この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
・まとめてもらいたい問題や希望、漏れがあったらコメントください。
・当HPに「キーワード検索」の機能がありますので、そちらも積極的にお使いください。
類似問題です↓
【OT専門のみ】心電図についての問題「まとめ・解説」
46回 午前65
65.心電図について正しいのはどれか。
1.P波は洞結節の興奮に対応する。
2.PQ間隔は心房内の興奮伝導時間である。
3.QRS間隔は心室全体への興奮伝導時間である。
4.ST部分は心室の再分極する過程を示す。
5.T波はPurkinje(プルキンエ)線維の再分極に対応する。
解答3
解説
1.× P波は、「洞結節の興奮」ではなく、心房の興奮に対応する。
2.× PQ間隔は、「心房内の興奮伝導時間」ではなく、「心房から左右脚までの興奮伝導時間」である。ちなみに、心房内の興奮伝導時間に対応するのはP波である。
3.〇 正しい。QRS間隔は、心室全体への興奮伝導時間である。ちなみに、プルキンエ線維と心室筋の興奮伝導時間が含まれる。
4.× ST部分は、「心室の再分極する過程」ではなく、「心室の再分極が完了し興奮が冷めるまで」を示す。
5.× T波は、「Purkinje(プルキンエ)線維の再分極」ではなく、「心室の再分極」に対応する。
(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)
46回 午後93
93.同一患者の異なる時刻における心電図モニターを示す。
認められるのはどれか。
1.洞頻脈
2.心房粗動
3.心室性頻拍
4.洞房ブロック
5.完全左脚ブロック
解答4
解説
1.× 洞頻脈(頻脈性不整脈)とは、 この正常洞調律の範囲を超えて脈が速くなる(1分間に100回以上)タイプの不整脈である。横軸も定かでないため、確実に1分間に100回以上とはいえない。
2.× 「心房粗動」ではなく心房細動がみられる。心房粗動は、P波は見られず、F波(ノコギリ状)が出現する。一方、心房細動は、リズムが不整で心房の興奮が形・大きさ共に不規則であり、基線が揺れている(f波)。
3.× 心室性頻拍は、P波は見えないものが多いが、心拍性期外収縮が3連発以上のものをいう。心臓のポンプ作用が低下し、心拍出量が減少する。心室性頻拍は、左冠動脈の閉塞による前壁梗塞で生じやすい。急性心筋梗塞の10~20%みられる。
4.〇 正しい。洞房ブロックは、心房の興奮が生じず、P波の間隔が延長する。その長さが本来のP-P間隔の整数倍となる。
5.× 完全左脚ブロックとは、V5~6においてQ波が欠如しており、QRS軸は陽性で、Rは幅広く分裂しており、QRS時間0.12秒以上あるものをという。
53回 午後68
68.心電図の波形で正しいのはどれか。
1.P波はHis束の興奮を意味する。
2.PR間隔は房室伝導時間である。
3.QRS波はPurkinje線維の興奮を意味する。
4.ST間隔は心室内興奮到達時間である。
5.T波は心室の脱分極を意味する。
解答:2
解説
1.× P波は、「His束の興奮」ではなく、心房の興奮を意味する。
2.〇 正しい。PR間隔は房室伝導時間である。
3.× QRS波は、「Purkinje線維の興奮」ではなく、ヒス束、プルキンエ線維、心室筋の興奮を意味する。
4.× ST間隔は、「心室内興奮到達時間」ではなく、心室の脱分極が完了し、興奮が冷めるまでの時間ある。心室内興奮到達時間であるのは、QRS波である。
5.× T波は、「心室の脱分極」ではなく、心室の脱分極からの回復時に生じる波形(再分極)を意味する。心室の電気的回復などと呼ばれる。
(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)
54回 午後63
63. 心臓の刺激伝導系でないのはどれか。
1. 固有心筋
2. 洞房結節
3. Purkinje線維
4. 房室結節
5. 房室束
解答1
解説
固有心筋とは、ポンプとして働く心筋のことをさす。
心臓の刺激伝導系は、「洞結節→右房→左房→房室結節→His束(房室束)→左脚・右脚→プルキンエ線維(Purkinje線維)→心室」となる。刺激伝導系を構成する細胞は特殊心筋と呼ばれ、心房・心室の壁を構成する一般の心筋細胞である固有心筋とは区別する。つまり、心臓の刺激伝導系でないのは選択肢1. 固有心筋である。
(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)
56回 午前75
75 心電図の房室ブロックの所見で正しいのはどれか。
1.Wenckebach型房室ブロックではPR間隔が不変である。
2.第1度房室ブロックではQRS波は脱落しない。
3.第1度房室ブロックではPR間隔が0.1秒以上になる。
4.第3度房室ブロックではP波が完全に脱落している。
5.MobitzⅡ型房室ブロックではPR間隔が徐々に延長する。
解答2
解説
房室ブロックは、心房から心室への伝導障害をいう。第1度〜第3度に分類される。
・1度房室ブロック:心房から心室への伝導時間が延長するが、P波とQRS波の数や形は変わらない。
・2度房室ブロック
①ウェンケンバッハ型(モビッツⅠ型):PR間隔が徐々に延長してQRSが脱落する。
②モビッツⅡ型:心房から心室への伝導が突然途絶える。P波の後のQRSが突然脱落する。
・3度房室ブロック:心房からの刺激が途絶え、P波とQRSが無関係に生じるようになる。
1.× Wenckebach型房室ブロック(ウェンケンバッハ型)のPR間隔は、「不変」ではなく延長する。ちなみに、PR間隔が不変なのは、1度房室ブロックである。Wenckebach型房室ブロック(ウェンケンバッハ型)の特徴として、PP間隔は不変であるが、PR間隔が次第に延長してQRSが脱落する。
2.〇 正しい。第1度房室ブロックでは、QRS波は脱落しない。1度房室ブロックの特徴として、心房から心室への伝導時間が延長するが、P波とQRS波の数や形は変わらない。
3.× 第1度房室ブロックでは、PR間隔が0.2秒以上になっていることをいう。
4.× 第3度房室ブロックでは、P波は生じるものの、QRS波と対応しなくなる。つまり、心房からの刺激が途絶え、P波とQRSが無関係に生じるようになる。
5.× MobitzII型房室ブロック(モビッツⅡ型)では、P波の後のQRSが突然脱落する。PR間隔が徐々に延長するのは、ウェンケンバッハ型である。
57回 午前64
64 心音または心電図波形と心周期における現象との組合せで正しいのはどれか。
1.心音のⅠ音:僧帽弁の閉鎖
2.心音のⅡ音:大動脈弁の開放
3.心電図のP波:His束の伝導
4.心電図のQRS波:洞房結節の伝導
5.心電図のT波:心室筋の脱分極
解答1
解説
心周期とは、心臓の収縮と弛緩からなる、心臓ポンプの1回の心拍動のことである。心周期は5つに分けられる。
①心房収縮期(心房が収縮し、左右の房室弁が開くことで、心房内の血液が心室に送られる)
②等容性収縮期(心室の収縮が始まる段階。心室内圧は上昇し、すべての弁は閉じる。血液に動きはない。)
③駆出期(さらに心室が収縮し、心室内圧が動脈内圧を上まわる。動脈弁が開き、心室内の血液は動脈へと流れる。)
④等容性拡張期(心室筋が弛緩して拡張が始まる段階。血液が動脈へと流れ出た後、心室圧は低下する。心室圧が動脈圧を下回ると、すべての弁が閉じる。心房には血液が流れ込み始める。)
⑤充満期(心房と心室がさらに拡張し、心室内圧が低下して房室弁が開き、心房の血液が心室に流れ込む。)
1.〇 正しい。心音のⅠ音は、僧帽弁の閉鎖である。心室収縮時に起きる音で、おもに僧帽弁閉鎖音、大動脈弁開放音となる。
2.× 心音のⅡ音は、大動脈弁の開放ではなく「閉鎖」である。心室拡張の始まりに起きる音で、おもに大動脈弁閉鎖音(ⅡA)と肺動脈弁閉鎖音(ⅡP)となる。
3.× 心電図のP波は、His束の伝導ではなく「心房の興奮(脱分極)」を意味する。
4.× 心電図のQRS波は、洞房結節の伝導ではなく「ヒス束、プルキンエ線維、心室筋の興奮」を意味する。
5.× 心電図のT波は、心室筋の脱分極ではなく「心室の脱分極からの回復時に生じる波形(再分極)」を意味する。心室の電気的回復などと呼ばれる。
正常心音は、Ⅰ〜Ⅳ音に分類されるが、健康成人ではⅠ音とⅡ音しか確認できないことが多い。
Ⅰ音(心室収縮時に起きる音:おもに僧帽弁閉鎖音、大動脈弁開放音)
Ⅱ音(心室拡張の始まりに起きる音:おもに大動脈弁閉鎖音(ⅡA)と肺動脈弁閉鎖音(ⅡP))
Ⅲ音(心室拡張期の終わり:心室筋の伸展による音)
Ⅳ音(心房収縮音:Ⅰ音の直前)
(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)
58回 午前64
64.心臓の刺激伝導系で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.洞房結節は心室中隔にある。
2.房室結節の伝導速度はHis束より速い。
3.房室結節の興奮はHis束より先に生じる。
4.刺激伝導系の細胞は活動電位を生成できる。
5.洞房結節の活動電位持続時間はPurkinje線維より長い。
解答3・4
解説
(※図引用:「看護roo!様 看護師イラスト集」より)
1.× 洞房結節は、「心室中隔」ではなく右心房にある。洞房結節とは、心臓の興奮のペースメーカーの働きをする部位である。ちなみに、心室中隔とは、右心室と左心室の間を隔てる筋肉の壁のことである。
2.× 房室結節の伝導速度はHis束より、「速い」のではなく遅い。房室結節の伝導速度は、著しく遅く、0.1~0.05m/秒の速さで、心房と心室の興奮間隔を大きくしている。他には、脚・プルキンエ線維が速く4m/秒、ヒス束を含む心房筋・心室筋などは1m/秒である。
3.〇 正しい。房室結節の興奮は、His束より先に生じる。心臓の刺激伝導系は、洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維となる。
4.〇 正しい。刺激伝導系の細胞は、活動電位を生成できる。洞房結節からの活動電位が心室に全く届かないことを第3度房室ブロックという。この場合、房室結節、ヒス束、心室自体のいずれかによってコントロールされ、代償的なペースメーカー部分による電気刺激は、心臓の正常なペースメーカー部分(洞結節ないし洞房結節)による電気刺激と比べて遅く、不規則になることが多く、安定しない。したがって、心室の拍動数は毎分50回未満となり、ときには毎分30回まで減少することもある。ちなみに、活動電位とは、細胞が脱分極して再分極するまでの電位変化である。
5.× 洞房結節の活動電位持続時間は、Purkinje線維より「長い」のではなく短い。活動電位の持続時間は、洞房結節と房室結節で約200msec、心房筋100msec、プルキンエ線維400msec、心室筋300msecである。骨格筋や神経細胞に比べて100倍以上長い。活動電位持続時間とは、活動電位波形の第0相の急激な脱分極から、第3相の再分極が終了するまでの時間のことをいう。心拍数が増加するにつれてAPDは短縮する。
洞房結節-60mV、房室結節-70mV、心房筋-80mV、プルキンエ線維-90mV、心室筋-90mV
類似問題です↓
【OT専門のみ】心電図についての問題「まとめ・解説」