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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
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参考にどうぞ↓
50回 午前61
61 神経線維の特徴で正しいのはどれか。
1. 脳の白質は無髄神経線維である。
2. 無髄神経線維はRanvier絞輪を有する。
3. 自律神経節後線維は有髄神経線維である。
4. 有髄神経線維は太いほど圧迫で障害を受けやすい。
5. 有髄神経線維の伝導速度は線維の直径と反比例する。
解答4
解説
1.× 脳の白質(髄質)は、「無髄神経線維」ではなく有髄神経線維である。髄鞘が存在する。一方で、脳の灰白質(皮質)は、神経細胞の細胞体があり無髄神経線維である。
2.× Ranvier絞輪(ランビエ絞輪)を有するのは、「無髄神経線維」ではなく有髄神経線維である。Ranvier絞輪(ランビエ絞輪)とは、有髄神経の髄鞘と髄鞘の間の軸索が露出している部分をいう。
3.× 自律神経節後線維は、「有髄神経線維」ではなく無髄神経線維である。
4.〇 正しい。有髄神経線維は太いほど圧迫で障害を受けやすい。
5.× 有髄神経線維の伝導速度は、線維の直径と「反比例」ではなく比例する。つまり、神経線維の直径が太ければ太いほど速くなる。
【アセチルコリン】
・交感神経の節前線維
・副交感神経の節前線維
・副交感神経の節後線維
【ノルアドレナリン】
・交感神経系の節後線維
51回 午前53
53 脊髄について正しいのはどれか。
1. 下端は第5腰椎までである。
2. 後根は脊髄神経節をつくる。
3. 終糸は尾骨前面に付着する。
4. 中心管の周囲に白質が存在する。
5. 脊髄円錐は脳と脊髄の移行部である。
解答2
解説
1.× 脊髄下端は、「第5腰椎まで」ではなく、第1~2腰椎まである。その先は馬尾神経となる第1~2仙椎まで走行する。
2.〇 正しい。後根は脊髄神経節をつくる。それを後根神経節という。
3.× 終糸とは、脊髄下端(脊髄円錐)と尾骨後面をつなぐ糸状の組織である。よって、尾骨前面に付着しない。
4.× 中心管の周囲に、「白質」ではなく灰白質が存在する。一方、脳は対照的で、灰白質が外側にある。
5.× 脊髄円錐は、「脳と脊髄の移行部」ではなく、脊髄下端の円錐状になっている部位である。
57回 午後55
55 脊髄について正しいのはどれか。
1.体性感覚神経の一次ニューロンの細胞体は後根神経節に存在する。
2.白質はその大部分を神経細胞の細胞体が占める。
3.運動神経細胞は後角にある。
4.深部感覚は前索を上行する。
5.温痛覚は後索を上行する。
解答1
解説
1.〇 正しい。体性感覚神経の一次ニューロンの細胞体は、後根神経節に存在する。体性感覚性神経系には、触覚・固有覚(位置覚と振動覚)を伝える後索・内側毛帯路と、温痛覚(温度覚と痛覚)を伝える脊髄視床路の二つの伝導路がある。どちらの伝導路も、感覚受容器から大脳皮質に情報が伝わるまでに3種類のニューロンがかかわっている。このニューロンを末梢から順に一次・二次・三次ニューロンという。①一次ニューロンは、侵害受容器から、細胞体がある脊髄後根神経節を経由し、二次ニューロンとシナプスする後角の手前までのことをいう。②二次ニューロンは、二次ニューロンの細胞体が主に存在する後角から脊髄を経由し、三次ニューロンとシナプスする視床の手前までのことをいう。③三次ニューロンは、視床から頭頂葉の中心後回(ブロードマンの脳地図の3,1,2野)にある感覚野までをいう。(参考:Wikiより)。
2.× 大部分を神経細胞の細胞体が占めるのは、「白質(髄質)」ではなく「灰白質(皮質)」である。脳の白質(髄質)は、有髄神経線維で髄鞘が存在する。一方、灰白質(皮質)は、神経細胞の細胞体があり無髄神経線維である。
3.× 運動神経細胞は、後角ではなく「前角」にある。運動神経細胞は、筋を直接支配し収縮を引き起こす遠心性の神経線維である。ちなみに、後角は、前脊髄視床路(粗大な触覚・圧覚)や外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)が通る。
4.× 深部感覚は、前索ではなく「後索」を上行する。振動覚、位置覚の経路は、「後根→後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる)→延髄(後索核)→毛帯交叉→内側毛帯→視床後外側腹側核→感覚野」となる。
5.× 温痛覚は、後索ではなく「側索」を上行する。外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)の経路は、「感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野」となる。
56回 午前54
54 健常成人において脊椎に対する脊髄最下端の位置はどれか。
1.第9~第10胸椎
2.第11~第12胸椎
3.第1~第2腰椎
4.第3~第4腰椎
5.第5腰椎~第1仙椎
解答3
解説
(※画像引用:医療法人鉄蕉会様HP)
第1~第2腰椎が健常成人において脊椎に対する脊髄最下端の位置である。それより下方は神経線維の束となり、馬尾神経と呼ばれる。したがって、選択肢3.第1~第2腰椎が正しい。
・中心に灰白質(神経核により構成)され、そのまわりを白質(神経線維により構成)が囲む。
・前根は遠心性線維、後根は求心性線維が走行している。
58回 午後54
54.脊髄で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.膨大部は3つある。
2.前角は白質からなる。
3.後根は脊髄神経節をつくる。
4.交感神経は胸髄と腰髄とから出る。
5.脊髄円錐は第3、4腰椎のレベルにある。
解答3・4
解説
灰白質は、脳の表面の神経細胞のところである。大脳基底核とか視床とか脳の深部に存在する。白質は、灰白質の内側にあって神経細胞の連絡路(軸索)である。放線冠・内包・脳梁などに存在する。
灰白質:ニューロンの細胞体が多く集まる部分(大脳皮質や脊髄髄質)。
白質:神経線維(髄鞘)が多く集まる部分(大脳髄質、脊髄皮質)。
1.× 膨大部は、「3つ」ではなく2つある。①頸膨大部(頚髄の腕神経叢を支配)と②腰膨大部(腰髄と仙髄の仙腸神経叢を支配)である。それぞれ第6頸髄と第4腰髄に該当し、脊髄の中でこれらの神経を出す神経細胞の集団がよく発達し、太い神経が出ている。
2.× 前角は、「白質」ではなく灰白質からなる。前角は、運動ニューロンが集まっている。灰白質は、中枢神経系において神経細胞の細胞体が存在している領域である。一方で、白質は神経細胞体がなく神経線維が多く存在している領域である。
3.〇 正しい。後根は脊髄神経節をつくる。これを脊髄後根神経節という。末梢からの感覚情報の中継点として機能する神経細胞の集団である。
4.〇 正しい。交感神経は胸髄と腰髄とから出る。一方、副交感神経は、中脳・延髄および仙髄から出る。詳しくは下図参照。
5.× 脊髄円錐は、「第3、4腰椎」ではなく「第1、2腰椎」のレベルにある。脊髄円錐は、脊髄下端の円錐状になっている部位である。脊髄の終わり部分である。ちなみに、出生時の脊髄円錐の位置は第3腰椎である。
(今井昭一:薬理学.標準看護学講座5、金原出版、1998より改変)