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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
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46回 午前93
93.内分泌異常と病態との組合せで正しいのはどれか。
1.抗利尿ホルモン分泌亢進:尿崩症
2.副甲状腺機能低下:テタニー
3.甲状腺機能低下:Basedow病
4.下垂体前葉ホルモン欠損:先端巨大症
5.副腎皮質機能低下:Cushing症候群
解答2
解説
1.× 尿崩症は、抗利尿ホルモン(バソプレシン)の「分泌亢進」ではなく分泌低下により起こる。尿崩症は多尿 (3L/日以上)を呈する。尿崩症には2種類あり、①中枢性尿崩症(抗利尿ホルモンの分泌低下)と、②腎性尿崩症(ホルモンの作用障害)がある。
2.〇 正しい。テタニーは、副甲状腺機能低下で起こる。テタニーとは、血中カルシウム濃度が低下することで筋の異常収縮による硬直、痙攣、知覚障害などを生じる病態をいう。副甲状腺機能低下症では、パラトルモンの分泌低下により、血清カルシウム値が低下し、テタニーをきたす。
3.× Basedow病(バセドウ病)は、甲状腺機能の「低下」ではなく亢進で起こる。ちなみに、甲状腺機能低下すると橋本病となる。
4.× 先端巨大症は、下垂体前葉ホルモン(成長ホルモン)の「欠損」ではなく過剰分泌により生じる。
5.× Cushing症候群(クッシング症候群)は、副腎皮質機能の「低下」ではなく亢進で生じる。Cushing症候群の主な症状は、①満月様顔貌や②中心性肥満などである。ちなみに、副腎皮質機能低下症は、Addison病(アジソン病)で、るいそう(やせ)と色素沈着など特徴的である。
46回 午前67
67.内分泌器官とホルモンとの組合せで正しいのはどれか。
1.膵臓:プロラクチン
2.甲状腺:糖質コルチコイド
3.副腎皮質:ノルアドレナリン
4.副甲状腺:サイロキシン
5.下垂体後葉:抗利尿ホルモン
解答5
解説
1.× 膵臓で産生されるのは、インスリン・グルカゴンである。ちなみに、プロラクチンは下垂体前葉で産生される。
2.× 甲状腺で産生されるのは、甲状腺ホルモン・カルシトニンである。ちなみに、糖質コルチコイドは副腎皮質で産生される。グルココルチコイドとも言われる。
3.× 副腎皮質で産生されるのは、コルチゾール・アルドステロン・アンドロゲンである。ちなみに、ノルアドレナリンは副腎髄質で産生される。
4.× 副甲状腺で産生されるのは、パラソルモンである。ちなみに、サイロキシンは甲状腺で産生される。
5.〇 正しい。下垂体後葉で、抗利尿ホルモン(バソプレシン)は産生される。他にもオキシトシンが産生される。
47回 午前68
68 成長ホルモンについて誤っているのはどれか。
1.蛋白質である。
2.下垂体前葉で合成される。
3.下垂体前葉から分泌される。
4.成人になると分泌が停止する。
5.小児期の分泌不全によって低身長をきたす。
解答4
解説
合成・分泌:下垂体前葉
作用:成長促進作用や代謝作用など。
1.〇 正しい。蛋白質である。アミノ酸191個からなるタンパク質であり、働きとして①骨を中心に脳以外の全組織・器官の成長を促進させる、②タンパク質の素となるアミノ酸の取り込みを促し、細胞内のタンパク質合成を盛んにして体を発育させる。
2〜3.〇 正しい。下垂体前葉で合成・分泌される。
4.× 成人になっても分泌し続ける。なぜなら、身長の増加以外にも、肝臓や脂肪組織などの代謝促進の作用があるため。
5.〇 正しい。小児期の分泌不全によって、低身長をきたす。これを成長ホルモン分泌不全性低身長(下垂体性小人症)という。
49回 午前68
68 下垂体後葉から分泌されるホルモンはどれか。2つ選べ。
1. グレリン
2. エストロゲン
3. オキシトシン
4. バソプレシン
5. アルドステロン
解答3/4
解説
下垂体後葉から分泌されるホルモンは、オキシトシンとバソプレシンである。
1.× グレリンは、【産生場所】胃腸管(胃内分泌細胞)、【分泌場所】胃、【作用】下垂体に働きかけて成長ホルモンの分泌を促し、また視床下部に働き、摂食行動を亢進する。
2.× エストロゲン(卵胞ホルモン)は、【産生・分泌場所】卵巣および副腎と末梢(主に脂肪組織)である。
3.〇 正しい。オキシトシンは、【産生場所】視床下部の視策上核と室傍核、【分泌場所】下垂体後葉で、【作用】射乳の促し、分娩の促進である。
4.〇 正しい。バソプレシンは、【産生場所】背側視床下部、【分泌場所】下垂体後葉、【作用】水の再吸収を促進である。
5.× アルドステロンは、【合成・産生場所】副腎皮質で、【作用】Naの再吸収である。
50回 午前68
68 内分泌器官と分泌されるホルモンの組合せで誤っているのはどれか。
1. 松果体 — カルシトニン
2. 視床下部 — ソマトスタチン
3. 副腎皮質 — コルチゾール
4. 下垂体前葉 — 成長ホルモン
5. 下垂体後葉 — バソプレシン
解答1
解説
1.× 松果体は、「カルシトニン」ではなく、概日リズムにかかわるメラトニンを分泌する。カルシトニンは、甲状腺より分泌され、骨吸収を抑制し血中カルシウムを低下させる。
2.〇 正しい。視床下部は、ソマトスタチンを分泌する。ソマトスタチンとは、脳の視床下部、膵臓のランゲルハンス島δ細胞、消化管の内分泌細胞などから分泌される。作用は、成長ホルモン・インスリン・グルカゴン・ガストリン・セクレチンの分泌を抑制する。
3.〇 正しい。副腎皮質は、アルドステロン・コルチゾール・※わずかテストステロン(アンドロゲン)などが分泌される。コルチゾールの主な働きは、肝臓での糖の新生、筋肉でのたんぱく質代謝、脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進、抗炎症および免疫抑制などである。
4.〇 正しい。下垂体前葉は、成長ホルモン(GH)・プロラクチン・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)などである。
5.〇 正しい。下垂体後葉は、バソプレシン(ADH:抗利尿ホルモン)・オキシトシンがある。
51回 午前95
95 病態とその治療薬の組合せで正しいのはどれか。
1. 関節リウマチ — メトトレキサート
2. ジスキネジア — L-dopa
3. 重症筋無力症 — 抗コリン薬
4. 前立腺肥大症 — 男性ホルモン
5. 消化管出血 — アスピリン
解答1
解説
1.〇 正しい。関節リウマチは、自己免疫疾患である。メトトレキサートは、免疫抑制薬であるため正しい。
2.× ジスキネジアは、ドパイン作用亢進症状である。L-dopaは、ドパインを亢進させる薬である。
3.× 重症筋無力症は、神経筋接合部における抗アセチルコリン受容体抗体によって引き起こされる神経筋疾患である。つまり、抗コリン薬(アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合するのを阻害する薬物)を使用することにより症状を悪化させる。そのため、重症筋無力症には抗コリンエステラーゼ薬が治療に用いられる。抗コリンエステラーゼ薬とは、アセチルコリンの分解酵素を阻害しアセチルコリンの作用を増強することで、重症筋無力症における目や口、全身の筋力低下などを改善する薬である。
4.× 前立腺肥大症は、男性ホルモンの作用亢進が関与している。病態改善には、男性ホルモン作用を抑制することが重要である。そのため、治療にはα1阻害薬や、抗アンドロゲン薬も用いられる。
5.× 消化管出血は、 アスピリンに代表される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が原因となる場合も多い。つまり、消化管出血を助長させるため不適切である。
52回 午前59
59 同一の臓器から分泌されるホルモンの組合せで誤っているのはどれか。
1. アルドステロン:コルチゾール
2. インスリン:グルカゴン
3. エリスロポエチン:レニン
4. オキシトシン:バソプレシン
5. カルシトニン:パラトルモン
解答:5
解説
1.〇 正しい。アルドステロン、コルチゾールは、副腎皮質から分泌される。
2.〇 正しい。インスリン、グルカゴンは、膵臓(ランゲルハンス島)から分泌される。
3.〇 正しい。エリスロポエチン、レニンは、腎臓から分泌される。
4.〇 正しい。オキシトシン、バソプレシンは、下垂体後葉から分泌される。
5.× カルシトニンは甲状腺から、パラトルモンは副甲状腺から分泌される。
52回 午前94
94 内分泌異常と病態の組合せで正しいのはどれか。
1. 下垂体前葉ホルモン欠損:先端巨大症
2. 甲状腺機能低下:Basedow病
3. 抗利尿ホルモン分泌亢進:尿崩症
4. 副甲状腺機能低下:テタニー
5. 副腎皮質機能低下:Cushing症候群
解答:4
解説
1. ✖ 下垂体前葉ホルモン欠損するとアジソン病や小人病となる。先端巨大症は、下垂体前葉ホルモンである成長ホルモンの過剰分泌で生じる。ちなみに、下垂体前葉からは6種類のホルモンが分泌されている。①成長ホルモン(欠損すると小人病)、②甲状腺刺激ホルモン、③副腎皮質刺激ホルモン(欠損するとアジソン病)、④性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモン)、⑤プロラクチン(催乳ホルモン)である。
2. ✖ 甲状腺機能低下すると橋本病となる。甲状腺機能亢進で、Basedow病(バセドウ病)である。
3. ✖ 抗利尿ホルモン分泌が低下することで尿崩症となる。多尿(3L/日以上)を呈する尿崩症には、抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌低下におる中枢性尿崩症と、ホルモンの作用障害による腎性尿崩症がある。抗利尿ホルモン分泌亢進となる疾患には、抗利尿ホルモン分泌異常症がある。
4. 〇 正しい。副甲状腺機能低下症では、血中副甲状腺ホルモンの低下により、血清カルシウムが低下し、テタニー(手足のしびれ)を起こす。テタニーの症状として、手・足・口唇のしびれ感、全身強直性痙攣などがみられる。
5. ✖ 副腎皮質機能低下で、アドソン病となる。副腎皮質機能亢進でCushing症候群(クッシング症候群)である。コルチゾールの過剰分泌により、満月様顔貌や中心性肥満を来たす。アドソン病は、るいそうと色素沈着が特徴的である。
52回 午後68
68 分娩後の乳汁分泌に作用するホルモンはどれか。
1. ドパミン
2. エストロゲン
3. プロラクチン
4. プロゲステロン
5. ゴナドトロピン
解答:3
解説
1. ✖ ドパミンは神経伝達物質で、アドレナリン・ノルアドレナリンの前駆体である。乳汁分泌を抑制する。
2. ✖ エストロゲンは卵巣から分泌される。卵胞発育・排卵・第二次性徴の発達作用である。
3. 〇 正しい。プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)は、下垂体前葉から分泌される。分娩後の乳汁分泌に作用する。ちなみに、性腺抑制の作用もある。
4. ✖ プロゲステロンは、卵巣からである。卵胞発育・排卵・第二次性徴の発達作用である。
5. ✖ ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)は、性ホルモン分泌促進作用である。プロラクチンは、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)を抑制する。
分娩後に赤ちゃんの乳頭吸啜刺激により、下垂体後葉からオキシトシン、前葉からプロラクチンの分泌が促進される。子の作用により、乳汁分泌(プロラクチン)や射乳・子宮収縮(オキシトシン)が進み、子宮復古も促される。
53回 午後66
66.エリスロポエチンの産生を促進するのはどれか。
1.血圧の低下
2.血糖値の低下
3.腎機能の低下
4.動脈血酸素分圧の低下
5.血中カルシウム濃度の低下
解答:4
解説
1.×:血圧の低下により腎血流量が低下し、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が亢進する。
2.×:血糖値の低下により、膵臓のα細胞でグルカゴン産生が促進する。
3.×:腎機能を低下するとエリスロポエチン産生が低下する。
4.〇:正しい。動脈血酸素分圧の低下により、エリスロポエチン産生は促進される。なぜなら、恒常性を維持するため。エリスロポエチンの産生は、血液中の酸素分圧によって調節されている。機序として①動脈血酸素分圧が低下する、②できるだけ多く赤血球中のヘモグロビンと結合させたい、③赤血球を増やす働きのあるエリスロポエチンの産生が高まる。ちなみに、エリスロポエチンは、腎臓で分泌され、骨髄での赤血球新生を促す働きもある。
5.×:血中カルシウム濃度の低下により、副甲状腺でのパラトルモン産生が促進される。
エリスロポエチンは腎臓の間質細胞から分泌されるホルモンの1つで、骨髄で赤芽球に作用し赤血球への分化を促す。腎機能が低下すると腎臓からのエリスロポエチン産生が減り、赤血球を作る能力が低下するため腎性貧血になる。
53回 午後67
67.ホルモン分泌について正しいのはどれか。
1.プロラクチンは乳腺から分泌される。
2.卵胞刺激ホルモンは視床下部から分泌される。
3.エストロゲンは下垂体ホルモン分泌を促進する。
4.黄体化ホルモンはプロゲステロンの分泌を促進する。
5.性腺刺激ホルモン放出ホルモンは下垂体から分泌される。
解答:4
解説
1.× プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)は、「乳腺」ではなく脳下垂体前葉から分泌される。乳腺に作用し、乳汁産生を促進する。
2.× 卵胞刺激ホルモンは、「視床下部」ではなく脳下垂体前葉から分泌される。卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンを性腺刺激ホルモンと呼ぶ。
3.× エストロゲンは、卵巣から放出され子宮に作用して、受精卵のベッドとなる子宮内膜を厚くする働きをする。下垂体から、成長ホルモンや甲状腺刺激ホルモン、プロラクチンなど数多くのホルモンが分泌される。
4.〇 正しい。黄体化ホルモンは、プロゲステロンの分泌を促進する。排卵後に、黄体化(黄体形成)ホルモンは、黄体細胞におけるプロゲステロンの分泌を促進する。
5.× 性腺刺激ホルモン放出ホルモンは、「下垂体から」ではなく視床下部から分泌される。
54回 午前59
59. ホルモンの産生で正しいのはどれか。
1. エリスロポエチンは骨髄で産生される。
2. グルカゴンはLangerhans<ランゲルハンス>島B細胞で産生される。
3. ソマトスタチンは黄体で産生させる。
4. トリヨードサイロニンは上皮小体で産生させる。
5. バソプレシンは視床下部で産生される。
解答5
解説
1. ×:エリスロポエチンは、「骨髄」ではなく腎臓で産生される。腎臓は他にレニンが産生される。
2. ×:グルカゴンはLangerhans<ランゲルハンス>島の「B細胞」ではなくA細胞で産生される。ちなみに、B細胞はインスリンが分泌される。
3. ×:ソマトスタチンは、「黄体」ではなく視床下部・Langerhans<ランゲルハンス>島D細胞で産生される。
4. ×:トリヨードサイロニン(T3)は、「上皮小体」ではなく甲状腺で産生させる。甲状腺は、他にカルシトニンや総サイロキシン(T4)が産生される。
5. 〇:正しい。バソプレシンは視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌される。
54回 午前68
68. 集合管における尿の濃縮に関わるホルモンはどれか。
1. グルカゴン
2. メラトニン
3. オキシトシン
4. パラトルモン
5. アルドステロン
解答5
解説
1. ×:グルカゴンは、膵臓から産生され血糖を上昇させる作用を持つ。
2. ×:メラトニンは、松果体から産生され、体内時計を調整する作用(睡眠ホルモン)を持つ。
3. ×:オキシトシンは、下垂体後葉から産生され射乳、子宮収縮に作用を持つ。
4. ×:パラトルモンは、副甲状腺ホルモンとも呼ばれ、副甲状腺から分泌されるホルモン。血液中のカルシウムの濃度を維持する作用があり、骨に働いてカルシウムを放出させ、腎臓に働いてその再吸収を亢進させる作用を持つ。
5. 〇:正しい。アルドステロンは、副腎皮質から産生され集合管における尿の濃縮に関わるホルモンである。他の作用として、血圧上昇、K排泄促進、Na再吸収促進作用を持つ。
56回 午前68
68 副腎皮質ホルモンについて正しいのはどれか。
1.血糖値に影響しない。
2.ストレス時に変動しない。
3.早朝に分泌が最大となる。
4.ペプチドホルモンである。
5.アドレナリンから生合成される。
解答3
解説
副腎皮質ホルモンには、①アルドステロン、②コルチゾール、③アンドロゲンがある。
1.× 血糖値に影響する。副腎皮質ホルモンであるコルチゾールとアルドステロンは、血糖値を上昇させる作用がある。
2.× ストレス時に変動する。コルチゾールは、心身のストレスによって急激に分泌量が増加する。そのため、ストレスホルモンとも呼ばれている。循環動態およびエネルギー代謝の維持に関与する。
3.〇 正しい。副腎皮質ホルモンは、早朝に分泌が最大となり、夜には分泌が少なくなるのが一般的である。このリズムが崩れて、ストレスや生活習慣によって慢性的にコルチゾールの分泌量が増えると、海馬の神経細胞が破壊され萎縮し、認知機能の低下を指摘されることが多い。一方、コルチゾールの分泌量が減ると、食欲の低下、体重減少、全身倦怠感などのうつ症状を指摘されることが多い。
4.× 副腎皮質ホルモンは、「ペプチドホルモン」ではなくステロイドホルモンである。ホルモンは①ペプチドホルモン、②ステロイドホルモン、③アミン・アミノホルモン、④糖タンパクホルモン、⑤その他の5つ分類される。①ペプチドホルモンは、成長ホルモン・インスリンなど大部分のホルモンが含まれる。②ステロイドホルモンは、副腎皮質ホルモンの他に性腺ホルモンも含まれる。コレステロールを原料として作られたステロイド骨格を盛るホルモンである。③アミン・アミノホルモンは、副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)、甲状腺ホルモンがある。
5.× 副腎皮質ホルモンは、「アドレナリン」ではなくコレステロールを母体として生合成される。脂溶性のホルモンである。生合成とは、生体内で簡単な化合物から複雑な化合物が作られるこという。
56回 午後68
68 水溶性ホルモンはどれか。2つ選べ。
1.エストロゲン
2.グルカゴン
3.コルチゾール
4.サイロキシン
5.バゾプレッシン
解答2・5
解説
ホルモンには、脂溶性と水溶性がある。脂性ホルモンは、①副腎皮質ホルモン、②性ホルモン、③甲状腺ホルモンである。それ以外は水溶性ホルモンと覚えるとよい。
【水溶性ホルモンの特徴】
水溶性ホルモンの多くは視床下部、脳下垂体、膵臓、副甲状腺から分泌される。
水溶性ホルモンは細胞膜を通過できないため、その受容体は細胞の外側、細胞膜表面に存在する。
視床下部から、①成長ホルモン放出ホルモン、②甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、③ゴナドトロピン放出ホルモンなど。
脳下垂体から、①成長ホルモン、②甲状腺刺激ホルモン、③プロラクチン、④副腎皮質刺激ホルモン、⑤黄体形成ホルモン、⑥卵胞刺激ホルモン、⑦バソプレシン、⑧オキシトシン。
膵臓から、①インスリン、②グルカゴン
副甲状腺から、副甲状腺ホルモン(パラソルモン)である。
1.× エストロゲン(性ホルモン)は、卵巣から分泌される。卵胞の発育、排卵を起こさせる作用がある。
2.〇 正しい。グルカゴンは、膵臓から分泌される水溶性ホルモンである。血糖を上昇させる作用がある。
3.× コルチゾールは、副腎皮質から分泌される。血圧調節、免疫抑制、糖新生促進作用がある。
4.× サイロキシンは、甲状腺から分泌される。代謝亢進作用がある。
5.〇 正しい。バゾプレッシンは、下垂体後葉から分泌される水溶性ホルモンである。抗利尿作用がある。
57回 午後67
67 下垂体前葉から分泌されるホルモンはどれか。
1.メラトニン
2.オキシトシン
3.バソプレシン
4.プロラクチン
5.テストステロン
解答4
解説
①成長ホルモン(欠損すると小人病)
②甲状腺刺激ホルモン
③副腎皮質刺激ホルモン(欠損するとアジソン病)
④性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモン)
⑤プロラクチン(催乳ホルモン)
1.× メラトニン(概日リズム調整ホルモン)は、松果体から分泌される。他にも、松果体は、性腺刺激ホルモンの分泌抑制に関与する。
2.× オキシトシンは、下垂体後葉から分泌される。射乳の促し、分娩を促進する。
3.× バソプレシン(ADH:抗利尿ホルモン)は、下垂体後葉から分泌される。
4.〇 正しい。プロラクチン(催乳ホルモン)は、下垂体前葉から分泌されるホルモンである。ちなみに、プロラクチン放出ホルモンは視床下部から分泌される。乳腺の発育と乳汁の産生に働く。
5.× テストステロン(アンドロゲン、男性ホルモン)は、主に精巣(睾丸)で、わずかに副腎皮質から分泌される。
57回 午後94
94 症候と内分泌異常の組合せで正しいのはどれか。
1.先端巨大症:下垂体前葉ホルモン欠損
2.中心性肥満:副腎皮質機能低下
3.テタニー:副甲状腺機能低下
4.尿崩症:抗利尿ホルモン分泌亢進
5.頻脈:甲状腺機能低下
解答3
解説
1.× 先端巨大症は、下垂体前葉ホルモン「欠損」ではなく「過剰分泌」により生じる。ちなみに、下垂体前葉ホルモン欠損するとアジソン病や小人病となる。
2.× 中心性肥満は、副腎皮質機能低下ではなく、コルチゾールの過剰分泌により生じる。ちなみに、副腎皮質機能低下で、アドソン病となる。副腎皮質機能亢進でCushing症候群(クッシング症候群)である。
3.〇 正しい。テタニーは、副甲状腺機能低下で起こる。テタニーとは、血中カルシウム濃度が低下することで筋の異常収縮による硬直、痙攣、知覚障害などを生じる病態をいう。副甲状腺機能低下症では、パラトルモンの分泌低下により、血清カルシウム値が低下し、テタニーをきたす。
4.× 尿崩症:抗利尿ホルモン(バソプレシン)「分泌亢進」ではなく「分泌低下」により起こる。尿崩症は多尿 (3L/日以上)を呈する。尿崩症には2種類あり、①中枢性尿崩症(抗利尿ホルモンの分泌低下)と、②腎性尿崩症(ホルモンの作用障害)がある。
5.× 頻脈は、甲状腺機能「低下」ではなく「亢進」で生じる。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状として、発汗や食欲亢進、体重減少、下痢、振戦、メルセブルグ3徴(眼球突出、甲状腺腫、頻脈)がみられる。甲状腺機能低下症が認知機能低下の原因として有名である。
58回 午前57
57.腎臓から分泌されるホルモンはどれか。2つ選べ。
1.レニン
2.メラトニン
3.カルシトニン
4.バソプレシン
5.エリスロポエチン
解答1・5
解説
1.〇 正しい。レニンは、腎臓から分泌されるホルモンである。レニンは、腎血流量の減少により作動し、血圧上昇させる働きがある。
2.× メラトニンとは、夜間に脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計による夜間の身体の休息を促す働きを持つ。メラトニン分泌量が低下するため睡眠障害が起こりやすくなる。
3.× カルシトニンは、甲状腺から分泌されるホルモンで、骨吸収を抑制する働きを持つ。
4.× バソプレシンは、下垂体後葉から分泌されるホルモンで、水の再吸収を促進する抗利尿作用・血圧上昇が起きる。尿を濃くし尿量を減らす作用がある。
5.〇 正しい。エリスロポエチンは、腎臓から分泌されるホルモンである。エリスロポエチンは、腎臓の間質細胞から分泌されるホルモンの1つで、骨髄で赤芽球に作用し赤血球への分化を促す。腎機能が低下すると腎臓からのエリスロポエチン産生が減り、赤血球を作る能力が低下するため腎性貧血になる。
58回 午前67
67.血糖を上昇させる作用のあるホルモンはどれか。2つ選べ。
1.アドレナリン
2.アルドステロン
3.カルシトニン
4.グルカゴン
5.パラトルモン
解答1・4
解説
1.〇 正しい。アドレナリンは、血糖を上昇させる作用のあるホルモンである。アドレナリンとは、腎臓の上にある副腎というところの中の髄質から分泌されるホルモンである。【対象】血圧低下心肺蘇生、アナフィラキシーショック、【作用】血圧上昇作用や心拍数増加作用、【副作用】過量投与で血圧の過剰な上昇、動悸など。
2.× アルドステロンとは、腎臓に作用してナトリウムと水の再吸収を促進し、循環血漿量増加を促し血圧を上昇させる。アルドステロンが過剰に分泌されると、高血圧や低カリウム血症、筋力低下などがみられる。副腎皮質ホルモンとは、副腎皮質より産生されるホルモンの総称で、①アルドステロン、②コルチゾール、③アンドロゲンがある。炎症の制御、炭水化物の代謝、タンパク質の異化、血液の電解質のレベル、免疫反応など広範囲の生理学系に関わっている。
3.× カルシトニンとは、甲状腺から分泌され、骨吸収を抑制する働きを持つ。
4.〇 正しい。グルカゴンは、血糖を上昇させる作用のあるホルモンである。主に膵臓α細胞から分泌される。膵臓の主な働きは①食べ物を消化する消化酵素(膵酵素)を作る、②血糖値を下げるホルモン(インスリン)や血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)などのホルモンを作る働きを持つ。
5.× パラトルモン(副甲状腺ホルモン)は、副甲状腺から分泌され、腎臓のカルシウム再吸収およびリンの排泄促進作用などがあり、血中のカルシウム濃度を上昇させる。つまり、副甲状腺ホルモン〈PTH〉の分泌が低下すると、血中カルシウム濃度が低下する。それに伴い、しびれ感、テタニー(手指の不随意な筋収縮)、けいれんなどの症状が起こる。
59回 午前68
68 同一の臓器から分泌されるホルモンの組合せで正しいのはどれか。
1.アルドステロン:エリスロポエチン
2.グルカゴン:ガストリン
3.バソプレシン:オキシトシン
4.パラトルモン:カルシトニン
5.レニン:コルチゾール
解答3
解説
破骨細胞を活性化して骨吸収を促進し、骨からCa2+を遊離させる。
骨からCa2+とともに血中に遊離したP、HCO3-の腎臓(近位尿細管)からの排泄を促進する。
腎臓(遠位尿細管)でのCa2+の再吸収を促進する。
腎臓(近位尿細管)での活性化ビタミンDの産生を促進する。
1.× アルドステロンは副腎皮質、エリスロポエチンは腎臓から分泌される。アルドステロンとは、副腎皮質から分泌され、腎臓の尿細管に作用してナトリウムの再吸収を促進する。副腎皮質ホルモンには、コルチゾール・アルドステロン・アンドロゲン(男性ホルモン)などがある。ちなみに、エリスロポエチンとは、主に腎臓から分泌される糖蛋白性の造血促進ホルモンである。
2.× グルカゴンは膵臓、ガストリンは胃から分泌される。グルカゴンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞から分泌され、①血糖上昇、②脂肪分解の作用があるホルモンである。ちなみに、ガストリンとは、胃幽門前庭部と十二指腸上部のG細胞から分泌され、胃酸・ペプシノーゲンの分泌促進や胃運動促進の作用がある。
3.〇 正しい。バソプレシンとオキシトシンは、下垂体後葉から分泌される。下垂体後葉から分泌されるホルモンは、オキシトシンとバソプレシンである。オキシトシンは、【産生場所】視床下部の視策上核と室傍核、【分泌場所】下垂体後葉で、【作用】射乳の促し、分娩の促進である。一方、バソプレシンは、【産生場所】背側視床下部、【分泌場所】下垂体後葉、【作用】水の再吸収を促進である。
4.× パラトルモンは副甲状腺、カルシトニンは甲状腺から分泌される。カルシトニンとは、甲状腺から分泌され、骨吸収を抑制する働きを持つ。つまり、血中カルシウム濃度を低下させる働きをもつ。
5.× レニンは腎臓、コルチゾールは副腎皮質から分泌される。レニンとは、腎臓から分泌されるホルモンである。レニンは、腎血流量の減少により作動し、血圧上昇させる働きがある。ちなみに、コルチゾールとは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、血糖値の上昇や脂質・蛋白質代謝の亢進、免疫抑制・抗炎症作用、血圧の調節など、さまざまな働きがあるが、過剰になるとクッシング症候群、不足するとアジソン病を引き起こす。
①成長ホルモン(欠損すると小人病)
②甲状腺刺激ホルモン
③副腎皮質刺激ホルモン(欠損するとアジソン病)
④性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモン)
⑤プロラクチン(催乳ホルモン)