第48回(H25) 理学療法士国家試験 解説【午前問題26~30】

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26 FIM について正しいのはどれか。

1.自記式評価法である。
2.機能障害の評価法である。
3.更衣は上半身と下半身に分けられる。
4.補装具を使用しても完全自立と判定する。
5.認知には「対人関係」という項目が含まれる。

解答3

解説

1.× 「自記式評価法(本人が記入するの)」ではなく、第三者が評価する。
2.× 「機能障害の評価法」ではなく、機能的自立度(しているADL)の評価である。機能障害の評価法とは、TMTなどの注意障害やファンクショナルリーチなどのバランス評価がそれにあたる。
3.〇 正しい。更衣は上半身と下半身に分けられる。
4.× 補装具を使用した場合、「完全自立(7点)」ではなく修正自立(6点)と判定する。
5.× 認知には、「対人関係」という項目が含まれない。含まれるものは、①社会的交流、②問題解決、③記憶である。

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【PT専門のみ】FIMについての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

27 老研式活動能力指標に含まれる項目で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.金銭管理
2.自動車運転
3.町内会活動
4.スポーツ活動
5.公共交通機関の利用

解答1/5

解説

老研式活動能力指標 (TMIG:Index of Competence)は、より高次の生活能力を評価するために開発された13項目の多次元尺度である。「手段的自立 (項目1~5)」、 「知的能動性 (項目6~9)」、「社会的役割(項目10~13)」の3つの活動能力を測定する。この尺度は、他の尺度にはあまり見られない「社会的役割」の活動能力を含み、在宅老人の生活機能の評価をより正確に行うことができる。

 

1.〇 正しい。金銭管理(請求書の支払いなど)は、「手段的自立」に含まれる。
2.× 自動車運転/町内会活動/スポーツ活動は、老研式活動能力指標 に含まれない
5.〇 正しい。公共交通機関の利用は、「手段的自立」に含まれる。

老研式活動能力指標

「手段的自立」
①バスや電車を使って一人で外出できますか
②日用品の買い物ができますか
③自分で食事の用意ができますか
④請求書の支払いができますか
⑤預貯金の出し入れが自分でできますか

「知的能動性」
⑥年金などの書類が書けますか
⑦新聞を読んでいますか
⑧本や雑誌を読んでいますか
⑨健康情報についての記事や番組に関心がありますか

「社会的役割」
⑩友人の家を訪ねることがありますか
⑪家族や友達の相談にのることがありますか
⑫病人を見舞うことがありますか
⑬若い人に自分から話しかけることがありますか

 

 

 

 

 

28 変形性股関節症に対して、前方アプローチで股関節を前外側に脱臼させて人工股関節置換術を行った。
術後に股関節の脱臼を最も誘発しやすい肢位はどれか。

1.屈曲、内転、内旋
2.屈曲、外転、外旋
3.伸展、内転、外旋
4.伸展、内転、内旋
5.伸展、外転、内旋

解答3

解説

脱臼肢位

前方アプローチ:伸展・内転・外旋

後方アプローチ:屈曲・内転・内旋

よって、選択肢3.伸展、内転、外旋が正しい。

 

 

 

 

 

29 膝関節前十字靱帯損傷で異常所見がみられるのはどれか。2つ選べ。

1.Lachman test
2.McMurray test
3.Thompson test
4.軸移動テスト(pivot shift test)
5.後方引き出しテスト(posterior drawer test)

解答1/4

解説

1.4.〇 正しい。Lachman test(ラックマンテスト)/軸移動テスト(pivot shift test:ピポットシフトテスト)は、膝前十字靭帯損傷を検査する。
2.× McMurray test(マックマリーテスト)は、半月板損傷を検査する。①背臥位で膝を完全に屈曲させ片手で踵部を保持する。②下腿を外旋させながら膝を伸展させたときに痛みやクリックを感じれば内側半月の損傷、下腿を内旋させながら膝を伸展させたときに生じるならば外側半月の損傷を示唆する。
3.× Thompson test(トンプソンテスト)は、アキレス腱断裂を検査する。
5.× 後方引き出しテスト(posterior drawer test)は、膝後十字靭帯を検査する。

 

 

 

 

 

30 外傷と合併しやすい神経障害の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.肩関節前方脱臼:肩甲上神経麻痺
2.上腕骨骨幹部骨折:橈骨神経麻痺
3.橈骨遠位端骨折:尺骨神経麻痺
4.股関節後方脱臼:坐骨神経麻痺
5.脛骨骨折:脛骨神経麻痺

解答2/4

解説

1.× 肩関節前方脱臼は、「肩甲上神経麻痺」ではなく腋窩神経麻痺を起こしやすい。
2.〇 正しい。上腕骨骨幹部骨折は、橈骨神経麻痺を起こしやすい。
3.× 橈骨遠位端骨折は、「尺骨神経麻痺」ではなく正中神経麻痺を起こしやすい。
4.〇 正しい。股関節後方脱臼は、坐骨神経麻痺を起こしやすい。
5.× 脛骨骨折は、「脛骨神経麻痺」ではなく腓骨神経麻痺を起こしやすい。

 

4 COMMENTS

大川 純一

コメントありがとうございます。
ご指摘通り間違えておりました。
修正致しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。

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匿名

29番目の問題の解答不適切だと思います。後方引き出しテストは後十字靭帯損傷を調べるものです。軸移動テストに関しても前十字靭帯損傷を調べるものです。

返信する
大川 純一

コメントありがとうございます。
ご指摘通り間違えておりました。
修正致しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。

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