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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
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PT専門
53回 午前28
28.痛みを主症状とする疾患はどれか。2つ選べ。
1.Basedow病
2.Buerger病
3.Meniere病
4.強直性脊椎炎
5.急性灰白髄炎
解答:2,4
解説
1.× Basedow病(バセドウ病)は、痛みは伴いにくい。甲状腺ホルモンが過剰に作られる状態である甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気である。症状は、頻脈、体重減少、手指のふるえ(振戦)、発汗増加などを生じる。亜急性甲状腺炎では、甲状腺の圧痛がみられる。
2.〇 正しい。Buerger病(バージャー病:閉塞性血栓性血管炎)は、痛みを主症状とする疾患である。四肢末梢動脈に狭窄や血栓による血流低下が起こり、歩行時の足のしびれ、痛み、冷感がみられる。20~40歳代の男性喫煙者に多く見られる。
3.× Meniere病(メニエール病)は、内耳の内リンパ水腫で起こり、痛みは伴いにくい。めまい、難聴、耳鳴り、耳閉感が主症状である。
4.〇 正しい。強直性脊椎炎は、痛みを主症状とする疾患である。脊椎や仙腸関節の炎症が主体となる慢性炎症性疾患である。疼痛は腰痛や殿部痛から始まり、次第に広がっていく。10歳代の若年男性に多く、ぶどう膜炎(虹彩毛様体炎)、竹様脊椎といった症状も特徴である。
5.× 急性灰白髄炎は、ポリオウイルスによる感染症であり、痛みは伴いにくい。感染者の90~95%は症状がでないのが特徴である。1%以下の確率で、ウイルスに関連した左右対称性の弛緩麻痺を呈する。
OT専門
54回 午後24
24 男性に比べて女性に多い疾患はどれか。
1. Perthes病
2. 多発性筋炎
3. 高尿酸血症
4. 強直性脊椎炎
5. Duchenne型筋ジストロフィー
解答2
解説
1.× Perthes病は、骨端症の一つで、小児期において大腿骨近位骨端部に阻血性壞死が生じる疾患である。男児に多い。男女比は6:1の割合である。
2.〇 正しい。多発性筋炎は、自己免疫性の炎症性筋疾患であり、骨格筋(特に近位筋)の筋力低下を特徴とする。小児では性差はないが成人では女性に多い。男女比は、1:3の割合である。
3.× 高尿酸血症とは、血清尿酸値が7.0mg/dLを正常上限とし、これを超えるものと定義する。男性が圧倒的に多く男女比約20:1の割合である。
4.× 強直性脊椎炎は、体軸性関節炎を主体とする全身性の慢性炎症性疾患である。主な合併症にぶどう膜炎がある。好発は若年男性である。男女比は、3~4:1の割合である。
5.× Duchenne型筋ジストロフィーは、筋細胞膜の保持・強化・情報伝達に異常を来した疾患である。X染色体劣性遺伝、通常男児のみ発症する。
多発性筋炎とは、自己免疫性の炎症性筋疾患で、主に体幹や四肢近位筋、頸筋、咽頭筋などの筋力低下をきたす。典型的な皮疹を伴うものは皮膚筋炎と呼ぶ。膠原病または自己免疫疾患に属し、骨格筋に炎症をきたす疾患で、遺伝はなく、中高年の女性に発症しやすい(男女比3:1)。5~10歳と50歳代にピークがあり、小児では性差なし。四肢の近位筋の筋力低下、発熱、倦怠感、体重減少などの全身症状がみられる。手指、肘関節や膝関節外側の紅斑(ゴットロン徴候)、上眼瞼の腫れぼったい紅斑(ヘリオトロープ疹)などの特徴的な症状がある。合併症の中でも間質性肺炎を併発することは多いが、患者一人一人によって症状や傷害される臓器の種類や程度が異なる。予後は、5年生存率90%、10年でも80%である。死因としては、間質性肺炎や悪性腫瘍の2つが多い。悪性腫瘍に対する温熱療法は禁忌であるので、その合併が否定されなければ直ちに温熱療法を開始してはならない。しかし、悪性腫瘍の合併の有無や皮膚症状などの禁忌を確認したうえで、ホットパックなどを用いた温熱療法は疼痛軽減に効果がある。
(※参考:「皮膚筋炎/多発性筋炎」厚生労働省様HPより)
共通問題
45回 午前88
88.強直性脊椎炎で正しいのはどれか。
1.20歳代の女性に好発する。
2.急性発作で発病する。
3.血沈は正常である。
4.虹彩毛様体炎を伴う。
5.四肢の関節は障害されない。
解答4
解説
強直性脊椎炎は、リウマチ類縁疾患として、脊椎や近位の関節を侵す原因不明の炎症性疾患である。痛みを主症状とし、脊椎や仙腸関節の炎症が主体となる慢性炎症性疾患である。疼痛は腰痛や殿部痛から始まり、次第に広がっていく。10歳代の若年男性に多く、ぶどう膜炎(虹彩毛様体炎)、竹様脊椎といった症状も特徴である。
1.× 20歳代の「女性」ではなく男性に好発する。若年層 (10~20歳代)に多く、男女比(5~9:1)である。
2.× 「急性発作」ではなく、慢性的に発病する。3か月以上持続する腰痛とこわばり(脊椎や仙腸関節の炎症)がある。
3.× 血沈(赤血球沈降速度)は、「正常」ではなく亢進する。なぜなら、炎症性疾患のため。ちなみに、リウマトイド因子は陰性である。血沈(赤血球沈降速度)とは、赤血球が試薬内を沈んでいく速度のことである。
4.〇 正しい。虹彩毛様体炎を伴う。他にも、大動脈弁閉鎖不全症、クローン病、潰瘍性大腸炎などを伴う。
5.× 四肢の関節も障害される。脊椎や仙腸関節、四肢では特に股関節、肩関節などの大関節が病変となる。
潰瘍性大腸炎とは、主に大腸の粘膜を侵し、再燃と寛解を繰り返す慢性のびまん性炎症性腸疾患である。症状として、繰り返す粘血便・下痢・腹痛・発熱・体重減少などがみられる。したがって、潰瘍性大腸炎の食事は、易消化性で高エネルギー、高タンパク、低脂肪、低残渣食を基本とする。原因不明であるが、遺伝的因子と環境因子が複雑に絡み合って発症に関与していると考えられている。
49回 午前86
86 男性に多い疾患はどれか。
1. 全身性エリテマトーデス
2. Sjögren症候群
3. 強直性脊椎炎
4. 線維筋痛症
5. 強皮症
解答3
解説
全身性エリテマトーデスとは、皮膚・関節・神経・腎臓など多くの臓器症状を伴う自己免疫性疾患である。皮膚症状は顔面の環形紅斑、口腔潰瘍、手指の凍瘡様皮疹である。10~30歳代の女性に好発する多臓器に障害がみられる慢性炎症性疾患であり、寛解と再燃を繰り返す病態を持つ。遺伝的素因を背景にウイルス感染などが誘因となり、抗核抗体などの自己抗体産生をはじめとする免疫異常で起こると考えられている。本症の早期診断、早期治療が可能となった現在、本症の予後は著しく改善し、5年生存率は95%以上となった。主な治療法として、①非ステロイド系消炎鎮痛剤、②ステロイド剤などである。
1.× 全身性エリテマトーデスは、男女比(1:10)で女性に多い。全身性エリテマトーデスとは、全身に多様な症状が出現する膠原病で、10~30歳代の女性に多い。
2.× Sjögren症候群(シューグレン症候群)は、男女比(1:9)で女性に多い。Sjögren症候群とは、唾液腺・涙腺の慢性炎症が生じる膠原病で、40歳代の中年女性に発症することが多い。
3.〇 正しい。強直性脊椎炎は、男女比(3:1)で男性に多い。強直性脊椎炎とは、脊椎や近位の関節を侵す慢性進行性関節炎である。若年層(10~20歳代)の男性に多い。
4.× 線維筋痛症は、男女比(1:4~5)で女性に多い。線維筋痛症とは、慢性的な身体広範囲にわたる疼痛と圧痛閾値低下を生じるリウマチ類縁疾患である。中高年女性に多い。
5.× 強皮症は、男女比(1:7~12)で女性に多い。強皮症とは、皮膚・臓器の炎症性・線維性変化を主体とする膠原病である。30~50歳代の中年女性に多い。