第46回(H23) 作業療法士国家試験 解説【午後問題21~25】

 

21 呼吸器疾患の患者が安全に実施できる活動として正しいのはどれか。

1.木彫
2.切り絵
3.ビーズ手芸
4.木工鋸引き
5.アンデルセン手芸

解答2・3

解説
1.4.× 木彫/木工鋸引きは、呼吸器疾患患者に不向きである。なぜなら、細かい木の屑が飛び散り、呼吸器系に刺激となるため。木彫とは、木を彫刻刀やのみで削り、置物や箱など様々な物を作る作業である。また、木工鋸引きとは、鋸で木などをひき切ることである。
2~3.〇 正しい。切り絵/ビーズ手芸は、呼吸器疾患の患者が安全に実施できる活動である。
5.× アンデルセン手芸は、呼吸器疾患患者に不向きである。なぜなら、刺激臭の強い塗装液を塗り、呼吸器系に刺激となるため。ちなみに、アンデルセン手芸は、広告や古新聞・雑誌を用い、かごや小物入れ、アクセサリーなどを作ることである。

 

 

 

 

 

 

22 関節可動域測定で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.足部では回外と外転とを分けて測定する。
2.運動失調症患者では自動運動の可動域は測定できない。
3.深指屈筋短縮があると手関節背屈で指関節伸展の角度が減少する。
4.関節リウマチ患者では他動運動の可動域よりも自動運動の可動域の方が角度が大きい。
5.Danielsらの徒手筋力テストで段階2-(Poor-)では自動運動の可動域の角度が減少する。

解答3・5

解説
1.× 足部では回外と外転とを分けて測定することはない。なぜなら、足部回外という測定項目はないため。回外・内転・底屈を複合させた「内がえし」として評価する。
2.× 運動失調症患者でも、自動運動の可動域は測定できる。なぜなら、運動失調はスムーズな運動が行えないが自動運動可能であるため。
3.〇 正しい。深指屈筋短縮があると手関節背屈で指関節伸展の角度が減少する。深指屈筋の【起始】尺骨の内側面と前面、前腕骨間膜の一部、【停止】第2~5指末節骨底である。2関節筋であるため、深指屈筋の短縮があると手関節背屈で指関節伸展の角度が減少する。
4.× 逆である。関節リウマチ患者では「自動運動の可動域」よりも「他動運動の可動域」の方が角度が大きい。なぜなら、関節リウマチは、関節変形や炎症による腫脹、疼痛がおこるため。痛みなどによって自主的に関節可動域の制限を起こす。
5.〇 正しい。Danielsらの徒手筋力テストで段階2-(Poor-)では自動運動の可動域の角度が減少する。段階2は、「重力の影響を除けば、運動範囲の一部を動かすことのできる状態」のことである。運動範囲が一部であるため、自動運動の可動域の角度が減少する。

 

 

 

 

 

 

23 筋トーヌスを評価しているのはどれか。

1.Scarf(スカーフ)徴候
2.Gowers(ガワーズ)徴候
3.Uhthoff徴候
4.Froment徴候
5.Romberg徴候

解答

解説
1.〇 正しい。Scarf(スカーフ)徴候は、筋トーヌスを評価している。筋トーラスの低下により患児の上肢が、首にぴったり巻きつく現象である。
2.× Gowers(ガワーズ)徴候(登はん性起立)は、床から起立する時、まず床に手をついて、お尻を高くあげ、次にひざに手をあてて、手の力を借りて立ち上がる。デュシェンヌ型筋ジストロフィーでみられる。
3.× Uhthoff徴候(ユートホフ現象)は、入浴や運動、発熱などによって体温が上がると、一時的に症状が悪化する現象である。多発性硬化症にみられる。
4.× Froment徴候(フローマン徴候)は、尺骨神経麻痺のときに母指の内転ができなくなり、母指と示指で紙片を保持させると母指が屈曲位をとることである。
5.× Romberg徴候(ロンベルグ徴候)は、被験者に足をそろえ、目を閉じて直立する検査で、陽性(閉眼時)では、脊髄性障害(脊髄癆)では動揺が大きくなる。ちなみに、開眼時・閉眼時ともに動揺がみられる場合は小脳障害を考える。

多発性硬化症とは?

 多発性硬化症は、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴である。病変部位によって症状は様々であるが、視覚障害(視神経炎)を合併することが多く、寛解・増悪を繰り返す。視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等であり、病変部位によって異なる。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)の他にも、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。若年成人を侵し再発寛解を繰り返して経過が長期に渡る。視神経や脊髄、小脳に比較的強い障害 が残り ADL が著しく低下する症例が少なからず存在する長期的な経過をたどるためリハビリテーションが重要な意義を持つ。

(参考:「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」厚生労働省様HPより)

 

 

 

 

 

24 外傷と障害される関節との組合せで正しいのはどれか。

1.Monteggia骨折:肩関節
2.Galeazzi骨折:遠位橈尺関節
3.Barton骨折:肘関節
4.Bennett骨折:DIP関節
5.Mallet指:PIP関節

解答

解説
1.× Monteggia骨折(モンテジア骨折)は、肩関節ではなく「尺骨骨幹部の骨折+橈骨頭の脱臼」である。手をついて転倒・転落した際、前腕回内力が作用することで起こりやすい。
2.〇 正しい。Galeazzi骨折(ガレアッチ骨折)は、遠位橈尺関節である。橈骨骨幹部と尺骨遠位端脱臼が組み合わさったもので、その他にも、橈骨遠位端骨折であるColles骨折(コーレス骨折:手掌をついて転倒しフォーク変形する)やSmith骨折(スミス骨折:手背をついて転倒し、遠位骨片が手掌側へ転移がみられる)などがあげられる。
3.× Barton骨折(バートン骨折)は、肘関節ではなく「橈骨遠位部の関節内骨折」である。遠位部骨片が手根管とともに背側もしくは掌側に転位しているものをいう。それぞれ背側Barton骨折・掌側Barton骨折という。
4.× Bennett骨折(ベネット骨折)は、DIP関節ではなく「母指の中手手根関節部の脱臼骨折」である。
5.× Mallet指(槌指)は、PIP関節ではなく「 DIP関節」である。槌指は、DIP関節の過屈曲によりDIP関節の伸筋腱の断裂で起こる。DIP関節が曲がったままで痛みや腫れがあり、自動伸展は不能で、自分で伸ばそうと思っても伸びない。しかし、他動伸展は可能である。

 

 

 

 

 

 

25 改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST-R)で、テスト項目と75%通過となる月齢の組合せで正しいのはどれか。

1.ビスケットを食べる:4~5か月
2.声の方に振り向く:7~8か月
3.積み木を持ちかえる:9~10か月
4.バイバイをする:10~12か月
5.コップから飲む:16~17か月

解答

解説


1.× ビスケットを食べるのは、4~5か月ではなく「6~7か月」である。
2.× 声の方に振り向くのは、7~8か月ではなく「4~5か月」である。
3.× 積み木を持ちかえるのは、9~10か月ではなく「7~8か月」である。
4.〇 正しい。バイバイをするのは、10~12か月である。
5.× コップから飲むのは、16~17か月ではなく「14~15か月」である。

 

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