第45回(H22) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題76~80】

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76.糖尿病で正しいのはどれか。

1.膵臓からのインスリンの分泌亢進によって起こる。
2.糖尿病性腎症では血尿が特徴的である。
3.診断のために軽口ブドウ糖負荷試験を行う。
4.血糖値が正常ならば尿糖陽性にならない。
5.HbA1Cはインスリン抵抗性の指標になる。

解答3

解説

経口ブドウ糖負荷試験とは?

経口ブドウ糖負荷試験は、糖尿病の診断方法のひとつ。糖尿病が疑われる患者に対し、10時間の絶食後に一定量のブドウ糖水溶液を短時間で飲んでもらい、意図的に一時的な高血糖を誘発させ一定時間経過後の血糖値の値から、糖尿病が存在するかどうかを判断する方法である。血糖が200mg/dl以上などの明らかな糖尿病所見がなく判定困難な場合には、診断のための検査として経口ブドウ糖負荷試験を行う。

1.× 膵臓からのインスリンの「分泌亢進」ではなく「分泌低下」によって起こる。他にも、インスリン抵抗性の亢進によって引き起される糖代謝異常である。
2.× 糖尿病性腎症では、「血尿」ではなく蛋白尿が特徴的である。他にも、腎臓の機能が低下するため、乏尿、貧尿が特徴である。この際、血尿は伴わない。
3.〇 正しい。診断のために軽口ブドウ糖負荷試験を行う。経口ブドウ糖負荷試験は、糖尿病の診断方法のひとつ。糖尿病が疑われる患者に対し、10時間の絶食後に一定量のブドウ糖水溶液を短時間で飲んでもらい、意図的に一時的な高血糖を誘発させ一定時間経過後の血糖値の値から、糖尿病が存在するかどうかを判断する方法である。血糖が200mg/dl以上などの明らかな糖尿病所見がなく判定困難な場合には、診断のための検査として経口ブドウ糖負荷試験を行う。
4.× 血糖値が正常でも尿糖陽性となることもある。腎臓の糖排泄閾値が低下すると、血糖値は正常でも尿糖が出現する。これを腎性尿糖という。
5.× HbA1Cは、「インスリン抵抗性」ではなく、長期間(1~2ヵ月間)の血糖値コントロール状況の指標になる。HbA1Cは、ヘモグロビンのアミノ基とブドウ糖が結合したものである。HbA1Cは、ヘモグロビンの生体内における平均寿命(約120日)の半分程度、すなわち、過去1〜2ヶ月の血糖状態を表すため、血糖値よりも正確な血糖状態を評価することができる。

 

 

 

 

 

 

77.慢性閉塞性肺疾患で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.喫煙は危険因子である。
2.片肺に発症することが多い。
3.肺気腫では肺胞の破壊を特徴とする。
4.肺の換気時の気道抵抗が低下している。
5.酸素取り込みよりも二酸化炭素排出が阻害されやすい。

解答1.3

解説

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは?

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は気流制限を特徴とし、①肺気腫、②慢性気管支炎の総称である。つまり、気流閉塞により肺過膨張となり、肺胞の破壊や毛細血管の減少などが生じてガス交換能が障害される。40歳以上の8〜9%が罹患しているといわれる。気腫性変化が進む気腫優位型 (肺気腫)と中枢気道の病変が進行した気道病変優位型(慢性気管支炎)がある。安静時でも、呼吸によって使われるエネルギー量が、普通の人よりも15~25%も高くなるため、体重低下や栄養不足になるリスクが高くなる。また、食事中に息切れしたり、疲れを感じたりすることで、食べる量が少なくなるケースもみられる。一昔前は、呼吸商との関連により、高脂肪食が勧められたが、現在では否定されている。ただ、脂肪が全カロリーの40%を超えるような高脂肪食では、下痢やお腹の不快感などを引き起こすことがあるので注意が必要である。逆に、脂肪の摂取が全カロリーの20%になるような低脂肪食は、二酸化炭素の生産を増やしてしまったり、必要な必須脂肪酸が不足してしまったりするので、注意が必要である。つまり、高・低脂肪食は避け、バランスのよい食事が必要である。

1.〇 正しい。喫煙は危険因子である。発症には遺伝子的素因も関わってくるが、危険因子には①患者側の内因性危険因子と②外因性危険因子(喫煙、環境汚染や粉塵など)がある。 喫煙は最大の危険因子である。なぜなら、喫煙による肺の炎症の結果、構築変化(肺気腫)が起こるため。
2.× 「片肺」ではなく両側性に発症することが多い。
3.〇 正しい。肺気腫では肺胞の破壊を特徴とする。肺気腫とは、終末気管支より末梢の気腔が異常に拡大し、肺胞壁の破壊を伴うが、明らかな線維化は認められない状態のことである。
4.× 肺の換気時(特に呼気時)の気道抵抗が、「低下」ではなく増加している。なぜなら、気道の閉塞がおこるため。したがって、呼吸補助筋に健常者よりも負荷がかかる結果の代償作用や肺の過膨張により、ビア樽様の体型になる。
5.× である。二酸化炭素排出よりも酸素取り込みが阻害されやすい。なぜなら、肺胞の表面積が小さくなるため。

 

 

 

 

78.正しい組合せはどれか。

1.Freud:普遍的無意識
2.Jung:オペラント条件付け
3.Piaget:来談者中心療法
4.Rogers:自由連想法
5.Winnicott:移行対象

解答5

解説
1.× Freud(フロイト)は、精神分析の創始者であり、自由連想や精神・性的な発達理論、人格形成などである。自由連想とは、患者の頭に浮かんだことを隠さずに自由に語ってもらうことで、無意識のうちに抑制されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせることである。ちなみに、普遍的無意識はJung(ユング)である。
2.× Jungは、精神病者の妄想などを神話、夢と比較して研究して、それらの共通点を多く見出し、人類共通の無意識である「集合的無意識(普遍的悪意ともいう)」の存在を提唱した。ちなみに、オペラント条件付けはSkinner(スキナー)である。オペラント条件付けとは、行動療法のもとになる学習理論である。
3.× Piaget(ビアジェ)は、発達心理学者であり、「発生的認識論」とよばれる精神発達論を提唱した。認知機能の発達についての理論である。ちなみに、来談者中心療法はRogers(ロジャース)である。
4.× Rogers(ロジャース)は、来談者中心療法を創始した人物である。来談者中心療法とは、治療者が来談者(クライアント)を権威で従属させることなく、来談者自らが洞察を得られるように導くよう話を聞く手法である。適応は、神経症性障害である。ちなみに、自由連想法(精神分析療法)はFreud(フロイト)である。
5.〇 正しい。Winnicott(ウイニコット)は、移行対象(過渡対象)である。小児科医であり精神分析家である。子どもが母親から精神的に離れる際に、ぬいぐるみや枕を母親の代理物としていつもそばに置いて分離の不安に耐える段階がある。この現象を移行現象といい、ぬいぐるみなどを移行対象という。乳幼児が特別の愛着を寄せるようになる、毛布、タオル、ぬいぐるみなど、おもに無生物の対象をいう。

 

 

 

 

 

79.自転車の乗り方などの熟練に関連する記憶はどれか。

1.エピソード記憶
2.プライミング
3.手続き記憶
4.展望記憶
5.意味記憶

解答3

解説
1.× エピソード記憶は、自分の生活史や思い出など、自分の過去の経験を伴う記憶をいう。
2.× プライミング記憶(入れ知恵記憶)とは、以前に入力された情報が無意識に記憶され、その後の認識などの脳機能に影響を与える記憶のことをいう。例えば、「じゃんけん」という文字を事前に見ていれば、「じ〇〇けん」という穴埋めを見たときに、「じゃんけん」と想起しすい。
3.〇 正しい。手続き記憶は、自転車の乗り方などの熟練に関連する記憶である。「体で覚える」記憶で、スポーツ技能の習得である。言語的表現が困難な記憶である。
4.× 展望記憶とは、未来についての記憶である。「今晩誰かと会う約束をしている」など、これからしようとすることに関する記憶である。
5.× 意味記憶とは、言語、知識、社会的常識など時間的要素のない記憶をさす。

 

 

 

 

 

80.人物の描かれた絵を見せて物語を連想させる心理検査はどれか。

1.人物描画法
2.文章完成法
3.絵画統覚検査
4.ロールシャッハテスト
5.べントン視覚記銘検査

解答3

解説
1.× 人物描画法とは、子どもの知的発達を調べる検査である。人物の全身を描かせ、頭・胴・指の分化などをみる。
2.× 文章完成法とは、被験者の人格を調べる検査である。不完全な短い文章を与え、自分の言葉で文章を完成させる。
3.〇 正しい。絵画統覚検査は、人物の描かれた絵を見せて物語を連想させる心理検査である。どのようにでも解釈できる絵画を見せ1つの物語を作らせて被験者の人格を調べる検査である。
4.× ロールシャッハテストは、投影法の人格検査である。10枚の図版 (いわゆるインクのシミ)を被験者に見せて、どのように見えるかを答えさせる。
5.× べントン視覚記銘検査は、短期記憶を検査する。10枚の視覚刺激図版を提示して短時間に再生させる。

 

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