【共通問題のみ】触知部位についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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【共通のみ】筋の作るくぼみや溝、走行についての問題「まとめ・解説」

45回 午前60

60.筋腹が触診できるのはどれか。2つ選べ。

1.肩甲下筋
2.腕橈骨筋
3.長母指屈筋
4.方形回内筋
5.橈側手根屈筋

解答2.5

解説
1.× 肩甲下筋は、深層にあるため筋腹は触知できない。ちなみに、肩甲下筋の【起始】肩甲骨肋骨(肩甲下窩)と筋膜内面、【停止】上腕骨前面の小結節、小結節稜上端内側である。
2.〇 正しい。腕橈骨筋の筋腹は触診できる。触診は肘部側で、前腕中間位で肘屈曲方向へ力を入れる。ちなみに、腕橈骨筋の【起始】上腕骨外側縁の下部、外側上腕筋間中隔、【停止】橈骨遠位下端、茎状突起である。
3.× 長母指屈筋は、深層にあるため筋腹は触知できない。ちなみに、長母指屈筋の【起始】橈骨前面、前腕骨間膜、【停止】母指末節骨底である。
4.× 方形回内筋は、深層にあるため筋腹は触知できない。ちなみに、方形回内筋の【起始】尺骨下部1/4前面、【停止】橈骨下部1/4前面である。
5.〇 正しい。橈側手根屈筋の筋腹は触診できる。触診は、前腕橈側で手関節屈曲方向へ力を入れる。ちなみに、橈側手根屈筋の【起始】上腕骨の内側上顆、前腕筋膜内面、【停止】第2中手骨底である。

 

 

46回 午後59

59.皮下組織直下に筋腹を触知できないのはどれか。

1.上腕筋
2.回外筋
3.円回内筋
4.尺側手根伸筋
5.長橈側手根伸筋

解答2

解説
1.〇 上腕筋は、肘関節屈曲時、上腕遠位部で中央の高さから触知できる。
2.× 回外筋は、皮下組織直下に筋腹を触知できない。なぜなら、回外筋は伸筋群の深層にあるため。ちなみに、【起始】は上腕骨外側上顆、尺骨の回外筋稜、肘関節包後面、橈骨輪状靭帯、【停止】は橈骨上部外側面である。
3.〇 円回内筋は、手関節の屈曲状態で、前腕の回内運動すると触知できる。
4.〇 尺側手根伸筋は、手関節を背尺屈させると触知できる。
5.〇 長橈側手根伸筋は、母指を脱力させ、手関節を橈・背屈させると触知できる。

 

 

 

50回 午前60

60 動脈の触診部位で誤っているのはどれか。

1. 鎖骨下動脈
2. 上腕動脈
3. 橈骨動脈
4. 膝窩動脈
5. 足背動脈

解答5

解説

1.〇 正しい。鎖骨下動脈の触診は、図のように触診しようとする部位の反対側に頭部回旋し、胸鎖乳突筋と鎖骨部内側1/3の位置で行う。
2.〇 正しい。上腕動脈の触診は、図のように肘関節の肘窩で行う。
3.〇 正しい。橈骨動脈の触診は、図のように前腕遠位側の橈側で行う。
4.〇 正しい。膝窩動脈の触診は、図のように膝関節背側の膝窩で行う。
5.× 足背動脈の触診は、長母指伸筋腱と長指伸筋腱との間、つまり足背で行う。内果下方であれば後脛骨動脈であるが、図は外果であるため一般的な動脈の触知はできない。

 

 

51回 午後59

59 皮膚組織直下に触知できるのはどれか。

1. 軸椎の歯突起
2. 胸骨の頸切痕
3. 上腕骨の結節間溝
4. 尺骨の滑車切痕
5. 寛骨の寛骨臼切痕

解答2

解説

1.× 軸椎の歯突起は、触知できない。なぜなら、環椎が周りを囲っているため。
2.〇 正しい。胸骨の頸切痕は触知できる。なぜなら、胸骨の一番頭側の部分であるため。
3.× 上腕骨の結節間溝は、触知することは難しい。なぜなら、小結節と大結節の間になるため。場所の把握は容易である。
4.× 尺骨の滑車切痕は、触知することはできない。なぜなら、肘頭の裏側にあり、上腕骨下端と関節を形成しているため。
5.× 寛骨の寛骨臼切痕は、触知することはできない。なぜなら、大腿骨頭と股関節を形成しているため。

 

 

52回 午前52

52 体表から触知できるのはどれか。2つ選べ。

1. 歯突起
2. 結節間溝
3. 胸骨角
4. 顆間隆起
5. 舟状骨粗面

解答:3,5

解説

1. × 歯突起は、体表から触知できない。なぜなら、歯突起は軸椎の頭側前面にあり、環椎が周りを覆っているため。
2. × 結節間溝は、体表から触知できない。なぜなら、結節間溝に上腕二頭筋腱長頭が走行しているため。結節間溝は、上腕骨の大結節稜と小結節稜に挟まれた溝のことである。
3. 〇 正しい。胸骨角は、胸骨柄と胸骨体の結合するところは前方で角張って突出している。触診できるようにしておくと心電図の電極を張るときに役に立つ。
4. × 顆間隆起は、体表から触知できない。顆間隆起は、脛骨の上面で、外側顆と内側顆の間の上関節面の中央に位置するため。
5.〇 正しい。舟状骨粗面は、後脛骨筋が停止するところでもある。後脛骨筋腱の触診は、足関節底屈位で足部の回外運動すると内果後方の近位部で腱の膨隆を触知できる。そこからたどっていくと、舟状骨粗面が触診できる。

 

 

52回 午後52

52 皮下組織の直下に筋腹を触知する筋はどれか。

1. 棘上筋
2. 方形回内筋
3. 小殿筋
4. 中間広筋
5. 長腓骨筋

解答:5

解説

1.× 棘上筋は、僧帽筋の深層にある。
2.× 方形回内筋は、屈筋支帯や屈筋腱の深層にある。
3.× 小殿筋は、中殿筋の深層にある。
4.× 中間広筋は、大腿直筋の深層にある。
5.〇 正しい。長腓骨筋は、皮下組織の直下に筋腹を触知できる。

 

 

 

53回 午後60

60.動脈と脈拍の触知部位との組合せで正しいのはどれか。

1.浅側頭動脈:外耳孔の後方
2.総頸動脈:胸鎖乳突筋の外縁
3.上腕動脈:上腕遠位部の上腕二頭筋腱の外側
4.大腿動脈:鼠径部の腸腰筋の外側
5.足背動脈:足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間

解答:5


解説

1.×:浅側頭動脈は、外耳孔の前方で触診する。
2.×:総頸動脈は、頚部の前外側で触診する。つまり、胸鎖乳突筋の前縁である。
3.×:上腕動脈は、肘関節肘窩(上腕前面の尺側)で触診する。つまり、上腕遠位部の上腕二頭筋腱の内側である。
4.×:大腿動脈は、大腿三角内で触診する。大腿三角とは、鼠径靭帯・縫工筋・長内転筋である。腸腰筋は触診するのは困難である。したがって、縫工筋の内側である。
5.〇:足背動脈は、足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間で触知する。

 

 

 

54回 午前60

60. 末梢神経と体表からの触知部位との組み合わせで正しいのはどれか。

1. 腕神経叢:胸鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間
2. 正中神経:上腕近位部で烏口腕筋の外側
3. 尺骨神経:肘頭と上腕骨内側上顆の間
4. 脛骨神経:外果とアキレス腱の間
5. 総腓骨神経:膝窩部で半腱様筋腱の内側

解答

解説

1. ×:腕神経叢は、後傾三角(胸鎖乳突筋後縁と僧帽筋前縁、鎖骨上縁で囲まれた部分)で触知できる。
2. ×:正中神経は、上腕の近位1/2の領域で、烏口腕筋のすぐ内側後方で触知できる。ここから遠位の領域では、上腕二頭筋短頭のすぐ内側後方から、上腕二頭筋停止腱内側までの領域で触知できる
3. 〇:正しい。尺骨神経は、肘頭と上腕骨内側上顆の間で触知できる。
4. ×:脛骨神経は、膝窩部で腓腹筋の内外側頭の間で、手指を前方に圧迫しながら内外側方向に移動すると、膝の内側幅の1/2の洗浄に触知できる。また下腿後面の脛骨内果とアキレス腱との間で、手指を前方に圧迫しながら内外側方向に移動すると触知できる。
5. ×:総腓骨神経は、膝窩部から腓骨頭の高さまで、大腿二頭筋の内側縁に沿って、手指を前方に圧迫しながら内外側方向に移動すると触知できる。

 

 

 

56回 午後58

58 動脈と脈拍の触知部位との組合せで正しいのはどれか。

1.総頚動脈:胸鎖乳突筋の前縁
2.上腕動脈:上腕二頭筋腱の外側縁
3.橈骨動脈:前腕掌側面の内側近位部
4.大腿動脈:鼠径部の腸腰筋の外側
5.足背動脈:外果の後方

解答

解説
1.〇 正しい。総頚動脈は、胸鎖乳突筋の前縁(頚部の前外側)で触知する。
2.× 上腕動脈は、「上腕二頭筋腱の外側縁」ではなく、上腕遠位部の上腕二頭筋腱の内側(肘関節肘窩:上腕前面の尺側)で触知する。
3.× 橈骨動脈は、「前腕掌側面の内側近位部」ではなく、前腕遠位側の橈側で行う。
4.× 大腿動脈は、「鼠径部の腸腰筋の外側」ではなく、大腿三角(Scarpa三角)内の縫工筋の内側で触診する。大腿三角(Scarpa三角)とは、鼠径靭帯・縫工筋・長内転筋である。腸腰筋は触診するのは困難であるが、大腿動脈は腸腰筋内側に位置している。
5.× 足背動脈は、「外果の後方」ではなく、足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間で触知する。

 

 

 

56回 午前60

60 右下腿後面を図に示す。
 ヒラメ筋の触知部位で最も適切なのはどれか。

1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤

解答

解説

下腿の側面から触知している選択肢.④が正しい。下腿後面からヒラメ筋を触れようとすると腓腹筋にあたるため避けたほうが良い。選択肢1.①は、起始部に相当するが、浅層には膝窩筋が走行するため不適切である。

1.× ①:膝窩筋が浅層に存在する。
2.× ②:腓腹筋の内側頭が存在する。
3.× ③:腓腹筋の外側頭が存在する。
4.〇 正しい。④:ヒラメ筋の触知部位で最も適切である。
5.× ⑤:アキレス腱が存在する。

 

 

 

58回 午前59

59.皮下組織の直下に筋腹を触知できる筋はどれか。

1.棘上筋
2.深指屈筋
3.方形回内筋
4.中間広筋
5.後脛骨筋

解答

解説

1.× 棘上筋の浅層に僧帽筋上部線維が走行する。棘上筋は腱板(回旋筋腱板:ローテーターカフ)の1つである。腱板(回旋筋腱板:ローテーターカフ)とは、肩甲骨と上腕骨をつないでいる4つの筋肉の腱の総称である。① 棘上筋、②棘下筋、③小円筋、④肩甲下筋から成る。棘上筋の【起始】肩甲骨の棘上窩、棘上筋膜の内側、【停止】上腕骨大結節の上部である。
2.〇 正しい。深指屈筋は、皮下組織の直下に筋腹を触知できる。深指屈筋は前腕の深層筋の一つであるが、前腕の後面で尺骨の皮下後縁の内側で、筋の膨隆を触知できる。ちなみに、深指屈筋の【起始】尺骨の内側面と前面、前腕骨間膜の一部、【停止】第2~5指末節骨底である。
3.× 方形回内筋の浅層に屈筋支帯屈筋腱がある。ちなみに、方形回内筋の【起始】尺骨下部1/4前面、【停止】橈骨下部1/4前面である。
4.× 中間広筋を囲むように外側広筋大腿直筋内側広筋が走行する。ちなみに、中間広筋の【起始】大腿骨の前面と両側面、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面である。
5.× 後脛骨筋の浅層にはヒラメ筋腓腹筋がとり囲む。中間広筋の【起始】下腿骨間膜の後面上半、下腿骨間膜に接する脛骨と腓骨、【停止】舟状骨粗面、内側、中間、外側楔状骨、立方骨、第2~3中足骨底である。

 

 

 

 

58回 午後59

59.動脈の触知部位で正しいのはどれか。

1.腋窩動脈
2.後脛骨動脈
3.総頚動脈
4.足背動脈
5.橈骨動脈

解答

解説


1.× 腋窩動脈は、腋窩内が最も触知しやすい。
2.× 後脛骨動脈は、内果後方が最も触知しやすい。
3.× 総頚動脈は、胸鎖乳突筋の前縁(頚部の前外側)が最も触知しやすい。収縮期血圧60mmHgまで触れる。注意するべきポイントとして、頸動脈洞反射を予防するため、両側を圧迫せず片側ずつ触知する。頸動脈洞反射を予防するため、両側を圧迫せず片側ずつ触知する。4.〇 正しい。足背動脈は、図の触知部位である。足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間で触知する。
5.× 橈骨動脈は、手首の掌側の橈側が最も触知しやすい。

頸動脈洞反射とは?

頸動脈洞反射(ツェルマーク・へーリング反射)とは、頸動脈を刺激することにより生じる迷走神経反射のことである。脈拍を抑えることを目的として利用されることがある(頸動脈洞マッサージ)。つまり、副交感神経優位になる。
求心路:舌咽神経
遠心路:迷走神経

 

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