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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
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45回 午後77
77.細菌感染による急性炎症反応で増加するのはどれか。2つ選べ。
1.肉芽腫
2.好中球
3.網状赤血球
4.へモグロビン
5.プロスタグランジン
解答2.5
解説
1.× 肉芽腫は、慢性炎症で増加する。肉芽腫とは、マクロファージ系の細胞を中心とし、他の炎症細胞も集積して形成される境界が明らかな慢性炎症病巣である。
2.〇 正しい。好中球は、細菌感染による急性炎症反応で増加する。好中球は、白血球の中で一番多く、細菌免疫の主役である。マクロファージが好中球に指令し、好中球は活性化・増殖する。
3.× 網状赤血球は、溶血性貧血などで増加する。網状赤血球は塩基性色素で超生体染色すると、顆粒状あるいは網状の構造物が染まる幼若な赤血球である。つまり、網状赤血球は赤血球への分化の過程のものである。1~2日で成熟して消失する。 網状赤血球の上昇は造血能が亢進する場合で、鉄材を投与する貧血治療の際にみられる。
4.× へモグロビンは、多血症などで増加する。
5.〇 正しい。プロスタグランジンは、細菌感染による急性炎症反応で増加する。プロスタグランジンは、①血管拡張、②気管支平滑筋収縮、③急性炎症時の起炎物質で発痛作用がある。
46回 午前76
76.急性炎症が主な病態であるのはどれか。
1.肩関節周囲炎
2.痛風性関節炎
3.結核性膝関節炎
4.肘離断性骨軟骨炎
5.上腕骨外側上顆炎
解答2
解説
炎症5大徴候:①腫脹、②発赤、③熱感、④疼痛、⑤機能障害。
急性炎症(数分~3週間まで):血管外への血漿成分浸出、 好中球主体の遊走がみられる。
慢性炎症(4週間以上経過後):リンパ球・大食細胞の増加、血管増生、線維化がみられる。
1.× 肩関節周囲炎(五十肩)は、慢性炎症に分類される。肩関節周囲炎(五十肩)は、肩関節とその周辺組織(肩峰下滑液包や腱板など)の退行性変性が原因となり肩関節の痛みと運動の制限を伴うものである。
2.〇 正しい。痛風性関節炎は、急性炎症が主な病態である。痛風性関節炎は、尿酸カルシウムが関節の中で針状に結晶化を起こし、これを貪食した白血球が関節陸に浸潤して急性炎症が生じる。 母趾に好発する。
3.× 結核性膝関節炎は、慢性炎症に分類される。結核性膝関節炎は、肺結核の原因である結核菌によって、関節に炎症を引き起こす病気である。
4.× 肘離断性骨軟骨炎(野球肘、関節ねずみ)は、慢性炎症に分類される。肘離断性骨軟骨炎(野球肘、関節ねずみ)は、肘への反復する負荷が原因となるスポーツ障害である。上腕骨小頭に好発する。
5.× 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)は、慢性炎症に分類される。上腕骨外側上顆炎(テニス肘)は、前腕伸筋群に反復してかかる負荷によって疼痛が生じる。
痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。
47回 午前76
76 急性炎症の初期にみられないのはどれか。
1.発赤
2.腫脹
3.疼痛
4.熱感
5.拘縮
解答5
解説
①発赤、②腫脹、③熱感、④疼痛、⑤機能障害
1~4.× 発赤/腫脹/疼痛/熱感は、急性炎症の初期にみられる。これに加え、機能障害が含まれる。主に、①血流量の増加(発赤、熱感)、②血管透過性の亢進(腫脹)、③白血球の活性化(疼痛、機能障害)によって起こる。
5.〇 正しい。拘縮は、急性炎症の初期にはみられない。拘縮は主に長期間の関節の不動によって生じる。
51回 午後75
75 急性炎症の初期にみられるのはどれか。
1. 乾酪化
2. 線維化
3. 血管新生
4. 好中球遊走
5. 肉芽組織形成
解答4
解説
1.× 乾酪化(かんらくか)は、結核症にみられる特徴的な病理学的変化である。肉眼的にチーズ様の外観を示す壊死巣である。
2.× 線維化は、慢性期に生じるものである。線維芽細胞が体内で放出されたサイトカインの刺激を受けることにより、増殖して起こる修復である。
3.× 血管新生とは、既存の血管から伸長して新しい血管を形成することで、慢性炎症や創傷治癒の後半にみられる現象である。
4.〇 正しい。好中球遊走である。好中球遊走とは、その名の通り好中球の移動のことである。好中球は、炎症初期の24時間における最も優勢な炎症細胞である。
5.× 肉芽組織形成は、線維化動揺に慢性期に生じるものである。
①血管からの液体成分の漏出
→②傷害部への白血球の遊走
→③科学的メディエーターの活性化
→④細胞外破砕物の蛋白分解処理
→⑤傷害組織の正常の構造と機能への回復といった経過をたどる。
52回 午前76
76 急性炎症と比較した場合の慢性炎症の特徴はどれか。
1. 血管内皮細胞の損傷
2. 血漿蛋白の滲出
3. 好中球の集積
4. サイトカインの分泌
5. 組織の線維化
解答:5
解説
急性炎症の5徴候は、発赤、発熱、腫脹、疼痛、機能障害である。急性は数日程度、亜急性は数週間程度、慢性は数か月から数年以上にわたって起こる現象を指して用いられることが多い。慢性炎症とは、急性炎症、組織損傷および治癒過程が同時進行している遷延した炎症である。線維化のような長期にわたる病態である。【炎症に対する身体の反応】身体では、炎症を鎮めるため血管の透過性を亢進させて、血中から水分や血漿タンパク質、白血球を炎症の場に導く。急性期に現場に駆けつける細胞は、好中球で、微生物や壊死組織を貧食し排除する。その後、マクロファージもこれに加わる。さらに、肉芽組織・修復・瘢痕化あるいは再生、予防に、リンパ球による免疫反応で備えることになる。しかし、ウイルス感染などでは、リンパ球が急性期から出現することが多い。
1.× 血管内皮細胞の損傷は、感染症や外傷により組織が傷害されたときに起こる。
2.× 血漿蛋白の滲出は、急性炎症の特徴である。血管透過性が亢進し、血漿成分であるタンパク質に富んだ液体(浸出液)が血管外に滲み出す。
3.× 好中球の集積は、急性炎症の特徴である。
4.× サイトカインの分泌は、急性炎症の特徴である。組織内のマクロファージが炎症性サイトカインを産生する。
5.〇 正しい。組織の線維化は、急性炎症の機序に含まれない。急性炎症では刺激物質が除去され、作用物質が分解されるとマクロファージは最終的には死滅するかリンパ管を通って消失するが、慢性炎症に移行した場合はマクロファージの集積は持続し、Tリンパ球と相互に刺激し合う。
- 組織内へ微生物が侵入
- 感染部位の血管拡張による血流増加
- 感染部位の毛細血管と細静脈の透過性亢進(組織への蛋白拡散と液体浸潤により浮腫発生)
- 毛細血管と細静脈より好中球と単球が感染部位に遊走。
- 職作用及び他の機序による微生物の破壊。
- 組織の修復
56回 午後76
76 急性炎症と比較した場合の慢性炎症の特徴はどれか。
1.局所の浮腫
2.白血球の集積
3.フィブリン析出
4.毛細血管の退縮
5.血管透過性の亢進
解答4
解説
急性炎症(数分~3週間まで)の5大徴候:①腫脹、②発赤、③熱感、④疼痛、⑤機能障害。
急性炎症が長引いたものを慢性炎症という。慢性炎症(4週間以上経過後)の特徴として、血管形成や線維化・瘢痕形成などが挙げられる。
1.× 局所の浮腫は、急性炎症で生じる。急性炎症が起こると通常より透過性が高くなり、組織内のタンパク質濃度が高くなる。その結果、炎症が引き起こす血管からのリンパ生成の過剰(組織への蛋白拡散と液性滲出)によって浮腫が生じる。
2.× 白血球の集積は、急性炎症で生じる。好中球が放出した酵素の作用により、白血球の集積・疼痛を引き起こす。局所の血液量が増加し、血漿および白血球が血管外へと移動し、組織に浸潤する。
3.× フィブリン析出は、急性炎症で生じる。フィブリン析出は、創傷治癒の急性期に欠損部位を修復するために生じるものである。フィブリン(繊維素)が血球等と凝血塊を形成することで創部を止血し、瘢痕組織を形成していく。出血を伴うこともあり、破壊性の強い炎症である。
4.〇 正しい。毛細血管の退縮は、慢性炎症の特徴である。急性炎症では、毛細血管が拡張し血流が増加するが、急性期を脱して慢性炎症へと移行する頃には血管の退縮が生じる。血管の退縮とは、器官が縮小あるいは通常の容積に戻ることである。肉芽組織の毛細血管網は退縮し、瘢痕組織(膠原線維性組織)へと置き換わる。
5.× 血管透過性の亢進は、急性炎症で生じる。血管の透過性亢進によってタンパク質に富んだ液体が血管外に染み出すことで局所の浮腫が起こる。
慢性炎症の背景は、自
【特徴】
①大
②炎症細胞の浸潤による組織破壊
③新生血管の増生を含む修復と線維化・瘢痕形成
線維化とは、実際には線維芽細胞の増殖と過剰な細胞外基質の貯蓄のことである。
線維化は、多くの慢性炎症性疾患に共通する所見であり、臓器の機能障害の重要な原