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81 Rogersによるカウンセリングの方法はどれか。 2 つ選べ。
1. 自由連想
2. 抵抗分析
3. 来談者中心
4. 非指示的態度
5. 系統的脱感作法
解答3/4
解説
1.× 自由連想(患者の頭に浮かんだことを隠さずに自由に語ってもらい、無意識を意識化する技法のこと)は、フロイトが神経症性障害の精神分析に用いたものである。
2.× 抵抗分析は、精神分析における一つの技法でフロイトが提唱した。抵抗(治療抵抗)とは、心理的問題の解決のために治療者のもとを訪れたにもかかわらず、患者が治療過程が進むことを無意識的に拒んでしまうことをいう。抵抗分析とは、治療者がそれを解釈することで、患者の抵抗を克服しようとするものである。
3.4.〇 正しい。来談者中心/非指示的態度は、Rogers(ロジャース)によるカウンセリングの方法である。非指示的態度は、来談者中心療法でおこなうものである。クライエント(来談者)中心療法とは、治療者の傾聴と共感のもとに自ら洞察が得られるとする方法である。
5.× 系統的脱感作法は、ジョセフ・ウォルピが用いた方法である。系統的脱感作法とは、患者に不安を引き起こす刺激を順に挙げてもらい(不安階層表の作成)、最小限の不安をまず想像してもらう。不安が生じなかったら徐々に階層を上げていき、最終的に源泉となる不安が消失する(脱感作)ことを目指す手法である。
82 IADLに含まれるのはどれか。2つ選べ。
1. 移乗
2. 買い物
3. 整容
4. 洗濯
5. 排泄
解答2/4
解説
IADL(instrumental activities of daily living:日常生活関連動作)は、ADLの概念を自立した生活を営むためのより複雑かつ広範な動作にまで広げたものである。主なものとして、買い物や洗濯・掃除などの家事全般、金銭管理、服薬管理、外出時の乗り物の利用などがある。
1.3.5.× 移乗/整容/排泄は、ADL項目である。Barthel Indexの評価項目にもある。
2.〇 正しい。買い物/洗濯は、IADL項目である。
83 頸髄損傷患者でみられる脊髄ショック期の徴候はどれか。
1. 温痛覚解離
2. 腱反射亢進
3. 痙性四肢麻痺
4. 自律神経過反射
5. 肛門括約筋反射消失
解答5
解説
脊髄ショックとは、重度の脊髄損傷受傷後1日から3週間程度まで出現する。運動・感覚機能および脊髄反射がすべて消失し、自律神経機能も停止する症状が出る。
①肛門括約筋反射の消失
②膀胱・尿道の弛緩による完全尿閉
③神経原性の血管拡張による血液分布異常性ショック
④弛緩性麻痺
⑤深部腱反射・表在反射消失
1.× 温痛覚解離は、Brown–Séquard症候群(ブラウン・セカール症候群)で引き起こされる症状である。
2.× 腱反射は、「亢進」ではなく消失する。
3.× 「痙性四肢麻痺」ではなく弛緩性麻痺になる。
4.× 自律神経は、「過反射」ではなく消失する。
5.〇 正しい。肛門括約筋反射は消失する。それだけでなく、膀胱も弛緩し排尿が困難(完全尿閉)となる。
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【共通のみ】ショックについての問題「まとめ・解説」
84 一次予防はどれか。
1. 再発予防
2. 健康増進
3. 早期発見
4. 重症化予防
5. リハビリテーション
解答2
解説
疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼ぶ。
一次予防:「生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること」
二次予防:「健康診査等による早期発見・早期治療」
三次予防:「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」と定義している。(※健康日本21において)
1.× 再発予防は、三次予防である。
2.〇 正しい。健康増進は、一次予防である。
3.× 早期発見は、二次予防である。
4.× 重症化予防は、三次予防である。
5.× リハビリテーションは、三次予防である。
85 心不全で正しいのはどれか。
1. 左心不全では肝腫大をきたす。
2. 左心不全では頸静脈怒張がみられる。
3. 右心不全では肺動脈圧が上昇する。
4. 右心不全では下腿浮腫がみられる。
5. 脳性ナトリウム利尿ペプチドが低下する。
解答4
解説
- 左心不全:肺循環系にうっ血が著明。肺のうっ血による症状と全身の血圧低下が主体。
- 右心不全:体循環系にうっ血が著明。上下大静脈のうっ血が主体。右心不全の代表的な症状として、①頚静脈怒張、②下腿浮腫、③肝腫・黄疸、④肝頚静脈逆流、⑤Kussmaul徴候(クスマウル徴候:吸気時に頸静脈の怒張が顕著となること)
1.× 肝腫大(肝腫)は、「左心不全」ではなく右心不全できたす。
2.× 頸静脈怒張は、「左心不全」ではなく右心不全でみられる。
3.× 肺動脈圧の上昇は、「右心不全」ではなく左心不全でみられる。
4.〇 正しい。右心不全では、下腿浮腫がみられる。
5.× 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は、心不全をきたすと、「低下」ではなく上昇する。なぜなら、心不全が進行すると、心臓にかかる負荷が増加し、心筋からヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)が分泌されるため。したがって、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は、心不全の診断・予後や治療効果の判定に有用である。