【PT/共通のみ】代謝(計算式)についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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目次 非表示

PT専門

60回午前4

4 50歳の男性。身長175cm、体重80kg。日常的な身体活動量を計測したところ、
 毎日5METs、30分間の歩行運動を実施していた。
 この歩行運動の消費エネルギーはどれか。

1.110kcal
2.160kcal
3.210kcal
4.260kcal
5.310kcal

解答

解説

消費エネルギーの公式

消費エネルギー(kcal)=1.05(kcal/kg/h)×体重(kg)×METs数×運動時間(hour)

1~2.4~5.× 110kcal/160kcal/260kcal/310kcalは該当しない。

3.〇 正しい。210kcalが、この歩行運動の消費エネルギーである。
【公式】消費エネルギー(kcal)=1.05(kcal/kg/h)×体重(kg)×METs数×運動時間(hour)
【本症例の場合】
1.05(kcal/kg/h)×80(kg)× 5(METs)× 0.5(hour)
=210(kcal)

 

 

 

 

第60回 午後4

4 70歳の女性。急性心筋梗塞で入院した。身長160cm。体重70kg。安静時心拍数70/分。安静時血圧130/70mmHg。心臓超音波検査にて低左心機能(LVEF<40%)が指摘されている。
 Karvonen法(k=0.5)を用いて計算した全身持久力運動の目標心拍数で正しいのはどれか。

1.90/分
2.100/分
3.110/分
4.120/分
5.130/分

解答

解説

公式

Karvonen法(カルボーネン法)は、年齢や安静時心拍数から運動強度を算出するときに使用される。

Karvonen法(カルボーネン法)は「目標心拍数=(220-年齢)-安静時心拍数)×運動強度%(k:係数)+安静時心拍数」で求めることができる。
※予測最大心拍数=(220-年齢)
※kは年齢や傷病の状態に応じて0.3~0.7程度で設定する。

1~2,4~5.× 90/分,100/分,120/分,130/分
計算間違いとなる。

3.〇 正しい。110/分を目標心拍数とする。
Karvonen法「目標心拍数=(220-年齢)-安静時心拍数)×運動強度%(k:係数)+安静時心拍数」
= 220-70-70
= 80 × 0.5 + 70
= 110/分

 

 

 

 

共通問題

45回 午後69

69.代謝で誤っているのはどれか。

1.呼吸商(RQ)は摂取する栄養素によって異なる。
2.特異動的作用(SDA)とは食物摂取後の体温上昇である。
3.基礎代謝量(BM)は同性、同年齢ならば体表面積に比例する。
4.エネルギー代謝率(RMR)は基礎代謝量を基準とした運動強度である。
5.代謝当量(MET)は安静臥位時の代謝量を基準とした運動強度である。

解答5

解説
1.〇 正しい。呼吸商(RQ)は、摂取する栄養素(エネルギー基質)によって異なる。呼吸商とは、単位時間あたりの二酸化炭素産生量と酸素消費量の比である(※呼吸商=CO2量/O2量)。ブドウ糖が1.0、蛋白質が約0.8、脂質が0.7である。
2.〇 正しい。特異動的作用(SDA)とは、食物摂取後の体温上昇である。特異動的作用(SDA)とは、食事の摂取に不可避的に伴うエネルギー消費で、食事後の熱生産として観察される。日本人の日常の食事内容から、総エネルギー消費量の約10%と推定されている。
3.〇 正しい。基礎代謝量(BM)は、同性・同年齢ならば体表面積に比例する。基礎代謝とは、体温維持、心臓や呼吸など、人が生きていくために最低限必要なエネルギーのことである。基礎代謝量は、体重・体表面積・性と年齢などの要因に依存する。安静・空腹時のエネルギー消費量で、一般に女性より男性の方が高い。
4.〇 正しい。エネルギー代謝率(RMR)は、基礎代謝量を基準とした運動強度である。エネルギー代謝率(RMR)は、さまざまな身体活動やスポーツの身体活動強度を示すもので、活動に必要としたエネルギー量が基礎代謝量の何倍にあたるかによって活動強度の指標している。
5.× 代謝当量(MET)は、「安静臥位時」ではなく安静座位時の代謝量を基準とした運動強度である。代謝当量(MET) とは、安静座位時の代謝量を基準とした運動強度であり、ある強度の運動時における代謝量が、安静座位時の代謝量の何倍に相当するかを表す。

 

 

 

48回 午前68

68 基礎代謝率について正しいのはどれか。

1.発熱時には増大する。
2.食物摂取後減少する。
3.男性よりも女性で高い。
4.加齢とともに増大する。
5.不安感があると減少する。

解答1

解説

基礎代謝率とは、活動に必要な最低限のエネルギーのこと。

 

1.〇 正しい。発熱時には増大する。熱量を発生させるために代謝率は増加する。
2.× 食物摂取後、「減少」ではなく増加する。なぜなら、消化管運動を亢進するため(食物の特異動的作用)。
3.× 逆である。女性よりも男性で高い。なぜなら、男性の方が骨格筋量は多いため。
4.× 加齢とともに、「増大」ではなく減少する。なぜなら、骨格筋の萎縮や筋肉量の減少、そのほか様々な機能が低下するため。
5.× 不安感があると、「減少」ではなく増加する。なぜなら、不安感=ストレスは、副腎皮質ホルモンの分泌刺激となる。副腎皮質ホルモンは、代謝を亢進する働きを持つ。

 

 

 

49回 午後68

68 基礎代謝について正しいのはどれか。

1. 男性は女性より低い。
2. 過食によって低下する。
3. 老化に伴い上昇する。
4. 寒冷の環境に慣れた人は低下する。
5. 副腎髄質ホルモンによって上昇する。

解答5

解説

1.× 男性は女性より、高い。なぜなら、男性の方が筋量が多いため。
2.× 過食によって、亢進する。なぜなら過食に伴い、消化管運動が亢進するため。
3.× 老化に伴い、減少する。なぜなら、老化に伴い、骨格筋の萎縮や筋肉量の減少をはじめとする様々な機能が低下するため。
4.× 寒冷の環境に慣れた人でも、関係なく増加する。なぜなら、体温を維持するため。
5.〇 正しい。副腎髄質ホルモンによって上昇する。なぜなら、代謝(糖代謝)を促進させるため。

 

 

50回 午後68

68 基礎代謝について誤っているのはどれか。

1. 安静臥床で計測する。
2. 体温の上昇によって増加する。
3. 同性、同年齢ならば体表面積に比例する。
4. 代謝当量(METs)は、作業時代謝量 ÷ 基礎代謝量で表す。
5. 食後の消費エネルギー増加は、脂質摂取に比べ蛋白質摂取で大きい。

解答4

解説

基礎代謝量とは、生命維持のために最低限必要なエネルギー量(覚醒時)である。

 

1.〇 正しい。安静臥床で計測する。
2.〇 正しい。体温の上昇によって増加する。
3.〇 正しい。同性、同年齢ならば体表面積に比例する。詳しくは、補足説明にて。
4.× 代謝当量(METs)は、「作業時代謝量 ÷ 基礎代謝量」ではなく、運動・作業時代謝量 ÷ 安静時代謝量で表す。作業時代謝量 ÷ 基礎代謝量で求められるのは、エネルギー代謝率(RMR)である。
5.〇 正しい。食後の消費エネルギー増加は、脂質摂取に比べ蛋白質摂取で大きい。

選択肢3の補足説明

基礎代謝量は、ハリス・ベネディクト方程式(改良版)を使って求められる。
男性:13.397×体重kg+4.799×身長cm−5.677×年齢+88.362
女性:9.247×体重kg+3.098×身長cm−4.33×年齢+447.593

体表面積は、デュポア式を使って求められる。
体表面積=身長0.725×体重0.425×0.007184

体重と身長を使用し体表面積を求められ、基礎代謝量も身長と体重が寄与している。

よって、基礎代謝に比例する。

 

 

 

51回 午後73

73 エネルギー代謝率の計算式で正しいのはどれか。

1. 内的仕事量 ÷ 全仕事量
2. 基礎代謝量 ÷ 基準体表面積
3. 労作代謝量 ÷ 基礎代謝量
4. 作業時代謝量 ÷ 安静時代謝量
5. 作業時エネルギー消費量 ÷ 安静時エネルギー消費量

解答3

解説

エネルギー代謝率(relative metabolic rate:RMR)とは、何もしないでいるときの状態に対して、活動や運動で何倍くらいのエネルギーが消費されたかを示した比率である。

 

1.× 内的仕事量 ÷ 全仕事量は、内的仕事率(PIT)の公式である。内的仕事率(PIT)とは、作業筋自身が重心周りの運動のために出力する仕事と定義されている。
2.× 基礎代謝量 ÷ 基準体表面積は、体表面積当たり基礎代謝基準値(kcal/m2/時)を求められ、エネルギー代謝率(relative metabolic rate:RMR)と別ものだが、比例すると考えられている。
3.〇 正しい。労作代謝量 ÷ 基礎代謝量で、エネルギー代謝率(RMR)が求められる。RMR=(労作時のエネルギー消費量-安静時のエネルギー消費量)÷基礎代謝量。つまり、「労作代謝量÷基礎代謝量」である。
4.× 作業時代謝量 ÷ 安静時代謝量は、代謝当量(METs)の公式である。
5.× 作業時エネルギー消費量 ÷ 安静時エネルギー消費量は、活動(労作)エネルギーである。

 

 

 

52回 午後69

69 代謝について正しいのはどれか。

1. エネルギー代謝率(RMR)は基礎代謝量を基準とした運動強度である。
2. 基礎代謝量(BM)は同性で同年齢ならば体重に比例する。
3. 呼吸商(RQ)は摂取する栄養素によらず一定である。
4. 代謝当量(MET)は安静臥位時の代謝量を基準とした運動強度である。
5. 特異動的作用(SDA)とは食物摂取後の消費エネルギーの減少である。

解答:1

解説

1.〇 正しい。エネルギー代謝率(RMR)は基礎代謝量を基準とした運動強度である。活動あるいは労働の強度を表し、静的運動にはあてはまらない。
2.✖ 基礎代謝量(BM)は、同性で同年齢ならば、「体重」ではなく体表面積に比例する。基礎代謝量(BM)は、生命維持に必要な代謝の基本量、たとえば早朝空腹時、目はさめているが心身とも安静の状態での代謝量を基礎代謝量という。人種、風土、体格、体質、年齢、性、健康状態などにより差がある。
3.✖ 呼吸商(RQ)は、酸素消費量に対する二酸化炭素排出量の体積比である。呼吸商は栄養素によって異なり、ブドウ糖が1.0、タンパク質が約0.8、脂質が約0.7である。
4.✖ 代謝当量(MET)は、静かに腰掛けた状態である安静座位時の代謝量を基準単位として、1METとする。運動時もしくは作業時の代謝量はこれに対する比率として複数形のMETs(メッツ)で表す。「安静臥位」ではなく、安静座位が正しい。
5.✖ 特異動的作用(SDA)とは、食物を摂取することによって生じる特別な発熱もしくはその量のことである。したがって、特異動的作用(SDA)は、食事摂取後の体温上昇のことである。脂質に比べタンパク質の方が特異動的作用(SDA)が大きい。

 

 

54回 午前69

69. 代謝で誤っているのはどれか。

1. 呼吸商<RQ>は摂取する栄養素によって異なる。
2. 特異動的作用<SDA>とは食物摂取後の体温上昇である。
3. 基礎代謝量<BM>は同性、同年齢なら体表面に比例する。
4. エネルギー代謝率<RMR>は基礎代謝量を基準とした運動強度である。
5. 代謝当量<MET>は安静臥位時の代謝量を基準とした運動強度である。

解答

解説
1. 〇:正しい。呼吸商<RQ>は、摂取する栄養素によって異なる。呼吸商とは、単位時間あたりの二酸化炭素産生量と酸素消費量の比である。呼吸商は栄養素によって異なり、ブドウ糖が1.0タンパク質は約0.8脂質が0.7である。
2. 〇:正しい。特異動的作用<SDA>とは、食物摂取後の体温上昇である。通常、どのような食事をしても熱産生の亢進が起こり、これを特異動的作用<SDA>という。ちなみに、脂質に比べてタンパク質の方が特異動的作用<SDA>は大きい。
3. 〇:正しい。基礎代謝量<BM>は、同性・同年齢なら体表面に比例する。基礎代謝量は体重、体表面積、性と年齢などの要因に依存する。
4. 〇:正しい。エネルギー代謝率<RMR>は、基礎代謝量を基準とした運動強度である。エネルギー代謝率は活動による代謝量の増加が基礎代謝量の何倍であるかを表す。※基礎代謝率 = (作業時の代謝量 - 安静時の代謝量) ÷ 基礎代謝量で表す。
5. ×:代謝当量<MET>は、「安静臥位時」ではなく安静座位時の代謝量を基準とした運動強度である。ある郷土の運動時における代謝量が、安静座位の時の代謝量の何倍に相当するかを表す。

 

 

 

 

56回 午前69

69 エネルギー代謝率の計算式で正しいのはどれか。

1.内的仕事量 ÷ 全仕事量
2.労作代謝量 ÷ 基礎代謝量
3.基礎代謝量 ÷ 基準体表面積
4.労作代謝量 ÷ 安静時代謝量
5.基礎代謝実測値 ÷ 基礎代謝基準値

解答

解説

計算式

エネルギー代謝率(RMR:Relative Metabolic Rate)は、活動による代謝量の増加が基礎代謝量の何倍であるかを表す指標である。つまり、何もしないでいるときの状態に対して、活動や運動で何倍くらいのエネルギーが消費されたかを示す比率である。
【エネルギー代謝率(RMR)= 労作代謝量(作業時の代謝量 − 安静時の代謝量)÷ 基礎代謝量】で表される。

ちなみに、エネルギー代謝に関する知識でよく問われるのは、
①呼吸商(RQ)= 二酸化炭素排出量 ÷ 酸素消費量
②基礎代謝量(BM):安静、空腹時のエネルギー消費量。体重、性別、年齢によって増減し、体表面積に比例する。
③代謝当量(MET):安静座位の代謝量を基準とした運動強度。ある強度の運動時における代謝量が、安静座位時の代謝量の何倍に当たるかを表す。

※1METs = 3.5mL /分/kgの酸素消費量

1.× 内的仕事量 ÷ 全仕事量は、内的仕事率(PIT)の公式である。内的仕事率(PIT)とは、作業筋自身が重心周りの運動のために出力する仕事と定義されている。つまり、総仕事量に占める内的仕事量の割合を指すことが多い。
2.〇 正しい。エネルギー代謝率=労作代謝量÷基礎代謝量を表す。
3.× 基礎代謝量 ÷ 基準体表面積は、体表面積当たり基礎代謝基準値(kcal/m2/時)を求めている。基礎代謝量と体表面積は比例すると考えられている。また、エネルギー代謝率(relative metabolic rate:RMR)とも比例すると考えられている。
4.× 労作代謝量(労作代謝量)÷ 「安静時代謝量」は、代謝当量(METs)が求められる。
5.× 基礎代謝実測値(kcal/m2/時)とは、基礎代謝量 ÷ 基準体表面積で求められる。基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)とは、エネルギー必要量を推定するために性・年齢別に定められた、体重あたりの 基礎代謝量の代表値である。

 

 

 

 

57回 午前69

69 エネルギー代謝で誤っているのはどれか。

1.安静時代謝量は基礎代謝量より小さい。
2.基礎代謝量はホルモンの影響を受ける。
3.安静時代謝量は体重減少により低下する。
4.呼吸商は脂肪の燃焼が多くなると低下する。
5.代謝当量1単位は酸素3.5mL/kg/分の摂取量を基準としている。

解答

解説
1.× 安静時代謝量は基礎代謝量より、小さいのではなく「大きい」。安静時代謝量とは、快適な室温の部屋で、座って安静にしている状態で消費されるエネルギー量のことである。通常、基礎代謝量の約1.2倍(早朝空腹時では約1.1倍)とされている。ちなみに、基礎代謝とは、体温維持、心臓や呼吸など、人が生きていくために最低限必要なエネルギーのことである。基礎代謝量は、体重・体表面積・性と年齢などの要因に依存する。安静・空腹時のエネルギー消費量で、一般に女性より男性の方が高い。
2.〇 正しい。基礎代謝量は、ホルモンの影響を受ける。甲状腺機能が亢進すると物質代謝や基礎代謝量が増大するため、心拍数の増加、体温の上昇、発汗の増加などがみられるようになる。この状態がバセドウ病である。
3.〇 正しい。安静時代謝量は、体重減少により低下する。体重が重い時の方(筋肉量が増すため)が、安静にしていてもエネルギー量を多く使う。
4.〇 正しい。呼吸商は、脂肪の燃焼が多くなると低下する。呼吸商とは、単位時間あたりの二酸化炭素産生量と酸素消費量の比である。呼吸商は栄養素によって異なり、ブドウ糖が1.0、タンパク質は約0.8、脂質が0.7である。したがって、脂肪をよく燃焼している場合の呼吸商は0.8程度、脂肪を燃焼していない場合は1.0になる。 
5.〇 正しい。代謝当量1単位は、酸素3.5mL/kg/分の摂取量を基準としている。「METs」とは、安静座位での酸素消費量を1として、その何倍の酸素消費量に当たるかを示したもの(代謝当量)である。各個人の安静坐位時の酸素摂取量(3.5ml/kg/min)が1METsである。

 

 

59回 午前69

69 エネルギー代謝で正しいのはどれか。

1.基礎代謝量は安静時代謝量より大きい。
2.安静時代謝量は体重減少により低下する。
3.呼吸商は糖質の燃焼が多くなると低下する。
4.代謝当量〈METs〉は基礎代謝量を基準にしている。
5.エネルギー代謝率〈RMR〉は安静時代謝量を基準にしている。

解答

解説

基礎代謝量とは?

基礎代謝量とは、生体が正常に生命を維持するために必要な代謝量のことである。基礎代謝量は、体表面積/性別/年齢/体格/体温/ホルモンなどの影響を受けるものである。

1.× 基礎代謝量は、安静時代謝量より「大きい」ではなく小さい。安静時代謝量とは、快適な室温の部屋で、座って安静にしている状態で消費されるエネルギー量のことである。通常、基礎代謝量の約1.2倍(早朝空腹時では約1.1倍)とされている。ちなみに、基礎代謝とは、体温維持、心臓や呼吸など、人が生きていくために最低限必要なエネルギーのことである。基礎代謝量は、体重・体表面積・性と年齢などの要因に依存する。安静・空腹時のエネルギー消費量で、一般に女性より男性の方が高い。
2.〇 正しい。安静時代謝量は体重減少により低下する。なぜなら、骨格筋にも依存するため。安静時基礎代謝は、骨格筋22%・脂肪組織4%・肝臓21%・脳20%・心臓9%・腎臓8%・その他16%で規定されている。したがって、安静時基礎代謝を増やすために筋肉量を増やすことを目標にすることが多い(※参考:「安静時基礎代謝量の計算方法について」Uクリニック様HPより)。
3.× 呼吸商は、糖質の燃焼が多くなると「低下」ではなく増加する。呼吸商とは、酸素消費量に対する二酸化炭素排出量の比である。呼吸商は栄養素によって異なり、ブドウ糖が1.0、タンパク質は約0.8、脂質が0.7である。したがって、脂肪をよく燃焼している場合の呼吸商は0.8程度、脂肪を燃焼していない場合は1.0になる。
4.× 代謝当量〈METs〉は、「基礎代謝量」ではなく安静時代謝基準にしている。代謝当量とは、安静座位での酸素消費量を1として、その何倍の酸素消費量に当たるかを示したものである。各個人の安静坐位時の酸素摂取量(3.5ml/kg/min)が1METsである。
5.× エネルギー代謝率〈RMR〉は、「安静時代謝量」ではなく基礎代謝量を基準にしている。エネルギー代謝率(RMR)は、さまざまな身体活動やスポーツの身体活動強度を示すもので、活動に必要としたエネルギー量が基礎代謝量の何倍にあたるかによって活動強度の指標している。何もしないでいるときの状態に対して、活動や運動で何倍くらいのエネルギーが消費されたかを示した比率である。労作代謝量 ÷ 基礎代謝量で、エネルギー代謝率(RMR)が求められる。RMR=(労作時のエネルギー消費量-安静時のエネルギー消費量)÷基礎代謝量である。

 

 

 

 

60回 午前28

28 基礎代謝量で正しいのはどれか。

1.体温上昇に伴い低くなる。
2.慢性炎症性疾患では高くなる。
3.除脂肪体重が少ないと高くなる。
4.思春期以降は加齢とともに高くなる。
5.同一年齢では男性のほうが女性より低い。

解答

解説

基礎代謝量とは?

基礎代謝量とは、生体が正常に生命を維持するために必要な代謝量のことである。基礎代謝量は、体表面積/性別/年齢/体格/体温/ホルモンなどの影響を受けるものである。

1.× 体温上昇に伴い、「低く」ではなく高くなる。なぜなら、発熱時には体温を維持するためのエネルギー消費が増えるため。

2.〇 正しい。慢性炎症性疾患では、高くなる。なぜなら、慢性炎症状態では、炎症メディエーター(サイトカインなど)が代謝を刺激し、エネルギー消費が増加するため。

3.× 除脂肪体重が少ないと「高く」ではなく低くなる。なぜなら、基礎代謝量は、主に筋肉などの除脂肪体重に依存しているため。したがって、筋肉量が多い人は、安静時でもエネルギー消費が多い。ちなみに、除脂肪体重とは、体重において体脂肪以外の筋肉や骨、内蔵などの総重量のことをいう。

4.× 思春期以降は加齢とともに「高く」ではなく低くなる。なぜなら、加齢により筋肉量が減少し、代謝活動・基礎代謝量ともに低下するため。したがって、高齢者は若年者に比べ、筋肉量が減り基礎代謝量も低下する。

5.× 逆である。同一年齢では「女性」のほうが「男性」より低い。なぜなら、一般に、女性より男性のほうが、筋肉量は多いため。したがって、体重が同じでも、女性よりも男性は筋肉量が多いため、エネルギー消費量が高くなる。

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