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1 関節可動域測定法〈日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準1995年〉を図に示す。
測定法で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.肩外旋
2.前腕回外
3.母指橈側外転
4.股外転
5.膝伸展
解答2・4
解説
1.× 肩外旋の【基本軸】肘を通る前額面への垂直線、【移動軸】尺骨である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、①上腕を体幹に接して、肘関節を前方90°に屈曲した肢位で行う、②前腕は中間位とする。設問の図は、前腕回外位である。
2.〇 正しい。前腕回外の【基本軸】上腕骨、【移動軸】手指を伸展した手掌面、【測定部位及び注意点】肩の回旋が入らないように肘を90°に屈曲する。
3.× 母指橈側外転の【基本軸】示指、【移動軸】母指、【測定部位及び注意点】運動は手掌面とする。以下の手指の運動は、原則として手指の背側に角度計を当てる。設問の図の基本軸は、中指となっている。
4.〇 正しい。股外転の【基本軸】両側の上前腸骨棘を結ぶ線への垂直線、【移動軸】大腿中央線(膝蓋骨中心を結ぶ線)、【測定部位及び注意点】は、①背臥位で骨盤を固定する、②下肢は外旋しないようにする内転の場合は、反対側の下肢を屈曲挙上してその下を通して内転させる。
5.× 膝伸展の【基本軸】大腿骨、【移動軸】腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)、【測定部位及び注意点】屈曲は股関節を屈曲位で行う。設問の図は、基本軸と移動軸が「逆」になっている。設問の図は、太線(基本軸)が腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)になっており、細線(移動軸)が大腿骨になっている。
次の文により、2、3の問いに答えよ。
65歳の男性。右利き。右頭頂葉の脳梗塞による片麻痺。MMSE19/30点。Brunnstrom法ステージは上肢・手指、下肢ともにⅢ。回復期リハビリテーション病棟で作業療法が開始された。検査結果を下に示す。

2 この患者が作業療法を開始したときに観察されるのはどれか。
1.皿の右側の食物を残す。
2.左側からが起き上がりやすい。
3.車椅子駆動の際に左側によくぶつかる。
4.介助者が左側から誘導すると反応が良い。
5.作業療法室で人が多いと左側へ注意がそれる。
解答3
解説
検査結果は、BIT(Behavioural Inattention Test:行動性無視検査)」のうち、通常検査成績の結果である。
本症例は、右頭頂葉の脳梗塞、合計 32/146点であることから、左半側空間無視が疑われる。半側空間無視とは、障害側の対側への注意力が低下し、その空間が存在しないかのように振る舞う状態のことである。半盲のように左半分が見えないわけではなく、注意力が低下している。したがって、①左側への注意喚起、②左側身体への触覚刺激、③左側方向への体軸回旋運動、④左側からの声かけなどが挙げられる。
→BIT(Behavioural inattention test:行動性無視検査)は、①通常検査(線分抹消試験・文字抹消試験・星印抹消試験・模写試験・線分二等分試験・描画試験)と②行動検査(写真課題・電話課題・メニュー課題・音読課題・時計課題・硬貨課題・書写課題・地図課題・トランプ課題)がある。カットオフ点は、通常検査で131点/146点、行動検査で68点/81点である。
1.× 皿の「右側」ではなく左側の食物を残す。なぜなら、本症例は、左半側空間無視が疑われるため。
2.× 「左側」ではなく右側からが起き上がりやすい。なぜなら、本症例は、右頭頂葉梗塞で左片麻痺と左半側空間無視が疑われるため。非麻痺側を用いて起き上がりやすい。
3.〇 正しい。車椅子駆動の際に左側によくぶつかる。なぜなら、本症例は、右頭頂葉の脳梗塞、合計 32/146点であることから、左半側空間無視が疑われる。
4.× 介助者が「左側」ではなく右側から誘導すると反応が良い。なぜなら、本症例は、左半側空間無視が疑われるため。ただし、リハビリとして、①左側への注意喚起、②左側身体への触覚刺激、③左側方向への体軸回旋運動、④左側からの声かけなどが挙げられる。
5.× 作業療法室で人が多いと、「左側」ではなく右側へ注意がそれる。なぜなら、本症例は、左半側空間無視が疑われるため。左半側空間無視は、左側への注意力が低下している状態であるため、注意が散りやすい環境だと右側へ注意がそれやすい。
次の文により、2、3の問いに答えよ。
65歳の男性。右利き。右頭頂葉の脳梗塞による片麻痺。MMSE19/30点。Brunnstrom法ステージは上肢・手指、下肢ともにⅢ。回復期リハビリテーション病棟で作業療法が開始された。検査結果を下に示す。

3 この患者の作業療法で最も適切なのはどれか。
1.ペグ法
2.間隔伸長法
3.自己教示法
4.問題解決訓練
5.プリズム適応療法
解答5
解説
本症例は、右頭頂葉の脳梗塞、合計 32/146点であることから、左半側空間無視が疑われる。半側空間無視とは、障害側の対側への注意力が低下し、その空間が存在しないかのように振る舞う状態のことである。半盲のように左半分が見えないわけではなく、注意力が低下している。したがって、①左側への注意喚起、②左側身体への触覚刺激、③左側方向への体軸回旋運動、④左側からの声かけなどが挙げられる。
1.× ペグ法とは、掛け釘のことで、記憶すべき事柄を並んだペグに引っ掛けて覚えようとする記憶術である。例:自分の身体の部分に上から番号を振る(①頭、②目、③鼻)。覚えるものをそこに関連付けて記憶する。①電車:頭の中に電車がぐるぐる回っているイメージ、②懐中電灯:目からライトで照らしているイメージ、③ポット:鼻からお湯を出しているイメージである。
※ペグ法は、他にもペグボード(穴にペグを差し込む課題)があり、手指の巧緻性(細かい操作)や上肢機能の訓練、視覚運動協応、集中力などを目的に実施される。
2.× 間隔伸長法は、記憶の改善テクニックで認知症などに適応となる。
・間隔伸長法とは、記憶したい事柄に対する質問をするまでの時間を次第に長くして、記憶を保持する期間を延ばしていくことを目的とする手法である。
3.× 自己教示法は、認知行動療法の一つで、遂行機能障害にも適応となる。恐怖やネガティブな感情が湧出した際に、実際に声を出して、あるいは心の中で「リラックスしよう」「心配ない」などの言葉を自分自身にかける。自らの言葉で教示を与え、それが刺激となって自らの行動を変容させる方法である。
4.× 問題解決訓練は、実行機能障害(目標設定→計画→実行→振り返り)への介入で、日常生活で生じる「困りごと」に対して、患者自身が自立的に現実的な解決策を見つけ、実行できるように支援するアプローチである。
5.〇 正しい。プリズム適応療法が最も有効である。なぜなら、本症例は、左半側空間無視が疑われるため。プリズム適応療法は、半側空間無視に適応となる。視野を右にずらすプリズム眼鏡をかけ、目標物を指さす課題を繰り返すと、最初は正確な位置を指すのが難しいが、次第にプリズムによる視覚情報に適応し、正確な位置を指せるようになる。そして、プリズム眼鏡をはずすと、今度は逆に目標物よりも左側を指すようになる。この現象が、左半側空間無視の治療に応用される。ただし、脳卒中治療ガイドラインでは、プリズム適応療法は、グレードC1(十分な科学的根拠がないが、行うことを考慮しても良い。有効性が期待できる可能性がある。)である。
4 45歳の男性。交通事故による外傷性脳損傷で入院中である。運動麻痺はないが、会話中の内容が急に変わったり、段取り良く片付けができない。
作業療法士が高次脳機能障害の有無や程度を把握するために初期に行う評価で最も適切なのはどれか。
1.BIT
2.CAS
3.BADS
4.SLTA
5.HDS-R
解答3
解説
・45歳の男性(交通事故による外傷性脳損傷)。
・運動麻痺はない。
・会話中の内容が急に変わったり、段取り良く片付けができない。
→本症例は、遂行機能障害(前頭葉機能障害)が疑われる。初期に「有無や程度」を把握するのに遂行機能を系統的に評価できる評価を選択しよう。
【外傷性脳損傷後にみられやすい症状】
①覚醒度低下、②脱抑制、③自発性の低下、④注意力の低下、⑤記憶障害、⑥遂行機能障害、⑦病識の欠如がある。
他にも、失調や振戦、排尿障害などもみられやすい。
1.× BIT(Behavioural inattention test:行動性無視検査)は、半側空間無視を評価する検査であり、①通常検査(線分抹消試験・文字抹消試験・星印抹消試験・模写試験・線分二等分試験・描画試験)と②行動検査(写真課題・電話課題・メニュー課題・音読課題・時計課題・硬貨課題・書写課題・地図課題・トランプ課題)がある。カットオフ点は、通常検査で131点/146点、行動検査で68点/81点である。
2.× CAS(Clinical Assessment for Spontaneity)は、標準意欲評価法である。面接、質問紙法、日常生活行動、自由時間の日常行動観察、臨床的総合評価の項目で評価する。他覚的、自覚的(主観的)、行動観察的な視点からの評価を統合して、意欲の低下や自発性欠乏のレベルの評価を可能な限り定量的に行うことを試みている。
3.〇 正しい。BADSが、高次脳機能障害の有無や程度を把握するために初期に行う評価である。
・BADS(behavioural assessment of the dysexecutive syndrome)は、遂行機能障害症候群の行動評価である。カードや道具を用いた6種類の下位検査と1つの質問紙で構成されている。質問紙には合計20の質問があり、①感情・人格、②動機付け、③行動、④認知の4カテゴリーが5段階で評価される。検査項目は、【6種類の下位検査】①規則変換カード検査、②行為計画検査、③鍵探し検査、④時間判断検査、⑤動物園地図検査、⑥修正6要素検査である。下位検査は0~4点の5段階で点数化し24点満点で評価する。合計点数が88点以上で車の運転が可能となる。
4.× SLTA(Standard Language Test of Aphasia:標準失語症検査)は、失語症の検査である。26項目の下位検査での構成で、「聴く」「話す」「読む」「書く」「計算」について6段階で評価する。
5.× HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)とは、認知機能をみる質問紙法による簡易精神機能検査である。9項目の質問に答え、30点満点で20点以下を認知症の疑いとする。
5 5歳の男児。痙直型両麻痺の脳性麻痺と診断されており、保育園での着替えや遊びへの参加が制限されている。自宅でも食事やトイレなどの身辺動作で介助を要している。
この児のADL評価で最も適切なのはどれか。
1.MAS
2.MACS
3.PEDI
4.GMFCS
5.Southern California Sensory Integration Test〈SCSIT〉
解答3
解説
・5歳の男児(痙直型両麻痺の脳性麻痺)。
・保育園での着替えや遊びへの参加が制限されている。
・自宅でも食事やトイレなどの身辺動作で介助を要している。
→ADL評価を問われている。
1.× MAS(Modified Ashworth Scale)は、痙縮の程度を評価する尺度である。
【MASの判定基準】
0:筋緊張の亢進がない
1:軽度の筋緊張亢進があり、ひっかかりや可動域の終末でわずかな抵抗がある
1+:軽度の筋緊張亢進があり、ひっかかりと引き続く抵抗感が残りの可動域(1/2以内)にある
2:さらに亢進した筋緊張が可動域ほぼ全域にあるが、他動運動は可能
3:顕著な筋緊張亢進があり、他動運動は困難
4:他動運動では動かない。
2.× MACS(Manual ability classification system for children with cerebral palsy:脳性麻痺児の手指操作能力分類システム)は、脳性麻痺児が日常生活活動において物を操作する手指能力の評価法である。4歳から18歳までが対象で、5つのレベルに分類される。
3.〇 正しい。PEDIが、この児のADL評価に該当する。なぜなら、本児(5歳の男児、痙直型両麻痺の脳性麻痺)の日常生活動作(食事・トイレ・更衣・遊び参加など)と、機能的能力を評価する目的に、小児のADL/参加を包括的に測れるため。
・PEDI(Pediatric Evaluation of Disability Inventory:リハビリテーションのための子どもの能力低下評価法)は、セルフケア・移動・社会的機能の3つの領域の機能的スキルを評価するもので、生後6ヵ月から7歳6ヵ月までの児と、この年齢相当の機能レベルの年長児が対象の能力低下評価法である。
4.× GMFCS(gross motor function classification system、粗大運動能力分類システム)は、判別的な目的で使われる尺度である。子どもの座位能力、および移動能力を中心とした粗大運動能力をもとにして、6歳以降の年齢で最終的に到達するという以下5段階の機能レベルに重症度を分類している。
5.× Southern California Sensory Integration Test〈SCSIT、南カリフォルニア感覚統合検査〉は、協調運動の障害(感覚統合障害)を把握する際に用いられている検査である。17の検査から構成され、①視知覚系、②体性感覚系、③運動系とその他に大別される。遊びの要素を取り入れ、子どもが集中しやすい構成になっていることが特徴である。
