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21 疾患と作業種目との組合せで適切なのはどれか。
1.呼吸器疾患:木工
2.関節リウマチ:タイルモザイク
3.Parkinson病:毛糸のかぎ針編み
4.脊髄小脳変性症:卓球
5.筋萎縮性側索硬化症:パソコン
解答5
解説
1.× 木工は、呼吸器疾患には不向きである。なぜなら、のこぎりの使用などで木の屑が飛び散り呼吸器系への刺激となるため。
2.× タイルモザイクは、関節リウマチには不向きである。なぜなら、関節保護のため。タイルモザイクは、金槌でタイルを割り、小さくしたタイルを張り付けていく作業で、手指の巧緻性や筋力が必要である。
3.× 毛糸のかぎ針編みは、Parkinson病には不向きである。なぜなら、毛糸のかぎ針編みは運動範囲が狭く、巧緻性を必要とするため。また、Parkinson病は、安静時振戦に加え、前傾姿勢を取りやすい。Parkinson病は全身運動が望ましい。
4.× 卓球は、脊髄小脳変性症には不向きである。なぜなら、運動失調があるため。転倒の危険性も含まれる。
5.〇 正しい。パソコンは、筋萎縮性側索硬化症でも使用できる。構音障害によるコミュニケーション能力の代償手段にも活用できる。筋萎縮性側索硬化症は、眼球運動は残存するため視線入力装置を介しての環境制御装置の操作が可能である。環境制御装置とは、わずかな随意機能でセンサーやスイッチを作動させ、家電やパソコンなど複数の装置を制御できるようになっているものである。
脊髄小脳変性症とは、運動失調を主症状とし、原因が、感染症、中毒、腫瘍、栄養素の欠乏、奇形、血管障害、自己免疫性疾患等によらない疾患の総称である。遺伝性と孤発性に大別され、①純粋小脳型(小脳症状のみが目立つ)と、②多系統障害型(小脳以外の症状が目立つ)に大別される。脊髄小脳変性症の割合として、孤発性(67.2%)、常染色体優性遺伝性(27%)、が常染色体劣性遺伝性(1.8%)であった。孤発性のものの大多数は多系統萎縮症である。(※参考:「18 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く。)」厚生労働省様HPより)
多系統萎縮症とは、成年期(多くは40歳以降)に発症し、進行性の細胞変性脱落をきたす疾患である。①オリーブ橋小脳萎縮症(初発から病初期の症候が小脳性運動失調)、②線条体黒質変性症(初発から病初期の症候がパーキンソニズム)、シャイ・ドレーカー症候群(初発から病初期の症候が自律神経障害であるもの)と称されてきた。いずれも進行するとこれら三大症候は重複してくること、画像診断でも脳幹と小脳の萎縮や線条体の異常等の所見が認められ、かつ組織病理も共通していることから多系統萎縮症と総称されるようになった。(※参考:「17 多系統萎縮症」厚生労働省様HPより)
22 Borg指数で正しいのはどれか。
1.5段階で評価する。
2.本人の主観で表す。
3.呼吸数と相関する。
4.安静臥位で評価する。
5.評価の上限は65歳である。
解答2
解説
修正Borg指数は、自覚的運動強度の指標である。修正Borg指数は、運動したときのきつさを数字と簡単な言葉で表現し、標準化したもので20段階にて評価する。ちなみに、新Borg指数は10段階で評価し、0~10の数字で表し、0に近づくと楽と感じ、10に近づくときついという解釈になる。4~5が運動の目安となり、7~9が運動の中止基準となる。
1.× 「5段階」ではなく「20段階」で評価する。旧Borg指数は20段階、新Borg指数は10段階で評価する。
2.〇 正しい。本人の主観で表す。自覚的運動強度の指標である。
3.× 呼吸数との相関はない。心拍数との相関が認められる。
4.× 安静臥位に限っての評価ではない。運動前の比較のため安静臥位でも評価は行うが、主に運動中の自覚症状を評価する。
5.× 評価の上限は、「65歳と決まっている」わけではなく、年齢の制限はない。
23 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.母指掌側外転は橈骨外側面に基本軸を置く。
2.中手指節関節屈曲は中手骨に基本軸を置く。
3.中手指節関節外転は橈骨延長上に基本軸を置く。
4.母指橈側外転は橈骨延長上の示指に基本軸を置く。
5.母指対立は母指先端と示指基部との距離で表示する。
解答2・4
解説
1.× 母指掌側外転の基本軸は、「橈骨外側面」ではなく「示指 (橈骨の延長上) 」である。ちなみに、【移動軸】母指、【測定部位及び注意点】運動は手掌面に直角な面とする。
2.〇 正しい。中手指節関節(MP関節)屈曲は中手骨に基本軸を置く。ちなみに、【移動軸】第2~5基節骨、【測定部位及び注意点】DIPは10°の過伸展を取りうる。
3.× 中手指節関節外転は、「橈骨延長上」ではなく「第3中手骨延長線」に基本軸を置く。ちなみに、【移動軸】第2,4,5指軸、【測定部位及び注意点】中指の運動は橈側外転、尺側外転とする。
4.〇 正しい。母指橈側外転は橈骨延長上の示指に基本軸を置く。ちなみに、【移動軸】母指、【測定部位及び注意点】運動は手掌面とする以下の手指の運動は、原則として手指の背側に角度計を当てる。
5.× 母指対立は、「母指先端と示指基部との距離」ではなく「母指先端と小指基部(または先端)との距離(㎝)」表示する。
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24 手指の感覚検査で正しいのはどれか。
1.50℃を温かく感じれば温覚は正常である。
2.20g加重で痛みを感じれば痛覚は正常である。
3.動的2点識別値が7mmであれば正常である。
4.Dellonの物体識別検査ではコルクなどの材質を閉眼で呼称させる。
5.Mobergのピックアップ検査では1分間で移動できた日常物品の数を評価する。
解答1
解説
1.〇 正しい。50℃を温かく感じれば温覚は正常である。ちなみに、冷覚は10℃で検査をする。これらを感じない場合には、0℃と60℃で検査を行い、感じることができれば鈍麻、感じることができなければ脱失と判定する。
2.× 20g加重で痛みを感じれば痛覚は、正常ではなく「鈍麻」である。10gの加重:正常、10g以上20g未満:鈍麻、20gでも痛みを感じない場合:脱失と判定する。ちなみに、8g以下で痛みを感じる場合は過敏と判定する。
3.× 動的2点識別値が7mmであれば正常である。動的2点識別覚検査では、45歳以下は3mmより狭ければ正常で、46歳以上は4mmより狭ければ正常である。動的2点識別覚は、指の長軸に直角に二点当てて、指腹中央から指先にかけて動かして検査する。
4.× コルクなどの材質を閉眼で呼称させるのは、Dellonの物体識別検査ではなく「触覚失認」の検査である。ちなみに、Dellon(デロン)の物体識別検査は、ディスク・クリミネーター(デロン2点識別計)を使用して、器具自体の重さを利用し、一定の圧力で検査するものである。
5.× Mobergのピックアップ検査では、「1分間」という時間制限は設定されていない。Moberg(読み方:モバーグ)のピックアップ検査は、物体識別を評価する。他にも、手指の知覚機能と運動機能の総合的な評価が可能でスクリーニング検査として使用されている。検査物品は、日常使用物品10個、容器、ストップウォッチで可能である。日常的に身近な物品10品目を10cm程度離れたトレーの中に出来るだけ速く移す。測定は開眼健側、開眼患側、閉眼健側、閉眼患側の順で行い、閉眼と開眼、健側と患側の時間差によって知覚運動機能の問題をみる。評価基準:障害程度=「麻痺側(閉眼時−開眼時)」−「非麻痺側の(閉眼時−開眼時」で求められる。ちなみに、正常値(閉眼時−開眼時)は物品10個で5〜8秒である。*開眼時は運動機能を、閉眼時は知覚機能を見ている。
25 FIMで2点はどれか。
1.更衣・上半身:シャツを着せてもらう際に身体を前に傾けて協力する。
2.階段:車椅子使用者がエレベーターを用いて自立している。
3.排尿管理:人工透析を受けていて自尿はない。
4.表出:単語のみを用いて基本的欲求を表現する。
5.社会的交流:夜間せん妄によって毎晩同室者が眠れない。
解答4
解説
1.× 更衣・上半身:シャツを着せてもらう際に身体を前に傾けて協力する(25%未満:全介助)のは1点である。上半身は、衣服を「かぶる」「片袖を通す」「もう一方の袖を通す」「衣服を引きおろす」の4つの動作のうちどれくらい自分でできるか評価する。「身体を前に傾ける」協力動作は、更衣動作とはいえない。
2.× 階段:車椅子使用者がエレベーターを用いて自立している(25%未満:全介助)のは1点である。エレベーターの使用は評価対象外となる。
3.× 排尿管理:人工透析を受けていて自尿はない(25%未満:全介助)のは1点である。人工透析を受けていて自尿はない場合は評価対象外となる。
4.〇 正しい。表出:単語のみを用いて基本的欲求を表現する(50%未満:最大介助)のは2点である。表出の評価範囲は、自分の欲求や考えを相手に「①どのくらい伝わっているか」「②聞き取るためにどのくらい配慮が必要か」で評価する。表出の介助(配慮)とは、ゆっくり話させる、繰り返させる、わかりやすく言い直させる、間を置かせる、視覚またはジェスチャーなどを利用すること。表出において、単語、ジェスチャー、 yes/no は2点である。
5.× 社会的交流:夜間せん妄によって毎晩同室者が眠れない(25%未満:全介助)のは1点である。社会的交流では、家族やスタッフ、他の患者様と適切に交流しているか、集団へ参加しているかを評価する。
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