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46 摂食障害者の作業場面で問題となるのはどれか。
1.強迫性
2.効率性
3.粘着性
4.持続性
5.完成度
解答1
解説
摂食障害には、①神経性無食症、②神経性大食症がある。共通して肥満恐怖、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤の使用抑うつの症状がみられる。作業療法場面での特徴として、過活動、強迫的なこだわり、抑うつ、対人交流の希薄さ、表面的な対応がみられる。患者の性格として、細かい数値へのこだわり(①体重のグラム単位での増減、②この食べ物はあの食べ物より〇カロリー多いなど)がみられる。
【摂食障害の作業療法のポイント】
①ストレス解消、②食べ物以外へ関心を向ける、③自信の回復(自己表出、他者からの共感、自己管理)、④過度の活動をさせない、⑤身体症状、行動化に注意する。
【性格的特徴】
①強情、②負けず嫌い、③執着心が強い、③極端な行動に及びやすい。
1.〇 正しい。強迫性は、摂食障害者の作業場面で問題となる。摂食障害には、①神経性無食症、②神経性大食症がある。共通して肥満恐怖、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤の使用抑うつの症状がみられる。作業療法場面での特徴として、過活動、強迫的なこだわり、抑うつ、対人交流の希薄さ、表面的な対応がみられる。患者の性格(強迫的なこだわり)としては、細かい数値へのこだわり(①体重のグラム単位での増減、②この食べ物はあの食べ物より〇カロリー多いなど)がみられる。食べ物以外へ関心を向けるよう作業療法士がアプローチする。
2.× 効率性の変化はみられにくい。効率性(要領)が低下しているものとして、主にAspergar症候群や注意欠陥多動性障害(ADHD)などでみられる。
3.× 粘着性(しつこさ)の変化はみられにくい。ちなみに、てんかんの病前性格において、粘着性が向上する。
4.× 持続性の変化はみられにくい。主に持続性という単語は、注意障害に用い、注意を一定時間の状態に保つことが困難になることをさす。
5.× 完成度は、摂食障害者の作業場面で問題となるのではなく「作業内容の選択そのもの」が問題となっている。性格的特徴は、①強情、②負けず嫌い、③執着心が強い、③極端な行動に及びやすい。完璧主義である場合が多く、完成度にこだわりすぎる様子が観察されることがある。したがって、工程がはっきりしていたり、短期間で完成でき、安全で受身的で非競争的であるものを選択する。
発作が起こる前に怒りっぽくなるなどの症状や、発作の症状として精神症状があらわれることがある。精神症状の多くは複雑部分発作の際にみられる。さらに、発作後に不安感や興奮状態などがみられることもある。
【てんかんに関連した精神症状】
・意識障害:意識が変わる(意識変容)、もうろうとする、意識が混濁する。
・感情障害:不機嫌になる、怒りっぽくなる(爆発性)。
・性格変化:まわりくどくなる(迂遠、冗漫)、しつこくなる(粘着性)。
・精神病様状態:幻覚がみえる、妄想てきになる。
・行動異常:無意味な動作を繰り返す(自動症)、異常な行動、暴力的、犯罪。
47 境界性人格障害の患者に対する作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.集団作業への参加を促す。
2.柔軟な枠組みを提供する。
3.主観的体験内容を把握する。
4.攻撃衝動の適応的発散を促す。
5.退行を促進するようにかかわる。
解答3・4
解説
境界性パーソナリティ障害では、感情の不安定性と自己の空虚感が目立つ。こうした空虚感や抑うつを伴う感情・情緒不安定の中で突然の自殺企図、あるいは性的逸脱、薬物乱用、過食といった情動的な行動が出現する。このような衝動的な行動や表出される言動の激しさによって、対人関係が極めて不安定である。見捨てられ不安があり、特定の人物に対して依存的な態度が目立ち、他社との適切な距離が取れないなどといった特徴がある。
【関わり方】
患者が周囲の人を巻き込まないようにするための明確な態度をとる姿勢が重要で、また患者の自傷行為の背景を知るための面接が必要である。
1.× 「集団作業への参加」ではなく「個人作業」を促す。なぜなら、集団内で不適切な行動が露呈する可能性が高いためである。
2.× 「柔軟な枠組み」ではなく「規定された枠組み」を提供する。なぜなら、要求が次第にエスカレートする可能性があるため。治療の枠組みをしっかり作って、過度に依存的な関係を作らないことが重要である。それを超える欲求に対しては応じないことが必要である。
3.〇 正しい。主観的体験内容を把握する。表出される言動が激しく、突然反抗や非難に転じることが特徴的である。そのような心的状態や主観的体験内容を把握し共感的に理解する。ただし、患者の言葉を傾聴するのは重要であるが、本人の言い分に過剰に肩入れしすぎないように注意が必要である。
4.〇 正しい。攻撃衝動の適応的発散を促す。衝動性は適応的に発散させ、衝動の統制を行うことができるようにする必要がある。身体運動や表現活動などによって、衝動の作業療法内での発散(適応的発散)を促す。
5.× 退行を促進するようにかかわる優先度は低い。なぜなら、退行を許容するとさらに歯止めが利かなくなり症状が悪化するため。多少退行していることが多く、そのため依存や欲求不満、衝動行動がみられる。治療の枠組みをしっかり作って、過度に依存的な関係を作らないことが重要である。
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48 注意欠陥多動性障害の特徴でないのはどれか。
1.男児に多い。
2.虐待の誘因となる。
3.感情的で攻撃的になる。
4.学業不振が問題となる。
5.注意障害は学童期までに改善する。
解答5
解説
注意欠陥多動性障害(ADHD)とは、発達障害の一つであり、脳の発達に偏りが生じ年齢に見合わない①注意欠如、②多動性、③衝動性が見られ、その状態が6ヵ月以上持続したものを指す。その行動によって生活や学業に支障が生じるケースが多い。治療として、①まず、行動療法を行う。②改善しない場合は、中枢神経刺激薬による薬物療法を用いる。中枢を刺激して、注意力・集中力を上げる。※依存・乱用防止のため、徐放薬が用いられる。
1.〇 男児に多い。男女比はおよそ3:1である。
2.〇 虐待の誘因となる。対人関係面で周囲との軋轢を生じやすく、大人からの叱責や子どもからのいじめにあうことがある。このため、二次障害として、自信喪失、自己嫌悪、自己評価の低下がみられることがある。そのため、患児の行動特徴を周囲が理解し、適切に支援をしていくことが重要である。 サポートが良ければ、成長とともに過半数は改善していく。放置すると、思春期に感情障害、行為障害、精神病様状態に陥りやすい。
3.△ 感情的で攻撃的になるとは一概にいいにくい。成長に伴い、適切なサポートを受けられなかった場合、①積極的に爆発させるか、②消極的に引きこもるかという2通りになることが多い。衝動性が増悪することによって、「感情的で攻撃的」になることもあるがまれである。※もっと詳しく分かる方や補足説明ありましたらコメント欄にてご教授ください。
4.〇 学業不振が問題となる。なぜなら、授業中にじっと座っていられなかったり、宿題があること自体を忘れたりするため。
5.× 注意障害は学童期までに改善するとはいえない。青年期以降は、多動性は目立たなくなる。多動性は成人までに改善することが多い。ちなみに、衝動性や不注意は持統することが多い。
49 作業療法中に瞬間的に全身がビクッとするようなけいれんが起こったが意識は保たれている。
このてんかん発作はどれか。
1.脱力発作
2.欠神発作
3.複雑部分発作
4.Jackson型発作
5.ミオクロニー発作
解答5
解説
1.× 脱力発作とは、数秒間全身の筋緊張が低下するものをいい、転倒する場合がある。ミオクロニー脱力発作ともいい、突然全身あるいは一部の筋の収縮が起こるもので、意識障害は伴わない。Lennox-Gastaut症候群(レノックス・ガストー症候群)は、3~5歳で発症し、急に四肢が硬くなり脱力発作が起こる。知的障害を伴う。
2.× 欠神発作は、てんかん発作の全般発作に分類される。「突然の動作停止、数秒間ボートする」のが特徴である。虚空(こくう:何もない空間)を注視する。
3.× 複雑部分発作とは、身体の一部に生じる短時間の無目的な動きがみられ、意識障害を伴うものをいう。
4.× Jackson型発作は、部分性単純発作に分類され、焦点運動発作が身体の一部に起こり、これが大脳隣接部分に次々に波及して身体部位に発作が進行していく。予後は比較的良好で、知能は正常である。
5.〇 正しい。ミオクロニー発作である。ミオクロニー発作とは、きわめて短時間に一つの筋、あるいはいくつかの筋群に攣縮が生じるものをいう。本症例の「作業療法中に瞬間的に全身がビクッとするようなけいれんが起こったが意識は保たれている」のと症状は合致する。
50 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)が規定する入院形態で誤っているのはどれか。
1.措置入院は市町村長の許可が必要になる。
2.任意入院は本人の同意に基づき入院する。
3.医療保護入院は保護者の同意が必要になる。
4.医療保護入院は精神保健指定医の診察が必要である。
5.患者が未成年者の場合には親権を行う者が保護者になる。
解答1
解説
1.× 措置入院は、市町村長の許可が必要ない。自傷他害のおそれのある患者に対して、2名の精神保健指定医が入院の必要性を認めた場合に入院させることができる。都道府県知事または政令指定都市の市長の命令による。
2.〇 任意入院は、本人の同意に基づき入院する。本人の同意に基づく入院で、本人から退院の申出があれば、退院させなければならない。
3~4.〇 医療保護入院は、保護者の同意/精神保健指定医の診察が必要になる。本人の同意がなくても、1名の精神保健指定医が入院の必要性を認めれば、保護者の同意で入院させることができる。
5.〇 患者が未成年者の場合には、親権を行う者が保護者になる。患者が未成年者の場合には親権を行う者(親権者:父母、養親)や後見人(未個人成年後見人)が保護者となる。