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66 排便の生理で正しいのはどれか。
1.排便中枢は腰髄にある。
2.外肛門括約筋は平滑筋である。
3.食事により胃大腸反射が生じる。
4.肛門直腸角は体幹を前屈すると鋭角になる。
5.便意は糞便による結腸壁の伸展刺激により生じる。
解答3
解説
1.× 排便中枢は、「腰髄」ではなく仙髄(S2〜S4)にある。
2.× 外肛門括約筋は、「平滑筋」ではなく横紋筋である。一方、内肛門括約筋は平滑筋である。
・外肛門括約筋とは、内肛門括約筋を外側から筒状に取り囲むように存在する随意筋かつ横紋筋である。体性神経である下直腸神経・会陰神経の支配を受けている。外肛門括約筋の弛緩が起こって排便が起こる(排便反射)。つまり、お尻の穴の排便の時に働く筋肉である。
3.〇 正しい。食事により胃大腸反射が生じる。
・胃大腸反射とは、胃の中に食べ物が入るとガストリンが分泌され、この刺激により回盲部が開き、便塊が大腸に流れる。これにより結腸の蠕動運動が亢進することを胃大腸反射という。
4.× 肛門直腸角は、体幹を前屈すると「鋭角」ではなく緩やかになる。なぜなら、前かがみ姿勢やしゃがみ姿勢で排便しやすくなるのは、腹圧がかかるだけでなく、肛門直腸角が緩やかになり、排便に有利な方向へ変化するため。
・肛門直腸角とは、直腸と肛門管がつくる曲がり角のことである。主に恥骨直腸筋の働きで保たれ、便が漏れにくくなる仕組みに関わる。排便時(体幹前屈時、)にはこの角度がゆるみ、便を出しやすくする重要な機能を持つ。
5.× 便意は、糞便による「結腸壁」ではなく直腸壁の伸展刺激により生じる。直腸壁が伸展することで、その重さの刺激は骨盤神経を伝わり、仙髄の排便中枢→大脳に伝わり便意となる。
・大腸は、①結腸と②直腸に分かれ、①結腸とは、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に区別される。結腸は、主に水分と電解質の吸収、便の形成・貯留に関与する。
67 体温で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.肝臓は熱産生を行う。
2.体温の受容器は腹腔にある。
3.体温調節の中枢は視床にある。
4.発汗は行動性体温調節反応の一つである。
5.運動による発汗はアポクリン腺の分泌物である。
解答1・2
解説
1.〇 正しい。肝臓は熱産生を行う。安静時の熱産生が最も多い。なぜなら、肝臓は、多くの代謝活動(栄養の処理、解毒、蛋白質の合成、脂肪の分解など)を行っており、全身の熱産生の約20〜30%を占めるため。
・肝臓の働きは、①胆汁の生成とビリルビンの代謝、②血漿蛋白質と尿素の合成、③脂質代謝、④糖の貯蔵と放出、⑤ビタミンDの代謝、⑥ホルモンの代謝、⑦解毒・薬物の代謝である。
2.〇 正しい。体温の受容器は腹腔にある。なぜなら、体温受容器は、皮膚のほかにも、腹腔にもある。体温調節では、外界温度を感知する皮膚の温度受容器に加えて、視床下部、脊髄、腹部内臓、大血管周囲などの深部受容器が重要である。
3.× 体温調節の中枢は、「視床」ではなく視床下部にある。
・視床とは、嗅覚以外のあらゆる感覚情報(体性感覚、痛覚、視覚、聴覚、味覚など)を大脳皮質に送る一大中継基地を担う。
・視床下部とは、間脳に位置し、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である。 ヒトの場合は脳重量のわずか0.3%、4g程度の小さな組織であるが、多くの神経核から構成されており、体温調節やストレス応答、摂食行動や睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理している。つまり、視床下部は自律神経の最高中枢である。
4.× 発汗は、「行動性体温調節反応」ではなく自律性体温調節反応の一つである。なぜなら、発汗は自律神経系によって無意識に制御される生理反応であるため。
・体温調節には、①自律性体温調節反応と②行動性体温調節反応に分けられる。
①自律性体温調節反応とは、意識しなくても自動的に働く体温調節の反応である。暑いときには発汗や皮膚血管の拡張で熱を逃がし、寒いときにはふるえや皮膚血管の収縮で熱を保ち、体温を一定に保つ。
②行動性体温調節反応とは、暑ければ衣服を脱ぐ、寒ければ暖房をつける、水分をとるなどの自分の行動で環境を変える調節を指す。
5.× 運動による発汗は、「アポクリン腺」ではなくエクリン汗腺の分泌物である。なぜなら、運動による発汗は、体温調節に関与する発汗であるため。一方、アポクリン汗腺は腋窩や外陰部などに多く、思春期以降に発達し、情動や性ホルモンの影響を受けやすい汗腺である。
・エクリン腺とは、口唇・亀頭・陰唇を除く全身の皮膚に分布する。手掌・足底・額に特に多い。エクリン汗の成分はアポクリン腺からの汗(アポクリン汗)に比べて薄い。一方、アポクリン汗腺は、主に脇や陰部などの真皮に存在する。
68 男性生殖器で正しいのはどれか。(※不適切問題:解2つ)
1.勃起中枢は腰髄にある。
2.射精は交感神経の作用による。
3.機能的な精子形成は50日かかる。
4.射精時は膀胱内括約筋が収縮する。
5.精子の射精後腔内での寿命は12時間である。
解答2・4
採点上の取り扱い:複数の選択肢を正解として採点する。
理由:複数の正解があるため。
解説
1.× 勃起中枢は、「腰髄」ではなく仙髄(S2~S4)にある。
2.〇 正しい。射精は、交感神経(下腹神経)の作用による。ちなみに、勃起は、副交感神経の作用を介して起こる。陰部の刺激が陰部神経を介して、射精中枢を興奮させ、それが一定のレベルを超えると射精中枢から交感神経(下腹神経)に刺激が伝わる。
3.× 機能的な精子形成(精祖細胞から成熟精子になるまで)は、「50日」ではなく約74日かかる。さらに、精巣上体での成熟・輸送も加わるため、受精能を持つまでには、約100日(約3か月)かかる。
4.〇 正しい。射精時は、膀胱内括約筋(=内尿道括約筋)が収縮する。なぜなら、射精時には、交感神経作用により膀胱頸部(膀胱内括約筋が収縮)し、精液が膀胱へ逆流するのを防ぐため。
5.× 精子の射精後腔内での寿命は、「12時間」ではなく2~3日(約48~72時間)である。ちなみに、受精卵は受精後4、5日で子宮に到達する。その後、受精後6~7日頃から子宮体部にある子宮内膜へ着床を開始する。受精卵ができてからおおよそ12日後に着床が完了し、妊娠が成立する。
69 呼吸商で正しいのはどれか。
1.換気障害の指標である。
2.長時間の運動で増加する。
3.蛋白質の呼吸商は脂質より大きい。
4.糖質の燃焼が多くなると低下する。
5.二酸化炭素排出量から酸素消費量を引いた値である。
解答3
解説
呼吸商とは、単位時間あたりの二酸化炭素産生量と酸素消費量の比である。呼吸商は栄養素によって異なり、ブドウ糖が1.0、タンパク質は0.8、脂質が0.7である。
1.× 「換気障害の指標」ではなく「単位時間あたりの二酸化炭素産生量と酸素消費量の比」である。つまり、「どの栄養素を燃やしているか」を示す代謝指標である。ちなみに、「換気障害の指標」となると、肺活量、1秒量、1秒率、血液ガスなどが該当する。
2.× 長時間の運動で、「増加」ではなく低下する。なぜなら、長時間の運動では、糖質(呼吸商:1.0)だけでなく、脂質利用(呼吸商:0.7)の割合が増えるため(有酸素系、TCA回路)。
3.〇 正しい。蛋白質(呼吸商:0.8)の呼吸商は、脂質(呼吸商:0.7)より大きい。
・ブドウ糖が1.0、タンパク質は0.8、脂質が0.7である。
4.× 糖質(1.0)の燃焼が多くなると、「低下」ではなく上昇する。なぜなら、糖質の呼吸商は1.0と高く、脂質(呼吸商:0.7)や蛋白質(呼吸商:0.8)より大きいため。
5.× 二酸化炭素排出量から酸素消費量を「引いた値」ではなく割った値である。
・呼吸商とは、単位時間あたりの二酸化炭素産生量と酸素消費量の比である。
70 肩甲骨に対する前鋸筋と僧帽筋上部線維の作用で共通するのはどれか。
1.下制
2.挙上
3.内転
4.下方回旋
5.上方回旋
解答5
解説
・前鋸筋の【起始】第1~8(~10)肋骨前外側面、【停止】第1,2肋骨とその間の腱弓からの筋束は肩甲骨上角。第2,3肋骨からは分散して広く肩甲骨内側縁。第4肋骨以下からは下角、【作用】全体:肩甲骨を前方に引く。下2/3:下角を前に引いて肩甲骨を外方に回旋し、上腕の屈曲と外転を補助。最上部:肩甲骨をやや引き上げる、【神経】長胸神経である。
・僧帽筋の【起始】後頭骨上項線、外後頭隆起、項靭帯、第7頸椎以下全胸椎の棘突起および棘上靭帯、【停止】肩甲骨の肩甲棘と肩峰の上縁および鎖骨外側1/3(三角筋の起始範囲とほぼ同じ)、【作用】上部:肩甲骨と鎖骨の肩峰端を内上方にあげる。中部:肩甲骨を内側に引く。下部:肩甲骨を内下方に引き下げると同時にその下角を外側に回旋する、【神経】副神経(外枝)と頸神経叢の筋枝である。
1~4.× 下制/挙上/内転/下方回旋は、前鋸筋と僧帽筋上部線維の作用で共通しない。
5.〇 正しい。上方回旋は、肩甲骨に対する前鋸筋と僧帽筋上部線維の作用で共通する。
