shaker(シャキア)法(頭部拳上訓練)は、舌骨上筋群(喉頭挙上に関わる筋)の強化を行うことで喉頭の前方運動を改善していく訓練である。
3.× 喉頭挙上筋筋力低下は、Shaker(シャキア)法(頭部拳上訓練)を実施する。は、舌骨上筋群(喉頭挙上に関わる筋)の強化を行うことで喉頭の前方運動を改善していく訓練である。間欠的バルーン拡張法は、輪状咽頭筋弛緩不全食道狭窄に対する治療法である。食道入口部(輪状咽頭筋部)の最も狭い部分でバルーンの収縮と膨張を繰り返し、狭窄部を拡張する方法である。
4.〇 正しい。咽頭機能の左右差は、頸部回旋法(横向き嚥下)を用いる。頸部回旋法とは、横を向いて嚥下することで、横を向いた方と反対側の咽頭部が広くなり、食塊の通りをスムーズにする方法である。咽頭通過が不良な場合や咽頭残留が多い場合に用いられる代償的方法である。
5.× 輪状咽頭筋弛緩不全は、間欠的バルーン拡張法が用いられる。輪状咽頭筋は、喉を後下方に引き下げる働きを持つ。軟口蓋挙上装置は、軟口蓋の運動障害による鼻腔閉鎖不全が認められる患者に対して用いられる装置である。

 

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