筋と骨を比べてみよう。「働き・数の違い」

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「筋肉の働き・数」

最初に結論を言ってしまいましょう!この図をご覧ください。

  働き 数
筋肉 能動運動
姿勢の維持
循環の促進ポンプ(筋ポンプ)
産熱
表情
体形、シルエットの形成
体内の物質の移動
人体には600もの筋肉がある。
400は骨格筋である。
200は不随意筋である。
骨 人体の枠組み
臓器の保護
受動的な運動器
造血
カルシウムの貯蔵
新生児の骨は「約350本」
成人の骨は「約206本」

大川

筋肉は、見せて自慢する以外にも、いくつも機能がありますよ。
今日は一つでもいいので覚えていきましょう。

筋の生理作用

骨格筋には、次のような生理作用があります。

能動運動

これが一般的な回答なのではないでしょうか?
骨格筋の収縮により、付着する骨が移動し、関節運動がおこります。
これにより、運動したり走ったりできます。

姿勢の維持

姿勢の維持にも筋が作用しています。
骨格筋は、短縮しなくても張力を生じることができます。
これを等尺性収縮と言います。
この機能を発揮し姿勢の維持ができているのですね。
見かけの運動がなくても、立位やつま先立ちなどの特定の姿勢を保つためには、拮抗する複数の筋が緊張しているのです。
試しに、つま先立ちをしてみてください。
姿勢を維持しているだけなのに、ふくらはぎが張ってきますよ。

循環の促進(筋ポンプ)

静脈やリンパ管には、逆流しないように「弁」がついています。
静脈やリンパ管の隣接する「骨格筋の収縮」により圧迫されると、血液やリンパ液が押し流されていきます。
しごかれるように一定の方向に流れていくのです。
このようにして、筋の収縮は「体液の循環の促進」に機能しているのです。

産熱

意外にも、筋の収縮に使われるエネルギーの「約半分」は「熱」になります。
筋が働くことにより体温が上昇するわけです。
ダイエット時に基礎代謝を上げるため、筋肉量を落とさないように言われるのはこのためです。
産熱は、骨格筋に限らず、平滑筋、心筋の収縮によっても同様です。
我々は、寒さを感じ、体温を上昇させようとして、無意識のうちに身体を震えさせることをしていますね。

表情

顔面の筋(皮筋)を収縮させても関節運動はおこらないが、顔面の表情を変えることができます。
四肢につく筋では、この機能をもちません。
表情筋は、ヒトで特に発達し、コミュニケーションのために使われる。

体形、シルエットの形成

人体の多くの部分で、外形(シルエット)が骨格筋によってつくられています。
まあ、骨格筋より体脂肪で作られている人いますけどね(笑)
男女の性差も骨格筋による部分が大きいです。
寝たきりや栄養不良による萎縮などの健康状態でも、骨格筋のボリュームが変わり体形に差があります。

体内の物質の移動

主に、体内の物質の移動は、不随意筋(心筋と平滑筋)によって行われていると思っている人が多いと思います。
もう少し視野を広げて考えてみましょう。
確かに血液や消化器系(内臓での食べ物)の移動は、不随意筋です。
しかし、食物の咀嚼(かみ砕くこと)や飲み込みや排泄の最終段階(出す止める)、呼吸運動には骨格筋が関与しています。

まとめ~筋の作用

  • 能動運動
  • 姿勢の維持
  • 循環の促進ポンプ(筋ポンプ)
  • 産熱表情
  • 体形、シルエットの形成
  • 体内の物質の移動

 

筋肉の数

人体には、「約600」を越える筋肉が存在します。
筋肉を種類に大別すると、「骨格筋」「平滑筋・心筋」に分けられます。

●「骨格筋」意識して動かすことができる・・・随意筋

 

骨格筋は、人体から骨格筋以外(皮膚や骨、血液)を取り除いても、人間の「外形」がきちんと残るため、そう呼ばれています。
骨格筋の総重量は、体重の約半分もあります。
そのため、骨格筋だけで約400あります。
骨格筋は、「体幹筋」と「体肢筋」に分けられる。
体肢筋は、上肢の筋・下肢の筋に分けられます。

●「心筋・平滑筋」意識して動かすことができない・・・不随意筋に分けられます。
それらは、約200あります。

 

心筋は、心臓の壁を作っています。
特に左心室の心筋層は、全身に血液を送るために、著しく厚くなっています(約8㎜~11㎜)。
一分間に70~80回絶えず動いてるなんてすごいですよね。

平滑筋は、主に内臓や血管の壁に分布しています。
主な分布先としては、胃や腸、尿管、膀胱、子宮などの壁の筋層を構成しています。
これらの筋層の平滑筋が、収縮したり弛緩したりすることによって、内容物の輸送や排出が行われているのです。

 

まとめ~筋肉の数~

  • 人体には600もの筋肉がある。
  • 400は骨格筋である。
  • 200は不随意筋である。
働き者の筋肉は、600もあるのだな!
たくさんあるな!!

でこちゃん

大川

でも、理学療法士は、この筋肉のほとんどをしっかり覚えるんですよ(^^)/

ひいいいいぃぃぃ!

でこちゃん

大川

では次に、骨についてみていきましょう。

骨の機能・数

大川

みなさん、骨の機能は知っていますか?

お化け屋敷や、昔は占いや武器として使われていたり・・・。

でこちゃん

大川

(そんなことどこで覚えてきたのだろう・・・?)
そもそも骨っていうのは、人体でどんな役割や機能を持っているのでしょうか?

骨の機能


骨の機能として、以下のようなものがあります。

人体の枠組み

骨格とは、骨と軟骨が組み合わさったもののことです。
その骨格は、人体の支柱となります。
人体そのものの形を保持し、体重を支える機能があるのです。
家で例えるなら、大黒柱などの柱ですね。

臓器の保護

いくつかの骨が集まって空洞を形成し、その空洞に「臓器」を入れて「保護」します。
例えば、頭蓋には「頭蓋腔」があり、その中に「脳」が入っています。
脊柱には脊柱管があり、脊髄を入れています。
他にも、胸郭は肺や心臓を、骨盤は膀胱や子宮などを保護しています。

受動的な運動器

骨格は、これに付着する「筋肉」と一緒に運動を行います。
その場合、骨格は「筋肉の伸び縮み」により動かされています。
もう少し詳しく言うと、肘関節は、「上腕二頭筋」や「上腕三頭筋」が伸び縮みすることによって「上腕骨」や「橈骨・尺骨」が近づけたり遠ざ勝ったりするのです。
そのため、筋を能動的な運動器、骨格を受動的な運動器と呼ぶことがあります。

造血

骨の内部には軟組織である「骨髄」があります。
特に、赤色骨髄は血球をつくる「造血」という重要な働きをしています。
赤血球、各種の白血球、血小板が「骨髄」で作られているのです。
なお、胎児では、肝臓や脾臓でも血球が作られています。

カルシウムの貯蔵

骨には、「リン酸カルシウム」や「炭酸カルシウム」が多く含まれています。
つまり、カルシウムの貯蔵場所としての働きを持っているのです。

(全カルシウム量の約99%が骨に含まれています)

 

まとめ~骨の機能~

    • 人体の枠組み
    • 臓器の保護
    • 受動的な運動器
    • 造血
    • カルシウムの貯蔵
ほおぉ!骨はお化け屋敷で使われているだけじゃないんだな。

でこちゃん

大川

当たり前ですよ・・・。

骨の数

新生児の骨は「約350本」、成人の骨は「約206本」あります。

  • 頭蓋骨:23個
  • 背骨:26個
  • 胸骨:1個
  • 肋骨:12×2(左右合わせる) = 24個
  • 上肢骨:32×2(左右合わせる)= 64個
  • 下肢骨:31 ×2(左右合わせる) = 62個
  • その他:6個

 

なぜ新生児と成人では、骨の数が違うのでしょうか?

骨の数が多いことで、いくつかメリットがあるので紹介します。
・お母さんのお腹から出てくるときに、でかい頭など少しコンパクトできる。
・身長の伸びなどの成長を邪魔しないため。
・骨同士くっついていった方が、強固なつながりとして保てるため。

などが考えられています。

 

余談「人種によって骨の数も違う!?」

新生児の骨は「約350本」、成人の骨は「約206本」あります。
「約」とつけたのは、尾骨や足の骨の本数は人それぞれ本数が違うのです。
また、新生児から骨の本数が減ることから分かるように、成長するにつれて骨は強くなろうとして合体していきます。

特に、最近の研究では、足の小指の骨の数は、世界的に見れば「過半数」は「3本」タイプだそうです。
しかし、日本人は「3/4」が「2本」しかありません。
なぜ日本人だけが2本しかないのかはっきり分かっていませんが、やはり、生活の環境などが影響しているのではないでしょうか?

もし足のレントゲン写真を見る機会があるなら、本数を数えてみると面白いかもしれませんね(笑)

 

まとめ~骨の数

  • 新生児の骨は「約350本」、成人の骨は「約206本」
  • 成長によって、個人差あり。
  • 人種によっても骨の数は違う!?

 

大川

人体を形成する骨組みを担っているので、骨粗鬆症など骨が「もろい人」は、すこしの衝撃でボロボロボロと崩れていってしまいます。
そうならないためにも、日頃の運動や食生活に気を付けて生活していってくださいね。

 

※参考文献) 標準理学療法学・作業療法学 解剖学 第3版 編集:野村嶬 P249